JIS B 8390-2:2018 空気圧―圧縮性流体用機器の流量特性試験方法―第2部:代替試験方法 | ページ 4

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B 8390-2 : 2018
6.3.3 圧力依存係数Kp
最大上流圧力の音速コンダクタンス値をCmaxとして6.2.3.3の試験結果を用い,図9に示すような圧力依
存をプロットする。コンダクタンス比が1に近い範囲で近似直線を見つける。この直線上にあるプロット
は,チョーク流れ領域とみなすことができる。この直線の傾きは,圧力依存係数Kpの値である。この直線
上の2点の位置にあるコンダクタンス比と上流圧力を選択し,Kpは式(8)を用いて計算することができる。
Clow
1
Cmax
Kp (8)
p1, low
p,1 max
ここに, Kp : 圧力依存係数
Cmax : 最大上流圧力の音速コンダクタンス
Clow : 線形依存の低圧側の音速コンダクタンス
p1,max : 最大上流圧力
p1,low : 線形依存の低圧側の上流圧力
X 上流圧力p1
Y コンダクタンス比Ce/Cmax
1 最大上流圧力での初期測定点
2 近似直線上の第2測定点
3 近似直線
4 試験結果
a コンダクタンス比Clow/Cmax
b 上流圧力p1,low
c 上流圧力p1,max
図9−コンダクタンス比及び上流圧力のプロット

7 試験成績の表示

7.1   圧力測定管の内径を含む,全ての測定結果及び計算結果は,試験者又は代理機関によって一覧表に
されなければならない。
7.2 測定値をカタログ等で公表するときは,試験ユニットの結果の平均値を7.3に示すそれぞれの特性に
ついて報告しなければならない。
7.3 6.3によって計算した次のような流量特性に関する性能特性を表示しなければならない。

――――― [JIS B 8390-2 pdf 16] ―――――

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a) 音速コンダクタンスC[d)参照]
b) 臨界背圧比b
c) 亜音速指数m
d) 必要であれば,圧力依存係数Kp,上流圧力p1,max及び上流圧力p1,maxでの音速コンダクタンスCmax
7.4 7.3の特性から,機器の性能をJIS B 8390-1の附属書E(流量特性の計算式及び図表示)の式(E.1)及
び式(E.2)を用いて計算できる。
7.5 測定機器の校正の記録は,参照できなければならない。

8 規格適合表示

  この規格に適合することを,試験報告書,カタログ及び販売資料に記載する場合は,次の文言を用いる。
“この空気圧機器の流量特性は,JIS B 8390-2(空気圧−圧縮性流体用機器の流量特性試験方法−第2
部 : 代替試験方法)に適合する。”

――――― [JIS B 8390-2 pdf 17] ―――――

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附属書A
(参考)
測定の不確かさの評価
A.1 一般
TS Z 0033:2012は,国際的に合意した測定の不確かさを評価するための方法を定めている。測定の不確
かさを評価する方法は幾つかあり,TS Z 0033:2012には厳密な数学的方法が最も広範囲に示されているが,
TS Z 0033:2012に合致するその他の実用的な方法を用いてもよい。最も重要な規則は,不確かさを求める
ための労力及び費用は,“目的に適している(fit for purpose)”という原則に明確に従うことが望ましい点
である。すなわち,測定データの使用者の要求事項を十分に満たすことが望ましいが,適用を考慮し,過
度でないことが望ましい。この附属書ではこの原則を用いている。
TS Z 0033:2012は,不確かさを評価する方法に基づき,不確かさの要因をタイプA又はタイプBに分類
する。タイプAは,繰り返し測定から統計的手段によって計算され,タイプBは,その他の要因(例えば,
標準物質,校正証明書,定数の認められた値,分解能,不安定性及び環境条件)によって決定することが
できる。
しかし,TS Z 0033:2012に定められたタイプA及びタイプBを組み合わせた方法が望ましい。組合せ方
法は,それぞれの不確かさを個々に評価することができないため,一般に用いられている。この場合は,
何らかの系統的な測定誤差を避けるために標準物質及び品質管理物質を用いてタイプB評価が用いられる。
個々の不確かさは,不確かさの伝ぱ則を適用して合成する。タイプAの不確かさの評価は,実験データの
統計的解析手法から導き出した手法である。測定対象量の値が複数の測定結果の平均であるか,又は相関
のある変数で表すことができる場合は,このタイプの不確かさの評価が望ましい。
この附属書では,TS Z 0033:2012にある測定の不確かさを評価する手法に従っていない部分がある。
A.2 タイプB評価を用いる音速コンダクタンスCの測定の不確かさの評価
A.2.1 測定対象量 : コンダクタンスCe
この規格では,空気圧機器の最も重要な流量特性パラメータは,音速コンダクタンスCである。測定対
象量のコンダクタンスCe及び充試験時又は放出試験時におけるコンダクタンスの変化に関する式は,式
(E.3)又は式(E.8)のいずれかを用いて表すことができる。これらの式に従い,測定対象量(すなわち,測定
の対象となる量)及び入力量は,次のとおりである。
1 T3 V dp3 dp3
Ce f p1 ,T3 ,V, (A.1)
0p1 T 0RT dt dt
A.2.2 入力量の不確かさの評価
式(A.1)による測定の対象となる入力量は,次のとおりである。
a) 上流よどみ圧力p1
測定器の総合精度に従う不確かさ : 1
p 5.0 (%)
よどみ圧力の測定方法(圧力取出口) : 1 3.0 (%)
b) 上流よどみ温度T3

――――― [JIS B 8390-2 pdf 18] ―――――

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測定器の総合精度に従う不確かさ : 3
T 1 (K)
全ての測定の不安定性は,この不確かさの限界値に含まれることに注意しなければならない。これ
に含まれない場合は,実際の不安定性の範囲をΔTに加えなければならない。ただし,等温化タンク
は,温度の変動(放出時は降下,充時は上昇)が3 K未満でなければならない。これは,タンク内
空気が等温であるという仮定を有効とするための条件であり,流量は圧力応答を記録するだけで計算
できるようになる。
c) 等温化タンクの容積V
式(B.14)の評価に従う不確かさ
d) タンク内圧力の変化dp3/dt
測定器の総合精度及び時間基準(サンプリング周期)に従う不確かさ
A.2.3 感度係数
感度係数は,モデル関数fの入力量についての偏導関数から得られる。コンダクタンスCeについては,
次のとおりである。
入力p1の場合,
f 1 T3 V dp3
2
(A.2)
p1 0p1 T0 RT3 dt
入力T3の場合,
f 1 V dp3
(A.3)
T3 T3 RT3T0dt
2 0 p1
T0
入力dp3/dtの場合,
f 1 T3 V
(A.4)
dp3 0p1 T0 RT3
dt
A.2.4 絶対標準不確かさの表現
測定対象量のコンダクタンスCeの絶対標準不確かさは,次のとおりである。
f f dp3 f
Ce p1 T3 (A.5)
p1 T3 dt dp3
dt
相対標準不確かさが望ましい場合は,次のとおりである。
100CCe
Ce (%) (A.6)
e
A.3 タイプA評価を用いる音速コンダクタンスCの測定の不確かさの評価
A.3.1 測定対象量 : 音速コンダクタンスC
この規格では,空気圧機器の最も重要な流量特性パラメータは,音速コンダクタンスCである。式(A.1)

――――― [JIS B 8390-2 pdf 19] ―――――

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で定義されたコンダクタンスCeの変化は,下流圧力に対する上流圧力の比p2/p1に対してプロットするこ
とができる。これらの曲線は,圧力の変動及びコンダクタンス特性における変動を相関的に示している。
6.3.1.3を参照。
A.3.2 標準不確かさの表現
測定対象量の推定値は,チョーク流れ領域における複数の測定点の平均から次のように算出できる。
n
1
C Ci (A.7)
ni1
ここに, n : チョーク流れ領域における測定点の数(n>1)
Ci : i番目のデータ測定結果
実験標準偏差scは,次のように,チョーク流れ領域の観測値Ciの変動性を表わす。
i n
2
Ci C
i 1
sc (A.8)
n 1
この音速コンダクタンス測定の実験標準偏差scは,タイプA評価された不確かさである。
A.4 タイプB評価を用いる臨界背圧比b及び亜音速指数mの測定の不確かさの評価
A.4.1 測定対象量
この規格では,空気圧機器の2番目に重要な流量特性パラメータは,臨界背圧比bである。亜音速指数
mは,亜音速流れ領域の特性を表すために用いる。測定対象量b及びm(すなわち,測定の対象となる量)
並びに入力量に関する式は,次のとおりである。
m
2
p2
b
Ce p1
1 (A.9)
C 1 b
この式は,次のように変数を定義して,非線形最小二乗法(NLLSQ)によって解くことができる。
Ce
yi (A.10)
C
p2, i
xi (A.11)
p,1i
観測値とモデルから求められる値との差は,次のとおりである。
m
2
xi b
i yi 1 (A.12)
1 b
差の平方和は最小値である(附属書Fを参照)。非線形最小二乗法は,不確かさの統計的推定量を生成
するには概念的に不十分である。b及びmのばらつきを推定する実際の方法は,A.3.2で定めるCの最小

――――― [JIS B 8390-2 pdf 20] ―――――

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JIS B 8390-2:2018の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 6358-2:2013(MOD)

JIS B 8390-2:2018の国際規格 ICS 分類一覧

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