この規格ページの目次
7
B 8309 : 2009
3.39
NPSH
飽和蒸気圧に相当するヘッドを差し引いた,NPSH基準面での絶対圧で表示した吸込全ヘッド。
注記 NPSH基準面は,羽根車の翼入口外端の描く円の中心を通る平面である。立軸又は傾斜軸形両
吸込ポンプの場合は,いずれか高いほうの中心を通る平面である。製造業者(又は供給者)は,
ポンプの正確な基準点との関係によってこの面の位置を示すのがよい。
3.40
有効吸込ヘッド (NPSHA)
規定吐出し量に対して,設置条件によって決定される利用可能なNPSH。
3.41
必要有効吸込ヘッド (NPSHR)
規定吐出し量,回転速度及び揚液において,ポンプが規定性能を達成するために必要な最小NPSHで,
製造業者(又は供給者)によって与えられる。例えば,可視キャビテーションの発生,キャビテーション
による騒音及び振動の増加,全揚程若しくは効率の低下の開始,所定量の全揚程若しくは効率の低下又は
キャビテーション浸食を防ぐのに必要な最小NPSH。
3.42
NPSH3
ポンプの第1段目の全揚程が3 %低下するときの必要有効吸込ヘッドで,これは,性能曲線図で標準的
な基準として用いる。
3.43
吸込比速度 (suction specific speed)
最高効率点で決定される,回転速度,吐出し量及びNPSHRによって定まる数値。
注記 次の式のSをいう。
4/3
S 602/3 nQ/1 2 / HSV
ここに, S : 吸込比速度 (min−1,m3/min,m)
n : 回転速度 (1/s)
Q : 吐出し量(両吸込羽根車のときは,吐出し量の1/2とする。)
(m3/s)
HSV : 必要有効吸込ヘッド (m)
3.44
動圧流体軸受 (hydrodynamic bearing)
対向面をもち,その相対運動によって,金属接触を起こさずに荷重を支えるためのくさび状油膜を形成
する軸受。
3.45
動圧流体ラジアル軸受 (hydrodynamic radial bearing)
ジャーナル又はティルティングパッド形式の構造の軸受。
3.46
動圧流体スラスト軸受 (hydrodynamic thrust bearing)
マルチセグメント又はティルティングパッド形式の構造の軸受。
――――― [JIS B 8309 pdf 11] ―――――
8
B 8309 : 2009
3.47
設計値 (design values)
ポンプの性能,最小許容肉厚及び部品ごとの物理的特性を決定するために,設計において用いる値。
注記 すべての用語において設計という言葉(例えば,設計圧力,設計動力,設計温度又は設計回転
速度)は,購入者の仕様書の中では使用しないほうがよい。この用語は,装置設計者及び製造
業者(又は供給者)だけが使用することが望ましい。
3.48
軸継手サービスファクタ (coupling service factor)
定格トルクTκ=κTnの係数κのことで,ポンプ及び原動機からの周期的なトルク変動に対する十分な余
裕を見込み,十分な軸継手寿命を確保するために原動機の呼びトルクTnに乗じる係数。
3.49
原動機定格出力 (driver rated power output)
現地の運転条件下での最大許容原動機出力。
注記 この定義は,JIS B 8307(クラスI)及びJIS B 8308(クラスII)で与えられる定義とは異なる。
3.50
圧力−温度等級 (pressure/temperature rating)
与えられた設計及び材料によって定まる圧力保持部品の圧力と温度との関係(図1参照)。
――――― [JIS B 8309 pdf 12] ―――――
9
B 8309 : 2009
記号
1 圧力保持部品の圧力−温度限界
2 裕度を含めた流体の運転範囲
p 圧力 t 温度
ptest 水圧試験圧力 ttest 水圧試験温度
pN 基本設計圧力 tmin,op 最低運転温度
pall,w 最大許容作用圧力 tmax,op 最高運転温度
p2max,op 最大吐出し運転圧力 最大吐出し運転圧力における最高許容作用温度
tmax,all,w
p2min,op 最小吐出し運転圧力
図1−圧力保持部品の圧力−温度等級
4 設計
4.1 一般
4.1.0A 文書
文書の中に含まれている技術的要求事項が矛盾する場合には,次の優先順序を適用する。
a) 注文書(発注前なら引合書)(附属書B参照)
b) データシート(附属書A参照)
c) この規格の要求事項
――――― [JIS B 8309 pdf 13] ―――――
10
B 8309 : 2009
d) 注文書(発注前なら引合書)において参照する,その他の規格
4.1.1 ポンプ性能曲線
性能曲線は,そのポンプの許容運転範囲を表示することが望ましい。
4.1.2 NPSH
必要有効吸込ヘッド(NPSHR)は,JIS B 8301に従い常温清水によるものとする。NPSHAはNPSHRに
対して0.5 m以上の余裕をもたせる。性能曲線には,ポンプの第1段目の全揚程が3 %低下するときの
NPSH(NPSH3)を用いる。
4.1.3 据付
ポンプは,通常の環境条件下の屋外設置に適したものであることが望ましい。屋内設置にだけ適応した
ポンプの場合は,製造業者(又は供給者)は文書の中で明確にする。屋外設置の場合には,購入者は環境
条件を指定する。
4.2 原動機
4.2.1 運転条件が限定される場合
直結式ポンプの原動機は,1 kW100 kWの範囲について,ポンプの規定軸動力1)に対して図2の比率以
上の定格出力とする。この範囲外の規定軸動力の場合には,その比率は受渡当事者間の協定による。取り
付けられている羽根車直径の,すべての運転点において必要な動力が原動機定格出力を超えない場合,図
2の余裕は必要としない。ただし,高比速度ポンプの原動機定格出力に関しては受渡当事者間の協定によ
る。
注1) 3.12の注1)を参照。
4.2.2 運転条件が限定されない場合
直動式ポンプの原動機は,取り付けられている羽根車直径の,すべての運転点において必要な動力が原
動機定格出力を超えない場合,図2の余裕は必要としない。ただし,高比速度ポンプの原動機定格出力に
関しては受渡当事者間の協定による。
図2−規定軸動力に対する原動機定格出力の比率
――――― [JIS B 8309 pdf 14] ―――――
11
B 8309 : 2009
4.3 危険速度並びに釣合い及び振動
4.3.1 危険速度
運転条件において,協定した原動機に連結したとき,ロータの実際の一次危険速度は,タービン駆動ポ
ンプのトリップ回転速度を含む最高許容連続回転速度より,少なくとも10 %高くする。立軸ポンプでは,
たわみ軸が許容される。
4.3.2 釣合い及び振動
4.3.2.1 横軸ポンプ
製造業者(又は供給者)の試験設備で測定したとき,振動値は,表1に与えられた振動シビアリティの
許容値を超えてはならない。
これらの振動値は,規定回転速度(±5 %)及び規定吐出し量(±5 %)の1点において,キャビテー
ションのない状態で運転したときの,軸受ハウジング上における軸に垂直方向の測定値である。
特殊な羽根車,例えば,単一通路の羽根車などをもつポンプは,表1の許容値を超えてもよい。そのよ
うな場合には,製造業者(又は供給者)は,見積書でこのことを明示することが望ましい。
表1−横軸ポンプに対する最大許容振動シビアリティ
[ISO 2372:1974の規定値を引用。(計測帯域は101 000 Hz)]
軸心の高さh1 a)における振動速度の最大rms値
回転速度,N
(mm/s)
(min−1)
h1≦225 mm h1>225 mm
N ≦1 800 2.8 4.5
1 800注a) 据付脚をもつ横軸ポンプのh1は,ポンプ脚のベース接触面とポンプ主軸センターラインとの間の距離
である。
性能試験時の振動の基準値は,JIS B 8301にも規定している。いずれの基準値を用いるかは,受渡当事
者間の協定による。
4.3.2.2 立軸ポンプ
a) 立軸ポンプの振動は,固定軸継手を使用した場合には,ポンプ上部の原動機取付台の最上部フランジ
で,たわみ軸継手を使用した場合には,ポンプの最上部軸受近傍で測定する。
b) 転がり軸受及び滑り軸受のいずれのポンプも,その振動値は,工場試験において,キャビテーション
のない状態で,規定回転速度(±5 %),規定吐出し量(±5 %)で運転するとき,7.1 mm/sの振動速
度を超えてはならない(計測帯域は101 000 Hz)。
性能試験時の振動の基準値は,JIS B 8301にも規定している。いずれの基準値を用いるかは,受渡当事
者間の協定による。
4.4 圧力保持部品
4.4.1 圧力−温度等級
製造業者(又は供給者)は,最も厳しい運転条件におけるポンプの最大許容作用圧力を明確にする。い
ずれの場合にも,ポンプ(ケーシング,スタフィングボックス及びメカニカルシールカバーを含むカバー
類)の最大許容作用圧力は,ポンプフランジの圧力等級で定まる圧力を超えてはならない。
鋳鉄,ダクタイル鋳鉄,炭素鋼又はステンレス鋼製ポンプの場合には,基本設計圧力は,20 ℃において
最低0.6 MPa(ゲージ圧)とする。
0.6 MPa(ゲージ圧)が許容できない引張強さの材料に対しては,製造業者(又は供給者)は,圧力−温
――――― [JIS B 8309 pdf 15] ―――――
次のページ PDF 16
JIS B 8309:2009の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 9908:1993(MOD)
JIS B 8309:2009の国際規格 ICS 分類一覧
- 23 : 一般的に利用される流体システム及びその構成要素 > 23.080 : ポンプ
JIS B 8309:2009の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称