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B 9934 : 2012 (ISO 11500 : 2008)
5.3 希釈溶媒が粒子計数結果に影響を与えないことを確かめなければならない。
注記 あらかじめ希釈溶媒を清浄にする方法については,附属書Cを参照。
6 試験前の要求事項及び手順
6.1 注意事項
6.1.1 化学薬品
この規格で取り扱う化学薬品は,有害,有毒又は燃焼の可能性があるため,化学薬品の準備及び取扱い
時には,優良試験所規範(Good Laboratory practices)を守ることが望ましい。使用器具が,化学薬品と適
合することを確かめる。使用する化学薬品の製品安全データシート(MSDS, Material Safety Data Sheet)に
記載されている安全な取扱い及び使用方法の注意事項に従う。
6.1.2 電気障害
自動粒子計数器が,使用環境で無線周波妨害及び電磁波障害を受けないことを確認することが望ましい。
注記1 一般的に,自動粒子計数器は,受信障害又は電磁波障害を受けやすい。
自動粒子計数器には,電気ノイズがなく,安定した電源を使用しなければならない。
注記2 安定化電源を使用することが望ましい。
6.1.3 電磁スターラの使用
鉄又はその他の磁性体粒子を含むサンプルには,電磁スターラを使用しない。使用器具に電磁スターラ
が組み込まれている場合には,電磁スターラを取り外すか,又は無効にする。
6.1.4 相対湿度
粒子計数を実施する試験室の相対湿度は,4070 %に維持するのが望ましい。
注記 相対湿度は,粒子計数結果に影響を与える可能性がある。
6.1.5 サンプルの保管
細菌の繁殖しやすいサンプルについては,低温条件(5±2 ℃)で保管する。サンプルを室温に戻してか
ら1時間以内に計測を行う。
6.2 ガラス容器の洗浄方法
6.2.1 検証済みの洗浄方法に従って全てのガラス容器を洗浄する。JIS B 9937に従ってガラス容器の清浄
度を検証する。最終洗浄に使用する溶剤は,次に示すものが望ましい。
a) 分析するサンプルが鉱油系又は合成系液体の場合,ろ過した石油エーテルなどの親油性の溶剤
b) 分析するサンプルが水性系液体の場合,2-プロパノール又はろ過した脱塩水
6.2.2 全てのガラス容器の要求清浄度は,サンプルの清浄度測定結果に影響を与えない値にしなければな
らない。
注記 ガラス容器の清浄度は,ガラス容器の容量の1 mL当たりの清浄度,4 μm(c)以上が10個未満,
6 μm(c)以上が2個未満で十分であることが分かっている。
6.2.3 洗浄に使用する全ての液体を1 μm以下の孔径のメンブレンフィルタでろ過する。
6.3 自動粒子計数器の校正方法
自動粒子計数器の校正は,JIS B 9932に従って実施しなければならない。
6.4 自動粒子計数器の操作
6.4.1 製造業者の取扱説明書に従って,自動粒子計数器を使用する。製造業者の表示する同時通過誤差限
界(3.2参照)の80 %以下の粒子濃度及びノイズレベルのしきい値(3.5参照)の1.5倍以上の粒径で測定
を行う。
――――― [JIS B 9934 pdf 6] ―――――
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6.4.2 自動粒子計数器が安定するまで,電源を入れてから十分な時間をとる。
6.4.3 測定前に,ろ過した溶剤(6.2.1参照)でフラッシングし,センサ及び配管を清浄にする。
注記 センサ及び配管は,ろ過した溶剤をサンプル瓶に準備し,分析時の流量よりも50 %程度多い流
量でセンサ及び配管にサンプル瓶内の溶剤を流しフラッシングすることによって清浄にできる。
異種の流体が混合することによる光学的干渉が原因の誤差を生じないように,分析前に,センサ部など
を十分乾燥させる。
6.4.4 測定する液体と,その前に測定した液体とが混ざり合わない場合には,センサ及び配管を7.4に従
って洗浄する。
6.4.5 検出領域内又はその入口に粒子が残っていないことを定期的に検査する。
6.4.6 箇条5に示す要求条件を満足する希釈溶媒を分析することによって,自動粒子計数器,希釈溶媒,
ガラス容器を含め,粒子計数システムの清浄度を検定する。
6.5 計測前のサンプルの準備及び検査
6.5.1 概要
計測を開始する前に,図1に従ってサンプルの準備及び検査を行う。
6.5.2 事前の準備及び検査
サンプル瓶の外側に付着している汚れを,繊維製品を使用したとき,繊維の脱落が非常に少ない性質(リ
ントフリー)の布で拭き取り,サンプル及びサンプル瓶を次の項目について目視によって点検する。
a) 濁り(過度の量の粒子又は遊離水分の存在の可能性がある。)
b) 肉眼で確認できる大きさの粒子
c) 分離している水分
d) 不適切な容器(例えば,漏出若しくは破損している容器,又は4.7に一致していない容器)
e) 過度の量のサンプル(例えば,サンプルがサンプル瓶の容量の80 %以上満たしている場合)
a) d)のような状態のサンプルは,センサの性能に影響する可能性があるため,計測してはならない。
試験報告書に目視検査結果を記載する[箇条8のp) 参照]。
e)のような場合,6.5.3に従う。
サンプルがa) d)に当てはまらない場合,6.5.4に従う。
この規格の要求事項ではないが,光学顕微鏡によって計数結果を検証してもよい。
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計測するサンプルを検査して,次の
項目のいずれかに当てはまるか。
・濁りがある。
はい いいえ
・肉眼で確認できる大きさの粒子が
ある。
・水分が分離している。
・容器が不適切である。
(6.5.2)
はい サンプルを大きな容
適用できない。 サンプルの量が過度に多い
器に移す(6.5.3)。
(6.5.2)。
結果を記録する(6.5.2)。 いいえ
はい 水分の存在を確認する
(6.5.4)。
手順は適切ではない。 いいえ
箇条7に従う(図2)。
結果を記録する(6.5.4.3)。
図1−自動計数前のサンプルの点検及び準備
6.5.3 過度の量のサンプルに対する準備
6.5.3.1 サンプル瓶中の液量を見積もる。サンプルが容器容量の80 %未満であれば,そのまま測定してよ
い。容器容量の80 %以上である場合,6.5.3.26.5.3.4の手順に従ってサンプルの量を減らす。
注記 容器容量の80 %以上がサンプルで満たされている場合,サンプルに含まれる粒子を均一に再分
散するのは困難である。6.5.3.2及び6.5.3.4の手順に従うことによってこの問題を解決できる。
サンプルを準備するときには,6.5.3.2及び6.5.3.4に従って行い,サンプルが汚染されないように注意す
る。
6.5.3.2 サンプルの量を見積もる。次に,サンプル全量を移したときに,サンプル瓶の容量の5080 %
が満たされる大きさの清浄な別の測定用サンプル瓶を用意する。測定用サンプル瓶は,かくはん装置及び
ボトルサンプラに収まるものにする。
6.5.3.3 次の手順に従い,測定用サンプル瓶にサンプルを移す。
a) 測定用サンプル瓶にサンプルの約半分を注ぎ込む。
b) 元のサンプル瓶を手でよく振り,残りの半分のサンプルをかくはんする。
c) 残りの半分のサンプルを迅速に測定用サンプル瓶に注ぎ込む。
サンプルをこぼさないように細心の注意を払う。移し替えるときにサンプルをこぼした場合,そのサン
プルの粒度分布などが変わるため,正しい結果は得られなくなる。
6.5.3.4 測定用サンプル瓶に蓋をする。
6.5.4 水分の存在の確認
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6.5.4.1 次のいずれかの方法によって,サンプルに含まれる水分量が,この規格による測定方法の許容範
囲内であることを確認する。
a) ホットプレート法
1) ホットプレートを約140 ℃に熱する。
2) サンプルをかくはん装置で5分間かくはんする。
3) サンプルを超音波洗浄槽に入れ,30秒間,又はサンプル表面に気泡が全く観察されなくなるまで超
音波を作用させる。
4) 12 mLのサンプルをホットプレートに滴下し,サンプルの反応を観察する。音が出る場合又は泡
が立つ場合,サンプルは水を含んでいる。サンプルが音を出さずに薄く広がる場合,水を含んでい
ない。
b) 相対水分計を用いてサンプルの相対水分量を測定し,サンプルの飽和水分量の70 %を超えてないこと
を確認する。
注記 水分の存在は,JIS K 0113及びISO 12937によっても確認できる。
6.5.4.2 サンプルが,自動粒子計数器の計数結果に影響を与える量の水分を含まない場合,この規格に従
う粒子計数に使用できる。
6.5.4.3 サンプルが粒子計数結果に影響を与える量の水分を含む場合,この規格によってサンプルを評価
することはできない。6.5.4.1のa)又はb)の結果を記録する。
6.6 サンプル希釈の必要性の判断
希釈しないでサンプルを分析することが望ましいが,光学濃度,粘度又は粒子濃度を低下させるために
希釈の必要な場合がある。7.2.1に希釈の必要の判断についての指針を示す。
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7 自動粒子計数法の手順
7.1 概要
図2には,自動粒子計数器を用いてサンプル中の汚染粒子を測定するための手順を示す。
サンプルを点検する(箇条6及び図1)。
サンプルが,限度を超えた数の粒子を含むため サンプルに濁りがなく,過度の量の水分及び
不透明であるか,光が通過しにくいほど色が濃 粒子を含まないように見える。
いか,高粘度であるか。
サンプルを希釈する(7.2.3又は7.2.4)。
サンプルをかくはんする[7.2.3.3 a)]。
サンプルの脱気をする[7.2.3.3 b)]。
サンプルをかくはんする[7.2.3.3 c)]。
サンプルの脱気をする[7.2.3.3 d)]。
サンプルを5回以上静かに回転させる[7.2.3.3 e)]。
サンプルをボトルサンプラに設置する(7.3.2)。
4回連続で計数を行う(7.3.3)。
最後の3回の計数結果の最大計数差ΔXが附属書
はい 計数結果とサンプ
Aの許容値を超えているか(7.3.4)。 ルとを破棄する。
いいえ
サンプルを希釈し,同じ結果となるまで7.3.1
7.3.5を繰り返す(7.3.6)。
はい
同時通過誤差が発生したか(7.3.7)。
いいえ
データ処理を続ける(7.3.8)。
希釈比を考慮してデータを修正,記録する(7.3.9)。
図2−自動粒子計数器を用いてサンプル中の粒子汚染を測定するための手順
――――― [JIS B 9934 pdf 10] ―――――
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- 規格番号
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