JIS B 8836:2019 クレーン―ワイヤロープ―取扱い,保守,点検及び廃棄 | ページ 2

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この線は接点及び谷の位置を示す
接点
図1−谷切れの位置
3.10
劣化度(severity rating)
廃棄基準となる劣化の割合。
注記 劣化度は,ワイヤの断線,直径の減少又はMRT(3.11)によって検出されるような金属部分の
欠損などの個々の劣化モード,又は複数の劣化要因の組合せによって生じた複合的な劣化モー
ドに関連する可能性がある。
3.11
磁気探傷試験,MRT(magnetic rope test)
電磁探傷法の一つである漏えい(洩)磁束法に基づいた非破壊検査(NDT)。これは,通常,適任者に
よって実施される。
3.12
検出器(test head)
MRT(3.11)の磁化装置を備え,磁束を検出する検出素子又は検出コイルをもつ機器。
3.13
基準波形,基準曲線(base trace)
最初にMRT(3.11)で得られた,基準となる測定データ。
注記 稼動中のロープの劣化度を比較するために使用される基準データである。波形(曲線)の値は,
ロープの構成及びロープの軸方向の磁気特性(例えば,透磁率の差)によって異なる。
3.14
局所的な不具合,局所欠陥,LF(local fault,local flaw)
断線,溶接で損傷したロープ,腐食したくぼみ,ストランド間損傷などのワイヤロープの局所的な不連
続性の不具合。
3.15
金属部分の欠損,LMA(loss metallic of area)
新しいロープの公称金属断面積に対する欠損した金属断面積の割合。
注記 金属部分の欠損は,通常,一様な腐食,摩耗,機械的損傷,断線などの損傷に関連する。
3.16
端末処理,シージング(seizing)
ロープの端末に細い針金又はワイヤを何重にも巻き付けてロープをほどけにくくすること。

――――― [JIS B 8836 pdf 6] ―――――

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4 取扱い及び保守

4.1 一般

  クレーンの製造業者及び/又はロープの製造業者,又は供給業者が提供する取扱説明書に規定がない場
合は,4.24.8に従うものとする。

4.2 ロープ交換

  交換するロープは,クレーン製造業者によって指定された長さ,直径,構成,より方,より方向及び強
度のロープでなければならない。ただし,クレーン製造業者,ロープ製造業者又は他の適任者によって承
認された代替のロープを用いることができる。
なお,ロープ長さは,つり荷又はジブの位置が最も低い状態の場合に,ドラムに2巻き以上の捨巻きが
なければならない。
ロープ交換の記録は,保管しなければならない。
比較的大きい径の非自転性ロープの場合,両端を固定する追加手段を施工する必要がある。
所定の長さのロープにするためにロープリールに巻かれた長いロープを切断する場合には,切断後によ
りが戻ることを防止する(すなわち,ほぐれないようにする。)ため,切断予定部の両端のシージングを行
わなければならない。
単層ストランドロープの切断前のシージング施工手順の例を,図2のa) d)に示す。非自転性ロープ又
は平行多層よりロープでは,より長いシージングが必要となる。大径の非自転性ロープの別のシージング
方法を,図3に示す。不適切又は不十分なシージングが適用された場合,切断後,よりが戻る(すなわち,
ほぐれる。)可能性がある。
交換ロープの端末処理は,クレーン製造業者及びロープ製造業者のほか,適任者によって承認されてい
ない限り,クレーン製造業者の取扱説明書に基づいて,ドラム,フックブロック又はクレーン構造体の固
定位置に使用されなければならない。

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シージング線
a) シージング線の巻き始め
b) シージング線の巻き終わり(L≧2d)
c) シージングのより合わせ
切断位置
より合わせ部は谷の中に埋め込む
d) シージング処理後(切断前)
図2−単層ストランドロープの切断前の作業

――――― [JIS B 8836 pdf 8] ―――――

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図3−大径非自転性ロープ交換のシージング・切断方法

4.3 ロープの荷降ろし及び保管

  事故及び/又は損傷を防止するために,ロープは注意して荷降ろしをしなければならない。リール又は
コイルの落下,及びフック又はフォークリフトのフォークによる当て傷を避けるとともに,ロープを損傷
又は変形させるような外力を与えてはならない。
ロープは,涼しく,湿気のない建屋内に保管し,床面に直接置いてはならない。また,化学薬品,化学
薬品煙霧,蒸気,その他の腐食性がある物質の影響を受ける場所に保管してはならない。
屋外に保管する場合には,湿気による腐食を防止するためロープに覆いをかけなければならない。
保管中のロープは,表面腐食などの劣化の兆候を定期的に点検し,適任者が必要と判断した場合,ロー
プ製造時のロープグリース又はそれと同等である適切な保存剤を塗布する。
高温な環境下では,リールは,ロープからロープグリースの落下を防ぐために,定期的に半回転させな
ければならない。

4.4 ロープを取り付ける前の状態

  ロープを取り付ける前に受け取る場合,ロープ及びその検査成績書を確認して,ロープが指示どおりの
仕様であることを確認する必要がある。
取り付けるロープの最小破断力は,クレーン製造業者が指定した値より小さくてはならない。
ロープに腐食が発生する可能性のある期間,保管し続けた場合は,目視点検をし,更にMRT検査を実
施した方がよい。
全てのシーブ及びドラムの溝の状態を確認して,新しいロープの径を許容することができ,条痕などの
ロープ傷痕がなく,安全にロープを支えるために十分な厚さであることを確実に点検する。
シーブ溝の直径は,ロープの公称径よりも710 %大きくすることが望ましい。

4.5 ロープの取付け

  ロープの引出し及び/又は取付けのとき,より入り及びより戻りが発生しないように,あらゆる予防策
を講じなければならない。
より入り及びより戻りが起こると,ロープにループ,キンク又は曲がりが生じ,使用に適さなくなる。
これらの発生を防止するために,ロープが緩まないように,まっ直ぐに引き出さなければならない(図
4参照)。
コイルで供給されたロープは,ターンテーブルの上に配置し,直線的に引き出さなければならない。た
だし,ロープの長さが短い場合,ロープの外側端を自由にし,残りのロープを地面に沿って転がしてもよ

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い[図4 a)参照]。
コイル又はリールを地面に横置きにしたままロープを引き出したり,又は地面に沿ってリールを転がす
ことでロープの巻きを引き出してはならない(図5参照)。
フリートアングルを最小値にして,望ましくない回転作用を避けるために,リールで供給されるロープ
長さに応じて,できるだけクレーン又は巻上装置から遠くに,供給リール,支持台又は架台を置く。
ロープを地面上で直接扱うのではなく,適切なマット(例えば,使用済みのコンベヤベルト)上で扱う
ことで,ロープに砂又は汚染物質が浸入することを防止する。
回転式のリールの慣性力が大きいことに留意して,ロープをゆっくり引き出すように制御する必要があ
る。比較的小さなリールでは,通常,一つのブレーキを使用することで制御できる(図6参照)。
大きなリールでは,一旦回転が始まればかなりの慣性力をもち,しっかりとしたブレーキが必要になる。
ロープの取付け中は,可能な限りロープが常に同じ方向に曲げられるようにしなければならない。例え
ば,リールの上部からドラムの上部(いわゆる,“Top to Top”)に巻き取るようにする。また,リールの下
部からドラムの下部(いわゆる,“Bottom to Bottom”)に巻き取るようにする(図6参照)。
a) コイルから引き出すとき
図4−ロープを引き出すときの正しい手順

――――― [JIS B 8836 pdf 10] ―――――

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JIS B 8836:2019の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 4309:2017(MOD)

JIS B 8836:2019の国際規格 ICS 分類一覧

JIS B 8836:2019の関連規格と引用規格一覧