JIS B 8606:2021 冷媒用圧縮機の試験方法 | ページ 2

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4 量記号及び単位記号

  この規格で用いる主な量記号及びその意味並びに単位記号は,表1による。
表1−主な量記号及びその意味並びに単位記号
量記号 意味 単位記号
c 加熱媒体の比熱 kJ/(kg·K)
co 油の比熱 kJ/(kg·K)
f 定格の電源周波数 Hz
fa 実際の電源周波数 Hz
f1 圧縮機出口における圧力,及び温度の測定位置 −
f2 膨張弁入口における液冷媒の圧力,及び温度の測定位置 −
f3 −
凝縮器出口における液冷媒又はガスクーラ出口における冷媒の圧力,及び温度
の測定位置
g1 圧縮機入口における冷媒蒸気の圧力,及び温度の測定位置 −
g2 −
冷媒熱量計又は冷却器出口における冷媒蒸気の圧力,及び温度の測定位置
g3 凝縮器入口における冷媒ガスの圧力,及び温度の測定位置 −
g4 凝縮器入口における冷媒ガスの圧力,及び温度の測定位置 −
g5 凝縮器出口における冷媒の圧力,及び温度の測定位置 −
g6 −
吐出し管に設けた熱量計入口における冷媒ガスの圧力,及び温度の測定位置
g7 −
吐出し管に設けた熱量計出口における冷媒ガスの圧力,及び温度の測定位置
F1 熱漏えい係数 kW/K
hf1 kJ/kg
試験条件における圧縮機吐出しガスの圧力に対応した液冷媒の比エンタルピ

hf2 膨張弁入口における液冷媒の比エンタルピー kJ/kg
hf3 kJ/kg
凝縮器出口における液冷媒又はガスクーラ出口における冷媒の比エンタルピ

hga 試験条件における圧縮機吸込み口における冷媒蒸気の比エンタルピー kJ/kg
hgt kJ/kg
試験条件における圧縮機に吸い込まれた冷媒蒸気と同じ比エントロピー(圧縮
断熱)の圧縮機出口圧力に対応した冷媒ガスの比エンタルピー
hg1 試験条件における圧縮機入口における冷媒蒸気の比エンタルピー kJ/kg
hg2 冷媒熱量計又は冷却器出口における冷媒蒸気の比エンタルピー kJ/kg
hg3 凝縮器入口における冷媒ガスの比エンタルピー kJ/kg
hg4 凝縮器入口における冷媒ガスの比エンタルピー kJ/kg
hg5 凝縮器出口における冷媒の比エンタルピー kJ/kg
hg6 吐出し管に設けた熱量計入口における冷媒ガスの比エンタルピー kJ/kg
hg7 吐出し管に設けた熱量計出口における冷媒ガスの比エンタルピー kJ/kg
n 試験条件における圧縮機回転速度 s−1
na 実際の圧縮機回転速度 s−1
P 試験条件における圧縮機入力 kW
qmc 冷却水の質量流量 kg/s
qmf 試験によって決まる冷媒の質量流量 kg/s
qm1 液体の質量流量 kg/s
qmt 冷媒の総質量流量 kg/s
qv 冷媒と油との混合液の体積流量 m3/s
ta 平均周囲温度 ℃
tc 熱量計の平均表面温度 ℃
tf 圧縮機吐出し圧力に対応した冷媒温度 ℃

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表1−主な量記号及びその意味並びに単位記号(続き)
量記号 説明 単位記号
tg 圧縮機入口における冷媒の温度 ℃
tp 二次冷媒の圧力に対応した冷媒飽和温度 ℃
tr 冷媒の平均飽和温度 ℃
t1 加熱媒体又は冷却水の熱量計入口における温度 ℃
t2 加熱媒体又は冷却水の熱量計出口における温度 ℃
νg 試験条件に対応した圧縮機の吸込み条件における冷媒蒸気の比体積 m3/kg
νga 圧縮機吸込み口における実際の冷媒蒸気の比体積 m3/kg
Vsw 圧縮機の押しのけ量 m3/s
x 油循環率 −
ε 成績係数(動作係数) −
ηv 体積効率 −
ηi 全断熱効率 −
ρo 潤滑油の密度 kg/m3
ρ 流量測定時の圧力及び温度に対応した液冷媒の密度 kg/m3
Φh 熱量計の熱漏えい係数を求めるときの熱量計への熱入力 kW
Φi 冷凍能力を求めるときの熱量計への熱入力 kW
Φo 圧縮機の冷凍能力 kW
温度の単位記号は℃,温度差の単位記号はKを使用する。

5 試験

5.1 試験方法の種類

  試験方法は,受渡当事者間での協定によって,次の9種類から一つ以上の方法を選択する。
a) 二次冷媒熱量計法(方法A)1)
b) 満液式熱量計法(方法B)1)
c) 乾式熱量計法(方法C)1)
注1) 方法A,方法B及び方法Cでは,断熱を施した熱量計が圧縮機の吸込み口に接続され,蒸発器
として作用する。
d) 冷媒蒸気流量計法(方法D1及び方法D2) 吸込み管又は吐出し管に設けた流量計で気体状態の冷媒
の質量流量を測定する。
e) 液冷媒流量計法(方法F) 凝縮器などの出口と膨張弁との間の液管に設けた流量計で液体状態の冷
媒の質量流量又は体積流量を測定する。
f) 水冷凝縮器法(方法G) 実際の冷凍装置の水冷凝縮器に適切な断熱を施し,熱量計として測定する。
g) 冷媒ガス冷却法(方法J) 圧縮機からの吐出しガスの一部を特別な凝縮器で凝縮し,特別な凝縮器
からの液冷媒の質量流量を測定する。
h) 吐出しガス熱量計法(方法K) 断熱施工された熱量計を圧縮機の吐出し管に設け,気体状態の冷媒
の質量流量を測定する。
なお,方法A,方法B,方法C,方法G及び方法Kの試験方法は,熱量計を用いて冷媒の質量流量を測
定する方法であり,方法D1,方法D2,方法F及び方法Jは流量計を用いて冷媒の質量流量を測定する方
法である。
注記1 方法A,方法C,方法D1,方法F及び方法Kは,一般に,圧縮機の測定に用いられている。
注記2 方法A,方法C,方法D1,方法F及び方法Gは,一般に,最終製品の測定に用いられてい

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る。
注記3 方法B,方法D2及び方法Jは,一般に,他の方法で測定された場合の結果の検証のために用
いられている。

5.2 試験の準備

  試験においては,次の点に注意する。
a) 試験を行う圧縮機は,通常の運転に必要な附属装置を全て取り付ける。
b) 圧縮機及び試験装置は,冷媒の漏れのないことを確認する。
c) 圧縮機及び試験装置の冷凍サイクル内の不凝縮ガスを排除し,製造業者によって定められた冷媒と潤
滑油とを適正量封入する。試験中に冷媒を加えてはならない。また,冷媒回路と通じているクランク
ケースに油を加えてはならない。
d) 圧縮機からの潤滑油の排出量が,冷媒の質量流量の1.5 %未満であることが確認されていない場合に
は,冷凍能力に及ぼす潤滑油の影響を補正する。ただし,二次冷媒熱量計法(方法A),満液式熱量計
法(方法B),乾式熱量計法(方法C),水冷凝縮器法(方法G),冷媒ガス冷却法(方法J)及び吐出
しガス熱量計法(方法K)では,潤滑油の循環は試験結果に影響を及ぼさないので,潤滑油循環の影
響を補正する必要はない。
e) 油循環量は,附属書Aに規定する試験方法によるか,又はそれと同等以上の正確さが得られる試験方
法によって,求めなければならない。大形のスクリュー圧縮機のように,油噴射することが圧縮サイ
クルの基本である場合には,圧縮機を通って流れる油の質量流量は,外部に取り付けてある油分離器
から附属書Bに規定する試験方法によって求める。
f) 圧縮機が,通常の運転において,油分離器を使用するように設計されている場合には,設計どおりに
油を圧縮機に戻す。それ以外で油分離器を使用する場合,その油分離器からの油は,直接圧縮機の潤
滑油系統又は圧縮機本体,又は測定装置と圧縮機の吸込み側継手との間の吸込み管に戻さなければな
らない。
なお,圧縮機入口の吸込み口の冷媒蒸気から液滴状の冷媒及び潤滑油を完全に取り除くことは困難
である。ただし,圧縮機の吸込み口におけるこれらの要因によって生じる誤差は,一般に,次の三つ
を同時に満足させることによって無視できる程度にまで少なくすることが可能である。
1) 圧縮機入口の冷媒蒸気が十分に過熱されていることを確認する。そのためには,吸込み蒸気の過熱
器が必要になり,かつ,外部の熱源からこれに供給される熱量は全て適切に記録する必要がある。
2) 圧縮機の吐出し管に有効な油分離器を設ける。一般に,油と液滴状冷媒との混合物の油含有量が冷
媒の質量流量の1.5 %未満である場合,潤滑油の影響に対して補正をする必要はない。
3) 油分離器からの油を圧縮機に戻すことが適切でない場合には,油は戻さなくてもよい。

5.3 試験に用いる測定計器

  測定計器は,次による。
a) 測定位置
試験に用いる測定計器の取付位置は,次による。
1) 圧縮機入口における圧力及び温度は圧縮機入口から,又は止め弁が設けてある場合には止め弁の入
口から配管の外径の8倍以上の距離の上流側の位置で,段付きのない直管部で測定しなければなら
ない。管の直径は,管径の16倍以上の長さにわたって,圧縮機の配管接続継手の管径と一致してい

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なければならない。ただし,圧縮機の附属装置の構成上の理由で,測定位置が外径の8倍の距離を
とれない場合には,外径の4倍以上かつ150 mm以上の距離とし,さらに,圧縮機からの熱の影響
を受けない位置でもよい。
2) 圧縮機出口における圧力及び温度は圧縮機出口から,又は止め弁が設けてある場合には止め弁出口
から配管の外径の4倍以上かつ150 mm以上の距離で,かつ,圧縮機からの熱の影響を受けない位
置で測定しなければならない。
b) 測定計器の精度 試験に用いる測定計器は,全て校正したものを使用しなければならない。また,測
定計器の精度は,表2に規定する値を満たさなければならない。
校正には,製造業者が自ら行う内部校正が含まれる。また,インバータを用いた可変速圧縮機に対
しては,測定に用いる計器によっては入力の測定が不正確になるので,計器の選定に注意しなければ
ならない。
表2−測定計器の精度
区分 測定項目 測定計器の精度
温度計 熱量計の熱媒体又は冷却水の温度 ±0.1 ℃
空冷の凝縮器などに流入する空気温度 ±0.2 ℃
圧力計 吸込み圧力及び吐出し圧力(絶対圧力の測定値) ±1.0 %
その他の圧力(絶対圧力の測定値) ±2.0 %
流量計 液冷媒及び冷却水 ±1.0 %
ガス冷媒 ±2.0 %
質量測定器 冷媒,潤滑油などの質量 ±1.0 %
電力計 指示形 ±0.5 %
積算形 ±0.5 %
回転速度計 電動機回転速度,軸回転速度など ±0.75 %
トルク計 電動機トルク,軸トルクなど ±2.5 %

5.4 試験条件

  試験条件は,受渡当事者間で協定したJIS B 8600の表1(定格温度条件)に示すいずれかの条件又は受
渡当事者間であらかじめ協定した条件とする。

5.5 運転条件

  運転条件は,次による。
a) 測定装置の周囲には,異常な空気の流れがあってはならない。
b) 圧縮機を始動し,5.4の試験条件に調整する。
c) 測定を行う定常状態は,表3による。
d) 数種の試験条件で試験を行うために,一つの試験条件から次の試験条件に変更するときは,新しい試
験条件の下で,定常状態に到達した後,測定を始めなければならない。

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表3−定常状態における最大許容変動量
項目 変動量 許容値
電源の電圧 定格値(銘板表示値)と測定値との相違 ±3 %
電源の周波数 定格値(銘板表示値)と測定値との相違 ±1 %
圧縮機の回転速度a) 定格値(銘板表示値)と測定値との相違 ±1 %
圧縮機駆動軸のトルク 定格値(銘板記載値)と測定値との相違 ±2.5 %
吸込み圧力b) 試験条件との相違 ±1 %
吐出し圧力c) 試験条件との相違 ±1 %
吸込み温度 試験条件との相違 ±3 K
液冷媒の温度又は過冷却度 試験条件との相違 ±0.5 K
注a) 開放圧縮機の場合は,±1.5 %
b) 吸込み圧力が低い場合には,吸込み圧力の設定試験条件の温度に対応する圧力と測定値との相違は
±2 kPa以内でもよい。
c) 吐出し圧力が低い場合には,吐出し圧力の設定試験条件の温度に対応する圧力と測定値との相違は
±10 kPa以内でもよい。

5.6 冷凍能力及び入力の測定

  規定の試験条件の下での冷凍能力及び入力を求めるには,5.1に規定する方法,又は自動化された試験装
置で測定する。
自動化された試験装置とは,最低限の機能として連続データを記録でき,定常状態での運転時における
冷凍能力及び入力の値の1時間の間の変動が,その間の平均値の±1 %以内であることが確認されている
装置である。
なお,非共沸混合冷媒の定格点で測定できない場合は,次の手順によって冷凍能力及び入力を算出して
もよい。
注記 非共沸混合冷媒を利用する場合,凝縮器の大きさなどに応じて凝縮温度及び蒸発器入口エンタ
ルピーが変化するため,吸込み圧力に対応する飽和温度を定格温度に合わせることが困難であ
る。
a) 定格温度±1 ℃以内又は定格吸込み圧力±4 kPa以内で2点以上冷凍能力及び入力を測定する。このと
き,定格点以上で1点以上,定格点未満で1点以上の測定を行う。
b) 得られた試験結果から,直線近似によって定格温度の冷凍能力及び入力を算出する。ただし,6.1.5,
6.2.5,6.3.5,6.4.3,6.5.4,6.6.4,6.7.4及び6.8.4に規定する試験の記録,並びに箇条8に記載の試験
報告は,a)で測定した結果を記載する。

5.7 算定の基礎

5.7.1 冷媒の熱力学的性質の出典
使用する冷媒の熱力学的性質の出典は,試験報告書に明記しなければならない
注記 試験報告の詳細は,箇条8のa)参照。
5.7.2 冷媒の質量流量の換算
冷媒質量流量の測定値qmfの測定試験条件における質量流量への換算は,次に示す係数を乗じる。
回転速度で規定する場合 :
vga n
vg na
電源周波数で規定する場合 :

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