JIS B 0023:1996 製図―幾何公差表示方式―最大実体公差方式及び最小実体公差方式 | ページ 4

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7. ゼロ幾何公差方式
7.1 一般 5.1及び6.5に示す例では,公差は寸法と位置とに配分されている。特別の場合として,寸法
に対する全公差を割り当てて,ゼロ位置度公差を指示する。この場合には,寸法公差は増加され,前述の
寸法と位置公差との和になる。
したがって,図2の穴に対する図面指示は,図21(a)に示すようになり,図4のピンに対する図面指示は,
図21(b)に示すようになる。
図21(a) 図21(b)
図21(a)及び図21(b)の図面指示によれば,実寸法が最大許容寸法と最小許容寸法との間を変動するとき
には,位置度公差は 動してもよい。
“0M”の指示は,位置度公差以外の幾何公差特性に用いてもよい。
7.2 図面指示例
7.2.1 互いに関連する四つ穴
(a) 図面指示
図22
(b) 解釈 図22の図面指示によって,実効寸法は,最大実体寸法(穴の最小径)から与えられた位置度公
差を差し引いたものである。すなわち,
動的公差線図(図23参照)は,表2に示すように,形体寸法と理論的に正確な位置からの許容偏差
との間の関係を説明している。

――――― [JIS B 0023 pdf 16] ―――――

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表2 図23
図20に関する機能ゲージは,図22に示した部品の実効状態をも示す。両方の場合とも,形体の直
径は,それらの異なった寸法公差に応じて,別々に検査されなければならない。
7.2.2 互いに関連する四本のピン
(a) 図面指示
図24
(b) 解釈 図24の図面指示によって,実効寸法は,最大実体寸法(ピンの最大径)に与えられた位置度公
差を加えたものである。すなわち,
動的公差線図(図25参照)は,表3に示すように,形体の寸法と理論的に正確な位置からの許容偏
差との間の関係を説明している。

――――― [JIS B 0023 pdf 17] ―――――

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表3 図25
図26は,実効状態を表す機能ゲージを示す。
参考 機能ゲージの製作公差は,含まれていない。
図26
8. 公差付き形体及びデータム形体に Mを適用する場合の例
8.1 データム穴に関連する四つの穴の位置度公差
(a) 図面指示

――――― [JIS B 0023 pdf 18] ―――――

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図27(a)
参考 ISO 2692では,データムAに記号 Eを指示している。
(b) 機能上の要求事項 公差付き形体は,次の要求事項を満たさなければならない。
− 個々の形体の局部実寸法は,0.1の寸法公差内になければならず,したがって,
を変動してもよい[図27(b)及び図27(c)参照]。
− すべての公差付き形体は,実効状態の境界外,すなわち,これらの円筒のそれぞれが他の円筒に対
して理論的に正確な位置[正確に90°に,間隔32のパターンで配置された形,図27(b)及び図27(c)
参照]にあり,かつ,データムAの穴のはまり合う寸法が 湧Y 齏 であるときには[図
27(b)参照],データム軸直線に対して,理論的に正確な位置にある状態で, =
全形状の内接円筒外になければならない。
したがって,特別な場合には,個々の形体の軸線は,直径がその最大実体寸法
は, の公差域内になければならないが[図27(b)参照],それぞれの形体の直径がその
最小実体寸法 汝 域内で変動してもよい[図27(c)参照]。
− データム形体Aの実際の軸線は,データム形体の最大実体寸法から離れているときには,四つの形
体の位置の実効状態に関連して浮動してもよい。この浮動の値は,その最大実体寸法からデータム
形体のはまり合う寸法の離れた寸法分に等しい[図27(b)及び図27(c)参照]。
したがって,特別な場合には,データム形体Aの実際の軸線は,データム形体Aが完全形状の,最小実
体寸法 汝 域内を浮動してもよい[図27(c)参照]。
参考 データム形体には,記号 Eを指示したものと同じであると解釈する。

――――― [JIS B 0023 pdf 19] ―――――

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図27(b) 図27(c)
位置度公差は,データム形体に関連するだけでなく,互いに関連した四つの公差付き形体に適用する。
与えられた数値は,表4の第2欄に示す離れた量に等しい量が増加される。
データム形体の寸法に依存する付加的な位置度公差は(データムについての最大実体状態のため),デー
タム形体に関連するグループ公差として公差付き形体に適用するが,互いに関連する公差付き形体には適
用しない。すなわち,データムは,公差付き形体に関連して浮動してもよい(数値については,表4参照)。
表4
単位 mm
公差付き穴の直径 個々の公差付きデータム穴の直径 データム形体の浮動領域
形体の位置度公差
8.1 MMS 0.1 10 MMS 0
8.12 0.12 10.05 0.05
8.14 0.14 10.1 0.1
8.16 0.16 10.15 0.15
8.18 0.18 10.2 LMS 0.2
8.2 LMS 0.2
表4の第2欄及び第4欄の値の幾つかの組合せが生じる。第2欄及び第4欄の値は,それぞれ意味が異
なるので,単純に加算することはできない。特別の組合せの例を表5に示す。
表5
公差付き形体の公差域 0.1 0.2 0.1 0.2
データム形体の公差域 0 0 0.2 0.2
公差域図
図28は,実効状態を表す機能ゲージを示す。
参考 機能ゲージの製作公差は,含まれていない。

――――― [JIS B 0023 pdf 20] ―――――

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JIS B 0023:1996の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 2692:1988(IDT)
  • ISO 2692:1988/AMENDMENT 1:1992(IDT)

JIS B 0023:1996の国際規格 ICS 分類一覧