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B 0090-12 : 2012 (ISO 10110-12 : 2007)
2次曲面
x2 y2 z2 1 (1)
a2 b2 c2
ここに, a,b : 実数又は虚数の定数
c : 実数の定数
放物面
x2 y2
2z 0 (2)
a2 b2
ここに, a,b : 実数又は虚数の定数
式(1)及び式(2)の標準形に基づき,3.1.1で与えた座標系において,2次曲面及び放物面は,式(3)で表す。
Rx2 y2
X RY
z f x, y (3)
2 2
Rx y
1 1 1 X 1 Y
X RY
ここに, RX : XZ平面上における曲率半径
RY : YZ平面上における曲率半径
κX,κY : 円すい定数
曲率半径の代わりに曲率CX=1/RX及びCY=1/RYを用いると,式(4)で表すことができる。
x2CX y2CY
z f x, y (4)
2
1 1 1 X xCX 1 Y yCY
式(3)又は式(4)の面がXZ平面(y=0)又はYZ平面(x=0)と交差すると,κY(又はκX)の値に従って,
次の種類の交線が生じる。
κ>0 : へん平だ円(扁平楕円)
κ=0 : 円
−1<κ<0 : へん長だ円(扁長楕円)
κ=−1 : 放物線
κ<−1 : 双曲線
式(3)及び式(4)の特別な場合を,次に示す。
a) 回転対称面
1) 曲率半径による記述 R=RX=RY,κ=κX=κY及びh2=x2+y2のとき,式(3)は,式(5)で表す。
z fh h2 (5)
2
R1 1 1 Rh
2) 曲率による記述 C=CX=CY,κ=κX=κY及びh2=x2+y2のとき,式(4)は,式(6)で表す。
z fh h2C (6)
1 1 1 h2C2
式(5)及び式(6)は,Z軸回りに回転対称な面を記述する。
b) 円筒面
1) 曲率半径による記述 RX=∞又はRY=∞のとき,式(3)は,式(7)で表す。
――――― [JIS B 0090-12 pdf 6] ―――――
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B 0090-12 : 2012 (ISO 10110-12 : 2007)
z fu u2 (7)
2
RU 1 1 1 Ru
U
U
2) 曲率による記述 CX=0又はCY=0のとき,式(4)は,式(8)で表す。
u2CU
z fu (8)
2 2
1 1 1 U u CU
式(7)及び式(8)は,円筒面を記述する(κUによって,断面は必ずしも円形とは限らない。)。円筒軸は,
u=xのときXZ平面に垂直であり,u=yのときYZ平面に垂直である。
3.3.1.2 円すい面
円すい面の標準形は,式(9)で表す。
x2 y2 z2 0 (9)
a2 b2 c2
ここに, a,b : 虚数の定数
c : 実数の定数
式(9)の標準形に基づき,3.1.1で与えた座標系において,円すい面は,式(10)で表すことができる。ただ
しこの場合,a,b及びcは全て実数の定数とする。
x2 y2
z f (x, y)
c (10)
a2 b2
式(10)は,a≠bのとき,Z軸に垂直な断面はだ円であり,a=bのとき,Z軸に垂直な断面は円であり,
その先端が原点にあるすい面を表す。
3.3.2 高次の面
3.3.2.1 多項式
多項式面は,式(11)で表す。
3 3
z A4x4
f (x, y) B4 y4 A6x6 B6 y6 ...C3 x ...D3 y ...(11)
式(11)に,h2=x2+y2を用いた場合を次に示す。
z f (h) A3h3 A4h4 A5h5 ... (12)
式(12)は,回転対称多項式面を表しており,シュミット面とも呼ばれている(一般的には,シュミット
補正板として知られている。)。
3.3.2.2 トーリック面
トーリック面は,面内の,任意の定義曲線を,同一面内に存在する軸の回りに回転することによって生
成する。
XZ面内の定義曲線がz=g(x)のとき,回転軸がX軸に平行なトーリック面は,式(13)で表す。
2
z f x, y RY RY gx y2 (13)
ここに,RYは,回転軸がZ軸と交差するZ座標である。
この規格の目的に対しては,式(14)は,式(3)においてy=0と設定することによって得られる。
――――― [JIS B 0090-12 pdf 7] ―――――
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B 0090-12 : 2012 (ISO 10110-12 : 2007)
gx x2 (14)
2
RX 1 1 1 Rx
X
X
YZ面内にその定義曲線があり,また,その回転軸がY軸に平行なトーリック面の式は,式(13)及び式(14)
において,xをy,RXをRY,及び 堰 桎 換することによって得られる。
半径RXの円である定義曲線は,式(14)に 0を代入し,式(15)で表す。
2
gx RX 1 1 x (15)
RX
トーリック面は,式(13)に式(15)を代入し,式(16)で表す。
2
2
z f x, y RY RY RX RX 1 x y2 (16)
RX
3.3.2.3 基礎式とべき級数との和
必要ならば面形状は,基礎式f (x, y)とべき級数f1(x, y)との和に変形できる(附属書A参照)。そのとき面
は,式(17)で表される。
z f x, y f1 x, (17)
ここで,f (x, y)は,式(3)若しくは式(4),又は式(10)に従う基礎式を表している。
トーリック面においても同様に定義曲線g(x)は,べき級数g1(x)との和に変形できる(附属書A参照)。
f1(x, y)及びg1(x)の中の係数の符号は,3.1.1及び3.1.2で定義した約束に従うことに注意を払わなければ
ならない。Z軸の方向が反転する場合は,半径及び曲率並びに係数の符号を変更する。円すい係数の符号
は変更しない。
4 図面内の表示
4.1 理論面の表示
非球面レンズ又は非球面ミラーは,非球面の種類を図面中の半径の表示位置に示す。
式(17)においてf1(x, y)≠0の場合は,“非球面”と表示する。また,f1(x, y)=0の場合は,非球面のタイプ
(例えば,“トーリック面”,“放物面”など)を表示する(JIS B 0090-1参照)。
非球面を記述する式は,円形の断面をもつ円柱面の場合を除いて注記として表示する。
曲率半径は,3.1.2に従って符号を表示する。
非球面が基礎式とべき級数との和で表される場合は,十分な精度をもつ数値で示した変位量を表形式で
図面の中に示さなければならない(図2参照)。
4.2 表面形状公差の表示
表面形状公差は,次のいずれかによって表示する。
a) IS B 0021による。
b) IS B 0090-5による。
c) の許容偏差,すなわち,表示した式によるzの公称値と加工部品の実際の値との差を規定する表形
式で示す(図2参照)。
注記1 干渉計測定によるΔzの値は,面の局部法線に沿って測定する。
――――― [JIS B 0090-12 pdf 8] ―――――
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B 0090-12 : 2012 (ISO 10110-12 : 2007)
一般的に使用する超精密切削加工による非球面生成において局部的なうねりが発生するため,a) c)の
いずれの場合も,表面うねりの許容値に関連する傾斜偏差の公差を付加的に規定することが望ましい。
局部傾斜偏差は,理論面の局部法線と実表面の局部法線とのなす角度の偏差である。
局部傾斜偏差はいかなる場合でも,基準長さにおける平均値として扱う。基準長さは,傾斜量を計算す
る被検面上の横断長さである。
注記2 局部傾斜を求める式は,JIS B 0601の3.2.9を参照。
面全体の傾斜偏差は,局部傾斜偏差の最大値又はRMS値で規定できる。最大傾斜偏差は,全面での傾
斜偏差の最大値である。RMS傾斜偏差は,全面での傾斜偏差の2乗和の平方根である。
傾斜公差を規定する場合は,基準長さ及びデータサンプリング間隔も同様に図面に表示しなければなら
ない。
注記3 局部傾斜偏差は,データサンプリング間隔に大きく依存することに注意が必要である(JIS
B 0601の3.2.9参照)。
形状公差及び傾斜公差の両者共に,異なる断面で異なる数値になってもよい(図4及び図5参照)。
4.3 偏心公差の表示
偏心公差の表示は,JIS B 0021又はJIS B 0090-6のいずれかによる。
4.4 表面欠陥及び面の肌の表示
表面欠陥,並びに粗さと形状の中間空間周波数帯域であるリップル及び面の肌の仕様の表示は,それぞ
れJIS B 0090-7及びJIS B 0090-8による。
5 例
5.1 対称的な非球面をもち,機械的な軸と光軸とが一致する部品
図2 a)において,データム軸は,JIS B 0090-6に従って球面の曲率中心及び右の面の中心点を通ってい
る。非球面の形状公差は,表の形で与える。 与えられたh座標に対するz方向のmmで表した最大
許容偏差である。さらに,局部傾斜公差も表示してある。
JIS B 0021に従って偏心公差は,非球面の円周振れ(軸方向)の最大許容値を示している。また,JIS B
0090-6に従って傾き角の最大許容値を示すこともできる。
図2 b)に図2 a)と幾何学的に同じ形状で反転した(非球面は右側の面)非球面レンズを示す。曲率半径R
とその係数Aiの符号が変化していることに注意する。結果的に変位量(zの値)も同様に符号が変化する。
――――― [JIS B 0090-12 pdf 9] ―――――
8
B 0090-12 : 2012 (ISO 10110-12 : 2007)
単位 mm
1 非球面
5
z h2 A2ih2i
R1 1 1( ) h2 / R2
i 2
注a) 偏心公差の代替表示
h z 稀 局部傾斜公差 R=56.031
0.0 0.000 0.000 0.3′ κ=−3
5.0 0.219 4 0.002 0.5′ A4=−0.432 64E−05
10.0 0.825 3 0.004 0.5′ A6=−0.976 14E−08
15.0 1.600 5 0.006 0.8′ A8=−0.108 52E−11
19.0 1.938 1 0.008 1.0′ A10=−0.122 84E−13
基準長さ=1
データサンプリング間隔0.1
a) 回転対称非球面をもつレンズ
図2−回転対称な非球面レンズ
――――― [JIS B 0090-12 pdf 10] ―――――
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JIS B 0090-12:2012の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 10110-12:2007(IDT)
JIS B 0090-12:2012の国際規格 ICS 分類一覧
- 01 : 総論.用語.標準化.ドキュメンテーション > 01.100 : 工業製図 > 01.100.20 : 機械工学製図
JIS B 0090-12:2012の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISB0021:1998
- 製品の幾何特性仕様(GPS)―幾何公差表示方式―形状,姿勢,位置及び振れの公差表示方式
- JISB0090-5:2010
- 光学素子及び光学システム用の製図手法―第5部:表面形状公差
- JISB0090-6:2001
- 光学素子及びシステム用の製図手法―第6部:偏心公差
- JISB0090-6:2021
- 光学素子及び光学システム用の製図手法―第6部:偏心公差
- JISB0090-7:2012
- 光学素子及び光学システム用の製図手法―第7部:表面欠陥
- JISB0090-7:2021
- 光学素子及び光学システム用の製図手法―第7部:表面欠陥
- JISB0090-8:2013
- 光学素子及び光学システム用の製図手法―第8部:表面性状(粗さ及びうねり)