この規格ページの目次
3
B 6190-10 : 2018 (ISO 230-10 : 2016)
3.1 一般用語
3.1.1
機械座標系,MCS(machine coordinate system)
工作機械の物理的又は計算上の軸に対して固定された座標系。
(出典 : JIS B 7440-1の2.5を一部修正)
3.1.2
ワーク座標系,WCS(workpiece coordinate system)
工作物に対して固定された座標系。
(出典 : JIS B 7440-1の2.4参照)
3.1.3
測定空間(measuring volume)
工作機械上で測定可能な全ての線形座標を取り囲む三次元空間。
(出典 : JIS B 7440-1の2.3を修正)
3.2 プロービングシステムに関する用語
3.2.1
プローブ(probe)
形体を検出し,プロービング中に信号を発生する装置。
(出典 : JIS B 7440-1の3.1を一部修正)
注記1 工作機械上で使用できるプローブは数種類あり,それらは,同じ目的が達成できるが,技術
は異なる。
注記2 プローブは,“スイッチング”式又は“比例”式がある。これらは,接触及び非接触のいずれ
でも利用できる。ただし,非接触プロービングシステムは,この規格の適用範囲外である。
3.2.1.1
スイッチングプローブ(switching probe)
測定(検出)される表面と接触した結果としてバイナリ信号を出力するプローブ。
3.2.1.2
比例プローブ(proportional probe)
スタイラスチップの変位に比例する信号(アナログ又はデジタル)を出力するプローブ。
3.2.1.3
接触プローブ(contacting probe)
測定(検出)する表面との接触を必要とするプローブ。
(出典 : JIS B 7440-1の3.2を一部修正)
例 電気回路短絡,ひずみゲージ。
注記1 接触させるために適用する接触速度は,接触プローブの性能に影響を及ぼす。適切な接触速
度は,製造業者の説明書に記載されている。
注記2 最も良い接触プローブの性能を得るためには,測定中に適用する接触速度は,プローブのパ
ラメータ設定中に適用された速度と同じ速度がよい。
3.2.1.4
非接触プローブ(non-contacting probe)
測定する表面との接触を必要としないプローブ。
――――― [JIS B 6190-10 pdf 6] ―――――
4
B 6190-10 : 2018 (ISO 230-10 : 2016)
(出典 : JIS B 7440-1の3.3を一部修正)
例 光学・レーザシステム,誘導式及び静電容量式。
注記 非接触プローブは,この規格の適用範囲ではない。
3.2.2
プロービングシステム(probing system)
適切な数値制御工作機械と接続して使用する場合には,プローブ(3.2.1),信号伝達系(例えば,光学式,
無線式,有線式),信号処理装置,プロービング装置,プロービングソフトウエア,場合によっては,プロ
ーブエキステンション,プローブ交換システム,スタイラス及びスタイラスエキステンションから構成さ
れるシステム。
(出典 : JIS B 7440-1の2.6を一部修正)
注記 この規格に規定する試験は,図2に示すような工作機械主軸の軸平均線に平行な1本のスタイ
ラスシステム及び接触プローブから構成されたプロービングシステムについて行う。複数のス
タイラス(図3参照)を備えたスタイラスシステムで使用するアプリケーション及び測定が
WCSに関して主軸の軸平均線の複数の向きを使用して実行するアプリケーションについては,
JIS B 7440-5に規定する追加の試験を行う必要がある。
3.2.3
プロービングシステムのパラメータ設定(probing system qualification)
その後の測定に必要な(製造業者の説明書に基づき)プロービングシステムのパラメータを確定する作
業。
(出典 : JIS B 7440-1の3.7を一部修正)
注記1 MCSに対して実効スタイラスチップ直径(3.2.5参照)及びスタイラスチップの中心位置は,
プロービングシステムのパラメータ設定を行う代表的なパラメータである。
注記2 製造業者の説明書には,“プロービングシステムの校正”という表現でプロービングシステム
のパラメータ設定に言及しているものがあるが,この表現は適切ではない。
3.2.4
プリトラベル(pre-travel)
測定(検出)する表面とプローブスタイラスとが最初に接触を起こす点とプローブ信号が発生する点と
の距離。
注記1 プリトラベルは,プローブの構造,検出の方向,速度,スイッチング力,スタイラスシステ
ムの長さ・コンプライアンス,検出信号と工作機械位置検出器の出力との間の時間遅れなど
の影響を受ける。
注記2 プリトラベル変動は,指定されたプロービング条件下での最も重要なプロービングシステム
の特性である。
注記3 プロービングシステムのパラメータ設定方法の中には,プロービングシステムのプリトラベ
ル変動の影響をかなり減らすことができるものがある。
3.2.5
実効スタイラスチップ直径(effective stylus tip diameter)
実効スタイラスチップ寸法(effective stylus tip size)
測定された形体の寸法などを補正するためにプロービングソフトウエアで使用するスタイラスチップの
寸法。
――――― [JIS B 6190-10 pdf 7] ―――――
5
B 6190-10 : 2018 (ISO 230-10 : 2016)
注記 実効スタイラスチップ直径(寸法)は,プロービングシステムの性能に関係し,単にスタイラ
スチップ寸法の測定によって決定するよりも,むしろプロービングシステムの適切なパラメー
タ設定によって決定する。
3.2.6
スタイラスチップ(接触子)(stylus tip)
測定対象物と接触する物理的な要素。
(出典 : JIS B 7440-1の4.2を一部修正)
注記 スタイラスチップは,球,円筒,円板,円すいなどである。
3.2.7
スタイラスシステム(stylus system)
スタイラス及びスタイラスエキステンションから構成されたシステム。
(出典 : JIS B 7440-1の4.4を一部修正)
注記 スタイラスエキステンションは,スタイラスシステムの剛性を低下させ,プロービングシステ
ムの性能に悪い影響を与えるおそれがある。そのため,性能試験は,特に関心のあるスタイラ
スエキステンションを用いて行う。
3.2.8
スタイラスシステム長(stylus system length)
球状をしたスタイラスチップの場合は,スタイラスチップの中心からスタイラスシステムの肩までの距
離(図1参照)。
a スタイラスシステム長
図1−スタイラスシステム長
3.2.9
プロービング工具(probing tool)
工具保持具に取り付けられたプローブ及びスタイラスシステムから構成された装置(図2参照)。
3.2.10
プロービング工具長(probing-tool length)
スタイラスチップの最も突き出た点からプロービング工具に接続する工作機械主軸の基準面又はゲージ
面までの距離。
注記1 図2参照。
注記2 プロービングシステムの中には,スタイラスチップの中心からプロービング工具に接続する
工作機械主軸の基準面までの距離をプロービング工具長としているものがある。
注記3 7/24テーパシャンクホルダについては,主軸の基準面は,主軸テーパ穴のゲージ面である。
その他の工具保持具(例えば,HSKシャンク)については,主軸の基準面は,主軸端面にあ
る。
注記4 プロービング工具長は,製造業者の説明書による。
――――― [JIS B 6190-10 pdf 8] ―――――
6
B 6190-10 : 2018 (ISO 230-10 : 2016)
1 主軸
2 工具保持具
3 プローブ
4 スタイラス
L プロービング工具長
図2−プロービング工具長
3.2.11
スタイラスチップオフセット(stylus tip offset)
スタイラスチップの中心からプロービング工具を取り付けている主軸の軸平均線までの有効距離。
(出典 : JIS B 7440-1の4.6を修正)
3.3 プロービングに関係する用語
3.3.1
プロービング(probing)
プロービングする(probe)
値(例えば,座標値,長さ,真偽値)を決定する測定動作。
(出典 : JIS B 7440-1の2.7を修正)
注記1 切削工具の測定に関係するプロービングは,必ずしも座標値を決定するわけではない。
注記2 工具折損に関係するプロービングは,真偽の状態の決定をする。
3.3.1.1
一次元プロービング(1D probing)
一度にMCSの一つの軸又はWCSの一つの軸に平行なプロービング動作を行う測定。
注記 一次元(距離)の測定能力は,接触プローブの能力だけでなく,プロービングシステム性能に
も関係する。
3.3.1.2
二次元プロービング(2D probing)
一平面内の一つのベクトルに平行なプロービング動作を行う測定。
注記1 −X,+X,−Y,+Y,−Z方向及びこれらの方向のどの組合せでも操作できる代表的な接
触プローブは,2.5次元プローブともいう。この接触プローブは,+Z方向の測定はできない
(又はかなり限定される。)。
注記2 +Z方向における測定は,図3に示すような複数のスタイラスを備えたスタイラスシステム
を使用して行うことができる。図3に示すスタイラスチップ2(+Z方向における動作)は,
工作物表面に接触し,プローブに−Z方向のたわみ信号が発生する。
注記3 スタイラスチップ1及びスタイラスチップ2の個々のパラメータ設定及び試験方法は,JIS B
7440-5による。
――――― [JIS B 6190-10 pdf 9] ―――――
7
B 6190-10 : 2018 (ISO 230-10 : 2016)
1 スタイラスチップ1
2 スタイラスチップ2
3 主軸
4 工具保持具
5 プローブ
6 工作物
図3−二つのスタイラスを備えたプロービング工具
3.3.1.3
三次元プロービング(3D probing)
空間内の任意のベクトルに平行なプロービング動作を行う測定。
3.3.2
プロービングの繰返し性(probing repeatability)
同じ試験条件下で,同じプロービング量を繰り返して適用したときに,プロービングシステムによって
得られた座標値のばらつきの程度。
注記1 この定義は,この規格の適用範囲及び試験中のプロービングシステムに適用する。他の規格
において定義された計量特性に関連付けられている一般的な定義まで拡張しない。
注記2 プロービングの繰返し性は,測定値の標準偏差又は測定値の範囲で定量的に表すことができ
る。
注記3 プロービングの繰返し性は,プロービングシステム全体に関係していて,プローブの製造業
者のハンドブックに定義されているような“プローブの繰返し性”とは比較できない。
3.3.3
プロービング誤差(probing error),PFTU
球形をした基準器の半径を工作機械に搭載したシングルスタイラスシステムで測定したときの誤差の範
囲。
注記1 記号PFTUは,JIS B 7440-5の3.6及び3.9から採用。文字Pは,誤差が主としてプロービン
グシステム(Probing system)の性能と関係していることを示し,文字Fは,形状誤差(Feature
error)であることを示す。また,文字Tは,接触(Tactile)プロービングシステムを示し,
文字Uは,シングル(Unique)スタイラスを使用することを示す。
注記2 二次元プロービング用の代表的な基準器は,形状の校正されたリングである。代表的な三次
元プロービング用の基準器は,形状が校正済みの球である。
注記3 二次元プロービング誤差及び三次元プロービング誤差の試験は,それぞれ6.5及び6.6による。
3.4 スキャニングプローブに関係する用語(附属書B参照)
3.4.1
静止位置(rest position)
静止していて,表面との接触によってたわんでいないときのプローブのスタイラスチップの中心の位置。
――――― [JIS B 6190-10 pdf 10] ―――――
次のページ PDF 11
JIS B 6190-10:2018の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 230-10:2016(IDT)
JIS B 6190-10:2018の国際規格 ICS 分類一覧
JIS B 6190-10:2018の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISB6190-1:2016
- 工作機械試験方法通則―第1部:幾何精度試験
- JISB6190-2:2016
- 工作機械試験方法通則―第2部:数値制御による位置決め精度試験
- JISB6190-3:2014
- 工作機械試験方法通則―第3部:熱変形試験
- JISB7440-5:2013
- 製品の幾何特性仕様(GPS)―座標測定機(CMM)の受入検査及び定期検査―第5部:シングル及びマルチスタイラス測定