JIS B 8660:2000 油圧―制御弁(流れ・圧力)―試験方法 | ページ 2

                                                                                              3
B 8660 : 2000 (ISO 6403 : 1988)
5.2.1.1 入口側圧力の測定点の位置は,
a) 10d以下で,その下流側に乱流を発生させるようなもの,例えば,バルブや曲がりなどを設置しない。
b) 供試弁の上流側で5d以上とする。
5.2.1.2 出口側の圧力測定点の位置は,バルブの下流側で10d以上とする。
5.2.1.3 測定データ中の管路損失は,ISO 4411の方法に従い校正する。
5.2.2 圧力測定点
5.2.2.1 圧力測定点の直径は,0.1d以下とする。ただし,1mm以上で6mm以下とする。
5.2.2.2 圧力測定用パイプの内面は,シャープエッジがないようにバリ取りを行う。
5.2.2.3 圧力測定点の長さは,直径の2倍を超えないようにする。
5.2.2.4 圧力測定点の内径部は,清浄で滑らかとする。
5.2.2.5 測定器を接続するためのパイプは,3mm以上とする。
5.2.2.6 測定点と測定器との間のエアを除去する。
5.2.3 温度測定点の位置 供試体の入口側の作動油温度は,入口側圧力測定点の上流側で15d以内の場所
で測定する。

5.3 フィルトレーション及びコンタミネーションレベル

5.3.1  供試弁の製造業者が推奨するかそれ以上のレベルのフィルタを設置しなければならない。
5.3.2 試験回路に使用されたそれぞれのフィルタの位置と仕様を,試験成績書に記載しなければならない。
5.3.3 7.から11.の試験を行う際には,固着による測定誤差要因を排除するために,測定は60秒以内で行
う。実際の測定時間を試験成績書に記載する。
5.3.4 試験に使用した作動油の汚染度は,サンプリングし実際のレベルを計測する。コンタミネーション
レベルの測定方法を,試験成績書に記載する。

6. 一般的試験条件

6.1 試験流体

6.1.1  試験に使用する流体に関する以下の項目を,試験成績書に記載する。
a) 試験流体の種類
b) 試験条件の温度での試験流体の動粘度 度
c) 試験流体の体積弾性係数Ks(動特性試験時)
6.1.2 粘度の影響を決めることが必要な場合,試験は成分が同じで異なる粘度をもつ試験流体を使用し,
規定の温度(複数も可)で実施する。詳細は試験成績書に記載する。

6.2 試験温度

6.2.1  試験は規定の入口作動油温度で実施する。入口作動油温度は,バルブ製造業者が推奨する範囲にす
る。詳細を試験成績書に記述する。
6.2.2 温度を選択する場合は,試験するべきバルブが温度補償の試験をすべきかどうかによる。
6.2.3 試験温度が25℃又はそれ以上の場合,試験に先立ち装置と試験流体との温度を一定にしておく。
試験中は,温度を一定に保つ。
6.2.4 試験温度が25℃以下の場合(コールドスタートとみなす。),試験流体の温度が試験開始後に上昇
することは許容する。時間経過に対する温度・圧力・流量を記録する。

6.3 定常試験条件

6.3.1  測定に当たって,制御変数値が表2に示す公差内になる測定条件を選択する。

――――― [JIS B 8660 pdf 6] ―――――

4
B 8660 : 2000 (ISO 6403 : 1988)
6.3.2 読取り数値及びその傾向についての精度は,それらの数値がバルブの機能する全域にわたってその
代表的特性を表されるように,決められなければならない。
6.3.3 再現性のある結果を確保するために,測定はある一定の間隔で行うようにする。
表2 制御変数の指示平均値の許容変動限界
制御変数 指示平均値の許容変動限界精度(1)
A B C
流量 % +0.5 + 1.5 + 2.5
圧力 % +0.5 + 1.5 ± 2.5
流体温度 K ±1 ±2 ±4
粘度 % +5 +10 +15
注(1) 附属書1参照

6.4 耐圧

6.4.1  6.4.1.1から6.4.1.5に示す耐圧試験は,供試バルブの組立状態を確認するために,すべての試験に
先立ち行う。
6.4.1.1 すべてのポート(ドレンポートを除く。)に最大作動圧力の1.5倍の圧力を負荷する。
6.4.1.2 1秒間に耐圧力の約2%の割合で上昇させ,耐圧力で5分間保持する。
6.4.1.3 この間,外部への油漏れがあってはならない。
6.4.1.4 出口側は製造業者が限界とする圧力とし,入口側及び出口側同時にそれぞれの耐圧力で5分間保
持する。
6.4.1.5 この間,外部への油漏れがあってはならない。

7. 方向制御弁の試験方法

7.1 試験回路

 付図1と同様な試験回路を使用する。

7.2 定常状態での差圧/流量特性

 制御要素の各位置での,差圧/流量特性の決定は,ISO 4411内のそ
れに該当する項目による。

7.3 内部漏れ

7.3.1  試験に先立ち,バルブの全作動領域にわたって少なくとも10回素早く作動させる。
7.3.2 ポート間のリーク量の割合を知るために,試験するべきそれぞれのポートに規定の圧力を加える。

7.4 切換特性

7.4.1  一般事項 次の試験の目的は,作動スレッショルドを決めるために行う(付図2参照)。制御要素
(例えば,スプールなど)の動きは,変位計で測定しなければならない。スレッショルドとは,通常反転
方向に対する最小分解能のことであるが,ここでは流量と圧力によるバルブの作動限界という意味である。
7.4.2から7.4.5に規定する試験方法は,制御要素が電磁ソレノイド,パイロットの油圧力又は力,そし
て戻りスプリング付き又はなしの各々の状態に応じて行われなければならない。固着による測定誤差要因
を排除するために,各々の測定は60秒以内に行われなければならない。
7.4.2 直動形ソレノイドバルブ
7.4.2.1 試験はソレノイドが最大定常温度の状態で行う。この温度は,コイルの巻線の絶縁等級に対応し
て,JIS C 4003で推奨している限度内でなければならない。
7.4.2.2 連続して励磁した巻線の温度を,定格電圧・流量ゼロの状態で,規定の流体温度と同一の周囲温
度下で,決める。これは,次の7.4.2.2.1から7.4.2.2.4に示す方法で行う。平均巻線温度は,種々の励磁状
態の後で巻線のコイル抵抗変化から計算できる。

――――― [JIS B 8660 pdf 7] ―――――

                                                                                              5
B 8660 : 2000 (ISO 6403 : 1988)
7.4.2.2.1 バルブを非励磁の状態にし,規定の周囲温度に4時間以上さらした後に,基本のコイル抵抗を
測定する。
7.4.2.2.2 ソレノイドを1時間励磁する。その直後に,励磁を止め15秒後に抵抗を測定する。15秒おき
に,90秒まで測定を行う。
7.4.2.2.3 必要であれば,温度が定常状態になるまで,7.4.2.2.2に規定する方法を繰り返す。
7.4.2.2.4 励磁を瞬間的に開放し,その復帰の状態から温度を決定する。この温度が連続励磁巻線温度で
ある。
7.4.2.3 すべての次に規定する試験は,励磁が十分で温度が安定していることを確認してから行う。
7.4.2.4 バルブの作動スレッショルドは,他の値が指示される場合を除いて,定格電圧の90%で定める。
7.4.2.5 試験は,規定の圧力と流量の範囲で作動限界を定めるために行う。作動限界とは,ソレノイド力,
及び/又はスプリングによる復帰力,又は逆方向のソレノイド力で,制御要素がその作動を完全に行えな
くなる限界をいう。
7.4.2.6 規定の試験回数は合計で6回以上で,そのデータから,連続して満足できる作動の限界値を定め
る。
7.4.2.7 全電流域で目標値に電圧が保てたことを示すために,ソレノイドの電流とコイル端の電圧の読取
り値を時間軸をもとにして記録しておく。
7.4.3 ソレノイド操作形2段形バルブ
7.4.3.1 試験は,制御要素を最大変位とするために必要なパイロット圧力を決めるために行う。
7.4.3.2 試験は,規定の圧力と流量の範囲で行い,その範囲を試験成績書に記載する。
7.4.3.3 ソレノイド電圧は,他の値が指示される場合を除いて,定格電圧の90%にセットする。
7.4.3.4 規定の試験回数は合計で6回以上で,そのデータから連続して満足できる作動の限界値を定める。
7.4.3.5 全電流域で目標値に電圧が保てたことを示すために,ソレノイドの電流とコイル端の電圧の読取
り値を時間軸をもとにして記録する。
7.4.4 パイロット圧力操作形バルブ
7.4.4.1 試験は最低パイロット圧力を決めるために行う。パイロット圧力による力,及び/又はスプリン
グによる復帰力,又は逆方向のパイロットピストンの復帰力によって,制御要素がその最大変位に達する,
最低パイロット圧力を定める。
7.4.4.2 試験は規定の流量と圧力の範囲で行われ,その値を試験成績書に記載する。
7.4.4.3 規定によって,試験は次の手順で行う。
a) 1秒間に最大定格パイロット圧力の2%を超えない割合で,パイロット圧力をゆっくり上げていく。
b) 700MPa/s (7 000bar/s) を超えない割合でパイロット圧力を動的に加える。
c) 上記a)及びb)の手順で繰り返す。
7.4.4.4 規定の試験回数は合計で6回以上で,そのデータから連続して満足できる作動の限界値を定める。
7.4.5 機械操作形バルブ
7.4.5.1 試験は規定の圧力と流量の範囲について行い,それらの範囲を試験成績書に記載する。
7.4.5.2 規定の試験回数は合計で6回以上で,そのデータから連続して満足できる操作力の限界値を定め
る。

7.5 過渡特性

7.5.1  最大圧力及び必要に応じて決められたパイロット圧力において,作動スレッショルドの80%に相当
する流量でバルブの過渡特性を決める。

――――― [JIS B 8660 pdf 8] ―――――

6
B 8660 : 2000 (ISO 6403 : 1988)
7.5.2 この試験では,バルブの出力側の回路容積が,マニホールドを含めたバルブの容積で限定される。
7.5.3 作用するポートをブロックし,その部分を作動流体で満たす。
7.5.4 ソレノイドバルブの場合,試験は定格電圧及び,6.2で述べられたソレノイドの温度条件で行う。
また,ACの場合は電圧0Vの状態でスイッチを入れる。
7.5.5 パイロット圧力制御形バルブの場合,パイロット回路の圧力変化率は,制御要素を急激に操作でき
る程度にしなくてはならない。例えば,負荷の落下のような機械的作動を想定してのものである。
7.5.6 指令信号に対する制御要素の応答としてのスプール変位が示すデータから,遅れ時間t1及びt2,応
答時間t3及びt4が得られる(付図3参照)。
7.5.7 このデータを表示するときには,変位の測定手段を記さなければならない。
7.5.8 同様に,指令信号に対する制御要素の応答としての出口ポートの圧力変化率で示される遅れ時間t5
及びt6,応答時間t7及びt8が得られる(付図4参照)。

8. チェック弁の試験方法

8.1 試験回路

8.1.1  試験回路としては,直動形チェック弁には付図5及び付図6に示すものが,及びパイロット圧力操
作形チェック弁の場合には付図7に示すものが用いられる。
パイロット圧力操作形チェック弁の場合,流量がポートAからBへ流れる場合の試験は,ポートXへ
のパイロット圧力がない場合とある場合の両方の試験を行わなければならない。逆の場合のポートBから
Aへ流れる場合は,パイロット圧力をポートXに負荷して試験を行う。

8.2 圧力損失/流量の特性

 ISO 4411に示される方法で,圧力損失/流量特性を定める。

8.3 パイロット圧力

8.3.1  この試験は,次を目的とする。
a) バルブを開き,かつ,それを完全に開いたまま保つための最低パイロット圧力pX.openを決める。
b) 規定の圧力pA及びpBと流量qVの条件で,バルブをレシートさせ得る最も高いパイロット圧力pX.closed
を決める。
備考 バルブを開く前に,pAを設定しておく。
8.3.2 システム変数pA,pB,及びqVを一定に設定し,パイロット圧力pXを0から流量qVに達するまで
上げる。
8.3.3 パイロット圧力pX及びqVを適切な記録計で記録し,読取り値から,バルブを開くのに必要で決め
られた流量に達し得る最低パイロット圧力pX.openを決める。
8.3.4 システム変数pAをできる限り低くし,pB及びqVを一定に設定し,パイロット圧力pXをバルブが
閉じるまで下げる。
8.3.5 パイロット圧力pX及び流量qVを適切な記録計で記録し,読取り値からバルブが閉じ得る最も高い
パイロット圧力をpX.closedを決める。

8.4 漏れ量

 8.4.1及び8.4.2に規定する漏れ量試験は,5分間行い,計測値は記録されなければならない。
8.4.1 直動形バルブ ポートBに規定の圧力をかけ,ポートAを大気開放し,ポートAからの漏れ量を
計測する。
8.4.2 パイロット圧力操作形バルブ 規定の圧力をポートBにかけ,ポートA及びXを大気開放し,ポ
ートAからの漏れ量を計測する。加えて,必要に応じて,ドレンポートYからの漏れ量も計測する。

――――― [JIS B 8660 pdf 9] ―――――

                                                                                              7
B 8660 : 2000 (ISO 6403 : 1988)

9. 圧力制御弁の試験方法

9.1 試験回路

9.1.1  リリーフ弁及び減圧弁の試験回路は,それぞれ付図8及び付図9に示すものを使用する。
9.1.2 供給回路側で計測される圧力脈動幅は,±0.5MPa (5bar) 以下でなければならない。
9.1.3 供試バルブ及び回路に相当する容積部剛性は,規定の最大流入流量での圧力変化で表される。次の
値の中から選択された範囲に入るようにする。
3 000···4 000MPa/s (30 000···40 000bar/s)
600··· 800MPa/s ( 6 000··· 8 000bar/s)
120··· 160MPa/s ( 1 200··· 1 600bar/s)

9.2 試験準備

9.2.1  9.2.2に先立って,素早く全調整範囲で10回以上作動させる。
9.2.2 規定の流量をバルブに流したまま,設定圧力を最低から最大へまたその反対の最低へ設定を変え,
必要なトルク,力,圧力又は入力電流を計測する。計測値を報告書に記録する。
9.2.3 固着の問題を避けるために,各設定における測定は60秒以内に終わらせなければならない。

9.3 リリーフ弁

9.3.1  定常状態の圧力/流量特性
9.3.1.1 流量を0から規定の最大まで変化させ,そのときの入口側圧力paを付図8の記録計5aで計測す
る。計測は,流量を増加方向と減少方向の両方行う。同時にバルブの最小と最大の調整可能範囲も確認し
ておく。
9.3.1.2 付図8の供試バルブの出口ポートに設けられた記録計5bで計測される戻りラインの圧pbは,制
御バルブ8で規定の一定値に調整する。
9.3.2 過渡特性
9.3.2.1 バルブ3a(付図8参照)を制御規定流量に設定し,供試バルブを切り換えて過渡圧力paを測定
する。アンロード状態では,必要な制御圧力の20%未満でなければならない。圧力paは付図8の計器5a
で示される。
9.3.2.2 圧力過渡特性試験では,付図8の絞り弁8は全開にする。
9.3.2.3 圧力/時間の曲線を記録し,圧力変化率を導き出す。単位MPa/s (bar/s) で表される平均直線変化
率を記録する。この測定はバルブ3aを操作してから,供試バルブの作動開始後までを,付図17に示すよ
うに測定する。選択した9.1.3の範囲内で直線化し,規定最大流量を検証する。
9.3.2.4 付図8のバルブ3aの作動時間は,9.3.2.3に示される圧力/時間曲線の直線化部分の10%を超え
てはならない。
9.3.2.5 圧力こう配の測定機器は,測定しようとするこう配の10倍以上の応答性をもつものが使用され
なければならない。また,ここでは,作動油の圧縮性による圧力こう配は次の式で表される。
v
dp q Ks
dt V
ここで,Vはバルブ6とバルブ3a又は3b間の流体の容積である。
備考 供試バルブの応答時間及び過渡回復時間は,付図17で定義される。
9.3.2.6 圧力制御弁を試験するときの表不器9は,試験回路のリリーフ弁2からの流量がないことを示す
ためのものである。

9.4 減圧弁

――――― [JIS B 8660 pdf 10] ―――――

次のページ PDF 11

JIS B 8660:2000の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 6403:1988(IDT)

JIS B 8660:2000の国際規格 ICS 分類一覧

JIS B 8660:2000の関連規格と引用規格一覧