JIS C 3216-3:2011 巻線試験方法―第3部:機械的特性

JIS C 3216-3:2011 規格概要

この規格 C3216-3は、巻線に用いる各種エナメル銅線,エナメルアルミニウム線,横巻銅線及び横巻アルミニウム線の機械的特性の試験方法について規定。

JISC3216-3 規格全文情報

規格番号
JIS C3216-3 
規格名称
巻線試験方法―第3部 : 機械的特性
規格名称英語訳
Winding wires -- Test methods -- Part 3:Mechanical properties
制定年月日
2011年3月22日
最新改正日
2015年10月20日
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‐ 
対応国際規格

ISO

IEC 60851-3:2009(MOD)
国際規格分類

ICS

29.060.10
主務大臣
経済産業
JISハンドブック
‐ 
改訂:履歴
2011-03-22 制定日, 2015-10-20 確認
ページ
JIS C 3216-3:2011 PDF [35]
                                                                                  C 3216-3 : 2011

pdf 目 次

ページ

  •  序文・・・・[1]
  •  1 適用範囲・・・・[1]
  •  2 引用規格・・・・[1]
  •  3 伸び及び引張強さ・・・・[2]
  •  3.1 伸び・・・・[2]
  •  3.2 引張強さ・・・・[2]
  •  4 軟らかさ・・・・[2]
  •  4.1 公称導体径0.080 mmを超え1.600 mm以下の丸線(ヘリカルコイルの巻き戻り角度)・・・・[2]
  •  4.1A スプリングエロンゲーション法・・・・[4]
  •  4.2 公称導体径1.600 mmを超える丸線及び平角線(曲げ後の戻り角度)・・・・[4]
  •  5 可とう性及び密着性・・・・[6]
  •  5.1 巻付け試験・・・・[6]
  •  5.2 伸長試験(公称導体径が1.600 mmを超えるエナメル丸線に適用)・・・・[8]
  •  5.3 急激伸長試験(公称導体径が1.000 mm以下のエナメル丸線に適用)・・・・[8]
  •  5.4 離試験(公称導体径が1.000 mmを超えるエナメル丸線に適用) 95.5 密着試験・・・・[10]
  •  6 耐摩耗(エナメル丸線に適用)・・・・[10]
  •  6.1 概要・・・・[10]
  •  6.2 試験装置・・・・[10]
  •  6.3 試験手順・・・・[11]
  •  7 融着性(公称導体径が0.050 mmを超え2.000 mm以下のエナメル丸線に適用)・・・・[11]
  •  7.1 ヘリカルコイル法・・・・[12]
  •  7.2 ツイストコイルの融着力・・・・[14]
  •  附属書A(参考)熱融着線の融着力・・・・[17]
  •  附属書B(参考)すべり性試験・・・・[21]
  •  附属書JA(規定)代替試験方法・・・・[28]
  •  附属書JB(参考)JISと対応国際規格との対比表・・・・[33]

(pdf 一覧ページ番号 1)

――――― [JIS C 3216-3 pdf 1] ―――――

C 3216-3 : 2011

まえがき

  この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,社団法人日本電線工業会(JCMA)から,工
業標準原案を具して日本工業規格(日本産業規格)を制定すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済
産業大臣が制定した日本工業規格(日本産業規格)である。これによって,JIS C 3003:1999及びJIS C 3006:1999は廃止さ
れ,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
この規格は,エナメル線及び横巻線の試験方法の統一並びに試験規格のIEC規格整合化を目的として制
定したものである。この規格は,IEC規格への整合化に向け検討してきたが,内容によって大きな変更と
なり市場の混乱が予想されたため,整合化に向けた経過措置として整合化規格を主とし,従来のJISによ
る試験方法を附属書JAとして併記した。この規格の制定によって,市場にIEC整合規格のコンセンサス
を得ることを目的とした。したがって,次回改正時にはIEC規格への整合を図る。
JIS C 3216の規格群には,次に示す部編成がある。
JIS C 3216-1 第1部 : 全般事項
JIS C 3216-2 第2部 : 寸法
JIS C 3216-3 第3部 : 機械的特性
JIS C 3216-4 第4部 : 化学的特性
JIS C 3216-5 第5部 : 電気的特性
JIS C 3216-6 第6部 : 熱的特性

(pdf 一覧ページ番号 2)

――――― [JIS C 3216-3 pdf 2] ―――――

                                       日本工業規格(日本産業規格)                             JIS
C 3216-3 : 2011

巻線試験方法−第3部 : 機械的特性

Winding wires-Test methods-Part 3:Mechanical properties

序文

  この規格は,2009年に第3版として発行されたIEC 60851-3を基に,対応国際規格を翻訳し,市場にIEC
整合規格のコンセンサスを得るまでの措置として,技術的内容を変更して作成した日本工業規格(日本産業規格)である。
なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。
変更の一覧表にその説明を付けて,附属書JBに示す。また,附属書JAは,対応国際規格にはない事項で
ある。
要求事項は,この規格を引用する個別規格で規定する。

1 適用範囲

  この規格は,巻線に用いる各種エナメル銅線,エナメルアルミニウム線,横巻銅線及び横巻アルミニウ
ム線の機械的特性の試験方法について規定する。
なお,試験方法の全般事項については,JIS C 3216-1による。
注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
IEC 60851-3:2009,Winding wires−Test methods−Part 3:Mechanical properties(MOD)
なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”
ことを示す。

2 引用規格

  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS C 3216-1 巻線試験方法−第1部 : 全般事項
注記 対応国際規格 : IEC 60851-1,Winding wires−Test methods−Part 1:General(MOD)
JIS C 3216-2 巻線試験方法−第2部 : 寸法
注記 対応国際規格 : IEC 60851-2:1996,Winding wires−Test methods−Part 2:Determination of
dimensions,Amendment 1:1997及びAmendment 2:2003(MOD)
JIS C 3216-5 巻線試験方法−第5部 : 電気的特性
JIS K 7171 プラスチック−曲げ特性の求め方
注記 対応国際規格 : ISO 178:2001,Plastics−Determination of flexural properties及びAmendment
1:2004(IDT)

――――― [JIS C 3216-3 pdf 3] ―――――

2
C 3216-3 : 2011

3 伸び及び引張強さ

3.1 伸び

  伸びは,初期の長さに対し伸びた長さをパーセントで表す。直線状の試験片を標線間距離200250 mm
で伸び試験機又は引張試験機で1秒間当たり5±1 mmの速度で導体が破断するまで伸長する。破断までに
増加した長さを初期の長さに対するパーセントで求める。3本の試験片で行い,各々の値を記録する。そ
の平均値で伸びを表す。

3.2 引張強さ

  引張強さは,破断時の引張力を初期断面積で除した値とする。直線状の試験片を標線間距離200250 mm
で,引張試験機で1秒間当たり5±1 mmの速度で導体が破断するまで伸長し,破断時の引張力を測定する。
3本の試験片で行い,初期断面積及び各々の破断時の引張力を記録する。各々の破断時の引張力を初期断
面積で除した値の平均値で引張強さを表す。

4 軟らかさ

  軟らかさは,ヘリカルコイルの巻き戻り角度(4.1参照),スプリングエロンゲーション値(4.1A参照),
又は曲げ後の戻り角度(4.2参照)で表す。
なお,受渡当事者間の合意によって,スプリングバック法(JA.4参照)を用いてもよい。

4.1 公称導体径0.080 mmを超え1.600 mm以下の丸線(ヘリカルコイルの巻き戻り角度)

4.1.1  概要
直線状の試験片を個別規格で規定する径のマンドレルに,個別規格で規定する張力で5回転巻き付ける。
張力を開放し5回転目の端の戻り角を読み取り,軟らかさとする。
4.1.2 試験装置
図1に試験装置の一例を,図2及び表1にマンドレルの詳細を示す。図2に示すヘリカル状の溝は巻付
けを容易にするために用いるが,なくてもよい。目盛板は,試験片5回転分の総戻り角度を直読できるよ
うに,18等分している。
1 マンドレル
2 目盛板
3 固定装置
4a,○
○ 4b 固定装置
5 ベース
6 マンドレル取
付ねじ
図1−軟らかさ試験装置

――――― [JIS C 3216-3 pdf 4] ―――――

                                                                                              3
C 3216-3 : 2011
図2−マンドレル
表1−マンドレル
単位 mm
マンドレル径a) 寸法b)
a b c d e f
5 6.0 7.5 32 0.30 0.05 0.13
7 6.0 9.0 34 0.40 0.07 0.18
10 6.0 9.0 34 0.60 0.10 0.25
12.5 6.0 9.0 40 0.80 0.14 0.35
19 10.0 11.0 45 1.20 0.20 0.50
25 12.5 12.5 45 2.00 0.28 0.70
37.5 12.5 14.5 47 2.40 0.40 1.00
50 12.5 17.5 50 3.00 0.80 2.00
注a) 溝付きの場合は,溝の底の径
b) 図2を参照。図2のa,b,e及びfは溝付きだけに適用。
4.1.3 試験手順
規定するマンドレルを試験片止め位置(スロット又は穴)が0目盛に合うように水平にしっかり固定す
る。マンドレルには試験片の動きを妨げないようにタルク粉(フレンチチョーク)をまぶす。直線状の約
1 mの試験片の片端に規定の張力となるおもりをかける。マンドレルを回すハンドルの留め金を外す。試
験片のもう一方の片端をマンドレルのスロット又は穴に差し込み,試験片がマンドレルと密着するように
試験片を十分な長さでマンドレルの反対側にもっていく。試験片が垂直になるようにおもりをゆっくり下
げ,目盛0点及びスロット又は穴が真下を向くようにする。試験片の自由端をしっかり支え,マンドレル
を目盛板に向かって反時計回りに完全に5回転する。さらに,目盛板0点が真上に来るまで回す。0点が
真上になった位置でハンドルを固定する試験片を動かさないように,おもりを外し,次に5回転目の端か
ら約25 mmを残して切断する。この試験片端部を指針となるように0点で垂直に折り曲げる。急に線が戻
らないように指針として折り曲げた部分の左側に鉛筆又はそれと似たジグを置く。次にコイルをゆっくり
と巻き戻す。
注記 試験片が急激に動くと誤差が生じる可能性がある。
次に,マンドレル及び目盛板は開放状態にし,指針を真上の位置に戻すように時計回りに回転する。指
針が示した目盛板の読み値が軟らかさを表す戻り角である。弾力性の強い線の場合,指針が1回転以上戻
る場合がある。この場合,指針が示した値に1回転につき72を加えなければならない。3本の試験片で行
い,各々の値を記録する。その平均値で軟らかさを表す。

――――― [JIS C 3216-3 pdf 5] ―――――

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JIS C 3216-3:2011の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 60851-3:2009(MOD)

JIS C 3216-3:2011の国際規格 ICS 分類一覧

JIS C 3216-3:2011の関連規格と引用規格一覧