JIS B 8228:2020 単独の破裂板を除く安全装置の選定及び取付け

JIS B 8228:2020 規格概要

この規格 B8228は、安全弁,安全弁と破裂板式安全装置との組合せ,パイロット式安全弁,制御式安全圧力逃しシステムなどの圧力機器を保護する安全装置に関わる選定及び取付けについて規定。静圧の加わる機器を保護する安全装置の選定及び取付けに関する標準的事項についても規定。この配管は閉塞することなく,かつ,隔離できるバルブを含まない。

JISB8228 規格全文情報

規格番号
JIS B8228 
規格名称
単独の破裂板を除く安全装置の選定及び取付け
規格名称英語訳
Application and installation of safety devices excluding stand-alone bursting disc safety devices
制定年月日
2020年6月22日
最新改正日
2020年6月22日
JIS 閲覧
‐ 
対応国際規格

ISO

ISO 4126-9:2008(MOD)
国際規格分類

ICS

13.240
主務大臣
経済産業
JISハンドブック
‐ 
改訂:履歴
2020-06-22 制定
ページ
JIS B 8228:2020 PDF [36]
                                                                                   B 8228 : 2020

pdf 目 次

ページ

  •  序文・・・・[1]
  •  1 適用範囲・・・・[1]
  •  2 引用規格・・・・[1]
  •  3 用語及び定義・・・・[2]
  •  4 リスクの考慮・・・・[4]
  •  5 圧力に関する制限事項・・・・[5]
  •  6 入口配管・・・・[6]
  •  7 出口配管・・・・[7]
  •  8 取付け・・・・[8]
  •  9 手動開弁装置・・・・[11]
  •  附属書A(参考)安全装置の圧力設定・・・・[12]
  •  附属書B(参考)複数台の安全装置のサイジング・・・・[15]
  •  附属書C(参考)入口配管サイジング・・・・[17]
  •  附属書D(参考)累積背圧の計算・・・・[22]
  •  附属書E(参考)反動力の計算・・・・[29]
  •  附属書F(参考)騒音の計算・・・・[30]
  •  参考文献・・・・[31]
  •  附属書JA(参考)JISと対応国際規格との対比表・・・・[32]

(pdf 一覧ページ番号 1)

――――― [JIS B 8228 pdf 1] ―――――

           B 8228 : 2020

まえがき

  この規格は,産業標準化法第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人日本バルブ工業会(JVMA)か
ら,産業標準原案を添えて日本産業規格を制定すべきとの申出があり,日本産業標準調査会の審議を経て,
経済産業大臣が制定した日本産業規格である。
  この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
  この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本産業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
    注記 工業標準化法に基づき行われた申出,日本工業標準調査会の審議等の手続は,不正競争防止法
          等の一部を改正する法律附則第9条により,産業標準化法第12条第1項の申出,日本産業標準
          調査会の審議等の手続を経たものとみなされる。

(pdf 一覧ページ番号 2)

――――― [JIS B 8228 pdf 2] ―――――

                                      日本産業規格                            JIS
                                                                              B 8228 : 2020

単独の破裂板を除く安全装置の選定及び取付け

Application and installation of safety devices excluding stand-alone bursting disc safety devices

序文

 この規格は,2008年に第1版として発行されたISO 4126-9を基とし,我が国の実情に合わせるため,
技術的内容を変更して作成した日本産業規格である。
  なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。変更の一
覧表にその説明を付けて,附属書JAに示す。

1 適用範囲

  この規格は,安全弁,安全弁と破裂板式安全装置との組合せ,パイロット式安全弁,制御式安全圧力逃
しシステムなどの圧力機器を保護する安全装置に関わる選定及び取付けについて規定する。破裂板式安全
装置の選定及び取付けについては,JIS B 8226-3を適用する。
  この規格は,静圧の加わる機器を保護する安全装置の選定及び取付けに関する標準的事項についても規
定する。この規格に含まれる事項は,安全装置から単相の流体を排出する場合を想定している。気液二相
流を排出する場合の指針については,JIS B 8227による。
  十分な大きさの配管接続した機器は,配管も含めて圧力逃しを適用する一つの安全システムとみなすこ
とができる。ただし,この配管は閉塞することなく,かつ,隔離できるバルブを含まない。
  この規格は,法規が認めた安全のための状態監視装置,制御装置及び制限装置のような他の安全装置は
取り扱わない。
    注記1 この規格に規定する“法規”とは,我が国においては高圧ガス保安法,電気事業法,ガス事
            業法,労働安全衛生法を指す。
    注記2 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
            ISO 4126-9:2008,Safety devices for protection against excessive pressure−Part 9: Application and
                installation of safety devices excluding stand-alone bursting disc safety devices(MOD)
              なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”
            ことを示す。

2 引用規格

  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
    JIS B 0100 バルブ用語
    JIS B 8210 安全弁

――――― [JIS B 8228 pdf 3] ―――――

           2
B 8228 : 2020
    JIS B 8225 安全弁−吹出し係数測定方法
    JIS B 8226-1 破裂板式安全装置−第1部 : 一般
    JIS B 8226-2 破裂板式安全装置−第2部 : 安全弁との組合せ
    JIS B 8226-3 破裂板式安全装置−第3部 : 適用,選定及び取付け
      注記 対応国際規格 : ISO 4126-6,Safety devices for protection against excessive pressure−Part 6:
             Application, selection and installation of bursting disc safety devices(MOD)
    JIS B 8227 気液二相流に対する安全弁のサイジング
    JIS Z 8051 安全側面−規格への導入指針
    JIS Z 8209 化学プラント用配管図記号

3 用語及び定義

  この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS B 0100,JIS B 8210,JIS B 8225,JIS B 8226-1,JIS B 8226-2,
JIS B 8226-3,JIS Z 8051及びJIS Z 8209によるほか,次による。
3.1
安全装置(safety device)
  最高許容アキュムレーション圧力を超えないことを確実にするための最終的な保護装置。
    例 安全弁,破裂板式安全装置など。
3.2
安全システム(safety system)
  安全装置,保護する機器との連結部及び最も近くの安全な排出場所までの接続部を含んだシステム。
    注記 この排出場所は,大気又は安全な回収装置若しくはフレアとの接続部である。
3.3
フェイルセーフ(fail-safe)
  あらゆる安全システムの部品又は動力源の故障に対して,圧力機器の安全を保持している状態。
3.4
自己診断(self-diagnosis)
  安全システムの全ての選択した部品が要求どおりに作動できることを定期的及び自動的に判定すること。
3.5
冗長(redundancy)
  二つ以上の装置又はシステムを供給することによって,それらの一部が故障するようなことがあっても,
必要な機能が保持できるようにすること。
3.6
独立性(independence)
  他の機器から障害を受けずに要求どおり作動する能力。
3.7
ハザード(hazard)
  危害の潜在的な源。
    注記1 用語“ハザード”は,予想した危害の原因又は性質を定義するために使用する(JIS Z 8051
            の3.2参照)。
    注記2 危害は,人への傷害若しくは健康障害,又は財産及び環境への損害である。

――――― [JIS B 8228 pdf 4] ―――――

                                                                                             3
                                                                                   B 8228 : 2020
3.8
リスク(risk)
  危害の発生確率及びその危害の度合いの組合せ。
    注記 JIS Z 8051の3.9参照。
3.9
リスク分析(risk analysis)
  入手可能な情報を体系的に用いてハザードを同定し,リスクを見積もること。
    注記 JIS Z 8051の3.10参照。
3.10
リスク評価(risk evaluation)
  許容可能なリスクの範囲に抑えられたかを判定するためのリスク分析に基づく手続。
    注記 JIS Z 8051の3.12参照。
3.11
リスクアセスメント(risk assessment)
  リスク分析及びリスク評価からなる全てのプロセス。
    注記 JIS Z 8051の3.11参照。
3.12
信頼性(reliability)
  規定した条件下及び与えた時間に対して,故障なしに要求機能を実行する能力。
    注記 JIS Z 8115及びJIS B 9700の3.2とは表現は異なる。
3.13
圧力制限装置(pressure limiter)
  連続運転において,最高許容圧力を超えないようにする装置。
    注記 圧力制限装置は,圧力を修正する場合,又はシステムを停止及び隔離する場合に使用するもの
          である。
3.14
安全(safety)
  許容できないリスクがないこと。
    注記 JIS Z 8051の3.14参照。
3.15
最高許容圧力,PS(maximum allowable pressure)
  圧力装置製造業者の規定する機器の最高設計圧力。
3.16
最高/最低許容温度,TS(maximum/minimum allowable temperature)
  圧力装置製造業者の規定する機器の最高設計/最低設計温度。
3.17
アキュムレーション圧力(accumulated pressure)
  安全装置の作動中に,短時間に限り最高許容圧力を超えることができる機器の圧力。
3.18
最高許容アキュムレーション圧力,PS,accum(maximum allowable accumulated pressure)

――――― [JIS B 8228 pdf 5] ―――――

           4
B 8228 : 2020
  法規によって定められた保護する機器のアキュムレーション圧力の最高許容値。
3.19
超過圧力(over pressure)
  安全弁の設定圧力を超える圧力増加分。
    注記 超過圧力は,通常は設定圧力の百分率で表す。
3.20
背圧(back pressure)
  排出系における圧力を受けて,安全弁の出口に存在する圧力。
    注記 背圧は,既存背圧と累積背圧との和である。
3.21
累積背圧(built-up back pressure)
  安全弁及びその排出系を通る流体が引き起こす安全弁の出口の圧力。
3.22
既存背圧(superimposed back pressure)
  安全弁の作動する前に,安全弁の出口に既に存在する圧力。
    注記 この圧力は,他の圧力源によって既に排出系に存在している圧力を受けたものである。
3.23
許容アキュムレーション
  超過圧力の許容値。
    注記 許容アキュムレーションは,通常は設定圧力の百分率で表す。

4 リスクの考慮

4.1  圧力機器の安全な運転を確保するため,最も適切な安全に対する考え方を満足する全ての使用条件
を考慮しなければならない。これは,リスク分析及びリスク評価による実用的なリスクアセスメントを必
要とする。
4.2  リスク分析は,例えば,次を含む。
a) 次の事項を含め,圧力機器の境界の決定。
  1) 放出する流体の最大量
  2) 用途
  3) 合理的に予見できる誤使用
  4) 安全装置のサイジング及び流れが,安全システムの作動の信頼性及び性能に与える影響。
b) 起こり得るハザードの識別及びリスクの見積り。
4.3  特にリスク分析においては,次の事項を考慮しなければならない。
a) 十分な大きさの配管を接続した機器は,配管も含めて圧力逃しを適用する加圧システムの一部とみな
    すことができる。ただし,この配管は閉塞することなく,かつ,隔離できるバルブを含まない。
b) 装置の故障によって容器内の流体の圧力が最高許容圧力を超えることが予想される場合,安全装置の
    合計吹出し量を評価するときに,この故障を考慮しなければならない。
c) 液体を完全に満たした状態で運転し,かつ,密閉状態となる可能性がある容器は,過剰圧力に対する
    他の保護がない限り安全装置を設置しなければならない。
d) 過度の負圧状態が起こる場合があり,かつ,容器がその条件に耐えられないとき,許容負圧を下回ら

――――― [JIS B 8228 pdf 6] ―――――

                                                                                             5
                                                                                   B 8228 : 2020
    ないように,容器内に適切な流体が自動的に流入する真空安全装置を設置しなければならない。
4.4  予見できる故障の例を,次に示す。
a) 加熱用コイルの故障
b) 多管式熱交換器のチューブの破損。通常は,1本のチューブの完全破断を仮定し,破断面の両側から
    の吹出しを考慮して保護装置を設計する。
4.5  リスク評価は,リスク分析に基づきリスクが受容できることを判断する過程を含む。
    注記 製造業者及び使用者は,許容圧力及び温度の範囲内の運転において発生し得る最も厳しい条件
          を考慮する必要がある。
4.6  リスク分析及びリスク評価は,圧力機器を正しく設計するため,かつ,最も適切な安全装置を選定
するためのリスクアセスメントに対して,必要とする基本的な情報を与える。
  機器は,次の事項を目的として設計しなければならない。
a) ハザードを除去又は減少させる。
b) ハザードが除去できない場合,適切な保護手段を与える。
c) 誤使用による危険を防ぐ。
  製造業者は,使用者に残存するハザードを知らせ,かつ,特殊な場合は適切な対応手段を示さなければ
ならない。

5 圧力に関する制限事項

5.1  一般
5.1.1 安全装置は,機器の圧力が最高許容アキュムレーション圧力を超えないように,運転中に常に作動
可能でなければならない。
5.1.2 機器の通常運転中に,圧力は(適切な温度条件下で)最高許容圧力以下に制限されなければならな
い。
5.1.3 合理的に予見できる使用条件において内部の圧力が最高許容圧力を超えた場合,圧力機器は少なく
とも一つの適切な吹出し量及び性能をもつ安全装置によって保護されなければならない。
5.1.4 安全装置は,最高許容アキュムレーション圧力以下の圧力において必要吹出し量をもつサイズでな
ければならない。
5.1.5 安全装置の吹出し量を計算するときは,吹出し流体の実際の温度及び圧力を使用しなければならな
い。背圧が吹出し量に与える影響も考慮しなければならない。
5.1.6 安全装置が大きすぎる場合,二次的な問題を引き起こす(例えば,過剰な吹出し,不安定性)。安
全装置の形式,台数,サイズ又は組合せの選択は,保護する圧力機器の運転に対して適切であり,かつ,
信頼できるものでなければならない。安全装置の入口配管及び出口配管の圧力損失計算については,箇条
6及び箇条7を参照。
  二つ以上の安全装置を設置している場合には,起こり得る相互作用を考慮しなければならない。すなわ
ち,次の影響がある。
− 同じ排出システムに接続したとき,既に排出している安全装置の影響によって背圧が安全装置の作動
    に影響を与える。
− 動的影響(例えば,機械的な力,流れが変わることなど)。
5.2  安全装置の設定
5.2.1 安全装置の設定圧力は,5.2.2及び5.2.3で認められた場合を除いて,保護する機器の最高許容圧力

――――― [JIS B 8228 pdf 7] ―――――

           6
B 8228 : 2020
(PS)を超えないようにしなければならない。
5.2.2 吹出し量を2台以上の安全装置によって満足する場合には,それらの安全装置の少なくとも1台の
設定圧力はPSを超えてはならない。他の安全装置は,PSに対して5 %を超えないように設定する(附属書
Bの例参照)。この場合,5.1.4の要求事項を満足するために,許容アキュムレーションより低い超過圧力
で認定された安全装置を使用する必要がある。
  一方,法規が許容する場合(例えば,火災),PSの1.05倍を超える設定圧力を採用してもよい。
5.2.3 法規が許容する場合で,かつ,連続運転において認められたPSを超えないことを確実にする追加
の圧力制限装置を使用する場合には,安全装置の設定圧力はPS以上でPSの1.05倍を超えないように決め
てもよい。この場合,5.1.4の要求事項を満足するために,許容アキュムレーションより低い認定された超
過圧力で安全装置を使用する必要がある。
5.2.4 安全装置の設定圧力は,静水頭及び既存背圧並びにその変動を考慮して決めなければならない。既
存背圧の影響によって,設定圧力がPSを超えてはならない。
5.2.5 超過圧力がPSと最高許容アキュムレーション圧力との差より大きい液体用に認定した安全装置を
要求する場合,5.1.4の要求事項を満足するように,PSより低い設定圧力としなければならない。
    注記 低圧ガス/ベーパ用安全装置も同様である。
5.2.6 再閉止形の安全装置の場合,吹止り圧力はシステムの通常運転圧力より高くなければならない(附
属書A参照)。
5.2.7 ばね安全弁の場合,通常運転圧力は,設定圧力以下で可能な限り低くするのがよい。通常,弁座気
密性検査は設定圧力より10 %低い圧力で実施し,設定圧力と運転圧力との差はこれを考慮して決定するの
がよい。

6 入口配管

6.1  入口配管は,動的な効果及び圧力損失による影響を避けるために,可能な限り短くする。保護する
機器から安全装置までの入口配管が安定性,吹出し量など安全装置の性能に影響する場合がある。入口配
管の呼び径は,単独又は組合せで使用する安全弁の入口の呼び径以上でなければならない。
    注記 安全弁開放時に入口配管内の流体を加速することに伴い,圧力が動的に低下する。
6.2  安全弁の入口配管は,規格及び法規でほかに規定がない限り,回復不可能な圧力損失が安全装置の
設定圧力の3 %と吹下りの1/3とのいずれか小さい方を超えないように設計することが望ましい。累積背
圧については,箇条7を参照。
    注記 吹下りと安全弁の入口圧力損失との差は,少なくとも設定圧力の2 %以上とすることが望まし
          い。
6.3  規格又は法規でほかに規定がない限り,入口の全圧の損失(よどみ圧の差,すなわち,回復不可能
な損失)は,公称降格吹出し係数を使用して計算した吹出し量を降格係数0.9で除した実際の安全装置の
吹出し量を使用して計算する。圧力損失は,元弁,継ぎ手及び破裂板式安全装置の影響を含む。入口圧力
損失の計算は,安全弁の必要吹出し量を使用して行ってはならない。
    注記 安全装置までの入口配管の元弁及び継ぎ手は,フルポートとすることを推奨する。圧力損失は,
          配管工事の際に尖った端部を避けること(表C.3参照),又は径を大きくすることによって低減
          できる。
6.4  パイロット式安全弁(POSV)又は制御式安全圧力逃しシステム(CSPRS,ISO 4126-5参照)を設置
した場合,圧力損失が設定圧力の3 %を超えてもよい。この場合,安全装置が安定作動することを確認す

――――― [JIS B 8228 pdf 8] ―――――

                                                                                             7
                                                                                   B 8228 : 2020
るために,弁の性能について詳細に検討することが望ましい。検討結果によっては,例えば,リモート形
検出管,吹止り圧力を下げるなどの対応が必要となる。
  圧力損失が設定圧力の3 %を超える場合,その影響を考慮して質量流量又は流路面積を計算しなければ
ならない。
  圧力損失の計算については,附属書Cを参照。

7 出口配管

7.1  背圧が安全装置の設定圧力,吹出し量及び作動特性に及ぼす影響について考慮しなければならない。
この背圧は,累積背圧若しくは既存背圧,又は安全弁の下流に設置した破裂板式安全装置の影響を受ける。
  背圧は,累積背圧と既存背圧との合計であり,その許容値は,通常,製造業者又は法規·規格が規定し
ている。
    注記 許容背圧は,通常,設定圧力と既存背圧との差に対する百分率として表す。
          例えば,累積背圧15 %に制限する場合 : 
                         Pb Pu
                                  .015
                         Pset Pu
                      ここに,   Pb :  背圧
                                  Pu :  既存背圧
                                 Pset :  設定圧力
7.2  特に法規で規定していない場合,出口圧力の計算は,公称降格吹出し係数を使用して計算し,降格
係数0.9で除した安全装置の実吹出し容量を使用して計算する。この計算には,隔離弁,接続品,及び破
裂板式安全装置の影響を考慮しなければならない。
    注記 一般的に実吹出し容量は,要求流量よりも大きい。
7.3  背圧の影響は,平衡形ばね安全弁を使用することによって低減できる。非平衡形ばね安全弁の既存
背圧が一定の場合,冷温補正試験圧力(JIS B 8210参照)を用いて設定しなければならない。既存背圧が
変化する場合,平衡形ばね安全弁を使用することによって安全装置の設定圧力に対する背圧の影響を最小
限にすることができる。
    注記 累積背圧の計算及び出口配管システムの設計方法については,附属書Dを参照。10 %,15 %,
          20 %,30 %及び40 %の許容累積背圧について,それぞれ図式解法を示している。
7.4  出口配管は,できる限り短く,かつ,内径は弁出口内径以上でなければならない。
  安全装置から集合システムまでの間に液体が滞留しないように出口配管を設計するのがよい。開放形又
は密閉形の排出システムのいずれにおいても,液体が弁体の出口側に滞留する場合は,弁又は出口配管の
最も低い位置に適切なドレン配管を設けて,液体がた(溜)まるのを防止しなければならない。また,必
要ならば,凍結防止するよう留意しなければならない。
7.5  安全装置に過度な拘束力が伝わるのを防ぐために,出口配管は確実に固定し,適切に支持しなけれ
ばならない。また,この出口配管システムは,温度変化に対応できるよう十分な可とう性がなければなら
ない。
    注記1 配管に加わる力が,安全装置の作動及び気密性を損なうような応力を引き起こさないように
            することが望ましい。
    注記2 吹出し反動力計算については,附属書Eを参照。
7.6  安全装置が吹き出すとき,騒音レベルによって発生する配管の音響疲労を考慮しなければならない。

――――― [JIS B 8228 pdf 9] ―――――

           8
B 8228 : 2020
    注記 騒音計算については,附属書Fを参照。
  出口配管(絞り,曲がりなど)内のガスの流速は,常に音速以下であるように設計するのがよい。
7.7  安全装置の吹出し流体は,安全に排出しなければならない。流体を直接大気に放出する場合は,近
接した装置及び人が接近可能な区域を避けなければならない。
  消音装置を取り付ける場合は,背圧影響を考慮しなければならない。消音装置は,例えば,腐食物の堆
積などによって流路が閉塞しないように製作·施工しなければならない。
  個々の安全装置からの出口は,集合管及び共通出口配管に合流してもよい。

8 取付け

8.1  一般
  安全装置は,吹出し中に人が負傷するのを防止するように取り付けなければならない。排出は,安全な
場所まで配管しなければならない。排出及び騒音の環境に対する影響を考慮しなければならない。
  出口配管内に液だ(溜)まりが生じる可能性がある場合は,ドレン配管を設けて,そのドレン配管を安
全な場所まで導かなければならない。
  出口配管に雨水又は異物が侵入するのを防止するための部品が取り付けられている場合,これらの部品
は安全装置の作動に影響を与えてはならない。
  安全装置の性能に悪影響を与える可能性のある気候,プロセス又はその他の条件を十分に考慮しなけれ
ばならない。
  安全装置から可燃性の流体を放出する場合は,引火の危険性を考慮し,そのリスクを許容できるレベル
まで低減するための適切な手段を講じなければならない。
8.2  安全弁,制御式安全圧力逃しシステム又はパイロット式安全弁の主弁の取付け
8.2.1 一般
  ボルト·ナット及びガスケットは,関連規格に従う。ガスケットは,正しい形式,材料及び寸法で,入
口配管又は出口配管のいずれの部分も塞がないものでなければならない。
  次に示す事項について考慮しなければならない。
a) 外部から加わる力 入口配管及び出口配管は,安全機能をもつ安全弁又は主弁に許容できない外部か
    らの機械的な力が伝わらないように支持しなければならない。特にばね安全弁については,弁座の気
    密性に対する影響を考慮しなければならない。さらに,入口配管及び出口配管は,弁の吹出し時の反
    動力の影響に十分に耐え得るものでなければならない。
b) 熱応力 入口配管及び出口配管で発生する熱応力に適応できるような対策を講じなければならない。
c) 振動応力 振動応力は,入口配管及び/又は出口配管の不適切な流れ状態によって生じるものも含め
    て,安全弁の弁座からの漏れ,並びに弁及び配管の疲労破損を防止するように最小に抑えなければな
    らない。
  安全弁を鉛直以外の方向に取り付けるときは,製造業者の推奨事項を考慮しなければならない。
  安全装置の点検及び取外しのために,高さを含めて十分な作業空間を確保しなければならない。
8.2.2 配置
  容器に液体及びガス/ベーパを含み,ガス/ベーパを吹き出す場合のガス用安全装置は,容器の気相部
又はその部分に接続した配管に取り付け,取付け位置は,安全装置が吹き出すときに随伴する液体が最小
限になるような場所を選ばなければならない。また,液体を吹き出す場合の液体用安全装置は,容器の液
相部又は液位より低い部分に接続した配管に取り付け,取付け位置は,ガス/ベーパの侵入を防ぐ位置を

――――― [JIS B 8228 pdf 10] ―――――

                                                                                             9
                                                                                   B 8228 : 2020
選ぶ。
  ガス/ベーパのいずれの相も逃がす場合には,どの相にも適した安全装置を設置することが望ましい。
    注記 二相流の可能性がある場合は,JIS B 8227を参照。
8.2.3 検出管
  検出管をもつ安全装置については,圧力を検知する検出管を脈動,振動及び過剰な入口圧力損失が最小
となるような適切な箇所に取り付けるのが望ましい。この要求事項を満足した上で,検出管の長さが最短
になるように注意するのが望ましい。
  検出管のサイジング及び形状については,安全装置の製造業者に相談しなければならない。
  フローイングパイロットのリモート形検出管は,パイロット弁の最大流量を基に圧力損失が設定圧力の
3 %以下になるようにサイジングしなければならない。
  必要に応じて,検出管は圧力設定を確認できるようにするために,サイフォン,止め弁及び試験用接続
部を組み込んでもよい。どのような配置·状況であっても,いつでもパイロット弁が作動することを確認
できなければならない。検出管の止め弁については,8.4.28.4.4を適用する。実用的である限り,検出管
はドレンがた(溜)まらない構造とするのが望ましい。
8.3  直列又は並列での安全弁及び破裂板式安全装置の取付け
8.3.1 次の事項を満足する場合,破裂板式安全装置を安全弁と直列に取り付けてもよい。
a)   IS B 8226-2の要求事項を満足する。
b) 破裂後の破裂板の開口は,安全装置の適切な機能を阻害しない。
c) できる限り非破片飛散形破裂板を使用する。破片飛散形破裂板を使用する場合,適切な手段によって
    破裂板の破片が安全弁の機能を確実に阻害しないようにしなければならない。
d) 箇条6及び箇条7の要求事項を満足する。
8.3.2 次の事項を満足する場合,破裂板式安全装置を安全弁の出口側に取り付けてもよい。
a) 安全弁の弁体と破裂板式安全装置との間で累積するいかなる背圧にもよらず,安全弁が適切な圧力設
    定で開放するように設計するか,又は安全弁から少量の漏れによる圧力の累積を防止するように,弁
    体と破裂板式安全装置との間をベント抜き又はドレン抜きをしなければならない。
b) 破裂板式安全装置の仕様温度における破裂圧力(差圧)とその出口配管の既存背圧との合計は,安全
    弁の出口部分及び安全弁と破裂板との間の配管又はフィッティングの設計圧力を超えてはならない。
c) 安全弁の出口側にある破裂板式安全装置の存在が箇条7の全ての要求事項を満足する。
8.3.3 破裂板式安全装置が安全弁と直列に取り付けられる場合,それらの装置の間は,距離によらず,蓄
圧を防止する又は加圧の警報を出す装置を適切に取り付けなければならない。
8.3.4 安全弁と並列に取り付けられる破裂板式安全装置の取付けについては,JIS B 8226-3を参照。
8.4  安全装置の隔離
8.4.1 基本的な要求事項
  運転中常に超過圧力から機器を保護しなければならない。
  8.4.2及び8.4.3の場合を除いては,安全システムに隔離弁を付けてはならない。
8.4.2 機器を保護する安全装置の隔離
  保護すべき機器から圧力源を同時に隔離できる場合,保護すべき機器の安全装置を隔離しなければなら
ない。代表的な配置を図1に示す。

――――― [JIS B 8228 pdf 11] ―――――

           10
B 8228 : 2020
                  記号
                    P :  圧力源
                    V :  圧力容器
                    S :  安全装置
                    G :  隔離弁
                  注記 3個の容器Vに対し,圧力源Pは一つであり,どの隔離弁Gを閉鎖
                       しても,隔離した容器に圧力源が加わらないシステムとなっている。
                                      図1−隔離方法の一例
  太陽熱,火災など全ての圧力上昇の原因を考慮しなければならない。
  保守中の安全装置は,運転中の機器から隔離する。運転中の機器は,可能性のある超過圧力に対して完
全に保護し続けなければならない。
8.4.3 複数の安全装置の分離
  いずれか一つの安全装置を隔離する場合(例えば,テスト又は保守のために),機器に接続する残りの安
全装置が必要吹出し量を常に保持していることを確認しなければならない。
  次の方法は,許可できる。
− 三方弁
− 切替弁
− 機械式インターロック
− 連動キー式インターロック
8.4.4 隔離弁のロック
  8.4.2及び8.4.3以外の圧力逃しシステムの隔離弁は,鍵又は封印付きとして,正規の全開又は全閉位置
であることを定期的に確認しなければならない。
8.4.5 排出操作
  隔離弁と安全装置との間の空間には,装置を取り外す前に,その空間の圧力を逃がすための排出弁を取
り付けなければならない。

――――― [JIS B 8228 pdf 12] ―――――

                                                                                            11
                                                                                   B 8228 : 2020

9 手動開弁装置

  蒸気用及び空気用安全弁には,運転圧力において確実に弁座から弁体をもち上げることができる手動開
弁装置を取り付けてもよい。通常,手動開弁装置は外部の揚弁力を開放したときに,開度をロック又は保
持できない構造とするのがよい。
  なお,ハザードとなる流体を含む圧力機器の安全装置には,手動開弁装置は取り付けないほうがよい。

――――― [JIS B 8228 pdf 13] ―――――

           12
B 8228 : 2020
                                          附属書A
                                          (参考)
                                   安全装置の圧力設定
                                   最高許容圧力(PS)の%で表示
                                     容器                      安全弁
                 最高許容アキュムレーション圧力 100+X    吹出し量決定圧力
        短時間(瞬間)に対
        する最高許容圧力                                                     超過圧力
        上昇(又はアキュム                                                    ≦X %
        レーション)
                             最高許容圧力     100            設定圧力
                                              ~~~~
                                                                               吹下り
                                              ~~~~
                                                              吹止り圧力
            安全運転のため                    ~~~~
                の余裕                        ~~~~
                 運転範囲
        注記 安全弁の設定圧力を保護する機器の最高許容圧力に等しくする場合の圧力設定である。
               図A.1−安全弁の適用 X %又はそれ以下の超過圧力で認定された安全弁

――――― [JIS B 8228 pdf 14] ―――――

                                                                                            13
                                                                                   B 8228 : 2020
                                   最高許容圧力(PS)の%で表示
                                     容器                     安全弁
                最高許容アキュムレーション圧力 100+X    吹出し量決定圧力
          短時間(瞬間)
          に対する最高許
          容圧力上昇(又
          はアキュムレー
          ション)
                           最高許容圧力     100
                                                                            超過圧力
                                                                             >X %
                                            ~~~~
                                            ~~~~
                                                             設定圧力
                                            ~~~~
                                            ~~~~
                                                                           吹下り
                                                             吹止り圧力
                                            ~~~~
            通常の余裕
                                            ~~~~
             運転範囲
          注記 安全弁の設定圧力を保護する機器の最高許容圧力より低くする場合の圧力設定である。
             図A.2−安全弁の適用 X %を超える超過圧力で定格リフトに到達する安全弁

――――― [JIS B 8228 pdf 15] ―――――

次のページ PDF 16

JIS B 8228:2020の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 4126-9:2008(MOD)

JIS B 8228:2020の国際規格 ICS 分類一覧

JIS B 8228:2020の関連規格と引用規格一覧

JIS ハンドブックから規格の検索、規格番号や名称が調べて探すことができます。
JIS ハンドブック 一覧 規格 種類別