JIS C 3801-2:1999 がいし試験方法―第2部:発変電所用ポストがいし | ページ 4

12
C 3801-2 : 1999
乾燥又は注水時に,
1.3.7 商用周波乾燥又は注水耐電圧 (dry or wet power-frequency withstand voltage)
規定された試験条件下において,ポストがいしが耐える商用周波電圧。
1.3.8 乾燥
商用周波乾燥又は注水フラッシオーバ電圧 (dry or wet power-frequency flashover voltage)
又は注水時に,規定された試験条件下において,ポストがいしが,フラッシオーバする測定電圧の算術平
均値。
1.3.9 貫通破壊電圧 (puncture voltage) 規定された試験条件下において,ポストがいしが貫通破壊を起
こす電圧。
1.3.10 破壊荷重 (mechanical failing load)規定された試験条件下において,ポストがいしを試験したと
きの最大到達荷重。
1.3.11 表面漏れ距離 (creepage distance) ポストがいしの運転電圧が通常印加される電極間の,磁器又
はガラス部の沿面の最短距離又は最短距離の合計。
備考1. セメント又は他の非絶縁性の接合材料の表面は,表面漏れ距離とはしない。
2. がいしの一部に高抵抗表面層をもつ場合には,その部分は有効な絶縁面とし,その表面距離
は表面漏れ距離に含む。
3. 高抵抗表面層の表面抵抗率は,通常106 地 104 坎 上でもよい。
4. ポストがいしの全面に高抵抗表面層をもつ場合(いわゆる,特性を安定化したがいし),表面
抵抗率と表面漏れ距離の扱いは,受渡当事者間の協定によるのがよい。
5. この定義による表面漏れ距離は,IEC 60273に最小公称表面漏れ距離として規定されている
ものである。
1.3.12 規定特性 規定特性とは,次のいずれかとする。
− IEC規格で規定された電圧,機械的荷重又はその他の特性の数値
− 受渡当事者間の協定による特性の数値
規定の耐電圧及びフラッシオーバ電圧は,標準大気状態での値とする(4.2.1参照)。
1.3.13 両端面の平行度 両端の金具間で測定した,ポストがいしの高さの差の最大値。
備考 高さの差は,通常は直径250mmの円周上での値とする。
1.3.14 同心度 ポストがいしの上部金具及び下部金具の取付穴のピッチサークルの中心の間の,軸心に垂
直方向への変位。
1.3.15 取付穴の角度偏差 ポストがいしの上部金具と下部金具の対応する取付穴の間の回転偏位で,度で
表示したもの。
第2章 がいし

2.1 がいし設計と絶縁材料

2.1.1  がいし設計 ポストがいし及びポストがいしユニットは,その構造によって異なる設計分類に区分
する。この附属書で扱うポストがいしの設計分類は,次のとおりとする。
1) 各ポストがいしユニットが,全長にわたり中実体の絶縁部材をもち,外側に金具の付いた“中実の
円柱状ポストがいし”。すなわち,耐電気貫通がいし(附属書付図1参照)。
2) 各ポストがいしユニットが,一体で焼成された磁器の内部隔壁をもち,外側に金具の付いた“中空
の円柱状ポストがいし”(附属書付図2参照)。
3) 絶縁部材の最短電気貫通距離が金具間の気中フラッシオーバ距離の半分以上である“内側に金具の
付いた円柱状ポストがいし”。すなわち,耐電気貫通がいし(附属書付図3参照)。

――――― [JIS C 3801-2 pdf 16] ―――――

                                                                                             13
C 3801-2 : 1999
4) 絶縁部材の最短電気貫通距離が金具間の気中フラッシオーバ距離の半分未満の“内側に金具の付い
た円柱状ポストがいし”(附属書付図4参照)。
5) 各ポストがいしユニットが,外形寸法に比べ薄い1個以上の絶縁部材と金具で構成されている“ピ
ン形ポストがいし”(附属書付図5参照)。
6) 各ポストがいしユニットが,外形寸法に比べ薄い多数の絶縁部材及び金具で構成され,組立後は耐
電気貫通形となる“円柱状ポストがいし”(附属書付図6参照)。
備考 “円柱状がいし”という用語は,円すい台形のがいしを含む。
上記分類のポストがいしにそれぞれ適用する形式,抜取り及び全数検査の詳細を第6章に示す。また,
まとめを6.の附属書付表3,附属書付表4及び附属書付表5に示す。
2.1.2 絶縁部材 この附属書で扱うポストがいしの絶縁部材は,次のとおりとする。
− セラミック材料,“磁器”
− 熱処理によって内在応力を緩和した“アニールガラス”
− 熱処理によって適正内在応力を付加した“強化ガラス”
備考1. 磁器及びガラス製の絶縁部材の定義と種類とについての詳細な説明は,他のIEC規格に示す。
[8]及び[9]参照。
2. この附属書で使用する“セラミック材料”という用語は,磁器材料を意味し,北米での慣例
とは反対に,ガラスは含まない。

2.2 ポストがいしを特徴づける値

 ポストがいしは,次の値によって特徴付けられる。
a) 規定の雷インパルス乾燥耐電圧
b) 規定の開閉インパルス乾燥耐電圧(屋内用がいしだけ)*
c) 規定の開閉インパルス注水耐電圧(屋外用がいしだけ)*
d) 規定の商用周波乾燥耐電圧(屋内用がいしだけ)
e) 規定の商用周波注水耐電圧(屋外用がいしだけ)
f) 規定の最小貫通電圧[設計分類 4)と5)のがいしだけ。2.1.1参照]
g) 規定の破壊荷重
h) 規定の重要寸法(表面漏れ距離を含む。)
備考 機器の最高電圧が300kV420kVの既存の系統では,開閉インパルス耐電圧は,ポストがいし
設計の決定要因ではないという実績がある。したがって,そのような既存の系統に使用するポ
ストがいしに対しては,開閉インパルス試験は受渡当事者間の協定によって実施することが望
ましい。
次の特性は,受渡当事者間の協定事項としてもよい。
− 曲げ荷重によるたわみ
− ラジオ障害電圧特性[3]参照
− 耐人工汚損特性[4]参照
特性が,機器の最高電圧に依存する場合には,その適用はIEC 60071を参照して決定する。
2.3 がいしの識別 それぞれのポストがいしには,製造業者の名称又は商標,製造年及びポストがいし
の照合マークを表示する。これらの表示は,明りょうで消えないものとする。
誤解を招かない場合には,IEC 60273で使用している呼称を流用してもよい。

――――― [JIS C 3801-2 pdf 17] ―――――

14
C 3801-2 : 1999
第3章 検査の種類,抜取基準及び方法

3.1 検査の種類

 検査は,次の3グループに区分する。
3.1.1 形式検査 形式検査は,主にがいしの設計によって決定される主要な特性を検証するために実施す
る。形式検査は,通常1個のがいしについて,新しい設計又は新しい製造工程に対して1度だけ実施し,
がいしの設計,材料又は製造工程の変更を行った場合にだけ再度実施する。変更によって特定の特性だけ
が影響を受けるときは,その特性に関係する試験だけを再度実施すればよい。さらに,新設計品と同等な
設計のポストがいしの有効な試験証明書がある場合は,新設計品についてのすべての電気的及び機械的形
式検査を実施する必要はない。電気的に同等な設計内容は3.3.3に,機械的に同等な設計内容は3.3.4に示
す。
形式検査の結果は,購入者が受理した試験証明書,又は法定機関によって確認された試験証明書によっ
て証明される。機械的試験に対しては,証明書は発行日から10年間有効とする。電気的形式検査に対して
は,証明書は無期限に有効とする。
形式検査は,形式検査に含まれないすべての該当する抜取検査及び全数検査の要求事項を満足するロッ
トから取られたがいしだけを試料として実施する。
注* 開閉インパルス耐電圧は,機器の最高電圧が300kV以上の交流系統に使用するポストがいしだ
けに規定するのが望ましい。
3.1.2 抜取検査 抜取検査は,がいしの製造工程及び構成材料の品質によって変化するがいしの特性を確
認するために実施する。抜取検査はポストがいしのサンプルについて受入試験として実施するものであり,
そのサンプルは該当する全数検査の要求事項を満足したロットから無作為に抜き取ったものとする。
3.1.3 全数検査 全数検査は,欠陥のあるユニットを取り除くためのもので製造工程の中で実施する。全
数検査は,すべてのがいしについて実施する。
備考 特殊ケースとして,新設計のがいしについて,形式検査,抜取検査及び全数検査を全体として
実施するとき,これらは“プロトタイプ試験”と呼ぶ。

3.2 品質保証

 受渡当事者間の協定によって,製造工程中のがいしの品質を検証するために,この規定
の要求事項を考慮した品質保証計画を利用することができる。
備考1. 品質保証計画の利用についての詳細資料は,ISO規格に示されている([10],[11],[12],[13]
及び[14]参照)。がいしの品質システムの指針としてISO 9002が推奨される。
2. 十分に確立された品質保証計画の国家規格も有効である。

3.3 形式検査に対する一般要求事項

3.3.1  形式検査用がいしの選択 通常,1個のポストがいしだけでそれぞれの試験を実施する。そのがい
しは,すべての該当する抜取検査及び全数検査の要求事項を満足するがいしのロットから抜き取る。形式
検査を実施したがいしで,機械的及び電気的特性に影響を残す可能性のあるがいしは,製品として使用し
てはならない。
3.3.2 寸法試験 形式検査に使用するポストがいしは,他の試験を実施する前に5.1に従い,関係する寸
法を試験する。
備考 受渡当事者間の協定によって,寸法の差異が性能に影響しないことが同意された場合には,図
面又は規定に指定された許容差から外れた寸法のがいしを使用してもよい。5.8で許容された範
囲より大きな面積のうわぐすり欠陥をもつがいしを形式検査に使用することについても,同様
とする。

――――― [JIS C 3801-2 pdf 18] ―――――

                                                                                             15
C 3801-2 : 1999
3.3.3 電気的形式検査 附属書付表3 (6.4)に示すように電気的形式検査は,1個のポストがいしについて
1度だけ実施する。
“電気的に同等な設計”のポストがいしの電気的形式検査の結果は,それによって代表されるすべての
ポストがいしに及ぶものとする。“電気的に同等な設計”とは,同じ材料で,同一製造工程によって製造さ
れ,次の項目に該当するものとする。
a) フラッシオーバ距離が同一又は大きい。
b) 公称胴径が同一若しくは細い。
c) 取付金具の数と概略の位置が同一。
d) 公称かさ(笠)ピッチの違いが±5%以下。
e) 公称かさ出張りの違いが±10%以下。
f) かさ形状が同一。
備考1. “電気的に同等な設計”のポストがいしは,通常は屋外用円柱状ポストがいしとなる。他の
ポストがいしの設計,特に,ピン形ポストがいしが“電気的に同等な設計”になる見込みは
ない。
2. 取付金具の形状及びサイズが“電気的に同等な設計”に及ぼす影響について,検討が必要な
場合がある。
3. 使用状態でのフラッシオーバ電圧や耐電圧は,標準試験条件でのフラッシオーバ電圧や耐電
圧と異なる場合がある。その影響は,雷インパルス試験の,特に電圧が非常に高い機器にお
いて,認識されている。とりわけ,開閉インパルスにおいては,周囲条件,並びに,ポスト
がいしとそれに付随する金物類の配置の影響が非常に大きい。これは,標準試験配置と実使
用状態の配置とで電界分布が異なるためである。したがって,規定の開閉インパルス耐電圧
を検証するには,実使用状態を模擬した取付配置が必要となるかもしれない。取付配置の詳
細は,受渡当事者間の協定によることが望ましい。
4. “電気的に同等な設計”の概念は,主としてこの附属書の中の試験に関して適用する。汚損
特性に関しては,“電気的に同等な設計”のポストがいしの公称表面漏れ距離の違いが及ぼす
影響について,検討が必要な場合がある。
3.3.4 破壊荷重の形式検査 機械的強度に対する形式検査は,1個のポストがいしについて1度だけ実施
する。通常,この試験は曲げ破壊荷重試験とする。追加の試験が必要な場合には,受渡当事者間の協定に
よって,次の試験を形式検査として実施してもよい。
− 引張試験
− ねじり試験
− 圧縮試験
“機械的に同等な設計”のポストがいしの破壊荷重の形式検査の結果は,それによって代表されるすべ
てのポストがいしに及ぶものとする。“機械的に同等な設計”とは,同じ工場において,同じ材料で,同一
製造工程によって製造され,次の項目に該当するものとする。
a) 公称胴径が同一。
b) 絶縁部材と金具の結合方法が同一設計。
c) 絶縁部材に結合している金具部材の形及び寸法が同一。
d) 公称高さの違いが±20%以下。
備考1. 機械的な同等品に対しては,ポストがいしの機械的強度に影響するすべての要因(材料,製

――――― [JIS C 3801-2 pdf 19] ―――――

16
C 3801-2 : 1999
造工程,及び寸法)は同等のはずなので,曲げモーメント強度 (P0×h),引張強度,ねじり
強度の値は,機械的に同等な設計を代表するポストがいしと同じになる。“機械的に同等な設
計”のポストがいしと比較して,これらの機械的強度特性値のうちの一つ(又はそれ以上)
が低い場合には,受渡当事者間の協定事項としてもよい。
2. 機械的に同等な設計の概念を適用する場合,高さの違いがポストがいしの圧縮強度に及ぼす
影響について,検討が必要な場合がある。
3. “機械的に同等な設計”のポストがいしは,例えば,IEC 60273の表IVAのように,固定ボ
ルトの配置が異なってもよい。
4. 機械的に同等な設計の確立には,かさ出張りやかさピッチの変更による公称外径の違いが及
ぼす影響について,検討が必要な場合がある。

3.4 抜取検査に対する一般要求事項

3.4.1  抜取検査に対する抜取基準及び方法 抜取検査のためのポストがいしの抜取個数は,附属書付表1
による。購入者は,全数検査の要求事項を満足するロットからがいしを選択する権利をもつ。
附属書付表1 抜取検査の抜取個数
ロットのがいし個数 抜取個数
(n)
n≦100 協定による
100 500 *1 計算結果が整数とならない場合は,それより大きい整数と
する。
抜取検査に使用したがいしで,機械的特性及び電気的特性に影響を及ぼすと思われるものを製品として
使用してはならない。
3.4.2 抜取検査に対する再試験の方法 1個だけのポストがいし又は金具が抜取検査のいずれかを満足
しない場合には,元の2倍の抜取個数の新しい試料で再試験を行う。再試験は不具合の生じた試験につい
て実施する。ただし,元の試験の結果に影響したと考えられる試験については,前もって実施しておくも
のとする。
2個以上のポストがいし若しくは金具が抜取検査のいずれかを満足しない場合,又は再試験においてい
ずれかの不具合が生じた場合には,そのロット全体がこの規定に適合しないものとし,製造業者は,その
ロット全体を回収する。
不具合の原因を明確に特定できる場合には,製造業者は,その欠陥のあるがいしをロットから取り除い
てもよい。区分したロット又はロットの一部を試験のために再提出してもよい。
そのときの抜取個数は,最初に試験用に抜き取った数の3倍とする。再試験は不具合の生じた試験につ
いて実施する。ただし,元の試験の結果に影響したと考えられる試験については前もって実施しておくも
のとする。この再試験において,いずれかのがいしに不具合が生じた場合には,そのロット全体がこの規
定に適合しないものとする。
備考 亜鉛めっき試験の不具合が,それ以前に行った試験において全数検査の荷重より高い荷重を加
えたことが原因であれば,組立前の金具,又は同一ロットの他のポストがいしのいずれかで再
試験を実施してもよい。
抜取検査において1個以上のポストがいしが,5.1又は図面指定の寸法許容差を外れた場合は,受渡当事
者間の協定によって,再試験は,許容差についての全数検査に代えてもよい。

――――― [JIS C 3801-2 pdf 20] ―――――

次のページ PDF 21

JIS C 3801-2:1999の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 60168:1994(NEQ)
  • IEC 60168:1994/AMENDMENT 1:1997(NEQ)

JIS C 3801-2:1999の国際規格 ICS 分類一覧

JIS C 3801-2:1999の関連規格と引用規格一覧