JIS C 2550-3:2019 電磁鋼帯試験方法―第3部:中間周波磁気特性の測定方法 | ページ 3

8
C 2550-3 : 2019
Hz
Hz : 周波数計
A : 電流測定器
A
W : 電力計
W
M : 空隙補償用の相互誘導器
V1 : 平均値形交流電圧計
V1
V2 : 実効値交流電圧計
V2
E : エプスタイン試験器
S1 : スイッチ
注記 この回路図は,デジタルサンプリング法による測定原理も示すものであり,その場合,幾つかの測定装置
はソフトウェアで実現する。
図3−電力計による測定回路
試験片の合計質量を±0.1 %の精度で測定する。ひょう(秤)量後,エプスタイン試験器のコイル内に試
験片を挿入し,角部で1枚ずつ交互に重なり合うように積層する。試験片の半数を圧延方向と平行に切断
し,半数を直角に切断する場合は,圧延方向に平行に切断した試験片を,エプスタイン試験器の向かい合
う辺に挿入し,直角に切断した試験片を,他の二つの辺に挿入する。試験片が重なり合った部分において,
試験片の間の隙間はできる限り狭くする。試験片は,4.4の要求事項を満たすように配置する。各辺の試験
片の数は同じとする。
測定の前に,試験片は,前の測定に使用した磁場よりも高い初期磁場から,減衰する交流磁場で消磁す
る。

5.3 励磁電源の調整

  所定の磁気分極の波高値Jを達成するため,励磁電源の出力を,エプスタイン試験器の二次電圧の整流
平均値 Uが式(4)となるように調整する。
2
Ri
U2 4 fN2 AJ (4)
Ri Rt
ここに, U : 2 合成二次コイルに誘起された電圧の整流平均値(V)
f : 周波数(Hz)
N2 : 二次コイルの総巻数
Ri : 二次回路内の計器の合成抵抗(Ω)
Rt : 合成二次コイルの直列抵抗(Ω)
A : 各コイルに挿入された試験片の断面積(m2)
J : 磁気分極の波高値(T)

――――― [JIS C 2550-3 pdf 11] ―――――

                                                                                              9
C 2550-3 : 2019
注記 二次コイル誘起電圧を,実効値表示された平均値形交流電圧計の読みを使用する場合は,式(4)
の係数を4.443とする必要がある。式(4)の定数を4.443とした式を次に示す。
Ri
U2 .4443 fN2 AJ
Ri Rt
試験片の断面積Aは,式(5)による。
m
A (5)
4l m
ここに, m : 試験片の合計質量(kg)
l : 試験片の長さ(m)
ρm : 試験片の密度,又はJIS C 2550-5に従って測定された値
(kg・m−3)

5.4 電力の測定

  電力計の電流回路が過負荷とならないように,一次回路内の電流計を観察する。次に,電流計を短絡し,
二次電圧を再調整する。二次電圧の波形率を4.6に従って判定し,電力計の値を読み取る。
試験片の過熱を避け,測定再現性を得やすくするため,エプスタイン試験器に通電した後は,できる限
り迅速に測定する。測定中,試験片を冷却することが望ましい。
注記 デジタルサンプリング法の適用は,附属書B参照。

5.5 鉄損の測定

  電力計によって測定された電力Pmは,二次回路内の計器によって消費された電力を含んでいる。二次
電圧は基本的に正弦波状であるため,この電力は一次近似では 2
.1111U2 Ri に等しい。
注記 デジタルサンプリング法の適用は,附属書B参照。
したがって,試験片の合計損失算出値Pcは,式(6)によって算出する。
2
N1 .1111U2
Pc Pm (6)
N2 Ri
ここに, Pc : 試験片の合計損失算出値(W)
N1 : 一次コイルの総巻数
N2 : 二次コイルの総巻数
Pm : 電力計によって測定された電力(W)
U : 2 合成二次コイルに誘起された電圧の整流平均値(V)
Ri : 二次回路内の計器の合成抵抗(Ω)
鉄損測定値Psは,試験片の合計損失算出値Pcを,試験片の実効質量maで除することによって算出する
(4.4参照)。
Pc Pc 4l
Ps (7)
ma mlm
ここに, Ps : 試験片の鉄損(W/kg)
Pc : 試験片の合計損失算出値(W)
ma : 試験片の実効質量(kg)
l : 試験片の長さ(m)
lm : 実効磁路長(m),lm=0.94
m : 試験片の合計質量(kg)

――――― [JIS C 2550-3 pdf 12] ―――――

10
C 2550-3 : 2019

5.6 鉄損測定の再現性

  この箇条の手順から得られる結果の再現性は,使用する周波数及び磁気分極によって変化するため,2 %
5 %の範囲の相対標準偏差とみなす。

6 磁気分極の波高値,磁界の強さの実効値,磁界の強さの波高値及び皮相電力の測定手順

6.1 一般事項

  この箇条では,次の特性を判定するための測定方法を規定する。
− 磁気分極の波高値 J
− 磁界の強さの実効値 H~
− 磁界の強さの波高値 H
− 皮相電力 Ss
これらの方法によって測定される値は,磁気分極の波高値及び周波数の設定値に依存する。

6.2 試験片

  試験片は,4.3の規定を満足する。

6.3 測定原理

6.3.1  磁気分極の波高値J
磁気分極の波高値Jは,4.7に規定したように,測定された二次電圧の整流平均値から,5.3の式(4)によ
って算出する。
注記 デジタルサンプリング法の適用は,附属書B参照。
磁界の強さの実効値H~
6.3.2
磁界の強さの実効値H~は,図4に示す回路内の実効値交流電流計によって測定した励磁電流の実効値か
ら算出する。
A1 : 実効値交流電流計
A1
V1
V1 : 平均値形交流電圧計
E : エプスタイン試験器
注記 デジタルサンプリング法の適用は,附属書B参照。
図4−磁界の強さの実効値の測定回路
6.3.3 磁界の強さの波高値H
6.3.3.1 一般事項
磁界の強さの波高値Hは,次のいずれかの方法によって測定した,励磁電流の波高値1Iから求める。
6.3.3.2 方法A

――――― [JIS C 2550-3 pdf 13] ―――――

                                                                                             11
C 2550-3 : 2019
励磁電流の波高値1Iは,図5に示す回路の波高値交流電圧計を用いて,既知の無誘導精密抵抗器Rnの
RUを測定する。
両端に生じる電圧降下
Rn : 無誘導精密抵抗器
V1
V1 : 平均値形交流電圧計
V2
V2 : 波高値交流電圧計
E : エプスタイン試験器
注記 デジタルサンプリング法の適用は,附属書B参照。
図5−波高値電圧計を用いた磁界の強さの波高値の測定回路
6.3.3.3 方法B
励磁電流の波高値1Iは,図6に示す回路の平均値形交流電圧計を用いて,相互誘導器MDの二次コイル
の両端に発生する平均値電圧を±0.5 %の精度で測定することから求める。相互誘導器の一次コイルは,エ
プスタイン試験器の一次コイルと直列に接続する。
VV : 平均値形交流電圧計
MD : 電流波高値検出用の相互誘導器
S1 : スイッチ
E : エプスタイン試験器
注記1 この方法では,相互誘導器の二次コイルの電圧波形に,1周期当たり2か所を超えるゼロ交差
点がある場合を除き,平均値形交流電圧計は,エプスタイン試験器の二次電圧の測定に使用す
る計器と同じものを使用することができる。
注記2 デジタルサンプリング法の適用は,附属書B参照。
図6−相互誘導器MDを用いた磁界の強さの波高値の測定回路

6.4 測定装置

6.4.1  平均値電圧測定

――――― [JIS C 2550-3 pdf 14] ―――――

12
C 2550-3 : 2019
二次電圧の整流平均値及び方法Bでの相互誘導器の整流平均値は,1 MΩ以上の入力インピーダンスを
もつ平均値形交流電圧計を使用して測定する。±0.5 %の確度の電圧計を使用する(4.7参照)。
注記 デジタルサンプリング法の適用は,附属書B参照。
6.4.2 電流測定
励磁電流の実効値は,実効値に応答する電流測定器で測定する。±0.5 %の確度の測定器を使用する(4.8
参照)。
注記 デジタルサンプリング法の適用は,附属書B参照。
6.4.3 電流波高値測定
方法Aに基づき,抵抗器Rnの両端電圧の波高値を,校正済みの波高値交流電圧計,又は校正済みのオ
シロスコープで測定する。使用する装置のフルスケール誤差を±3 %以下とする。
注記 デジタルサンプリング法の適用は,附属書B参照。
6.4.4 抵抗器Rn
±0.5 %の確度の無誘導精密抵抗器を使用する。
抵抗値は,波高値電圧計の感度に応じて選定する。誘起電圧波形のひず(歪)みを最小限に抑えるため,
N1=200ターンのエプスタイン試験器を使用する場合,抵抗値は1 Ωを超えてはならない。
6.4.5 相互誘導器MD
図6の相互誘導器は,相互誘導係数が±0.5 %の確度に校正された相互誘導器を使用する。相互誘導器の
一次インピーダンスはできる限り低くする。誤差を最小限に抑えるために,相互誘導器の二次インピーダ
ンスを相互誘導器に接続される測定装置のインピーダンスよりも低くする。
相互誘導器の校正中及び使用中は,エプスタイン試験器又は他の装置からの漏れ磁束によって測定が影
響を受けないように注意する。

6.5 測定手順

  5.2を満足するように,試験片を準備する。
磁気分極J及び磁界の強さH又はH~の,個々の値又は組合せの値を測定する。
磁界の強さを指定して磁気分極を測定するときには,指定の磁界の強さとなるように励磁電流値を設定
する(6.6参照)。二次電圧を平均値形交流電圧計で測定する(5.3参照)。
磁気分極を指定して磁界の強さを測定する場合には,二次電圧を,5.3に従って指定の値に調整する。
磁界の強さの実効値H~を測定する場合には,励磁電流を電流測定器で測定する。
方法Aに基づき,磁界の強さの波高値Hを測定する場合には,抵抗器Rnの両端電圧の波高値を波高値
交流電圧計で測定する。
方法Bに基づき,相互誘導器MDの二次コイルの平均値電圧を測定する場合には,平均値形交流電圧計
で測定する。
皮相電力の測定では,磁気分極及び周波数の指定の値に対して,励磁電流の実効値(6.6参照)とエプス
タイン試験器の二次電圧の実効値とを測定する。二次電圧の実効値は,4.7の要求事項を満足する電圧計を,
エプスタイン試験器の二次コイルの両端に接続して測定する。
6.6 磁気分極の波高値Jの測定
磁気分極の波高値は,式(8)によって算出する。
1
J U2 (8)
4 fN2 A

――――― [JIS C 2550-3 pdf 15] ―――――

次のページ PDF 16

JIS C 2550-3:2019の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 60404-10:2016(MOD)

JIS C 2550-3:2019の国際規格 ICS 分類一覧

JIS C 2550-3:2019の関連規格と引用規格一覧