JIS B 7758:2016 動電式振動試験装置―性能特性 | ページ 2

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静磁界内の駆動電流の変動に伴って発生する力であって,可動部構造体及び供試品に印加することがで
きる力。
注記 損失,共振及び変位制限があるので,この加振力の全てが可動部及び供試品の加速及び懸架機
構のばねの変形に使用されることはない。加振力の大きさは,得られた加速度から逆算できる。
e
F m mt
ここに, me及びmt : 可動部質量及び搭載負荷質量
a : 得られた加速度
a及びFは,正弦波,ランダム波及び衝撃波に適用可能。
3.9
振動数範囲,fminfmax(frequency range)
振動試験装置及び各機器の能力を表す変数(変位,速度,加速度など)の定格性能が達成できる振動数
の範囲。
注記1 ある変数に対応する振動数範囲は,他の変数に対応する振動数範囲とは異なるので,変数ご
と及び負荷ごとに振動数範囲を指定する必要がある。
注記2 加振力の点で注意する内容は,次のとおりである。
− fmin及びfmaxの値は,振動発生機及び振動試験装置の正弦波,ランダム波及び衝撃波の定格
出力別に,質量mtのそれぞれについて,かつ,電力増幅器の正弦波,ランダム波及び衝撃
波の定格出力ごとに,指定する。
− 加振力発生能力以外の要因が振動数範囲を制限するのであれば,それらの要因も規定する。
例 a) 低振動数範囲において問題となる例を,次に示す。
− 可動部質量と本体質量との比率
− 本体サスペンションのストローク限界
− ひずみ
− 横ぶれ
− 変位制限
− 許容モーメント
− 可動部サスペンションの発熱
b) 高振動数範囲において問題となる例を,次に示す。
− 可動部の機械共振
− 可動部テーブルの面共振
− ひずみ
− 横ぶれ
− 可動部の剛性
3.10
試験質量,mt(test mass)
振動試験装置及び振動発生機の試験に使用される機械的質量。
注記 m0のような特別な場合を除き,次のとおり添字“t”は質量の大きさを,その質量によって得ら
れる正弦波加速度の大きさで示す。
− m0は,ゼロ負荷時の特別な場合で,可動部だけが駆動する。
− m1は,10 m/s2が達成可能であることを意味する。

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− m4は,40 m/s2が達成可能であることを意味する。
− m10は,100 m/s2が達成可能であることを意味する。
− m20は,200 m/s2が達成可能であることを意味する。
− m40は,400 m/s2が達成可能であることを意味する。
特に指定がある場合を除き,m0,m10及びm40だけを使用する。
3.11
電力増幅器試験負荷,Za,t(amplifier test load)
振動試験装置としての試験が不可能な場合(電力増幅器と振動発生機との供給者が異なる場合)に使用
する電力増幅器の電気的負荷。
注記 負荷Za,tを使用する試験は,振動試験装置の性能を計算するためのデータを得る場合に行われ
る。添字tは動作モードを示す(sは正弦波,rはランダム波,iは衝撃波)。特性及び負荷の大
きさの計算については,7.2参照。
3.12
電力増幅器皮相電力(amplifier apparent power)
指定条件下における電力増幅器の出力電圧と電流との積。
注記 より適切な電力増幅器の大きさの指定について,7.1.2の注記を参照。
3.13
標準ランダム波スペクトル形状(standard random spectral shape)
特に規定がない限り,次によって求められるランダム波スペクトルの波形。
f<20 Hzの場合 Φf
2
f
20 Hz≦f<100 Hzの場合(20 dB/dec) Φf 100Φ0
100 Hz≦f<2 000 Hzの場合(一定) Φf Φ0
4
2 000 4
f≧2 000 Hzの場合(許容スピルオーバ) Φf Φ0 又は 10 Φ0
f
注記 Φ(f)は,加速度スペクトル密度関数の振幅で,Δfがゼロに近付くとき,an2/Δfの極値として定義
する。ここで,anは振動数fを中心とした狭いバンド幅Δfにおけるランダム波加速度の実効値
である。
3.14
衝撃波(impulse)
供試品に衝撃波を加えるために使用される短時間の振動波形。
注記1 この規格の衝撃波に関する箇条を適用する場合,衝撃波加速度の時刻歴の条件について取決
めが必要である。
注記2 衝撃波形は,加速度の時刻歴として指定される。試験装置における加速度時刻歴波形,又は
加速度応答スペクトルを生成するのに使用される要素波の振動数成分は,規定の振動数範囲
全域にわたって指定する。
注記3 一般的に,衝撃波試験では,高出力時に電力増幅器で起こるクリッピングが大きなひずみ成
分を発生するので,ランダム波振動試験よりスピルオーバ(3.15参照)の問題はより深刻で
ある。
注記4 誘導式振動発生機は,高加速度の衝撃波試験に向いている。一般に,この方式の振動発生機

――――― [JIS B 7758 pdf 7] ―――――

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は,非常に強い可動部をもっている点が長所であるが,小形の誘導式振動発生機は,変位振
幅が制限される点が短所である。また,大形の誘導式振動発生機は,可動部の冷却が困難な
ので,正弦波及びランダム波試験を行った場合には,可動部の発熱が問題になる場合がある。
3.15
スピルオーバ(spill-over)
規定された振動数範囲よりも高い振動数範囲における望ましくない振動(又は信号)。
例 振動数範囲の上限が2 000 Hzまでの振動試験に対し,2 000 Hzより高い振動成分はスピルオーバ
である。
注記 スピルオーバは,一般的に可動部又は供試品の部品の緩み,不適切なフィルタ,過電流ひずみ
などによって引き起こされる。
3.16
ひずみ(distortion)
波形における好ましくない変化(JIS B 0153参照)。
注記1 ひずみは,ノイズ及びハムによって顕著になるが,この規格では,これらの影響については
取り扱わない。
注記2 振動試験装置では,ひずみの現れ方が故障に対する感度のよい徴候となる。過度なひずみは,
修理を要求する合図である。環境試験を行う前に,使用者が問題を見つけ,解決することが
薦められる。そうしない場合,これらの試験が無効となる。ひずみを引き起こす原因があら
ゆるところに潜在する可能性がある。例えば,供試品を固定するボルトの緩み,電力増幅器
の出力トランジスタの故障,冷却システムの障害,電力増幅器又は振動発生機の能力を超え
る運転などである。
注記3 整備保守された振動試験装置では,ひずみの主原因の一つは,電力増幅器の非線形性又はク
リッピングである。50 Hz100 Hz以下のひずみは,一般的に可動部サスペンションの非線
形性,及び磁気回路ギャップにおける磁界分布の不均一性に起因する。この振動数範囲では,
これらによるひずみは,増幅器の非線形によるものよりも大きい。
注記4 ひずみプロセスが入力信号に高調波成分を生成させ,高調波は供試品の高い振動数での共振
を引き起こす。制御帯域(一般的に20 Hzfmax)におけるひずみ及びfmax以上の振動を引き
起こすひずみのいずれも好ましくない(3.15参照)。
注記5 振動試験装置の任意の変数について,ひずみを指定することが可能である。例えば,電流,
電圧,加速度,速度,変位などである。電流ひずみ測定は,振動試験装置にとって最も有用
で,振動試験装置全体のひずみ及びスピルオーバを予測するのに用いられる。
注記6 供試品を搭載したときの加速度ひずみを直接測定することを指定するのが理想的であるが,
加速度ひずみは測定される可動部と供試品との組合せによって異なるため,別の供試品にお
けるひずみを予測するのに有効ではない。

4 仕様書の構成

4.1 一般

  振動発生機,電力増幅器及び振動試験装置の一般事項に関する箇条に細分箇条が含まれる。これらの細
分箇条には,振動試験装置全体又は構成要素の調達のために必要な情報を含む。この情報を,仕様書作成
者は関連する仕様書に記載する。

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一つの関連仕様に全ての細分箇条が含まれることはない。例えば,電力増幅器だけ購入する場合,振動
試験装置に関する幾つかの細分箇条が不要である。インタフェース情報として,振動発生機の幾つかの細
分箇条だけが必要となる。仕様書作成者が特定アプリケーション用の細分箇条を選択し,適用する前に,
規格全体に目を通すことが望ましい。

4.2 細分箇条のコード化

  この規格では,各細分箇条に次のルールでコードを表示する。これによって,各細分箇条が該当する機
器の調達形式及び試験のタイプを明示する。コードは,形式(X,y)で示している。
Xは,細分箇条が適用される調達形式を表している。
− A : 全ての形式
− S : 振動試験装置の調達
− C : 振動発生機及び電力増幅器の両方ではなく,いずれかの調達
yは,細分箇条が適用される試験タイプを表している。
− a : 全ての試験タイプ
− s : 正弦波
− r : ランダム波
− i : 衝撃波

4.3 記号のコード化

  頻繁に使用している記号は,Kg,hのようにコード化している。
− 記号K : Fは力,tは温度安定までの時間,Iは電流,Vは電圧,Zは電力増幅器の負荷,及びdはひ
ずみを意味する。
− 添字g : sは振動試験装置,vは振動発生機,及びaは電力増幅器を意味する。
− 添字h : sは正弦波,rはランダム波,及びiは衝撃波を意味する。

5 振動試験装置

5.1 一般

  振動発生機及び電力増幅器の性能は,運転温度の上昇とともに低下する。正弦波及びランダム波試験の
ように,性能が連続運転で指定される場合,装置を暖機運転し,温度が安定してから性能試験を行う。連
続運転に関する規定がある場合はその旨を明記する。

5.2 振動試験装置の仕様(S,a)

  振動試験装置において,最も重要な特性は各用途(正弦波試験,ランダム波試験又は衝撃波試験)にお
ける最大加振力である。必要な加振力を計算する場合,必要な加振ジグの質量も考慮に入れる。
振動試験装置の定格加振力は,次のとおりとする。
− 正弦波加振の場合,質量m10及びm40に対応する定格加振力は,Fs,sである(5.3.2及び5.4.2参照)。
− ランダム波加振の場合,質量m10及びm40並びに3.13に示す標準ランダム波スペクトル形状に対応す
る定格加振力は,Fs,rである(5.3.3及び5.4.3参照)。
− 衝撃波加振の場合,質量m10及びm40に対応する定格加振力は,Fs,iである(5.3.4及び5.4.4参照)。作
成する衝撃波加速度波形(8.6参照)も指定する。
電力増幅器の容量が大きい場合,振動試験装置と振動発生機との定格加振力は同じである。
電力増幅器の容量が小さい場合,振動試験装置の定格加振力は振動発生機の定格加振力より小さくなる。
電力増幅器及び振動発生機の両方を含めた振動試験装置一式を購入し,試験する場合,振動試験装置全

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体の性能試験(5.3参照)を行う。一般的に,これは振動発生機及び電力増幅器を同一製造業者から購入し
た場合である。
振動試験装置を一式として購入し,電力増幅器と振動発生機の容量が整合する場合には,振動試験装置
の性能試験が電力増幅器及び振動発生機の適切な性能試験にもなるので,電力増幅器及び振動発生機の単
体試験を行う必要はない。
しかし,将来的に,上記の振動発生機を他の電力増幅器と組み合わせて使用する可能性がある場合,又
は上記の電力増幅器を他の振動発生機と組み合わせて使用する可能性がある場合には,振動発生機及び電
力増幅器の性能を別々に指定する(6.2及び7.3参照)。
なお,振動発生機の無負荷最大加速度時における電流ひずみ及び加速度ひずみをX %以下に指定するこ
とが可能である。広帯域の正弦波試験及びランダム波試験に使用される汎用振動発生機の場合,Xの値は,
通常13である。可動部の支持機構にローラなどを使用したストロークの大きい振動発生機の場合には,
上記より大きなX値を適用することが可能である。
振動試験装置を構成する機器を同一製造業者から購入する場合は,振動試験装置全体の性能試験を適用
する。
振動試験装置を構成する機器を個別に購入し,それらを組み合わせて使用する場合には,それぞれの機
器について,性能・特性を個別に指定する必要がある(6.16.3及び7.17.3参照)。
この規格では,各機器の正確なインタフェース情報とともに,提供されなければならない振動試験装置
の,加振力計算に必要な各機器の性能・特性について規定する。

5.3 振動試験装置の性能

5.3.1  一般(S,a)
振動試験装置の性能は,次のとおりとする。
− 連続運転時の最大加振力(8.2参照)
− 機械的ストッパ間の最大ストローク
− 許容速度
− 動作の信頼性
耐久試験(8.3参照)は,一定の動作の信頼性を保証する。
振動試験装置の性能試験報告書には,5.3.25.3.4に規定する情報を記載する。
5.3.2 振動試験装置−正弦波加振性能(S,s)
加振力Fs,s及び試験負荷m10において,振動試験装置の正弦波状態調整運転(8.2.1及び8.2.2参照)を行
い,温度安定化時間ts,s,正常運転時とは異なる異常,逸脱などを記録する。
加振力Fs,sにおける振動試験装置の正弦波耐久試験(8.3参照)では,実際の耐久時間(特に規定がない
限り,10ts,s以上)を記録する。試験中に,振動発生機本体の表面温度,可動部,振動発生機の冷却用空気・
水・油,室内環境空気,振動発生機の冷却システムへの冷却液,電力増幅器及び電力増幅器の冷却システ
ムへの冷却用空気・水の温度,並びに主電源の最大電圧・最小電圧を測定して報告書に記載する。また,
通常の試験で異常又は逸脱が生じた場合には,それらについての説明をするとともに,試験後の検査結果
(振動発生機,振動発生機の冷却システム,電力増幅器又は電力増幅器の冷却システムに変化又は損傷が
発生したかどうかの調査)についても報告書に記載する。
振動試験装置の製造業者が定めた定格変位及び速度に達することを確認する。
スピルオーバ加速度を計測し,8.4に規定する限界を超えていないことを確認する。
5.3.3 振動試験装置−ランダム波性能(S,r)

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JIS B 7758:2016の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 5344:2004(MOD)

JIS B 7758:2016の国際規格 ICS 分類一覧

JIS B 7758:2016の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISB0153:2001
機械振動・衝撃用語