JIS B 7920:2000 湿度計―試験方法 | ページ 2

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備考 二圧力・二温度法は,異なる温度・圧力の組合せで同一の露点を発生させることによって,装
置の性能の検証を行うことができ,高精度な湿度発生装置に用いることができる。
b) 湿度値の不確さ 二圧力・二温度法による湿度発生装置の相対湿度の相対標準不確かさ及び露点の標
準不確かさは,温度及び圧力の不確かさから,式(5)及び式(6)を用いて求められる。二圧力法,二温度
法の場合も,それぞれ温度及び圧力の不確かさを求め,同じ式を用いる。式(5)及び式(6)の分子の角括
弧内において,後の四つの項は,飽和蒸気圧式及び増加補正係数の式の相対標準不確かさである。温
度及び圧力の不確かさの増加補正係数に及ぼす影響は,無視できる。このほかに,必要であれば,飽
和槽の効率,試験槽及び配管内の吸着などによる不確かさを,二乗和の平方根をとる形で加算する。
ur (Uw) = [ur (ps)2+ [{(es'/es) |tsu (ts)}]2+ur (pt)2+[{(es'/es) |ttu (tt)}]2+ur [{es (ts)}]2+ur[{es
(tt)}]2+ur [{f (ps, ts)}]2+ur [{f (pt, tt)}]2]1/2 (5)
u (td) = [ur (ps)2+ [{(es'/es) |tsu (ts)}]2+ur (pt)2+ur [{es (ts)}]2+ur [{es (td)}]2+ur[{f (ps,
ts)}]2+ur [{f (pt, td)}]2]1/2/(es'/es)|td (6)
5.3.4 分流法 乾燥空気を二つに分流し,一方は飽和槽を通して水蒸気で飽和させた後に二つの流れを混
合し,試験槽へ送る。試験槽内の相対湿度は,両槽内の温度,圧力及び乾燥空気の分流比から求められる
で,この分流比を調節して所定の湿度の空気を発生させる(図3参照)。
図3 分流法の原理
a) 湿度値の求め方 温度が一定に制御された状態であること,飽和槽内の空気が飽和状態にあること,
分流した乾燥空気の流量及び両槽内の圧力が安定していること,及び試験槽で乾燥空気と湿潤空気と
が完全に混合しいることを確認し,分流した乾燥空気のそれぞれの流量並びに両槽内の温度及び圧力
から,式(7)によって試験槽内の相対湿度を求める。分流法では,増加補正係数は,通常,f=1として
取り扱われる。
pt es (ts )
Uw= 100 (%) (7)
ps 1( es (tt )
) es (ts )
露点は式(8)によって与えられる。
pt es (ts )
es (td )= (8)
ps 1( ) es (ts )
多くの場合,飽和槽と試験槽は同一の恒温槽に設置され,近似的にtt=tsとして取り扱われる。また,
飽和槽圧力と試験槽圧力は大気圧にほぼ等しいとして,近似的に式(9)が用いられる。

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Uw≒ 100 (%) (9)
1 1( )[{es (ts /) t}]
b) 湿度値の不確かさ 分流法による湿度発生装置の相対湿度の相対標準不確かさ及び露点の標準不確か
さは,式(10)及び式(11)を用いて求められる。ここでは,飽和蒸気圧式の不確かさは,他の測定量の不
確かさより小さいとして省略してある。このほかに,必要であれば,乾燥空気中の水分,飽和槽の効
率,試験槽及び配管内の吸着,混合の均一性などによる不確かさを加算する。
2
ps
ur (Uw ) 2 = [{(es /' es |) s u(ts )}] 2 ]
[ur ( ps ) 2 ur ( pt ) 2
ps 1( ) es (ts )
2
2 1( )[{ps es (ts )}]
[{(es /' es |) tt u(tt )}] ur ( pt ) 2}]
[{ur (qw ) 2
ps 1( ) es (ts )

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ps
u(td ) = [{es /' es |) s u(ts )}]2
[ur ( ps ) 2 ur ( pt ) 2
ps 1( ) es (ts )
/1 2
2
1( )[{ps es (ts )}] 2 2
[{ur (qw ) r (qd ) (11)
/(es ' es |) d
ps 1( ) es (ts )
備考1. 分流法は,相対湿度目盛での校正に用いられるほか,低湿度領域にも用いられる。流量計の
精度が相対湿度の誤差の主要な原因となる。
2. 乾燥空気中の水分も誤差の原因となるので,空気源の乾燥剤の管理など,常に注意を払う必
要がある。低湿度領域においては,乾燥空気中の水分を湿度値の計算にいれる必要がある。
5.3.5 飽和塩法 塩の飽和水溶液と平衡状態にある空気の相対湿度は,塩の種類と溶液の温度で定まるの
で,塩の飽和水溶液を入れた容器を一定温度に保って平衡状態を作り,所定の湿度を発生させる。
a) 湿度値の求め方 湿度発生に使用する塩と,その飽和水溶液と平衡状態にある空気の相対湿度を表1
に示す。温度を測定して,表1から相対湿度を求める。
飽和塩法では,過剰の塩を含む飽和水溶液を密閉容器中に入れ,温度と湿度を平衡させることによ
って一定湿度が実現される。容器の材質や形状は自由であり,金属やプラスチック製の円筒状や直方
体形の容器やガラス製のデシケータが使用できる。
なお,速やかに温度と湿度の平衡を達成し,安定に湿度を維持するために次の点に注意する。
− 溶液の表面積は大きくし,空間の体積は小さくする。
− 溶液は,固体の塩の多い状態又はシャーベット状(スラリー状)にする。
− 空間の大きい容器を使用するときには,ファンによって空間をかくはん(攪拌)する。
備考 表1の塩の中で,よう化カリウム (KI) 溶液については平衡状態でよう素の蒸気圧が高く,湿
度計表面などに吸着し特性を劣化させることがあるので,使用には注意する。
b) 湿度値の不確かさ 表1では,塩の飽和水溶液と平衡にある空気の相対湿度の拡張不確かさ (k=2) を
与えているが,実際に一定湿度を実現するうえでは,次のように平衡が完全ではないことなどに起因
する不確かさが加算される。
− 溶液と空間の温度差

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− 空間の温度分布
− 湿度平衡の不完全さ
− 溶解平衡の不完全さ
− 塩の中の不純物
− 周囲温度の変動

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表1 塩の飽和水溶液と平衡にある空気の相対湿度
92
相対湿度%
0:
t ふっ化 臭化 塩化 酢酸 塩化 炭酸 臭化 よう化 塩化 塩化 硫酸
200
℃ セシウム リチウム リチウム カリウム マグネシウムカリウム ナトリウム カリウム ナトリウム カリウム カリウム
0
5 − 7.4±0.8 13(6) − 33.6±0.3 43.1±0.5 63.5±0.8 73.3±0.4 75.7±0.3 87.7±0.5 98.5±1.0
10 − 7.1±0.7 13(7) 23.4±0.6 33.5±0.3 43.1±0.4 62.2±0.6 72.1±0.4 75.7±0.3 86.8±0.4 98.2±0.8
15 4.3±1.4(5) 6.9±0.7 12(8) 23.4±0.4 33.3±0.3 43.2±0.4 60.7±0.6 71.0±0.3 75.6±0.2 85.9±0.4 97.9±0.7
20 3.8±1.1 6.6±0.6 12(9) 23.1±0.3 33.1±0.2 43.2±0.4 59.1±0.5 69.9±0.3 75.5±0.2 85.1±0.3 97.6±0.6
25 3.4±1.0 6.4±0.6 11.3±0.3 22.5±0.4 32.8±0.2 43.2±0.4 57.6±0.4 68.9±0.3 75.3±0.2 84.2±0.3 97.3±0.5
30 3.0±0.8 6.2±0.5 11.3±0.3 21.6±0.6 32.4±0.2 43.2±0.5 56.0±0.4 67.9±0.3 75.1±0.2 83.6±0.3 97.0±0.4
35 2.7±0.7 6.0±0.5 11.3±0.3 − 32.1±0.2 − 54.6±0.4 67.0±0.3 74.9±0.2 83.0±0.3 96.7±0.4
40 2.4±0.6 5.8±0.4 11.2±0.3 − 31.6±0.2 − 53.2±0.5 66.1±0.3 74.7±0.2 82.3±0.3 96.4±0.4
45 2.2±0.5 5.7±0.4 11.2±0.3 − 31.1±0.2 − 52.0±0.5 65.3±0.3 74.5±0.2 81.7±0.3 96.1±0.4
50 2.1±0.4 5.5±0.4 11.1±0.3 − 30.5±0.2 − 50.9±0.6 64.5±0.3 74.5±0.9 81.2±0.4 95.8±0.5
55 2.0±0.4 5.4±0.3 11.0±0.3 − 29.9±0.2 − 50.2±0.7 63.8±0.4 74.5±0.9 80.7±0.4 −
60 2.0±0.4 5.3±0.3 11.0±0.3 − 29.3±0.2 − 49.7±0.8 63.1±0.4 74.4±0.9 80.3±0.5 −
65 2.1±0.5 5.3±0.3 10.9±0.3 − 28.5±0.3 − 49.5±1.0 62.5±0.4 74.2±0.9 79.9±0.5 −
70 2.2±0.6 5.2±0.3 10.8±0.4 − 27.8±0.3 − 49.7±1.1 61.9±0.4 74.1±0.9 79.5±0.6 −
75 2.4±0.7 5.2±0.2 10.6±0.41 − 26.9±0.3 − 50.3±1.3 61.4±0.5 74.0±0.9 79.2±0.7 −
80 2.6±0.8 5.2±0.2 10.5±0.5 − 26.1±0.4 − 51.4±1.5 61.0±0.5 73.9±0.9 78.9±0.8 −
注(5)包含係数k=2で計算される拡張不確かさ
(6)11.2%14.0%の範囲に分散
(7)11.3%14.3%の範囲に分散
(8)11.3%13.8%の範囲に分散
(9)11.1%12.6%の範囲に分散

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5.3.6 恒温恒湿槽 恒温恒湿槽は,一般に,供試品を収納し,温度計と湿度計が計装された試験槽と,温
湿度調節器によって温度計・湿度計各々の出力と所望の温度・湿度の設定値とが比較され,制御系と制御
端末器を通じて加温・冷却,加湿・除湿が行われる空調室とで構成される。槽内の空気は,空調室内に装
着された送風機によって,試験槽と空調室を強制的に循環する仕組みがとられている。通常,試験槽内に
有効空間を設定し,被試験湿度計は,ここに設置される(図4参照)。
図4 恒温恒湿槽の構造
a) 湿度値の求め方 恒温恒湿槽を湿度計の試験に用いる場合は,標準とする湿度計及び温度計を用いて,
試験槽の有効空間内の湿度及び温度を測定する。
b) 湿度値の不確かさ 恒温恒湿槽の相対湿度の不確かさは,次の項目に基づき評価される。
− 標準とする温度計の測定値の不確かさ
− 標準とする湿度計の測定値の不確かさ
− 有効空間内の温度分布と温度変動による不確かさ
− 有効空間内の湿度分布と湿度変動による不確かさ
6. 試験方法
6.1 校正方法 湿度計の校正方法の共通事項を6.1.1に示し,各湿度計に特有な校正手順,注意事項など
を6.1.26.1.6に示す。
6.1.1 共通事項
a) 湿度計の校正 湿度計の校正は,次のいずれかの方法による。
1) 湿度発生装置を標準とする方法 被校正湿度計を湿度発生装置の試験槽の中に入れるか,又は湿度
発生装置の発生する湿潤空気を湿度計に導き,湿度発生装置の示す湿度値と湿度計の指示値を比較
する。
備考1. 湿度発生装置の示す湿度値は,5.3.15.3.5によって求める湿度値をそのまま用いるか,又は
標準とする湿度計によって湿度発生装置の示す湿度値を校正して用いる。
2. 湿度計を標準として湿度発生装置を校正する場合も,6.1.1a)1)と同様の配置が用いられる。

――――― [JIS B 7920 pdf 10] ―――――

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