JIS C 3216-3:2011 巻線試験方法―第3部:機械的特性 | ページ 2

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4.1A スプリングエロンゲーション法

  スプリングエロンゲーション法は,公称導体径が0.080 mmを超え1.600 mm以下の丸線に適用できる。
同一巻枠から,長さ約1 200 mmの試験片を3本とり,曲げたり伸ばしたりしないで中央部に長さ1 000 mm
の標線をしるし,図2Aのような試験機を用いスプリングエロンゲーション値ΔL(mm)を求める。試験
機の操作は次の手順によるものとする。
a) 試験片の導体径の10倍の径をもつ巻付け用マンドレルを固定した横軸チャックに試験片の一端を止
め,他の一端に導体断面積(mm2)当たり700 gの質量のおもりをつるす。
b) マンドレルを1分間当たり約50回の回転速度で回転させ,試験片と試験片とが接触するように標線間
に巻き付ける。
c) マンドレルに巻いた試験片を押さえ,おもりを取り外し,ゆっくり戻してマンドレルから抜き取る。
コイルの長さl1(mm)を測定する。
d) 試験コイルの一端を縦軸チャックに固定し,他の一端にa)と同一質量のおもりを試験コイルが伸びな
い状態で取り付け,支持台に載せる。
e) 支持台を1分間当たり約50 mmの速度で降下して,おもりが支持台から離れてから1分間保持した後,
おもりを試験コイルから静かに取り外し,1分間放置した後コイルの長さl2(mm)を測定する。
f) スプリングエロンゲーション値ΔL(mm)は,次の式によって求める。
ΔL=l2−l1
1 試験片
2 おもり
3 横軸チャック
4 縦軸チャック
5 支持台
6 巻付け用マンドレル
図2A−スプリングエロンゲーション試験機

4.2 公称導体径1.600 mmを超える丸線及び平角線(曲げ後の戻り角度)

4.2.1  概要
直線状の試験片を30度曲げる。おもりを取り除いた後,試験片の戻った角度の読みをもって軟らかさと
する。
4.2.2 試験装置
図3に試験装置例を示す。基本的には,固定部2及び可動部1の二つのクランプ並びに0度から10度ま
で0.5度刻みの目盛のある分度器5からなる。分度器は,クランプ面に対し,90度をなす面上に弧を描く
ように付けられている。その弧をもつ円(分度器)の中心点は,固定クランプの外側のエッジ3にある。
その中心点に支点をもつレバーアームは,分度器目盛に沿って動く。レバーアームには,戻り角度が正確

――――― [JIS C 3216-3 pdf 6] ―――――

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に読み取れるように指針や印を付けるものとする。分度器の中心点(アームの支点)から1 mmごとに目
盛のある長さ約305 mmのレバーアームには,ナイフ刃のついたスライダ4がある。
4.2.3 試験片
試験片は,できるだけ曲げないように巻枠から1 200 mm以上とる。試験片を手で真っ直ぐにした後切
断し,400 mmの試験片を3本準備する。伸長機は用いてはならない。加工硬化を最小限にするため不必
要に曲げない。
4.2.4 試験手順
スライダの位置は,レバーアーム支点から導体径又は導体厚の40倍の距離とする。試験は,試験片が巻
枠に巻かれていた方向に曲がるように,クランプですべらない程度に固定して行う。試験片の自由端の位
置は,スライダのナイフ刃からの距離を12±2 mmとする(図3参照)。レバーによって,最初の位置(30
度目盛のポジション1)から試験片をゆっくりと30度曲げる(0度目盛のポジション2)。この曲げに要す
る時間は,2秒5秒とする。レバーをこの位置で2秒未満保持した後に,スライダのナイフ刃先が試験片
から離れるまで試験片を曲げたときと同じ速さで逆の方向に戻す。レバーをスライダの刃先が試験片を曲
げることなくちょうど接触するところまで再び上げる。この位置において,試験片の戻り角度はレバー(ポ
ジション3)の指針が示した分度器の目盛読みに等しい。
3本の試験片で行い,各々の値を記録する。その平均値で軟らかさを表す。

――――― [JIS C 3216-3 pdf 7] ―――――

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1 クランプ(可動部)
2 クランプ(固定部)
3 分度器の中心
4 スライダ
5 分度器
1 クランプ(可動部)
2 クランプ(固定部)
3 分度器の中心
4 スライダ
5 分度器
図3−軟らかさ試験装置

5 可とう性及び密着性

  可とう性及び密着性は,絶縁に亀裂が発生したり,密着性が低下することなく,伸び,巻付け,曲げ及
びねじれに耐える線の特性を示している。
なお,受渡当事者間の合意によって,JA.5の方法を用いてもよい。

5.1 巻付け試験

5.1.1  丸線
直線状の試験片を,個別規格に規定する直径をもつ表面の滑らかな丸棒に沿って線と線とが接触するよ
うに10回巻く。丸棒の回転速度は,毎秒13回の割合とし,線と丸棒とが接触するように張力をかける。
試験片は,伸びたり,ねじれたりしないようにする。適切な装置を使い試験を行う。
5.1.1.1 公称導体径1.600 mm以下のエナメル丸線

――――― [JIS C 3216-3 pdf 8] ―――――

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個別規格に巻付け前に伸長する要求がある場合には,個別規格に規定する割合まで,伸び試験機又は引
張試験機を用い1秒間当たり5±1 mmの速度で伸ばす。巻き付けた後,表2による倍率で,亀裂の有無を
調べる。
3本の試験片で行い,亀裂の有無を記録する。
表2−亀裂の調査倍率
公称導体径 拡大鏡の倍率a)
mm
を超え 以下
− 0.040 1015倍
0.040 0.500 610倍
0.500 1.600 16倍
注a) 1倍は目視とする。
5.1.1.2 繊維巻丸線
巻付け後,目視又は,6倍以下の倍率で導体露出を調べる。3本の試験片で行い,導体露出の有無を記録
する。
5.1.1.3 繊維巻エナメル線
巻付け後,目視又は,6倍以下の倍率で導体又は下層皮膜の露出を調べる。3本の試験片で行い,導体又
は下層皮膜の露出について記録する。
5.1.1.4 テープ巻丸線
巻付け後,試験片の導体の露出又はしわについて,目視又は6倍以下の倍率で調べる。3本の試験片で
行い,導体の露出又はしわについて記録する。
5.1.2 平角線
約400 mmの直線状の試験片を,個別規格で規定された径をもつ表面の滑らかな丸棒に沿って,伸びた
S字に2か所を各々逆方向に180度曲げる。U字状に曲げた間の直線部を150 mm以上とする。試験片は,
ねじれたり,規定の曲げ径より外れたりしないよう注意する。適切な装置を図4に示す。
曲げた後,絶縁皮膜について,エナメル線では亀裂,繊維巻線では導体又は下層皮膜の露出,テープ巻
線では導体露出又はしわについて,610倍の倍率で調べる。
6本の試験片を曲げるが,3本は厚さ方向(フラットワイズ)に,3本は幅方向(エッジワイズ)に曲げ
る。亀裂,しわ又は導体若しくは下層皮膜の露出の有無について当てはまるものを記録する。

――――― [JIS C 3216-3 pdf 9] ―――――

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1 マンドレル
2 マンドレル固定板
3 ちょう(蝶)ナッ

4 レバー
5 レバー
6 ボールベアリング
7 試験片
8 固定台
図4−平角線可とう性試験装置
5.1.3 横巻より線
直線状の試験片を個別規格で規定された直径をもつ表面の滑らかな丸棒に沿ってJIS C 3216-2の3.2.5.3
(より線)で規定した張力で,10回巻き付ける。巻き付け中に試験片がよじれないように注意する。巻付
け後,横巻被覆に空きができていないか目視で調べる。1本の試験片で行い,個別規格に規定する判定基
準を超える被覆の空きが発生した場合は,記録する。

5.2 伸長試験(公称導体径が1.600 mmを超えるエナメル丸線に適用)

  直線状の試験片を個別規格で規定された伸長率まで伸び試験機又は引張試験機を用い1秒間当たり5±1
mmの速度で伸長する。伸長後,試験片に亀裂又は皮膜の浮きがないか,目視又は6倍以下の倍率で調べ
る。3本の試験片で行い,亀裂及び/又は皮膜の浮きが確認できた場合は,記録する。

5.3 急激伸長試験(公称導体径が1.000 mm以下のエナメル丸線に適用)

  直線状の試験片を破断又は個別規格規定値まで急激に伸長する。試験は図5に示した試験装置又は1秒
間当たり約4 mの引張速さで伸長できる装置で標線間距離を200250 mmとして行う。伸長した後,表2
に規定した倍率で亀裂及び皮膜の浮きの有無を調べる。ただし,破断点から2 mmまでは,対象としない。
3本の試験片で行い,亀裂若しくは皮膜の浮き又は,その両方が観察された場合は,記録する。

――――― [JIS C 3216-3 pdf 10] ―――――

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JIS C 3216-3:2011の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 60851-3:2009(MOD)

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