この規格ページの目次
4
B 9715 : 2013 (ISO 13855 : 2010)
3.1.10
侵入距離(intrusion distance),C
人体部位(通常は,手)が,安全防護物に検出される前に,先行して危険区域に接近できる距離。
3.2 記号及び略号
3.2.1 記号
記号 用語 単位
T 総合システム停止性能 s
S 最小距離 mm
C 侵入距離 mm
t1 保護装置の応答時間 s
t2 機械の停止時間 s
t3 ガードを開くのに要する時間 s
K 接近速度パラメータ mm/s
d センサ検出能力 mm
H 基準面より上の検出区域の高さ mm
h ステップの高さ mm
X 検出区域の終端から危険区域までの距離 mm
SRO 保護装置を越えて危険区域に到達する場合の最小距離 mm
SRT 保護装置を通過して危険区域に到達する場合の最小距離mm
CRO 保護装置を越える場合の危険区域側への侵入距離 mm
CRT 保護装置を通過する場合の危険区域側への侵入距離 mm
a 危険区域の高さ mm
b 安全防護物(例えば,ESPE,保護構造物)の高さ mm
S* 障害物のう(迂)回を考慮した実際の最小距離 mm
l1,l2,l3 障害物周辺を通る最短経路要素 mm
S1 水平面上にl1を投影した距離 mm
S2 水平面上にl2を投影した距離
S3 水平面上にl3を投影した距離
e 開口寸法 mm
v 動力式インターロックガードの開放動作速度 mm/s
3.2.2 略号
AOPD 能動的光電保護装置(Active opt-electronic protective device)
AOPDDR 拡散反射形能動的光電保護装置[Active opto-electronic protective device responsive to diffuse
reflection (e.g. laser scanners)]
VBPD 映像利用保護装置(Vision-based protective device)
ESPE 電気的検知保護装置(Electro-sensitive protective equipment)
4 方法論
図1は,この規格に従い安全防護物の検知又は作動装置の正しい位置を決定するための次の方法論を示
す図である。
a) 危険源を同定し,リスクを見積もる(JIS B 9700で規定される。)。
b) 当該機械に対してタイプC規格が存在する場合,その規格に規定する安全防護物の一つを選択し,そ
の規格で指定する距離を採用する。
――――― [JIS B 9715 pdf 6] ―――――
5
B 9715 : 2013 (ISO 13855 : 2010)
注記1 タイプC規格は,最小距離を直接的に,又はこの規格を参照することによって指定する。
c) タイプC規格がない場合,選択した安全防護物の最小距離を算出するためにこの規格の式を使用する。
注記2 適切な種類の安全防護物の選択に関して,JIS B 9700の6.3及びTS B 62046参照。
d) 検出区域をう(迂)回することが可能な場合,6.5の式を使用した追加の計算をしなければならない。
e) 安全防護物を組み合わせて使用する場合,最小距離の計算は,各安全防護物及び可能なう(迂)回を
考慮しなければならない。
f) 危険区域に到達するそれぞれの可能性に関して最小距離を計算し,大きな値を選択する。
g) 可能な場合,機械設計自体に距離を入れ込む。あるいはステップi)を参照する。
h) 安全防護物が検出できない接近を確認する。検出されない接近が可能な場合,再設計[ステップi)]
する。あるいはステップj)に進む。
i) パラメータ,又は代替の安全防護物の使用が可能か。いずれも不可能なら,追加の安全防護物を使用
しなければならない。
j) 決定した位置で安全防護物と危険区域との間に人が存在できるかを確認する。存在できる場合,リス
クアセスメントに基づいて付加的な方策が要求される。
注記3 付加的な方策の一例として,危険区域,及び安全防護物と危険区域との間の空間の外側に
手動リセットスイッチを設置することがある。その位置は,危険区域内,又は安全防護物
と危険区域との間の空間に誰もいないことを操作する人が容易に確認できるところを選択
する。手動リセット機能に関しては,JIS B 9705-1の5.2.2参照。
――――― [JIS B 9715 pdf 7] ―――――
6
B 9715 : 2013 (ISO 13855 : 2010)
a) 危険源の同定及びリスクの査
定(JIS B 9700参照)
はい タイプC規格で指定す
b) タイプC規格は
あるか? る適切な安全防護物を
選択する。
いいえ
c) 適切な安全防護物の選択
能動的光電保護装 圧力検知マット/ 両手操作制御装置 施錠なしインターロ
置−箇条6 フロア−箇条7 −箇条8 ックガード−箇条9
検出区域の方向及び接近 この規格の式を使用して最小
角度の考慮 距離を計算する。
d) う(迂)回の可能性 e) 安全防護物の組合せを使 f) 様々な可能性に対する最小
を考慮 用する場合,それら全て 距離を比較し,最も保護効
の最小距離を計算する。 果の高い(最も大きい)値
設置高さ及び最小距離を を選択する。
考慮
はい 最小距離を達成する
ことができるか?
いいえ
g) 最小距離を機械設 いいえ
計に組み込むこと
ができるか?
はい
いいえ はい
h) 検出されない
接近が可能か?
j) 人が安全防護物と i) パラメータは変更 はい
いいえ
危険区域との間に検出さ できるか,又は代
れずに存在することが可 替の安全防護物を
能な最小距離か? 使用できるか?
はい いいえ
リスクアセスメントに基づいて追 この最小距離を使用する。 リスクアセスメントに基づいた安
加の方策と組み合わせて最小距離 全防護物の追加
を使用する。
図1−方法論
――――― [JIS B 9715 pdf 8] ―――――
7
B 9715 : 2013 (ISO 13855 : 2010)
5 総合システム停止性能及び最小距離計算のための一般式
5.1 総合システム停止性能
総合システム停止性能は,少なくとも二つの段階で構成される。二つの段階は式(1)によって関連付けら
れる。
T=t1+t2 (1)
ここに, T : 総合システム停止性能
t1 : 安全防護物が作動してから,出力信号開閉器がオフ状態にな
るまでの最大時間
t2 : 安全防護物の出力信号がオフ状態になってから危険な機械機
能が終止するまでの最大時間。機械の制御システムの応答時
間tは,t2に含まなければならない。
t1及びt2は様々な要因,例えば温度バルブの開閉時間,コンポーネントの経年変化などに影響を受ける。
t1とt2との関係は図2で示される。t1及びt2は,それぞれ安全防護物及び機械の特性の関数であり,設計
及び測定によって決定される。この二つの値の評価には,測定,計算及び/又は製造の結果から生じる不
確かさを含まなければならない。
a 安全防護物の作動
b 安全防護物の出力信号のオフ
c 危険な機械機能の終止(安全条件)
図2−t1とt2との関係
総合システム停止性能Tは,保護装置の位置に対して本質的な特性である。Tの見積りにおいては,機
械の停止時間t2の変動を考慮しなければならない(附属書D参照)。機械の寿命の間,停止時間が悪化す
る可能性がある場合,正規の総合システム停止性能を確保するために,技術的又は組織的方策を講じるの
が望ましい。例えば,次がある。
− ブレーキ性能を制御する装置
− 点検(その性質及び頻度は,使用マニュアルで規定するのが望ましい。)
注記 さらに,考慮する事項として次を挙げることができる。
a) 保護機能の健全性(障害条件下での安全性)(JIS B 9705-1,ISO 13849-2及びJIS B 9961
参照)
b) 停止性能の監視(例えば,TS B 62046参照)
c) この規格を適用することが適切でない停止性能の場合,例えば,次がある。
1) 1サイクル中は機械を停止することができない。
2) 停止性能を予測できない。
システムの停止性能の測定は,正確かつ妥当な値が得られるよう慎重に検討する必要がある。附属書D
は,適切な結果を確実に得るために考慮する必要がある事項を示す。
5.2 最小距離
危険区域までの最小距離は,式(2)を使用して計算しなければならない。
――――― [JIS B 9715 pdf 9] ―――――
8
B 9715 : 2013 (ISO 13855 : 2010)
S=(K×T)+C (2)
ここに, S : 最小距離(mm)
K : 人体又は人体部位の接近速度に基づくデータから抽出された
パラメータ(mm/s)
T : 総合システム停止性能(s)(3.1.2及び5.1参照)
C : 侵入距離(mm)
箇条6箇条9は,特定の保護装置の種類及び組合せに対する式(2)の適用方法を示す。具体的な実施例
は,附属書A参照。
6 能動的光電保護装置に対する最小距離の計算
6.1 一般要求事項
6.1.1 この箇条は,人体又は人体部位が次の二つの方向から接近する状況に対する要求事項を規定する。
a) 検出区域に対して垂直(直交又は法線方向)(6.2参照)
b) 検出区域に対して平行(6.3参照)
さらに,次の場合に対する要求事項も規定する。
− 検出区域と接近方向との角度(垂直と平行との間)を考慮する必要がある場合(6.4参照)
− ESPEの検出区域がう(迂)回される可能性を扱う必要がある場合(6.5参照)
− 検出区域から危険区域への経路が障害物によって制限される場合(6.6参照)
注記1 これらの状況が組み合わされて現れる場合もある。
検出区域と危険区域との間に検出されないまま人が存在できるほど最小距離が長い場合,このことを防
止するために,更に存在検知装置を使用するなどの対策を講じるのが望ましい。
注記2 この規格は,よじ登りによる危険区域への到達に対する方策を示すことは意図していない。
6.1.2 安全防護物は,人が危険区域に検出されずに入ることがないように構成及び位置決めしなければな
らない。
6.1.3 必要な場合,検出区域のう(迂)回を防止するために安全防護物を追加しなければならない(図9
参照)。
6.1.4 拡散反射形能動的光電保護装置(AOPDDR)又は二次元の保護区域をもつ映像利用保護装置(VBPD)
の使用に対しては,最小距離の計算は,接近方向に基づいて6.2,6.3又は6.4に適合しなければならない。
6.2 接近方向に対して垂直な検出区域(垂直検出区域)
6.2.1 一般要求事項
図3は,検出区域が接近方向に対して垂直な三つの例を示す。
――――― [JIS B 9715 pdf 10] ―――――
次のページ PDF 11
JIS B 9715:2013の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 13855:2010(IDT)
JIS B 9715:2013の国際規格 ICS 分類一覧
- 13 : 環境.健康予防.安全 > 13.110 : 機械の安全
JIS B 9715:2013の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISB9700:2013
- 機械類の安全性―設計のための一般原則―リスクアセスメント及びリスク低減
- JISB9718:2013
- 機械類の安全性―危険区域に上肢及び下肢が到達することを防止するための安全距離