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方法を含め,製造業者が定めなければならない。アシスト力制限の設定がある場合は,あらかじめアシス
ト力制限を最も緩和する設定を用いなければならない。
A.4 基準動作
A.4.1 一般
ユーザ人体モデルは,A.4.2に規定する目標軌道に従って基準動作を行わなければならない。基準動作は,
t target
目標体幹角度 ,体幹角度を股関節角度と膝関節角度とに分配する係数k,動作ごとにかかる所要時間
tdで規定する。
アシスト力指標及び腰部圧縮力低減指標を求めるために,表A.1に規定する基準動作を行わなければな
らない。動作は直立状態(体幹角度0°)から開始し,持ち下げ,姿勢維持及び持ち上げを連続して行う。
ユーザ人体モデルからロボットへの入力は,A.4.4に従う。ロボットモデルのモード切替又は操縦入力が必
要な場合は,各動作ごとに区切って行ってよい。
表A.1の基準動作の一部だけをアシストするロボットであっても,動作は直立状態(体幹角度0°)か
ら開始し,持ち下げ,姿勢維持,持ち上げを連続して行う。
t target
注記1 を50°として,人が持ち上げ及び持ち下げを行うときのkは,人が持つ荷の大きさ,
質量,個人差などによって1.31.7程度のばらつきが生じる。そのため,この規格ではkに
1.5を採用した。
注記2 一般に,持ち上げ動作,持ち下げ動作及び姿勢維持動作をするときに,体幹角度を小さく維
持することが,腰部への負荷を小さくできるために好ましいとされている。このとき,kは
1.5より大きくなり,持ち上げ動作及び持ち下げ動作の所要時間tdも2 sより短くなることが
分かっている。例えば,体幹角度を25°として,人が実際に持ち上げ動作及び持ち下げ動作
をする場合,kは3.0程度になり,持ち上げ動作及び持ち下げ動作の所要時間tdは1.5 s程度
になる。性能の比較のために,これらの値を基準動作とした場合の,アシスト力指標及び腰
部圧縮力低減指標を算出してもよい。
表A.1−基準動作( tθtarget =50°,k=1.5及びtd=2 s)
基準動作 体幹角度θt(t) ) 所要時間td
持ち下げ 0°→50° 2s
姿勢維持 50° 2s
持ち上げ 50°→0° 2s
注a) 体幹角度が50°となる姿勢は,一般に腰部への負荷が大きく,好ま
しくない姿勢とされているが,移乗介助,低い荷の持ち上げ,非熟
練者による作業などで起こり得る姿勢といえる。ロボットを使用す
ることで,このような姿勢による腰痛リスクをどの程度低減可能か
を評価するため,基準動作の体幹角度に50°を採用した。
A.4.2 目標軌道
時間tに対するユーザ人体モデルの体幹角度の目標軌道θt(t),股関節角度θh(t)及び膝関節角度θk(t)の目
標軌道は,次のとおり規定する。ただし,各動作の開始時刻を0とし,直立状態ではθt,θh及びθkは全て
0とする。パラメータa,b,c及びdの値は,直前の動作終了時の体幹角度t )0( と,動作終了時の体幹角
度θt(td)を用いて随時算出する。 は実際の角度を意味している。理想的には,持ち下げ動作では,θt(0)=0,
となる。姿勢維持動作では,常に t)
target target t)0( target
(td )
t t (t t となる。持ち上げ動作では, t ,θt(td)
――――― [JIS B 8456-1 pdf 21] ―――――
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B 8456-1 : 2017
=0となる。さらに,全ての基準動作において, t )0(0, t)
t (d 0, t )0(0, t)
t (d 0 とする。
5 4 3
− 体幹角度(°) t)
(t at bt ct d, t dt
,0[]
− 股関節角度(°) (t)
h k t(t)
− 膝関節角度(°) k (t)1( ) k t (t)
注記1 (t) (t )
t h k (t) の関係を利用している。
注記2 人が実際に持ち上げ動作,又は持ち下げ動作をする際の各角度の軌道は,時間の5次関数に
ほぼ一致している。
A.4.3 制御器
ユーザ人体モデルの制御器は,ロボットのアシストがある場合でも,A.4.2に規定する目標軌道について
−5°以上かつ+5°以内となる範囲で追従しなければならない。実際の動作にかかった時間dtは,目標軌
道を求めるために用いた所要時間tdと一致しなくてもよい。
注記 一般に,ロボットのアシスト力が存在することで,動作にかかる時間は変化する。
A.4.4 ロボットへの入力
運動入力式のロボットの場合,ユーザ人体モデルからの特別な入力はない。
生体信号入力式の場合,ユーザ人体モデルの股関節の実際の出力トルクをロボットに入力する。
操縦入力式の場合,ユーザマニュアルに従って,基準動作の前,基準動作中,及び/又は基準動作の間
の時間に,操縦操作をロボットに入力する。
――――― [JIS B 8456-1 pdf 22] ―――――
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附属書B
(参考)
アシスト力指標及び腰部圧縮力低減指標の試験方法の例
B.1 要旨
この附属書は,8.3及び9.5の要求事項に用いられるアシスト力指標,並びに8.4及び9.6の要求事項に
用いられる腰部圧縮力低減指標を,試験によって評価する方法を例示する。
B.2 一般
試験は形式試験として実施し,ロボットの代表的な供試品1台について行う。複数の供試品について試
験を実施し,その結果を評価してもよい。
供試品には,通常使用のためにロボットに取り付けられる附属品(動力源又は外部動力伝導線を含む。)
を取り付ける。
B.3 試験装置
A.2に規定するユーザ人体モデルの条件を満たし,A.4に規定する基準動作が可能な試験装置を用いる。
B.4 環境条件
試験は,ユーザマニュアルに記載された通常使用時の環境条件の範囲で実施する。
B.5 供試品の装着
ユーザマニュアルに記載された方法に従って,供試品を試験装置に取り付ける。
B.6 試験の実施
供試品を作動させ,試験装置にA.4に規定する基準動作を3セット行わせる。基準動作の間には,製造
業者の指定する休止時間を設けてよい。休止時間の間に,ロボットのモードを変更してもよい(例えば,
持ち下げモード,姿勢維持モード,持ち上げモードなど)。
内部動力源式のロボット,及び使用前に充したエネルギーを本体に供給し,使用中に再充しない動
力源を用いる外部動力源式のロボットの場合は,エネルギーを通常使用における最大まで充した動力源
を用いて試験を実施してもよい。
故障などによって,試験が継続できない場合は,その時点で中断する。
B.7 アシスト力指標及び腰部圧縮力低減指標の評価
アシスト力指標及び腰部圧縮力低減指標は,附属書Cに従って算出し,セット間平均をしたものを評価
値とする。
――――― [JIS B 8456-1 pdf 23] ―――――
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附属書C
(規定)
アシスト力指標及び腰部圧縮力低減指標の算出方法
C.1 要旨
この附属書は,8.3及び9.5の要求事項に用いられるアシスト力指標,並びに8.4及び9.6の要求事項に
用いられる腰部圧縮力低減指標を算出する方法を規定する。
C.2 一般
ロボットのアシスト力指標は,C.3に従って算出しなければならない。ロボットの腰部圧縮力低減指標
は,C.4に従って算出しなければならない。
もし,ローパスフィルターをユーザ人体モデルから得られたデータに適用する場合は,そのカットオフ
周波数は,10 Hzを下回ってはならない。
C.3 アシスト力指標
Lower Lower Hold Raise Raise
ロボットのアシスト力指標 AFC1000 ,AFC200, AFC1000 , AFC1000 及び AFC200
は,表C.1に規定する時
刻t1及びt2を用いて,次の式で算出する。
1 t2
AFCt2t1 ψ href (t), h (t )
t2 t1 t1
ただし,
x y if x≧0
ψ(x, y)
(x y ) if x0
ref
ht
( ) : A.4に規定する基準動作を行ったときに得られる,ユーザ人体モデルの股関節軸の出力トルク
(ロボットを使用しない場合)
ht( ) : A.4に規定する基準動作を行ったときに得られる,ユーザ人体モデルの股関節軸の出力トルク
(ロボットを使用する場合)
とする。
注記1 一般に,ロボットのアシスト力が存在することで,動作にかかる時間及びユーザが発揮しな
ければならない力は変化する。そのため,この規格では,評価結果の安定性の向上を意図し
て,基準動作時の特定の時間区間における平均を指標とした。
注記2 A.4に規定する基準動作は抗重力動作であるため, refht
)( は常に負となることが期待できる。
このとき,ψ(x, y)=−(x−y)が常に用いられることになるが,この規格では,より一般性をも
つ形式でψを定義している。これによって,規定の動作を行うために必要なトルクと同じ方
向に,ロボットがトルクを出力する場合に,ψは正となる。
注記3 ψが正のとき,ロボットが出力する抗重力方向(伸展)のトルクによって,ユーザが発揮す
る抗重力方向(伸展)のトルクは低減しているか,又はロボットに逆らうために,重力方向
のトルクを発揮しているとみなせる。ψが負のとき,ロボットが出力する重力方向(屈曲)
のトルクによって,ユーザの発揮する抗重力方向(伸展)のトルクは増大しているとみなせ
る。
――――― [JIS B 8456-1 pdf 24] ―――――
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表C.1−ロボットのアシスト力指標及び腰部圧縮力低減指標を算出するための時間区間
アシスト力指標b) 腰部圧縮力低減指標b)基準動作の動作名 時刻t1 a) 時刻t2 a)
Lower Lower dt(s)c)
AFC 1000 LCR 1000 持ち下げ d
t 1(s)c)
Lower dt(s)c)
td
Lower
AFC 200 LCR 200 持ち下げ 2.0(s)c)
AFC
Hold
LCR
Hold
姿勢維持 td td
1000 1000 5.0(s) 5.0(s)
2 2
Raise Raise
AFC1000 LCR1000 持ち上げ 0s 1s
Raise Raise
AFC200 LCR 200 持ち上げ 0s 0.2 s
注a) 1及びt2で定義される時間区間[t1, t2]は,基準動作の持ち下げ,姿勢維持及び持ち上げにおけるそれぞれの開
始時刻を0 sとし,ロボットを使用しない場合に,ユーザの発揮するトルクが最も大きく,腰部への負荷が最
も大きくなる時間区間を含むように規定した(附属書F参照)。基準動作における関節角度の目標軌道は単調
増加又は単調減少であるため,アシスト力指標及び腰部圧縮力低減指標は特定の角度区間における平均と考
えることもできる。しかしながら,ロボットのアシスト力によって関節角度の軌道が変化すること,体幹角
度,股関節角度及び膝関節角度についてそれぞれ,又は同時に区間を規定するのが困難なこと,平均に用い
るデータ数が一定しないことから,この規格では,アシスト力指標及び腰部圧縮力低減指標を,角度区間に
おける平均とせず,時間区間における平均と規定した。
b) 平均に用いる時間幅が1 sの Lower Hold Raise Lower Hold Raise
AFC 1000 ,AFC 1000 ,AFC 1000 ,LCR 1000 ,LCR 1000 及び LCR1000 は,ロボットが基
準動作中に持続的にアシスト力を出力できているか,又は腰部負荷を低減できているかを表現する指標とみ
,AFC Raise
なせる。一方で,平均に用いる時間幅が0.2 sの AFC Lower
200 及び LCR Raise
Lower
200 , LCR 200 200は,基準動作にお
いて体幹角度が最も屈曲している短い時間区間だけに注目しているため,この時間区間に存在するユーザの
発揮するトルク又は腰部圧縮力のピークが,ロボットを使用することでどの程度低減できているかを表現す
る指標とみなせる(附属書F参照)。腰部への急な負荷の増加に対して,人が十分な力を発揮するまでの応答
時間の目安は0.2 sであることから(7.4の注記4参照),ピークの低減を評価するための時間幅として0.2 s
を採用した。
c) 基準動作の終了時刻は,規定の所要時間とならない場合もあるため,t2として動作の実際の終了時刻dtを用
いる。
C.4 腰部圧縮力低減指標
Lower Lower Hold Raise Raise
,LCR 1000 ,LCR 1000 及び LCR 200
ロボットの腰部圧縮力低減指標 LCR1000 ,LCR 200 は,表C.1に規定す
る時刻t1及びt2を用いて,次の式で算出する。
1 t2
(t )
ref (t), F
LCRt2t1 ψF
t2 t1 t1
ただし,
x y if x≧0
ψ(x, y)
(x y ) if x0
F ref (t) M zref (t)
yref (t)
F
F(t) M y (t) Fz (t)
x/ .005if x≧ 0
(x)
x/ 1.0 if x 0
Fref
z (t) : A.4に規定する基準動作を行ったときに得られる,ユーザ人体モデルの腰部z軸方向の圧縮力
(ロボットを使用しない場合)
Fzt
( ) : A.4に規定する基準動作を行ったときに得られる,ユーザ人体モデルの腰部z軸方向の圧縮力
――――― [JIS B 8456-1 pdf 25] ―――――
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JIS B 8456-1:2017の国際規格 ICS 分類一覧
- 25 : 生産工学 > 25.040 : 産業オートメーションシステム > 25.040.30 : 産業用ロボット.機械操縦装置
JIS B 8456-1:2017の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISB9705-1:2019
- 機械類の安全性―制御システムの安全関連部―第1部:設計のための一般原則
- JISB9961:2008
- 機械類の安全性―安全関連の電気・電子・プログラマブル電子制御システムの機能安全
- JISC0920:2003
- 電気機械器具の外郭による保護等級(IPコード)
- JISK5600-5-11:2014
- 塗料一般試験方法―第5部:塗膜の機械的性質―第11節:耐洗浄性