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B 6190-1 : 2016 (ISO 230-1 : 2012)
注記 回転軸の誤差運動は,ほとんどの場合,測定結果に含まれる。
12.5.2 外面
変位計の測定子を測定対象とする回転面に当てて,主軸をゆっくり回しながら読みを取る(図148参照)。
テーパ面の場合には,測定子を円すいの母線に垂直に当て,測定結果に及ぼすテーパ角度の影響を計算
する。さらに,測定する円の直径は,回転中に主軸が軸方向に変位を生じると,変化する。これは,実際
以上の振れを生じる原因になる。したがって,テーパ角度が小さいときだけに,テーパ面を振れの測定に
使うことができる。主軸の軸方向誤差運動(3.5.5参照)は,どんな場合にもあらかじめ測定しておき,そ
の軸方向誤差運動が振れの測定結果に及ぼす影響をテーパ角度に応じて計算しておく。
測定結果は,変位計の測定子に横方向から力が加わると影響されることがある。この誤差が入るのを避
けるために,測定子は,テーパ面の母線と垂直に厳密に一致させなければならない。
図148−外面の振れの測定
12.5.3 内面
変位計を円筒穴又はテーパ穴に直接当てることができない場合には,テストバーをその穴にはめる。
12.5.2に規定する方法によって,テストバーの突き出ている円筒部分を使って測定しなければならない。
しかし,テストバーの1断面だけで測定した場合は,回転軸に対する一つの円の位置だけが測定されるこ
とになる。テストバーの軸が,測定面上で回転軸と交差することもあるので,測定は,所定の距離だけ離
れた二つの断面A及びBで行うのが望ましい(図149参照)。
例えば,1回目の測定は,テストバーの口元近くで行い,2回目の測定は,そこから所定の距離だけ離れ
た位置で行うのがよい。穴にテストバーを,特にテーパ穴にはめると精度が低下する可能性があるので,
テストバーを主軸に対して90°ごとに回してはめて,少なくとも4回繰り返して測定し,読みの平均値を
求める。
いずれの場合においても,振れは,回転軸を含む垂直面内及び水平面内について測定する(図149にお
ける位置C1及びC2)。
この測定方法を適用する場合には,次の事項に留意する。
− 測定器の測定子の接線方向へのひきずりの影響を最小化するような順番で行うのが望ましい。
− テストバーを使う場合には,穴の正確な形状を知ることはできない。
円筒状の工作物を加工して,その工作物の測定から回転軸の振れを求めると,主軸の軸受の欠陥だけを
考慮することになる。
このように,実際に旋削試験を行っても,円筒又はテーパ穴の正確な形状,及び回転軸に対する穴の実
際の位置に関する情報を得られない。
――――― [JIS B 6190-1 pdf 101] ―――――
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C1 C1 C1
A B C2
図149−内面の振れの測定
回転中に自動調心できる主軸(例えば,油圧を用いる静圧軸受,動圧軸受)は,通常の回転速度で運転
しているときだけ測定できる。その場合には,非接触変位計,例えば,静電容量形変位計,渦電流形変位
計,又はその他の適切な変位計を用いなければならない。
――――― [JIS B 6190-1 pdf 102] ―――――
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附属書A
(参考)
機械座標系,位置誤差及び角度誤差
A.1 一般
工作機械の運動軸の名称は,JIS B 6310による。しかし,軸の名称を定めるだけでは,機械の幾何誤差
を明らかにし,制御装置を使用してその影響を補正する目的に使用するには十分ではない。この附属書は,
工作機械の機械座標系を定義するための系統的な方法を提供し,運動軸及び関連する誤差の幾何学的関係
について明確にする。
運動軸の位置と姿勢とを一つの座標系の中に記述することで,機械の構造形態によらず,幾何精度の評
価及び/又はソフトウェアによる誤差補正に必要な運動軸間のアライメント誤差を特定することができる。
運動軸間のアライメント誤差の冗長な測定をなくすために,機械座標系の原点と向きとは,第一運動軸
(機械座標系の向きのうち,二つを定義する。)及び第二運動軸(三つ目の向きを定義する。)の向きを基に
決める。
説明をより分かりやすくするために,3軸工作機械(A.5参照),5軸工作機械(A.6参照)及び複合ター
ニングセンタ(A.7参照)の三つの例を示す。3軸工作機械の運動を完全に記述するには,五つの角度誤差
(三つの直角度及び機械座標系に対する工具の二つの角度誤差)が必要であり,5軸工作機械及び複合ター
ニングセンタを記述するには,12個の位置及び角度誤差が必要なことを示す。
A.2 直進軸の基準直線
直進軸の基準直線は,三次元座標系の中で,二つの角度誤差を用いて直線で表す。さらに,数値制御に
よる直進位置決め軸においては,図A.1に示すように,軸のゼロ点の誤差(例えば,EZ0Z)も,その軸の
誤差に含める。
ZN
ZA
EA0Z
XN (理想的な)X軸
YN (理想的な)Y軸
EB0Z
ZN (理想的な)Z軸
ZA Z軸方向へ運動する部品の実際の基準直線 Z=0
EZ0Z
EZ0Z Z軸のゼロ点の位置誤差 YN
EA0Z Z軸のX軸回りの直角度誤差
EB0Z Z軸のY軸回りの直角度誤差 XN
注記 一般に,工作機械の幾何精度を試験するとき,直進軸のゼロ点の位置誤差(例えば,EZ0Z)は,ゼロに設定
することができる。
図A.1−直進軸(Z軸)の位置及び角度誤差
――――― [JIS B 6190-1 pdf 103] ―――――
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水平及び垂直方向の真直度誤差運動,並びにロール,ピッチ及びヨーの角度誤差運動によって,機械の
直進運動部品の軌跡は直線とはならず,図A.2に示す3次元空間内の軌跡“a”のようになる。この軌跡の
形状は,誤差運動の大きさ及び向きだけでなく,作業空間における軌跡の位置に関係する。例えば,軌跡
“a”は,位置を変えると図A.2に示す軌跡“b”のように変化する。直進軸の全ての誤差運動を考慮する
場合には,図A.2に示す実際の軌跡“b”は,実際の軌跡“a”から計算することができる。
C)
(C
X (理想的な)X軸 ECY
Y (理想的な)Y軸 EBY b
Z (理想的な)Z軸
a,b (理想的な)Y軸直進運動の実際の軌跡
EAY
EAY Y軸のX軸回りの角度誤差(ピッチ) Z
Z X
X
EBY Y軸のY軸回りの角度誤差(ロール) EXY
EZY a
ECY Y軸のZ軸回りの角度誤差(ヨー)
Y
Y
EXY Y軸のX方向真直度誤差 EYY
EYY Y軸の位置決め誤差
EZY Y軸のZ方向真直度誤差
図A.2−Y軸に直進運動誤差がある工作機械
どの軌跡を基準軌跡とするかは,使用者が決めなければならない。この基準軌跡を用いて,直進軸の基
準直線を決める。例えば,軌跡の両端の点を結んだ直線を直進軸の基準直線と決める。この三次元空間内
の基準直線が,機械座標系の二つの角度誤差を定義する。図A.2の場合は,Y軸の基準直線を基準として,
Y軸とX軸との直角度EC0Y及びY軸とZ軸との直角度EA0Yを求める。
A.3 回転軸の基準直線
軸方向,半径方向及び傾斜方向の誤差運動をもつ回転部品の場合には,回転軸を表す基準直線は,この
回転部品の軸平均線である。
回転部品の回転軸の軸平均線は,四つのパラメータをもつ直線で表す。四つのパラメータとは,三次元
座標系において,回転軸に対して理想的な方向に直角な座標軸に沿った二つの位置誤差及び二つの角度誤
差である。回転軸が理想的には基準座標系のZ軸に平行な場合には,回転軸の二つの位置誤差及び二つの
姿勢誤差は,図13(3.5.8参照)に示すようになる。同様に,数値制御による回転位置決め軸の場合は,
回転軸のゼロ角度位置の誤差(例えば,EC0C)も回転軸の誤差に含める。
一般に,工作機械の幾何精度を試験するときには,回転軸のゼロ角度位置の誤差(例えば,EC0C)は,0
に設定することができる。
――――― [JIS B 6190-1 pdf 104] ―――――
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A.4 機械座標系
機械座標系は,JIS B 6310に規定する右手直交座標系とする。機械座標系の原点位置と向きとは,一般
に運動部品の運動軸を基に決める。
機械座標系の原点位置及び軸の向きは,任意に選択することができる。ただし,機械座標系の原点位置
及び向きは,工作機械運動軸の基準直線を用いて決めたほうが,工作機械の六つの位置誤差及び角度誤差
を0にすることができることから,実際的である。
まず,機械座標系の一つの座標軸と一致する基準直線をもつ第一運動軸を選び,機械座標系の二つの角
度誤差と,残りの2軸が存在する直交平面とを決める。次に,工作機械の第二運動軸を選び,その基準直
線の第一軸に垂直な平面への投影から,機械座標系の三つ目の角度誤差を決定する。最後に,三つの位置
誤差を決めて,機械座標系の原点を選ぶ。機械座標系の第一軸,第二軸及び原点の選択は,工作機械の設
計,機械的な調整の可能性,並びに機械的及び/又はソフトウェア補正の可能性による。
A.5,A.6及びA.7に示す三つの例(3軸工作機械,5軸工作機械及び複合ターニングセンタ)は,機械
座標系の選択の仕方によって,どの位置誤差と角度誤差とを測定する必要があるかを示している。
ソフトウェアによる誤差補正を行うために,使用者が定義した必要条件に基づいて最適化した機械座標
系を計算する場合がある。そのような場合には,工作機械の物理的な軸(例えば,主軸の軸線)のできる
限り近くに機械座標系の向きを合わせ,関心のある点,例えば,作業空間の中心に設定するのがよい。
A.5 3軸工作機械の機械座標系
図A.2に示す工作機械には,表A.1に示す13個の位置誤差及び角度誤差がある。
表A.1−3軸工作機械の位置誤差及び角度誤差
Y軸 X軸 Z軸 (C)主軸
− EX0X − EX0(C)
EY0Y − − EY0(C)
− − EZ0Z −
EA0Y − EA0Z EA0(C)
− EB0X EB0Z EB0(C)
EC0Y EC0X − −
表A.1は,機械座標系として任意の座標系を選んだときの位置誤差及び角度誤差を示す。工作機械の幾
何精度を試験するとき,直進軸ゼロ点位置は,一般に全て0にできるため,表A.1は,表A.2のように簡
略化することができる。
表A.2−簡略化した3軸工作機械の位置誤差及び角度誤差
Y軸 X軸 Z軸 (C)主軸
− (0) − EX0(C)
(0) − − EY0(C)
− − (0) −
EA0Y − EA0Z EA0(C)
− EB0X EB0Z EB0(C)
EC0Y EC0X − −
――――― [JIS B 6190-1 pdf 105] ―――――
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JIS B 6190-1:2016の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 230-1:2012(IDT)
JIS B 6190-1:2016の国際規格 ICS 分類一覧
JIS B 6190-1:2016の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISB0021:1998
- 製品の幾何特性仕様(GPS)―幾何公差表示方式―形状,姿勢,位置及び振れの公差表示方式
- JISB0641-1:2020
- 製品の幾何特性仕様(GPS)―製品及び測定装置の測定による検査―第1部:仕様に対する合否判定基準
- JISB0680:2007
- 製品の幾何特性仕様(GPS)―製品の幾何特性仕様及び検証に用いる標準温度
- JISB6190-2:2016
- 工作機械試験方法通則―第2部:数値制御による位置決め精度試験
- JISB6190-3:2014
- 工作機械試験方法通則―第3部:熱変形試験
- JISB6190-4:2008
- 工作機械試験方法通則―第4部:数値制御による円運動精度試験
- JISB6190-7:2019
- 工作機械試験方法通則―第7部:回転軸の幾何精度試験
- JISB6196:2006
- 工作機械―対角位置決め精度試験方法通則
- JISB6310:2003
- 産業オートメーションシステム―機械及び装置の制御―座標系及び運動の記号