JIS B 1562:2021 転がり軸受―損傷及び故障―用語,特性及び原因 | ページ 6

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B 1562 : 2021 (ISO 15243 : 2017)
表A.2に,評価を基にした一般的な故障モードと原因との一般的な関係を示す。
外観上の特徴だけで故障の原因が特定できない場合は,部品の切断などを伴うこともある専門家による
調査が必要となるが,それについてはA.3を参照。
表A.1−軸受取外し前後の証拠収集の系統的手順
はじめに 軸受·使用状況の証拠 運転又は組込み履歴
- この表を用いて,系統的に 軸受外観 組込み前情報(過去の問題)
最も信頼性の高い結果を - さび,圧痕,変形 - 正規品·補修品,軸受選定,包装,供給元,保管,輸送
得ることが可能である。 など
- 原因が特定できないとき 組込み時記録(過去の問題)
- 組込みマニュアル,問題発生報告書,
は,製造業者に相談する。 組込み不能
組込み作業報告書 など
初期情報 運転状況 使用条件(設計情報)
- 音·振動 - 駆動方式(軸,歯車など),使用箇所
軸受形式,呼び番号,銘柄 - 昇温 - 性能及び補修基準,運転パターン
問題発生時期,取外し時期 - 潤滑剤漏れ など - 電流の通過又は影響,周囲温度及び環境
- 軸受組込み前 - 潤滑剤,潤滑方法,密封方式
軸受自体に問題がある - 荷重,回転数(変動有無),軸受配列(固
運転停止前後の状況
- 軸受組込み時の問題 定側又は自由側) 他
- 音·振動
はめあい,軸受選定
- 昇温
- 軸受組込み後 兆候 運転記録 基本適合性
- 潤滑剤劣化
初期機能確認,試運転時の - 回転数過大 - 運転時間·環境- 軸受形式
- 精度低下
問題,初期故障 - 過大荷重 - 潤滑状況 - 組込み
- すきま増大
- 軸受運転時 - 温度上昇 - 潤滑
(補充·交換),
- 回転トルク上昇·低下
機能低下,停止 - 取付け位置 異物の混入
- 回転不良·焼付き
のずれ - 運転 など まとめ
- その他不具合·損傷
内部調査の記録及び写真撮影 軸受を分解し,詳細 軸受現品の分解前調査
な内部調査を実施。
内輪·外輪軌道面c) 分解洗浄の前に返却時の外観写真及び状況を
(可能なら切断しない
- 外観,転走跡,圧痕,変色,異物
ことが望ましい) 記録する。a)
付着 など
転動体(列ごと)c) - 潤滑剤又は防せい(錆)の状況
- 外観,圧痕,変色,転走跡 など 回転調子の調査b) - 外観上の腐食,軸受の表面損傷の状況
保持器(列ごと)c) - 軸受の呼び番号表示
- 形式,設計,材料,状況,損傷の 軸受回転調子の見極め - 軸受は分解状態か非分解か
有無,残留潤滑剤 - 相手側の部品が取り付けられた状態か
- 列ごとの状況 など - 潤滑剤の付着状態,又は拭き取ってあるか
- 円滑に回転する - 使用中又は停止後の腐食状況
- 回転はするが滑ら - はめあい又は分解時の形跡·損傷の有無
シール·シールド板の状況(あれば) かではない
- 形式,設計,外観 - 滑り又は衝撃の兆候の有無
- 摩耗,摩滅,熱の影響の有無など - はめあい径及び軸受内部すきま など
可能なら振動測定 軸受現品及び周辺部品の関係
潤滑剤 - 内輪と軸,及び外輪とハウジングとのはめあ
- 種類,色,量 - 回転時に引っかかりが い状況
- 補充状況 ある - 軸受現品の組込み方向
- 潤滑剤サンプルの採取 - 保持器又は転動体の破
- 異物の組成,サイズ など 損によって回転が阻害
- 焼付いて回転が不能
その他の関係部品
- 関係部位の状況 など
注a) 各段階で調査結果に影響を与えないように,可能な限り配慮する。
b) 無潤滑状態で軸受を回転させると,修復が不能な損傷を与えることがある。
c) 各転動体と保持器,軌道面の関連を記録する。

――――― [JIS B 1562 pdf 26] ―――――

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B 1562 : 2021 (ISO 15243 : 2017)
表A.2−軸受の故障モード及び原因
破損原因
潤滑剤·潤滑 運転条件·整備 設計·周辺部品
取扱い·組込み 軸受製造
潤潤粘潤潤固液静荷回回急荷振電熱整
オ 保輸内ラミ組軸不は密 材
熱 機取
滑滑度滑滑形体荷重転転加重動流影備
イ 管送部ジス込·均め封 料
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剤剤不剤剤異異重不数数減·負通響不
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か? か? るか? 大 ま 設ア 法道き不 送
り 定ル 形輪ま適
不予 状支不
良圧 持適


この規格で
の箇条
スポーリング 5.1.2
○ ○○○ ○ ○ ○ ○○○ ○○
内部疲労
微小スポーリング 5.1.3
○ ○○○○○○ ○ ○○ ○ ○○
表面起点疲労
凝着摩耗 5.2.2
○ ○○○○ ○○
アブレシブ摩耗
相手部品との接触痕 ○ 5.5.2
スミアリング 5.2.3
○ ○○○ ○○○○○ ○ ○
焼き付き
欠け傷 ○○ 5.5.2
さび、腐食 ○ ○ ○ ○ 5.3.2
擬似ブリネル圧痕
○ ○ ○ 5.3.3.3
クレータ 5.4.2/5.4.3

フルーチング
塑性変形 ○ ○ 5.5.2
異物噛み込み圧痕 ○ ○○ ○ 5.5.3
ブリネル圧痕 ○ ○○ ○ 5.5.2
軌道輪 ○5.5.2
打痕、引っかき傷 ○ ○
強制破壊 ○ 5.6.2
疲労破壊 ○ 5.6.3
転走痕 ○ ○○○ ○○ ○ ○ ○ 5.2.2
鏡面状の外観
○ ○○○ ○ 5.2.2
着色(熱影響)
○○ ○○ ○ ○ ○○○ 5.2.3
スミアリング 5.2.3
○ ○○○ ○ ○ ○○ ○○○
焼き付き
つば部さび、腐食 ○ ○ ○ ○ ○5.3.2
強制破壊 ○ ○ 5.6.2
フレッチング 5.3.3.2
○ ○○ ○ ○ ○
赤色の外観
クリープ 5.2.2
○ ○
鏡面状外観
はめあい面
さび、腐食 ○ ○ ○ ○ ○5.3.2
熱亀裂 ○ ○ 5.6.4
スポーリング 5.1.2
○ ○○ ○ ○ ○○○ ○
内部疲労
微小スポーリング 5.1.3
○ ○○ ○○ ○○ ○
表面起点疲労
凝着摩耗 5.2.2
○ ○○ ○ ○○ ○
アブレシブ摩耗
転がり接触部
スミアリング 5.2.3
○ ○○○ ○○ ○○ ○
焼き付き
転動体
クレータ 5.4.2/5.4.3

フルーチング
さび、腐食 ○ ○ ○ ○ 5.3.2
スミアリング
焼き付き ○ ○○○ ○ ○ ○○○ 5.2.3
端面 スカッフィング
アブレシブ摩耗
○ ○○○ ○○ ○○ ○ 5.2.2
疲労破壊 ○ 5.6.3
円環部
案内面の摩耗
○ ○○○○○ ○ ○ ○ ○ 5.2.2
保持器 アブレシブ摩耗
○ ○○○○○ ○○ 5.2.2
ポケット
又は柱
疲労破壊 ○ ○○ ○ ○ ○○ 5.6.3
リベット
疲労破壊 ○ ○○ ○ ○ ○○ 5.6.3
本体 変形 ○ ○5.5.2
シール又は
シールド板
リップ部
アブレシブ摩耗 ○ ○ 5.2.2

――――― [JIS B 1562 pdf 27] ―――――

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B 1562 : 2021 (ISO 15243 : 2017)
A.1.3 接触跡
A.1.3.1 一般
故障解析を実施する上で,接触跡,特に軸受運転時の軌道面の転走跡を正しく解釈することが重要であ
る。転走跡には,荷重,運転すきま及びミスアライメントの影響が,明確に現れることが多い。一般的な
軸受形式及び使用条件における典型的な転走跡を,図A.1図A.11に示す。
なお,図中で,点接触は玉軸受の例を,線接触はころ軸受の例を示す。
A.1.3.2 ラジアル軸受
内輪 : 転走跡は,軌道中央部の全円周上に見られ,幅は均一である。
外輪 : 転走跡は,軌道中央部に見られ,荷重のかかる方向で最も幅が広く,荷重のかかる方向から離れるに従って,
円周上でテーパ状に狭くなる。標準的に使うはめあい及び普通すきまの場合,転走跡は,軌道の全周の半分よ
りも少ない範囲に見られる。
注記 この転走跡は,転がり軸受が正常に使用されたことを示している。
図A.1−一方向ラジアル荷重の場合(内輪回転−外輪静止)
内輪 : 転走跡は,軌道中央部に見られ,荷重のかかる方向で最も幅が広く,荷重のかかる方向から離れるに従って,
円周上でテーパ状に狭くなる。標準的に使うはめあい及び普通すきまの場合,転走跡は,軌道の全周の半分よ
りも少ない範囲に見られる。
外輪 : 転走跡は,軌道中央部の全円周上に見られ,幅は均一である。
注記 この転走跡は,転がり軸受が正常に使用されたことを示している。
図A.2−一方向ラジアル荷重の場合(内輪静止−外輪回転)

――――― [JIS B 1562 pdf 28] ―――――

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B 1562 : 2021 (ISO 15243 : 2017)
内輪 : 転走跡は,軌道中央部の全円周上に見られ,幅は均一である。
外輪 : 転走跡は,軌道中央部で,全円周上に見られる場合と,一部不連続になっている場合とがある。転走跡は,荷
重のかかる方向で最も幅が広い。
注記 この転走跡は,転がり軸受が正常に使用されたことを示している。
注a) 転がり軸受にしめしろを与えて組込み,内輪が膨張又は外輪が収縮して内部すきまがゼロ又は負のすきまにな
った状態。
図A.3−一方向ラジアル荷重でラジアル予圧a)の場合(内輪回転−外輪静止)
内輪·外輪 : 転走跡は,アキシアル荷重のかかる方向に偏り,両軌道面の全円周上に見られ,幅は均一である。
注記 この転走跡は,転がり軸受が正常に使用されたことを示している。
図A.4−一方向アキシアル荷重の場合(内輪回転及び/又は外輪回転)

――――― [JIS B 1562 pdf 29] ―――――

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B 1562 : 2021 (ISO 15243 : 2017)
内輪 : 転走跡は,アキシアル荷重のかかる方向に偏り,軌道面の全円周上に見られ,幅は均一である。
外輪 : 転走跡は,アキシアル荷重のかかる方向に偏り,荷重のかかる方向で最も幅が広く,全円周上に見られる場合
と,一部不連続になっている場合とがある。
注記 この転走跡は,転がり軸受が正常に使用されたことを示している。
図A.5−一方向ラジアル荷重及び一方向アキシアル荷重(合成荷重)の場合(内輪回転−外輪静止)
内輪 : 転走跡は,軌道中央部の全円周上に見られ,幅は均一で図A.1よりも広い。
外輪 : 転走跡は,対角線上に傾いて,幅が変化している。
注記 この転走跡は,転がり軸受が正常に使用されなかったことを示している。
図A.6−外輪がハウジングに対して傾いた場合(内輪回転−外輪静止)

――――― [JIS B 1562 pdf 30] ―――――

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JIS B 1562:2021の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 15243:2017(IDT)

JIS B 1562:2021の国際規格 ICS 分類一覧

JIS B 1562:2021の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISB0104:1991
転がり軸受用語