JIS B 6331-5:2019 数値制御旋盤及びターニングセンタ―試験条件―第5部:速度及び補間運動の精度 | ページ 7

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B 6331-5 : 2019 (ISO 13041-5 : 2015)
同時3軸制御による円弧補間運動(X軸,Y軸及びC軸)
目的及び試験条件
二つの直線軸(X及びY軸)と一つの回転軸(C軸)との同時3軸制御運動の工具先端点の軌跡(理CK6
想的には,工作物座標系の固定点)の偏差の試験。
X軸又はY軸のいずれか小さいほうの移動範囲の2/3の直径で回転軸(C軸)を180°以上又は360°
回転させる。測定の方向感度は,次のように設定しなければならない。
a) 回転軸(C軸)の軸方向,Eint,axialC,XYC(CW,CCW)
b) 回転軸(C軸)の半径方向,Eint,radialC,XYC(CW,CCW)
c) 回転軸(C軸)の接線方向,Eint,tangentialC,XYC(CW,CCW)
ボールバーLの基準長さは100 mm,送り速度は500 mm/min又は受渡当事者間の協定による。測定は,
C軸運動の時計回り及び反時計回りについて行わなければならない。
測定方法図
X
Z
LB
4 2
1
3 LB
5, 6 6 5 6
4 4
L 4 5
L
C'
C'
L
C'
+
+
+
LB
Y 13 Y Y
3 2
X 2 X 1 3 X
a) b) c)
1 ボールバー 5 工具側球の円弧経路
2 主軸側球 6 主軸側球の円弧経路
3 工具側球 L 工具側球の中心と回転軸中心線との距離
4 主軸
許容値(受渡当事者間の協定による。)
a) int,axialC,XYC(CW,CCW)=···
b) int,radialC,XYC(CW,CCW)=···
c) int,tangentialC,XYC(CW,CCW)=···
測定値
a) int,axialC,XYC(CW,CCW)=··· ···
b) int,radialC,XYC(CW,CCW)=··· ···
c) int,tangentialC,XYC(CW,CCW)=··· ···
測定器
ボールバー,又は軸付き基準球及び平面測定子付き変位計若しくは三つの変位計(例えば,3Dプローブ)
測定方法(JIS B 6190-1の11.3.5参照)
NCプログラムの円経路の中心は,C軸の軸平均線上にとらなければならない。各測定について,補間運動中のボー
ルバーの読み(長さの変化)又は変位計の読みを連続的に記録する。a),b) 及びc)については,記録した最大値と最
小値との差を報告する。
C軸の軸平均線から工作物主軸側の球までの距離Lを報告しなければならない。b) 及びc)において,工具主軸側の
球は,工具主軸の軸平均線に心合わせをしなければならない。この心ずれは,測定結果に影響する。球面付きテスト
バー及び三つの変位計(例えば,3Dプローブ)を用いてもよい。試験手順及び追加の注意事項は,附属書D参照。
注記 測定結果は,図D.2と同様に図示することを推奨する。

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B 6331-5 : 2019 (ISO 13041-5 : 2015)
附属書D
(参考)
AK6,BK6及びCK6に規定する試験の事前注意事項
D.1 一般
AK6,BK6及びCK6において使用するa) ボールバー,又はb) 軸付き基準球及び平面測定子付き変位
計,並びにc) 軸付き基準球及び三つの変位計(例えば,3Dプローブ)による測定結果は,測定器の配置
の影響を受けることがある。この附属書は,測定器の配置誤差の影響を最小にするための試験手順に対す
る事前注意事項について記載する。
D.2 ボールバーを用いた試験
D.2.1 基準球の心合わせ
ボールバーの工具側球は,工具主軸又はタレット工具保持穴の軸平均線と心合わせをする。この心ずれ
は,測定結果に影響する。
この心合わせは,球の位置を調整するための取付具を工具主軸又はタレット工具保持穴に取り付けて行
うことができる。そのような取付具の例については,図D.1参照。
その代わりに,工具主軸又はタレット工具保持穴の軸平均線に対する基準球の中心位置を測定し,その
影響を,機械座標系の原点を移動させて補正することもできる。基準球の中心位置は,工具主軸の場合は,
変位計を使って工具主軸回転の半径方向の振れを測定することによって,測定できる。
ボールバーの主軸側球は,それぞれの試験において指定された測定の感度方向にボールバーの軸が向く
位置に配置する。ボールバーの主軸側球は,精密に配置しなくてもよい。それは測定結果に影響しない(2
次のオーダの影響)。
記号
1 磁気式ソケット
2 磁気式ホルダ
3 ねじ
4 チャックするためのシャンク
図D.1−主軸側球の心合わせ用取付具の例
D.2.2 プログラミング
工作主軸(C軸)は,それぞれの試験で指定するように駆動する。直進軸は,測定中のボールバーの軸
がa) 軸方向,b) 半径方向及びc) 接線方向を保つようにプログラムする。
AK6,BK6及びCK6をボールバーを使用して実施する場合,C軸の平均線から距離Lだけ離してボー
ルバーの主軸側球を配置する。ボールバーの軸がb) 半径方向又はc) 接線方向を保つようにボールバーの
主軸側球を配置する[図D.2 a)参照]。すなわち,LBがボールバーの公称長さである場合,ボールバーの主
軸側球をC軸の軸平均線からb) 半径方向の試験に対しては距離 (L−LB) 及びc) 接線方向の試験に対し

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ては(L2−LB2)1/2だけ離して配置する。この設定では,ボールバーによる試験は,軸付き基準球と変位計と
による試験と運動学的に同等であるとみなすことができる。例えば,直進軸の軌跡は,同じになる[図D.2
b) 参照]。
可能な場合,プログラミングが便利なようにTCP(工具先端点)制御機能をオンに設定する。TCP制御
機能は,プログラムした回転軸の運動に対する直進軸の運動を自動的に同期させることができる。
全ての試験において,機械座標系における直進軸の送り速度及び移動範囲は,基準球の中心から回転軸
までの距離によって変化する。その距離が大きくなると,回転軸の誤差運動及び方向誤差に対する感度は,
直進軸の誤差運動及び方向誤差に対する感度と同様に増加する。
D.2.3 試験手順
AK6,BK6及びCK6に規定する全ての試験において,ボールバーの基準長さLBは,既知であるのが望
ましく,また,主軸端(主軸ゲージ面)又はタレット工具保持穴のゲージ面からボールバーの主軸側球ま
でのオフセットは,プログラミング時に既知になっていることが望ましい。この校正は,工具長測定器を
使用して行う。
全ての試験において,測定中の回転軸の時計回り及び反時計回りの二つの経路を続けて測定するのが望
ましい。
D.2.4 結果の表示
評価においては,運動方向反転位置だけでなく始点及び終点でのピーク値を含む実際の経路に対応する
全ての測定データを使用する。
測定結果は,JIS B 6190-4に規定する円運動試験と同様の極座標線図として測定した変位を表示するの
が望ましい。偏差は,試験している回転軸の設定した角度位置と一緒に描く(図D.3参照)。
幾つかの円運動試験用の市販ソフトウェアは,真円度を評価するために初期設定で自動的に中心補正を
行うものがある。その機能をオフにしてボールバーの読み(長さ変化)を評価する。可能な場合には,ボ
ールバーの読みは,測定の開始点でゼロにリセットする。
試験の結果として,記録した最大値と最小値との差を報告する。
D.3 軸付き基準球と変位計又は三つの変位計(3Dプローブ)とを用いた試験
AK6,BK6及びCK6を軸付き基準球と変位計とを使用して実施する場合,C軸の軸平均線から距離L
だけ離してボールバーの主軸側球を配置する[図D.2 b)]。

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B 6331-5 : 2019 (ISO 13041-5 : 2015)
X X
+C' 5
+C'
4 5 4
6 Y Y
2
LB
1
8
L 3 L
7
a) ボールバーによる試験(接線方向) b) 軸付き基準球及び三つの変位計(3Dプローブ)
による試験
記号
1 ボールバー 5 工具側球の円経路
2 工具側球 6 テーブル側球の円経路
3 テーブル側球 7 3Dプローブ
4 テーブル 8 基準球
図D.2−AK6の測定器の設定
D.3.1 基準球の心合わせ
軸付き基準球は,工具主軸又はタレット工具保持穴に取り付ける。基準球の中心は,工具主軸又はタレ
ット工具保持穴の軸平均線に心合わせをする。この心ずれは,測定結果に影響する。工具主軸端(主軸ゲ
ージ面)から基準球までのオフセットは,プログラミング時に既知になっていることが望ましい。
同一のオフセット,直径及び速度を使用する場合,軸付き基準球と変位計又は三つの変位計(3Dプロー
ブ)とによる試験手順は,ボールバーを用いた場合と同じでよい(D.2.2参照)。
D.3.2 試験手順
一般的な試験手順は,次による。各試験事項に規定するように基準球を位置決めする。テストバーの球
に変位計を当てて工具主軸を回転させ,振れの平均位置を見つける。変位計の読みをゼロにする。次に,
補間運動を開始し,変位計の読みを記録する。
AK6,BK6及びCK6の全ての試験において,測定中の回転軸の時計回り及び反時計回りの二つの経路
を続けて測定するのが望ましい。
D.3.3 結果の表示
評価においては,運動方向反転位置並びに始点及び終点でのピーク値を含む実際の経路に対応する全て
の測定データを使用する。測定結果は,JIS B 6190-4に規定する円運動試験と同様の極座標線図で測定し
た変位を表示するのが望ましい(図D.3参照)。極座標表示ができない場合は,試験している回転軸の角度
位置とともに図D.4に例を示すように方眼紙に描いてもよい。
試験の結果として,記録した最大値と最小値との差を報告する。

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B 6331-5 : 2019 (ISO 13041-5 : 2015)
150
1
100
50 2
3
Y
0
-50
-100
10mm/div
-150
-150-100 -50 0 50 100 150
X
記号
1 時計回り
2 反時計回り
3 公称ボールバー長さを表す基準円
X X 位置(mm)
Y Y 位置(mm)
図D.3−極座標形式におけるAK6のデータ表示例
0.02
0.01
1
Y
0
-0.01
2
-0.02
-350 -300 -250 -200 -150 -100 -50 0
X
記号
1 時計回り
2 反時計回り
X C軸の角度位置(°)
Y 変位(mm)
図D.4−X-Y座標形式におけるAK6のデータ表示例

――――― [JIS B 6331-5 pdf 35] ―――――

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JIS B 6331-5:2019の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 13041-5:2015(IDT)

JIS B 6331-5:2019の国際規格 ICS 分類一覧

JIS B 6331-5:2019の関連規格と引用規格一覧