JIS C 3801-2:1999 がいし試験方法―第2部:発変電所用ポストがいし | ページ 6

22
C 3801-2 : 1999
4.10.2 設計分類 2)の中空ポストがいし(2.1.1参照) 組立前に,がいしの磁器部材の全数電気試験を行
う。この試験は,磁器の内部隔壁に接触するよう内部空間の中に配置した電極を用いて,内部隔壁全体に
商用周波電圧を連続的に印加する。試験電圧は,散発的又は時々(2秒3秒に1回程度)フラッシオーバ
する電圧で,3分間以上連続して印加する。
この試験中に電気貫通した磁器部品は除去する。
第5章 機械的試験及びその他試験の手順
この章では,ポストがいしの機械的試験,及びその他試験の試験方法と要求事項を示す。これらの試験
の適用は,第6章に示される。

5.1 寸法試験-形式及び抜取検査

 ポストがいしの寸法は,該当する図面によって試験する。特別に許
容差を適用した寸法,互換性に影響する寸法(例えば,IEC 60273に規定された高さ,及びきり穴又はね
じ穴の寸法)に対しては,特に注意を払うものとする。
5.1.1 一般的要求事項 受渡当事者間で特に協定しない限り,特別に許容差を指定していない寸法に対し
ては,次の許容差とする。
d≦300の場合± (0.04d+1.5) m
d>300の場合± (0.025d+6) m
ここに,dは試験する寸法 (mm) である。
5.1.2 表面漏れ距離の許容差 図面に指定された表面漏れ距離が,購入者によってあらかじめ指定された
寸法より長い場合でも,表面漏れ距離の測定はポストがいしの図面に指定された設計寸法に対して行うも
のとする。
表面漏れ距離については,次の許容差とする。
− 表面漏れ距離がIEC 60273に示す最小公称値を含め,公称値で規定されている場合,
.0(04d )5.4 mm
− 表面漏れ距離が最小値で規定されている場合,
負の許容差は適用せず,正の許容差を2× (0.04d+1.5) mとする。
5.1.3 特殊許容差 特に協議しない限り,すべてのポストがいしに対して,高さ,取付穴(きり穴又はね
じ穴)の寸法,両端面間の平行度,同心度及び取付穴の角度偏差の許容差は,IEC 60273の要求事項によ
る。
ポストがいしユニットの曲がりは,次の値以下とする。
5.1( .0008h) m
ここに,hはポストがいしユニットの高さ (mm) である。
備考 両端面間の平行度,同心度,取付穴の角度偏差及び曲がりの適切な試験方法が,附属書Aに示
されている。
5.1.4 かさ角度 設計図面上,かさの上面においてその胴径側の端のR部と外側の端のR部の間が直線
である場合は,ポストがいしのかさの上面の平均傾斜角度を測定する。かさの平均傾斜角度の許容差は,
±3°とする。
ポストがいしの上部付近,中央部付近,下部付近の3枚のかさについて,相互に直交する方向の4か所
の測定を行う。
12か所の測定値の平均値を計算し,図面に指定された寸法と比較する。
備考1. かさ角度の適切な測定方法が,附属書Aに示されている。

――――― [JIS C 3801-2 pdf 26] ―――――

                                                                                             23
C 3801-2 : 1999
2. 設計図面上でかさの上面が曲線の場合には,かさの角度を測定することは不可能である。
5.1.5 判定基準 測定した寸法が許容差内で規定の要求事項を満足した場合には,ポストがいしは試験に
合格したものとする。
抜取検査で測定した表面漏れ距離が許容される正の許容差を超えた場合には,受渡当事者間の協定によ
って,そのロットを受け入れてもよい。

5.2 破壊荷重試験-形式及び抜取検査

5.2.1  一般的要求事項 破壊荷重試験は,曲げ,ねじり,引張り又は圧縮の荷重が加わったときのポスト
がいしの強度を決定する試験である。
ポストがいしの機械的強度の試験は,次の4試験のうち一つ以上から成る。
− 曲げ試験
− 引張試験
− ねじり試験
− 圧縮試験
受渡当事者間で特に協定しない限り,破壊荷重試験は曲げ試験とする。
備考 機械的強度の試験は,がいしの使用状態を考慮して選択するのがよい。
規定の破壊荷重試験を行ったポストがいしは,製品として使用してはならない。
5.2.2 取付方法 ポストがいしは,試験中の荷重によって変形しないしっかりと固定した台又はフレーム
に取り付ける。形式検査と抜取検査には,同じ強度の取付ボルト又は取付スタッドを使用する。ボルト又
はスタッドが分離できる場合,ポストがいしの破壊荷重を試験するときには,これらの部品を高強度品に
することができる。
5.2.3 荷重の加え方 荷重は,規定の破壊荷重値の半分以下の値から加え,規定の破壊荷重値まで徐々に
増加させる。
特に要求があってデータを得る場合は,1.3.10で定義した実際の破壊荷重まで荷重を増加する。その荷
重値は記録する。
備考 荷重は速やか,かつ,滑らかに0から規定の破壊荷重の約50%まで上昇させるのがよく,以後
毎分,規定の破壊荷重の35%100%の上昇率で規定の破壊荷重まで(要求があれば,実際に破
壊する荷重に達するまで)徐々に上昇させるものとする。
5.2.4 曲げ試験
5.2.4.1 試験法 IEC 60273に指定された破壊荷重P0,PX,若しくはP50又は要求による上部金具部にお
ける曲げモーメントMを検証するため,ポストがいし又はポストがいしユニットに曲げ荷重を加える。
各ユニットの位置がポストの中で区別される場合には,完成品のポストがいし又は個々のユニットにつ
いての試験を行う。
同一形状のユニットが全体のポストの中の異なる位置で使用される場合には,個々のユニットについて
の試験を行う。
荷重はポストがいしの軸心に,その軸に対して直角方向に加える。
5.2.4.2 完成品のポストがいしの試験 完成品のポストがいしを試験する場合,次による。
− ポストがいしの自由端に荷重を加えることによって,荷重P0を検証する。
− がいし上端面よりそれぞれXmm又は50mm上部の位置に荷重を加えるための延長ジグを使用す
ることによって,荷重PX及びP50を検証する。

――――― [JIS C 3801-2 pdf 27] ―――――

24
C 3801-2 : 1999
5.2.4.3 個々のユニットの試験 個々のユニットを試験する場合には,必要に応じ,がいし上端面から上
部に荷重を加えることができる延長ジグを使用して,次の条件に従い,それぞれのタイプのユニットを試
験する。
− 荷重P0が規定された場合,延長ジグは置き替えるユニットと同じ長さとする。
− 荷重PXが規定された場合,延長ジグは完成品のがいし上端面からXmm上部の位置に荷重を加え
ることを模擬するのに適した長さとする。
ポストがいしの複数のユニットが同一タイプの場合には,延長ジグの長さは下部又は最下部のユニット
を基準とする。
5.2.4.4 上部金具の試験 上部金具での曲げモーメントMを検証するための試験を行うとき,IEC 60273
の要求モーメント又は受渡当事者間で協定したモーメントを加えるために,がいし上端面の上部に荷重を
加えるための延長ジグを使用する。
IEC 60273の表IVの9列目の注記による,曲げモーメントMの標準値は,次のとおりである。
C4-60からC20-650のポストがいしに対して,M=0.5P0h
ポストがいしが上部金具部から下部金具部でのP0hまでの間で強度が直線的に増加するように設計され
ているならば,がいし上端面からXmm上部の位置にPx=0.5P0の荷重を加えることによって,このモーメ
ントを達成してもよい。
C2-750からC10-2550のポストがいしに対して,M=0.2P0h
強度が直線的に増加するという要求事項が守られているならば,高さXでの荷重PXの適切な組合せに
よって,このモーメントを達成してもよい。
上部金具での規定値Mから下部金具部でのP0hまでの間で,ポストがいしの強度が直線的に増加すると
いう要求事項があれば,発注時に受渡当事者間で協定する。
備考 受渡当事者間の協定によって,上部金具部での曲げモーメントMは,代案として,ポストがい
しを逆向きに取り付け,自由端に荷重を加えることによって検証してもよい。
5.2.5 ねじり試験 ポストがいしに曲げモーメントが加わらないようにねじり荷重を加える。ポストがい
しのねじり強度は,1個のポストがいしユニット(2種類以上のタイプのポストがいしによって構成されて
いる場合は,最も強度の低いもの)の試験によって決定してもよい。
5.2.6 引張試験 ポストがいしの軸方向に引張荷重を加える。ポストがいしの引張強度は,1個のポスト
がいしユニット(2種類以上のタイプのポストがいしによって構成されている場合は,最も強度の低いも
の)の試験によって決定してもよい。
5.2.7 圧縮試験 ポストがいしの軸方向に圧縮荷重を加える。2個のユニットで構成されるポストがいし
の圧縮荷重は,1個のポストがいしユニット(2種類以上のタイプのポストがいしによって構成されている
場合は,最も強度の低いもの)の試験によって決定してもよい。全長の長いポストがいし(座屈によって
破壊する可能性のあるもの)は,完成品のポストがいしの試験が必要となる場合がある。
5.2.8 判定基準 規定の破壊荷重に達した場合には,ポストがいしは試験に合格したものとする。

5.3 荷重によるたわみの試験-特別形式検査

 必要と考えられる場合,この試験は,受渡当事者間の協
定によって実施する。
試験を実施するときは,完成品のポストがいしの自由端又は延長ジグ(5.2.4参照)に曲げ荷重を加える。
たわみは,荷重を増加させたときにがいしの上端面において測定し,測定の破壊荷重の20%,50%及び70%
に達したときのたわみを記録する。

5.4 冷熱試験-抜取検査

――――― [JIS C 3801-2 pdf 28] ―――――

                                                                                             25
C 3801-2 : 1999
5.4.1 一般的要求事項
a) 冷熱試験は破壊荷重試験の前に,個々のポストがいしユニットについて実施するものとする。
b) それぞれの試験用水槽の水量は,がいしの浸せきによって温度が±5Kを超える変化をきたさぬよう十
分な量とする。
c) 熱容量が少なく,水が自由に通過できるワイヤメッシュ状のかごであれば,冷水又は熱湯の水槽内の
がいしの浸せき用に,中間容器を使用してもよい。
5.4.2 磁器製又は強化ガラス製のポストがいしに適用する試験 ポストがいしは,金具が付いている場合
は金具付きで,後で浸せきする冷水槽より50K高い温度に保たれた熱水槽に全部を素早く浸し,(15+0.7m)
分間浸せきする。ただし,最長30分間とする[ここで,mはポストがいしの質量 (kg) ]。その後,取り
出し,冷水槽に全部を素早く浸し,同じ時間浸せきする。
この加熱/冷却サイクルを3回連続して行う。それぞれの水槽間の移動時間は,1分以内で,可能な限
り短くする。
3サイクル目の終了後,がいしにクラック,その他損傷がないことを検査する。設計分類 2),4)及び
5)のがいし(2.1.1参照)に対しては,4.10.1の方法によって商用周波電圧も印加して試験する。
5.4.3 アニールガラス製のポストがいしに適用する試験 アニールガラス製のポストがいしは,金具が付
いている場合は金具付きで,後で使用する人工雨より に保たれた熱水槽に,中間容器を使用せ
ず,全部を素早く浸し,15分間浸せきする。その後,取り出し,注水量3mm/minだけを規定した人工雨
に,素早く15分間暴露する。
この加熱/冷却サイクルを3回連続して行う。熱水槽と人工雨の間の移動時間は,1分以内とする。
アニールガラスの温度変化に対する耐力は多数の要因に依存するが,最も重要な要因の一つは,その組
成である。受渡当事者間で特に協定しない限り,これらのがいしに対する温度差 次のとおりとする。
ソーダガラスの場合 30K
ボロシリケイトガラスの場合 70K
3サイクル目の終了後,がいしにクラック,その他損傷がないことを検査する。設計分類 2),4)及び
5)のがいし(2.1.1参照)に対しては,4.10.1の方法によって商用周波電圧も印加して試験する。
5.4.4 判定基準 がいしにクラック又は機械的な破損がなく,設計分類 2),4)及び5)のポストがいしに
ついては,さらに商用周波電圧試験において電気貫通しない場合には,ポストがいしは試験に合格したも
のとする。その後,がいしは5.2の破壊荷重試験の要求事項を満足するものとする。

5.5 全数熱衝撃試験(強化ガラスの絶縁部材だけに適用)

 組立前又は金具取付前の強化ガラス部材を
熱風又は他の適切な方法で,後で使用する水の温度より100K以上高い温度に均一に加熱した後,50℃以
下の水に全部を素早く浸す。
この試験中に破壊した強化ガラス部材は除去する。

5.6 吸湿試験-抜取検査(磁器製ポストがいしだけに適用)

5.6.1  試験方法 試験片は次のいずれかとする。
− 当該がいしから採取した磁器破片
− 協議によって,当該がいしに隣接して焼成された代表的試験片から採取した磁器破片
試験液は,赤又は紫のメチン染料(例えば,アストラゾン又はバソニール)3%のアルコール溶液
(100gの変性アルコール中に3gのメチン染料)とする。
試験片を試験液中に15MPa以上の圧力を加えて,次の条件を満足する時間浸す。
試験時間(単位 : 時間)×試験圧力(単位 : MPa)≧180

――――― [JIS C 3801-2 pdf 29] ―――――

26
C 3801-2 : 1999
磁器破片を試験液から取り出して,洗浄し,乾燥し,再度破砕する。
参考 原国際規格は,試験液として,フクシン1%アルコール溶液を規定している。しかし,IEC TC36
(がいし技術委員会)は,染料のフクシンが健康に害を及ぼす可能性があることから,無害の
メチン染料に置換する方針を決定した。この方針に従い,原国際規格は,改定されるか又は追
補が発行されることが確実であるため,この附属書では,改正内容を先取りして規定した。
5.6.2 判定基準 新たに破砕した面を肉眼で検査したとき,染料がしみ込んでいないものとする。最初の
破砕時に発生した微小クラックへのしみ込みは,無視するものとする。

5.7 亜鉛めっき試験-抜取検査

 下記に指定がない限り,この試験には次のISO規格を適用する。
ISO 1459,ISO 0460,ISO 1461,ISO 1463,ISO 2064,ISO 2178
備考 一般的な推奨は難しいが,例えば,非常に乱雑な取扱いによる小さな亜鉛コーティングの損傷
は,うまく修復することができる。その修復は,修理用の低融点の亜鉛合金の修理棒を使用す
るのがよい。修復したコーティングの厚さは,亜鉛めっき層の厚さ以上とするのがよい。その
ような修復を許容できる最大面積は,ある程度,鉄製部品の種類と寸法によるが,一般的なガ
イドとして,40mm2程度とされている。また,大形のがいし金具には100mm2が最大とされて
いる。ただし,損傷したコーティングの修復は,受渡当事者間で協定したうえで,例外的処置
として小さな欠陥の場合だけに許容する。修理棒を使用した修復は,組立後のがいしに適用す
るには,処理を行うときの鉄製部品の温度が高すぎる。このため,この修復方法は,金具単体
において可能であることに注意すべきである。
5.7.1 試験法 鉄製部品は外観試験の後,磁気試験法を用いてめっき量の測定を行う。磁気試験法による
測定結果について見解の相違が生じた場合,次の判定試験を実施するものとする。
− 鋳造品,鍛造品に対しては,質量測定法(協議によってワッシャーにも適用)
この場合,ISO 1460の要求事項による。
− ボルト,ナット,ワッシャーに対しては,顕微鏡測定法
この場合,ISO 1463の要求事項による。
備考 受渡当事者間の発注時の協定によって,例えば,硫酸銅溶液に浸せきする試験法,ガス計量法
など,他の試験方法を使用することができる。試験方法の選択,その適用及び一般的試験条件
は,協議によって決定するのがよい。硫酸銅溶液への浸せきによって亜鉛めっきの均一性を測
定する試験方法については,多数の参考文献がある。
5.7.1.1 外観 鉄製部品は,外観試験を行う。
5.7.1.2 磁気試験法によるめっき量測定 この試験は,ISO 2178,特に,第4章(測定精度に影響する要
因)及び第5章(測定器の校正)に規定された条件で実施する。これらの章は,正確な測定値を得るため
に非常に重要である。
それぞれの試料について,その寸法に応じて3回10回の測定を行う。この測定は,角及びとがった部
分を避け,全表面に対して特定の部分に偏らないよう均一でしかも無作為に選んだ部分で行う。
備考 磁気試験法によるめっき量の測定は,非破壊,簡便,迅速,十分に正確であり,ほとんどの場
合に適している。そのため,この方法は基本的な試験として規定されている。
5.7.2 判定基準
5.7.2.1 外観試験の判定基準 めっきは,連続的で,できるだけ均一,かつ,滑らかでなければならない
(取扱い中の傷害防止のため)。めっき品は,所定の使用に対して有害な欠陥がないものとする(ISO 1459
の5.4.2参照)。

――――― [JIS C 3801-2 pdf 30] ―――――

次のページ PDF 31

JIS C 3801-2:1999の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 60168:1994(NEQ)
  • IEC 60168:1994/AMENDMENT 1:1997(NEQ)

JIS C 3801-2:1999の国際規格 ICS 分類一覧

JIS C 3801-2:1999の関連規格と引用規格一覧