JIS B 7760-1:2004 全身振動―第1部:測定装置 | ページ 7

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附属書3図 1 座席振動測定のための振動ピックアップ取付位置
単位 mm
附属書3図 2 振動ピックアップ取付円盤
2. 試験方法
2.1 座席から人体への振動特性 振動試験の被験者は,自動車又は作業車両を操縦する人間の体重の累
積度数の5 %及び95 %の体重の人間である。許容値は,軽い体重の被験者では05 %,重い体重では
−50 %である。座席から人体への振動伝達特性は,座席の基本的な特性として計測される。オフロード
で用いられる座席のサスペンションシステムについては,ときとして起こる大振幅又は衝撃の制御に対し
て効果的であるかどうか試験する必要がある。この試験では,共振周波数近傍での最大応答を決めるため
に,座席に操縦者の平均的な体重と等価な,単純な質量を付加して,正弦波信号を用いて行う。入力信号
を模擬した振動試験では,座席への入力信号は自動車又は作業車両が実際に使用される範囲での代表的な
大きさとして,加速度のパワースペクトル密度又は時刻暦で規定する。振動台での計測値は,加速度の実
効値である。また,振動台のランダム振動のスペクトル密度を計測しておくことも必要である。
2.2 正弦波を用いた振動伝達特性 正弦波を用いた振動特性は,軽い被験者と重い被験者の双方につい
て実施して,周波数に対する振幅応答と位相応答を求める。
2.3 減衰試験 座席の支持装置の減衰特性を調べるためには,正弦波又はランダム振動を用いる。正弦
波を用いる試験では,推定される共振周波数の0.52倍の周波数範囲で加振を行って共振周波数を決める。
また,試験では座席に慣性質量 (75±0.75) gを載せる。

――――― [JIS B 7760-1 pdf 31] ―――――

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2.4 試験手続き 試験時間は,データを解析するために十分に連続していなければならない。測定値は
連続して実施して得られた3回の算術平均とするが,座席上での周波数補正加速度の算術平均が±5 %と
なるようにする。
座席の実効的な伝達特性を得るための試験では,次によって伝達率を求める。
a) 振動伝達率は座席上での周波数補正加速度の実効値を振動台上での周波数補正加速度の実効値で除し
た値として求める。
b) 予測される振動入力が人体へ伝達される絶対量は,振動伝達率と座席取付位置での振動期待値の積で
求める。
c) 振動減衰特性は,共振時の座席上の加速度実効値を振動台上での加速度実効値で除した値として求め
る。

――――― [JIS B 7760-1 pdf 32] ―――――

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附属書4(参考)振動の評価方法
この附属書は,振動の評価方法について記述するものであり,規定の一部ではない。
ここでは,旅行中,就業中又は余暇活動中に受ける周期振動,不規則振動及び過渡振動の評価方法を健
康障害,快適性及び乗物酔いの観点に分けて述べる。
1. 健康障害に対する振動評価 この評価は,乗り物旅行,職業的作業及びレジャー活動の間に全身振動
に暴露される健康な人間に対する周期的,不規則的及び過渡的な健康影響の評価に関するものである。振
動の評価は,座位の人間に対して,座席の座面上の周波数補正振動加速度実効値を,
x軸 : Wd k=1.4
y軸 : Wd k=1.4
z軸 : Wk k=1.0
として座位の人間に対する振動の大きさを求め,JIS B 7760-2 の附属書B図B.1と比較することによっ
て行う。1日8時間の振動暴露限界の周波数補正振動加速度実効値が,0.5 m/s2以下の値のとき危険はない
と考え,附属書B図B.1の斜線部の領域の中及び領域以上では危険があると考えられている。このことよ
り,乗り物などの座席での振動が健康面に影響を与えるかどうかを評価したり,また,振動の測定値を比
較することが可能になる。
2. 快適性に対する振動評価 この評価は,乗り物で移動中,仕事中又はレジャー活動中に暴露される通
常の健康状態における人間の快適性に対する振動の影響の評価に関する。座位の人間の快適性の評価は,
座席の座面上のすべての6個の軸(3個の並進のx軸,y軸,z軸及び3個の回転のrx軸,ry軸,rz軸),並
びに座位の人間の背もたれと足部における三つの並進(x,y,z)軸において生じる0.580 Hzの周波数範
囲内の周期的,不規則的及び過渡的な振動に対しても適用される。したがって,座位の人間に対しては,
本体の付図1に示すように,各点及び各周波数補正から,振動に対する人間の応答を評価することが可能
となる。座席での快適性を評価する場合,まず各点での振動全体値を,次の式によって求める。
2 2 2 /1
座面 as2 xs ys zs
座面の回転 asr
2
.0632 rx
2
4.02 ry
2
2.02 rz 一
2 2 2 /1
背もたれ ab 8.0 2 xb5.0 2 yb4.0 2 zb
2 2 2 /1
足部 af .025 2 xf 4.0 2 zf
.025 2 yf
次に,
2 2 2 2 /1
aseatas2 asr ab af
から座席面での人体に入る振動を評価する。JIS B 7760-2の附属書Cには,このようにして得たaseatと,
公共の交通機関に対して起こり得る反応との近似関係が,次のように与えられている。
0.315 m/s2未満 : 不快ではない
0.3150.63 m/s2 : 少し不快
0.51 m/s2 : やや不快
0.81.6 m/s2 : 不快

――――― [JIS B 7760-1 pdf 33] ―――――

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1.252.5 m/s2 : かなり不快
2 m/s2以上 : 極度に不快
3. 乗物酔いに対する振動評価 ここでの乗物酔いは,周波数0.5 Hz以上の周波数で,主に船及びその他
の海洋構造物への適用を考えている。現在,周波数補正Wfを用いたz軸振動と暴露の全期間から,乗物酔
い振動量を求める方法が2種類考えられている。
a) 暴露全期間から求める場合
1
T2 2
MSDV aw (t) dt
0
ここに, aw (t) : Wfで周波数補正した振動加速度の瞬時値
T : 暴露全体の時間 (s)
b) 運動が連続的で近似的に一定の大きさの場合
1
MSDV awT0 2
ここに, aw(t) : T0の期間での周波数補正振動加速度実効値
T0 : 暴露時間 (s)
この方法の場合,T2は240秒以上とされている。このようにして求めたMSDVからJIS B 7760-2の附属書
Dでは,おう吐するかもしれない人間の割合をKmとMSDVとの積として示している。Kmは暴露される母
集団によって変化するが,船に不慣れな成人の男性及び女性の混合した母集団に対して,Km=1/3の値が
示されている。

――――― [JIS B 7760-1 pdf 34] ―――――

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附属書5(参考)時間領域でのディジタルフィルタリングの考え方
この附属書は,時間領域でのディジタルフィルタリングの考え方について記述するものであり,規定の
一部ではない。
1. 序文 現在,国内にはISO 2631-1 : 1997 及びISO 2631-2 : 2003で述べられている振動計測評価の方
法に準拠した形で振動を計測できる装置は市販されていない。しかし,計測装置の国際規格であるISO
8041 Amendment 1が1999年の11月1日に発行され,1997年7月15日に制定されたISO 2631-1に準拠し
た計測器の考え方が国際的に統一されてきた。このような状況であるため,国内に市販されている測定装
置がないから測定できないといえない状況になってきた。ISO 2631-1での振動計測は,JIS C 1510の振動
レベル計のように,メータでレベルを読み取ったり,レベルレコーダに記録を取り,後で値を読み取るも
のではなく,振動加速度計からの振動出力を,コンピュータに任意の測定時間取り込み,演算機能によっ
て,周波数補正曲線の定義式に従って周波数補正を行い,周波数補正振動加速度実効値などを演算によっ
て求める。そこで,ここでは,振動測定を全身振動測定装置に準拠した形で実施するための一つの方法に
ついて紹介する。
2. 振動測定の一例 振動を1軸計測する基本システムは,附属書5図1に示すような,振動加速度ピッ
クアップ,前置増幅器,アンチエリアジングフィルタ,A/D変換器及びコンピュータで構成される。ただ
し,測定対象や周波数範囲によって,振動加速度計やアンチエリアジングフィルタ,A/D変換器の能力を
考えなければならない。
振動加速度 アンチエリアジ
ピックアップ 前置増幅器 ングフィルタ A/D変換器
ケーブル
コンピュータ処理
時間補正特性 周波数補正特性
指示機構 時間平均特性 (ディジタルフィルタ
の演算 リング)
附属書5図1 全身振動測定装置の構成概念図
このようなシステムで取り込まれた振動データから,附属書1の周波数補正後の周波数補正振動加速度
実効値を求めるためには,取り込んだ振動データを,コンピュータ内部で処理できるソフトを開発しなけ
ればならない。ソフトの基本的な考え方を附属書5図2に示す。

――――― [JIS B 7760-1 pdf 35] ―――――

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JIS B 7760-1:2004の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO/DIS 8041:2003(MOD)

JIS B 7760-1:2004の国際規格 ICS 分類一覧

JIS B 7760-1:2004の関連規格と引用規格一覧