JIS B 9955:2017 機械製品の信頼性に関する一般原則 | ページ 7

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B 9955 : 2017
に影響を与える相互に関連する活動の概念的モデル。
A.2.8
品質管理手法,品質管理(狭義)
品質要求事項を満たすために用いる実施技法及び活動。
A.2.9
品質保証
あるものが品質要求事項を満たすことについての十分な信頼感を供するために必要な全ての計画的かつ
体系的な活動。
A.2.10
品質計画書
特定の製品,プロジェクト又は契約に関する固有の品質業務,経営資源及び活動順序を規定した文書。
A.2.11
プロセス,工程
入力を出力に変換する,相互に関連する経営資源及び活動。
A.2.12
手順,手続き
ある活動を実施するために詳細に規定した方法。
A.3 品質管理
設計品質の管理とは,次のような措置がとられることを意味する。
a) 品質についての種々の信頼性に関する事項を明確にする(例えば,構造安全性,使用の適用性,快適
性,耐久性,美観,費用)。
b) これらの点は一組の品質要求事項に変換される(例えば,機能特性,熱特性,構造安全性,使用性及
びロバスト性基準,設計寿命,費用)。
c) 品質確保のための主な活動を明確にする(例えば,予備調査,構想選定,設計状況,荷重特性値,材
料特性値,技能レベル,使用制限,保全原則)。品質に影響する機械製品のライフサイクルの種々の活
動を明確にする。これらの活動は,機械製品の品質ループとして解釈できる(表A.1参照)。
d) 関与する組織の経営者によって,必要と考えられた活動が管理される。
表A.1は,品質計画書の作成のための基礎として位置付けられる。
A.4 品質保証
設計が規定された品質要求事項を満足していることについての適切な信頼を獲得するために,次のよう
な補完的措置をとることが望ましい。
− 規定された品質要求事項の満足に関係する主要な要因については,品質計画書において考慮するのが
よい(表A.1参照)。
− 品質に貢献する要因の管理に関する書類は,編集され,機械製品のライフサイクルの全てを通じて保
管する。

――――― [JIS B 9955 pdf 31] ―――――

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表A.1−機械製品のための品質ループにおける品質管理活動
ライフサイクルの段階 活動
企画,基本計画 ・ 機械製品及び部材の適切な性能水準の確立
・ 設計仕様
・ 供給者に要求される仕様
・ 実施及び保全のための予備的な仕様
・ 人材及び組織についての適切な資格をもった関係主体の選定
設計 ・ 材料,部材の性能クライテリアの仕様
・ 性能の受入れ可能性及び達成可能性の確認
・ 試験手法の仕様(基本試験,現場試験など)
・ 材料の仕様
入札 ・ 性能仕様を含めた設計図書の検討
・ 要求事項の受諾(契約者)
・ 入札の受諾(顧客)
施工 ・手順及び工程の管理
・標本抽出及び試験
・欠陥の是正
・設計図書に規定された承認試験に従った工事(完了)証明
製造完了及び顧客への・ コミッショニング(稼動検査)
引渡し ・ 完成された機械製品の性能検証(例えば,使用状態の荷重での試験)
使用及び保全 ・性能監視
・劣化及び疲労の検査
・問題の調査
・作業の証明
再生,除却 上記の全ての活動が関係する。
注記1 再生は強制的ではない。
注記2 除却はこの規格の範囲外である。
A.5 品質管理(狭義)
A.5.1 一般
品質管理は,次の項目から構成される。
− 情報収集
− この情報に基づく判断
− この判断に基づく決定
A.5.2 管理手順
生産及び製造の管理手順に関して,次の区別を行ってもよい。
a) 生産工程を管理する生産管理 この管理の目的は,生産工程を操作すること及び受入れ可能な結果を
保証することである。
b) 生産工程の結果を管理する適合管理 この管理の目的は,生産工程の結果が与えられた仕様に従って
いるということを保証することである。
A.5.3 管理基準及び合否判定ルール
管理は,全数的又は統計的に行われる。全数的管理の場合は,全ての生産されたユニットが検査される。
合否判定ルールは,あるユニットがよい(合格)又は悪い(不合格)を判断されることに関係する。管理
基準が定量的に与えられる場合,通常,規定の許容誤差に言及される。
統計的な管理手順は,一般に次の項目から構成される。

――――― [JIS B 9955 pdf 32] ―――――

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− 製品をバッチ化
− それぞれのバッチから標本抽出
− 標本試験
− 結果の統計的な判断
− 合否に関する決定
バッチは管理の対象とする特性に関して均質とみなせるものであることが望ましい。通常,結果の判断
は,与えられた信頼性のレベル及び/又は与えられた信頼区間に関して,又はベイズ手法を適用して行わ
れる。
A.5.4 管理工程
管理を行う人及び組織に応じて,次のような異なった管理段階区別を行ってもよい。
− 個々の自主検査
− 内部管理
− プロジェクト管理者によって扱われる合否管理
対象設備の規則に基づく,公的機関によって位置付けられ実施される追加的な管理が存在する場合が多
い。
内部管理は,管理される対象である製造が行われるのと同じ事務所,工場,又は職場で実行される。た
だし,製造と管理とは別の組織で実行される。
管理工程が幾つかの段階で構成される場合,これらの段階での活動が統計的にお互いに独立であるとい
うことが最終結果に重要となる。さもなければ管理の効果が落ちることになる。
多くの場合,A.4に従った品質計画書の一部として管理計画書を定める必要がある。

――――― [JIS B 9955 pdf 33] ―――――

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附属書B
(参考)
持続荷重,過渡荷重及び偶発荷重の例
B.1 一般
この附属書は,最も身近な種類の荷重の例について記載する。それ以外の種類のものもあるが,基本的
な定義に従って分類する必要がある。
B.2 持続荷重
持続荷重は,機械製品に働く外力及び内力で,与えられた基準期間の全期間又は大半にわたって連続的
に負荷される荷重である。例として,次がある。
a) 重力加速度による力(自重)
b) 圧力
c) 遠心力
d) 製作時の残留変形に伴う内力(溶接残留応力,ボルト締付力など)
e) 電磁力
f) 加速度による慣性力
g) 熱変形による内力
h) 振動応力
i) 回転体における自重曲げ応力(回転曲げ)
j) 風圧力
k) 波浪による水圧
B.3 過渡荷重
過渡荷重は,機械製品に働く外力及び内力で,与えられた基準期間内に負荷されることがほぼ確実であ
るが,負荷を受ける期間は基準期間と比較して短期間となる一時的な荷重である。例として,次がある。
a) 一時的な圧力
b) 一時的な遠心力
c) 一時的な電磁力
d) 一時的な加速度による慣性力
e) 時間的な温度変化に伴う熱応力
f) 起動停止に伴う熱応力の繰返し
g) 一時的な振動応力
h) 回転体における一時的な自重曲げ応力(回転曲げ)
i) 立地条件から想定される地震力1)
注1) 地震は,その地域における地震の発生頻度などの条件によって,過渡荷重として扱う場合と
偶発荷重として扱う場合とがある。

――――― [JIS B 9955 pdf 34] ―――――

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B.4 偶発荷重
偶発荷重とは,機械製品に働く外力及び内力で,与えられた基準期間内ではほとんど生じないが,負荷
された場合には大きな値となる例外的な荷重。例として,次がある。
a) 衝突
b) 爆発
c) 地下地盤の沈下
d) 滅多に来ない暴風
e) 立地条件から発生がまれな地震力2)
f) 火災
g) 極端な腐食
h) 滅多に発生しない圧力
i) 滅多に発生しない遠心力
j) 滅多に発生しない電磁力
k) 滅多に発生しない加速度による慣性力
l) 滅多に発生しない温度変動
注2) 地震は,その地域における地震の発生頻度などの条件によって,過渡荷重として扱う場合と
偶発荷重として扱う場合とがある。

――――― [JIS B 9955 pdf 35] ―――――

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