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C 2550-3 : 2019
Uを求めるときは,電圧計の表示値に次の係数を乗じて,補正する。
2
Ri Rt
(pdf 一覧ページ番号 )
Ri
ここに, J : 磁気分極の波高値(T)
f : 周波数(Hz)
N2 : 二次コイルの総巻数
A : 試験片の断面積(m2)
Ri : 二次回路内の計器の合成抵抗(Ω)
Rt : 合成二次コイルの直列抵抗(Ω)
U : 2 合成二次コイルに誘起された電圧の整流平均値(V)
注記 二次コイル誘起電圧を,実効値表示された平均値形交流電圧計の読みを使用する場合は,式(8)
の係数を4.443とする必要がある。式(8)の定数を4.443とした式を次に示す。
1
J U2
.4443 fN2 A
6.7 磁界の強さの実効値の測定
磁界の強さの実効値は,図4の回路の電流測定器で測定した励磁電流の実効値から,式(10)によって算
出する。
~ N1~
H I1 (10)
lm
ここに, H~ : 磁界の強さの実効値(A/m)
N1 : 一次コイルの総巻数
lm : 実効磁路長(m),lm=0.94
~I : 励磁電流の実効値(A)
1
対応するJとH~との組合せが幾つか測定された後に,H~に対するJの磁化曲線を描くことができる。
6.8 磁界の強さの波高値の測定
RUから,式(11)によって算出する。
方法Aでは,磁界の強さの波高値は,波高値交流電圧計の読み
N1
H U
R (11)
Rnlm
ここに, H : 磁界の強さの波高値(A/m)
N1 : エプスタイン試験器の一次コイルの総巻数
Rn : 図5に示す無誘導精密抵抗器Rnの抵抗値(Ω)
lm : 実効磁路長(m),lm=0.94
RU : 波高値交流電圧計の読み(V)
方法Bでは,磁界の強さの波高値は,相互誘導器MDに接続した平均値形交流電圧計の読み Uから,
m
式(12)によって算出する(図6の注記1参照)。
N1 Ri Rm
H Um (12)
4 fMlm Ri
ここに, H : 磁界の強さの波高値(A/m)
M : 図6に示す回路内の相互インダクタンス(H)
Rm : MDの二次コイルの抵抗(Ω)
Ri : 二次回路内の計器の合成抵抗(Ω)
――――― [JIS C 2550-3 pdf 16] ―――――
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C 2550-3 : 2019
U : m MDの二次コイルに誘起された電圧の整流平均値(V)
注記1 二次コイル誘起電圧を,実効値表示された平均値形交流電圧計の読みを使用する場合は,式
(12)の係数を4.443とする必要がある。式(12)の定数を4.443とした式を次に示す。
N1 Ri Rm
H Um
.4443 fMlm Ri
対応するJとHとの組合せが幾つか測定された後に,Hに対するJの磁化曲線を描くことができる。
注記2 比透磁率μrは,慣例的に,次のように表される。
J
μr 1
0H
6.9 皮相電力の測定
皮相電力は,式(13)によって算出する。
~ ~ N1 ~ N1
S I1 U2 I1 .1111 U2 (13)
N2 N2
ここに, S : 皮相電力(VA)
~U : 合成二次コイルに誘起された電圧の実効値(V)
2
~
注記 正弦波電圧の場合だけに,U2 .1111 U2 の関係が成り立つ。
式(3)に従って,Sを実効質量で除すると1 kg当たりの皮相電力が式(14)から算出できる。
~
S I1 .1111 U2 4lN1
Ss (14)
ma m lm N2
ここに, Ss : 1 kg当たりの皮相電力(VA/kg)
m : 試験片の合計質量(kg)
~I : 励磁電流の実効値(A)
1
U : 2 合成二次コイルに誘起された電圧の整流平均値(V)
l : 試験片の長さ(m)
N1 : 一次コイルの総巻数
ma : 試験片の実効質量(kg)
lm : 実効磁路長(m),lm=0.94
N2 : 二次コイルの総巻数
6.10 再現性
この箇条の手順から得られる結果の再現性は,測定に用いた計器の確度及び試験片の組立て(4.2及び
4.3参照)などによって本質的に変化する。±0.5 %の確度の計器を使用する場合には,再現性は,3 %程度
の相対標準偏差であるとみなす。
7 試験報告書
(我が国の現状に合わせ,試験報告書は試験方法の規格で規定しているため,この規格では不採用とし
た。)
――――― [JIS C 2550-3 pdf 17] ―――――
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C 2550-3 : 2019
附属書A
(参考)
中間周波数で使用するエプスタイン試験器
中間周波数では,エプスタイン試験器の巻枠に使用する材料の誘電損失及び巻線間の静電容量から発生
するエネルギー損失が著しく大きくなる。
誘電率が低い材料を選択することによって,誘電損失を無視できる程度に低減することができる。ポリ
スチレンはこれに適した材料であり,容易に切断・接着し,エプスタイン試験器の巻枠,端子ポスト及び
基板を製作することができる。
中間周波数での測定は,一般的に,比較的低い磁気分極で作動する低鉄損材料に限定されるため,巻線
のターン数及び線径を低減することができる。また,一次コイル及び二次コイルを,一次巻及び二次巻の
間に等間隔に間隔をあけた単一層の巻線にすることで,巻線間の静電容量を最小限に低減することができ
る。
4.4及び上記の推奨事項によって製作されたエプスタイン試験器で,0.125 mm径銅線を200ターン巻い
た一次コイル及び二次コイルの場合,巻線間静電容量は約300 pFであり,各巻線の抵抗は約3.5 Ωであっ
た。
この静電容量で加わる追加損失は,式(A.1)で算出できる。
2
U2
P .1111 (A.1)
Zic
ここに, ΔP : 追加損失(W)
Ri
Zic :
1 2 πfCRi
Ri : 二次回路内の計器の合成抵抗(Ω)
C : 巻線間の静電容量(F)
磁気分極が低い場合,この量は無視できるが,この量の比率が無視できない場合は,式(6)で算出される
合計損失算出値から差し引く必要がある。
――――― [JIS C 2550-3 pdf 18] ―――――
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C 2550-3 : 2019
附属書B
(参考)
デジタルサンプリングによる磁気特性測定法
B.1 一般事項
デジタルサンプリング法は,現在の軟磁性材料の磁気特性測定に多く用いられている。
電力計法に適用する場合,二次電圧U2(t) 及び一次コイルに直列に接続した無誘導精密抵抗器両端の電
圧降下U1(t) をデジタル化し,これらのデータを用いて軟磁性材料の磁気特性を求めることを特徴として
いる(図5参照)。これらの電圧の時間関数からjの添字をもつこれらの電圧の瞬時値u2j及びu1jを,サン
プル ホールド回路によって,等しい時間間隔でそれぞれサンプリングする。サンプリングした電圧の瞬時
値は,アナログ デジタル変換器(ADC)によって,デジタル値に変換する。1周期又は複数周期にわたっ
て採取したデータによって,この規格で測定する全ての磁気特性をコンピュータ処理で求めることが可能
である。
デジタルサンプリング法は,この規格で規定した中間周波磁気特性測定法を応用することが有効である。
図3に示す測定原理のブロック線図は,アナログ法及びデジタル法に適用できる。図3及び図6に示す測
定装置の全ての機能,及び二次電圧の正弦波制御も,デジタル法で実現される。
デジタルサンプリング法は不確かさを低くすることができるが,不適切な使用方法によっては,大きな
誤差をもたらす。
注記 デジタルサンプリング法の原理及び適用法については,多くの文献がある。
B.2 技術的詳細及び要求事項
デジタルサンプリング法を用いて不確かさを低くするためには,励磁周期をサンプリング間隔で除した
値が整数(ナイキスト条件)で,サンプリング周波数fsが入力信号帯域の2倍よりも大きいことが望まし
い。
磁気分極の波高値は,式(B.1)によって算出する。
T n 1
1 Ri Rt 1 1 Ri Rt
J U2 (t) t u2 j (B.1)
4 fN2 A Ri T 4 fsN2 A Ri j 0
0
ここに, J : 磁気分極の波高値(T)
f : 試験周波数(Hz)
N2 : エプスタイン試験器の二次コイルの総巻数
A : 試験片の断面積(m2)
Ri : 二次回路内の計器の合成抵抗(Ω)
Rt : 合成二次コイルの直列抵抗(Ω)
T : 励磁周期[1/f(s)]
U2 : 二次コイルの誘起電圧(V)
fs : サンプリング周波数(Hz)
n : サンプリングデータ数
u2j : 二次コイル誘起電圧の瞬時値(V)
鉄損は,式(B.2)によって算出する。
――――― [JIS C 2550-3 pdf 19] ―――――
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C 2550-3 : 2019
T ~ 2 n1 n1
1 N1 1 U2 1 N1 1 1 1 2
Ps U1 tU2 t dt u1 ju2 j u2 j
lm Am RN2 T Ri lm A m RN2 n j 0 Ri n j 0
t 0
(B.2)
ここに, Ps : 試験片の鉄損(W/kg)
lm : 実効磁路長(m),lm=0.94
A : 試験片の断面積(m2)
ρm : 試験片の規定密度(kg・m−3)
N1 : 一次コイルの総巻数
R : 無誘導精密抵抗器の抵抗値(Ω)
N2 : 二次コイルの総巻数
T : 励磁周期[1/f(s)]
U1 : 一次コイルに直列に接続された無誘導精密抵抗器の両
端子間の電圧(V)
U2 : 二次コイルの誘起電圧(V)
Ri : 二次回路内の計器の合成抵抗(Ω)
~U : 合成二次コイルに誘起された電圧の実効値(V)
2
n : サンプリングデータ数
u1j : 無誘導精密抵抗器両端電圧降下の瞬時値(V)
u2j : 二次コイル誘起電圧の瞬時値(V)
磁界の強さの波高値は,式(B.3)によって算出する。
N1
H U1 (B.3)
Rlm
ここに, H : 励磁電流法による磁界の強さH(t) の波高値(A/m)
N1 : 一次コイルの総巻数
R : 無誘導精密抵抗器の抵抗値(Ω)
lm : 実効磁路長(m),lm=0.94
1U : 一次コイルに直列に接続された無誘導精密抵抗器の両
端子間の電圧の波高値(V)
皮相電力は,式(B.4)によって算出する。
n n
N1 1 2 1 2
Ss u1 j u2 j (B.4)
lmRN2 A m nj 0 nj 0
ここに, Ss : 皮相電力(VA/kg)
N1 : 一次コイルの総巻数
lm : 実効磁路長(m),lm=0.94
R : 無誘導精密抵抗器の抵抗値(Ω)
N2 : 二次コイルの総巻数
A : 試験片の断面積(m2)
ρm : 試験片の規定密度(kg・m−3)
n : サンプリングデータ数
u1j : 一次コイルに直列に接続された無誘導精密抵抗器の両
端子間の電圧の瞬時値
u2j : 二次コイル誘起電圧の瞬時値(V)
――――― [JIS C 2550-3 pdf 20] ―――――
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JIS C 2550-3:2019の引用国際規格 ISO 一覧
- IEC 60404-10:2016(MOD)
JIS C 2550-3:2019の国際規格 ICS 分類一覧
- 17 : 度量衡及び測定.物理的現象 > 17.220 : 電気学.磁気学.電気的及び磁気的測定 > 17.220.20 : 電気的及び磁気的量の測定
JIS C 2550-3:2019の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISC2550-5:2020
- 電磁鋼帯試験方法―第5部:電磁鋼帯の抵抗率,密度及び占積率の測定方法
- JISC2552:2014
- 無方向性電磁鋼帯
- JISC2553:2019
- 方向性電磁鋼帯