JIS C 4220:2020 小形交流電動機の安全性 | ページ 7

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C 4220 : 2020
9.2
ロ 各端子または各口出し線の接続を切換えて使用することができるものにあっては,外かくの見やすい
箇所にその接続図を表示してあること。
7.2.1
ハ コンデンサーを有するものにあっては,コンデンサーが温度の低い箇所に取り付けてあること。
7.2.2
ニ 整流子を有するものにあっては,ブラシを容易に取り換えることができ,かつ,通常の運転状態にお
いて,整流子とブラシとの間に著しく火花を発しないこと。
(解説)
1. 本項は,単相電動機の構造について規定したものである。
(2)試験の順序
次の事項に関する試験は,次に掲げる順序に従って行うこと。 8.2
イ 絶縁抵抗
ロ 温度上昇
ハ 絶縁抵抗
ニ 絶縁耐力
ホ 特性
ヘ 始動開閉性能
ト 附属コンデンサーの絶縁耐力
チ 過負荷保護性能
リ 回転子拘束保護性能
(解説)
1. 本項は,単相電動機の試験の順序について規定したものである。
(3)特性
6.2.1 a)
イ 定格周波数に等しい周波数の定格電圧に等しい電圧を加え,定格入力を表示するものにあっては定格
6.2.2 a)
入力に等しい入力,定格出力を表示するものにあっては定格出力に等しい出力で,連続して運転し,
器体の各部の温度上昇がそれぞれほぼ一定となった時(短時間定格のものにあっては,その定格時間
に等しい時間が経過した時)に測定した電流は,表示全負荷電流の110 %以下であること。
ロ 整流子電動機以外のものにあっては,次に適合すること。 6.2.1
(イ)回転速度 定格周波数に等しい周波数の定格電圧に等しい電圧を加え,定格入力を表示するものに
あっては定格入力に等しい入力で,定格出力を表示するものにあっては定格出力に等しい出力で,
連続して運転し,器体の各部の温度上昇がほぼ一定となった時(短時間定格のものにあっては,そ
の定格時間に等しい時間が経過した時)に測定した回転速度と表示回転速度との差は,同期速度か
ら表示回転速度を引いた値の50 %以下であること。
(ロ)始動電流 回転子を拘束した状態で,定格周波数に等しい周波数の定格電圧に等しい電圧を加えた
時に通ずる電流は,温度試験の直後において37 A以下(始動電流の値を表示するものにあっては,
その表示された始動電流の値以下)であること。
(ハ)最小始動トルク 回転子を拘束した状態で,定格周波数に等しい周波数の定格電圧に等しい電圧を
加えた時に測定した最小始動トルクは,温度試験の直後において,次の表に掲げる値以上(最小始
動トルクの値を表示するものにあっては,その表示された最小始動トルクの90 %以上)であること。
種類 最小始動トルク
反発始動誘導電動機 定格トルクの300 %
分相始動誘導電動機 定格トルクの125 %
コンデンサー始動誘導電動機 定格トルクの200 %
コンデンサー誘導電動機 定格トルクの 50 %
くま取りコイル誘導電動機 定格トルクの 40 %
(ニ)停動トルク くま取りコイル誘導電動機以外のものにあっては,定格周波数に等しい周波数の定格
電圧に等しい電圧を加え,定格入力を表示するものにあっては定格入力に等しい入力で,定格出力
を表示するものにあっては定格出力に等しい出力で,連続して運転し,器体の各部の温度上昇がほ
ぼ一定となった時(短時間定格のものにあっては,その定格時間に等しい時間が経過した時)に入
力又は出力を徐々に増加させ,回転子が停止する直前に測定した停動トルクは,定格トルクの175 %
以上300 %以下(停動トルクの値として,定格トルクの175 %未満の値を表示するものにあっては
その表示された停動トルクの90 %以上,定格トルクの300 %を超える値を表示するものにあっては
その表示された停動トルクの110 %以下)であること。

――――― [JIS C 4220 pdf 31] ―――――

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6.2.2
ハ 整流子電動機にあっては,定格周波数に等しい周波数の定格電圧に等しい電圧を加え,定格入力を表
示するものにあっては定格入力に等しい入力で,定格出力を表示するものにあっては定格出力に等し
い出力で,連続して運転し,器体の各部の温度上昇がほぼ一定となった時(短時間定格のものにあっ
ては,その定格時間に等しい時間が経過した時)に測定した回転速度は,表示回転速度に対して,定
格入力を表示するものにあっては±20 %以内,定格出力を表示するものにあっては±15 %以内である
こと。
(解説)
1. 本項は,単相電動機の特性について規定したものである。
(4)始動開閉性能 6.2.3
遠心力開閉器等の開閉装置を有するものにあっては,試験品に無負荷の状態で定格周波数に等しい周波
数の定格電圧に等しい電圧を加え,電源回路を開閉して開閉装置を動作させる操作を連続して5 000回行
ったとき,各部に異状を生じないこと。
(解説)
1. 本項は,単相電動機の始動開閉性能について規定したものである。
(5)回転子拘束保護性能 6.2.4
くま取りコイル誘導電動機(過負荷保護装置を有するものを除く。)にあっては,試験品を厚さが10 mm
以上の表面が平らな木台の上に置き,その上をガーゼで覆った後,回転子を拘束した状態で定格周波数に
等しい周波数の定格電圧に等しい電圧を各部の温度上昇がほぼ一定となるまで連続して加えたとき,試験
品,木台及びガーゼが燃焼せず,かつ,500ボルト絶縁抵抗計により測定した充電部とアースするおそれ
のある非充電金属部との間の絶縁抵抗は,0.1 MΩ以上であること。
(解説)
1. 本項は,単相電動機の回転子拘束保護性能について規定したものである。
3 電気用品安全法施行令(昭和三十七年政令第三百二十四号)別表第二第六号(2)に掲げるかご形三
相誘導電動機
(1)試験の順序 8.3.2
次の事項に関する試験は,次に掲げる順序に従って行なうこと。
イ 絶縁抵抗
ロ 特性
ハ 温度上昇
ニ 絶縁抵抗
ホ 絶縁耐力
ヘ 過負荷保護性能
(解説)
1. 本項は,かご形三相誘導電動機の試験の順序について規定したものである。
(2)特性
6.3.1
イ 全負荷電流 全負荷電流の値は,表示全負荷電流の110 %以下であること。“全負荷電流の値”とは,
JIS C 4207(1984)“三相誘導電動機の特性算定方法”により試験及び算定を行った場合において算出
されたものをいう。
6.3.2
ロ 回転速度 定格出力で運転した時の回転速度と表示回転速度との差は,同期速度から表示回転速度を
引いた値の50 %以下であること。“定格出力”とは,JIS C 4207(1984)“三相誘導電動機の特性算定方
法”により試験及び算定を行った場合において算出されたものをいう。
6.3.3
ハ 最小始動トルク 最小始動トルクは,定格トルクの125 %以上(最小始動トルクの値を表示するもの
にあっては,その表示された最小始動トルクの90 %以上)であること。“最小始動トルク”とは,JIS
C 4207(1984)“三相誘導電動機の特性算定方法”により試験及び算定を行った場合において算出され
たものをいう。

――――― [JIS C 4220 pdf 32] ―――――

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6.3.4
ニ 最大出力 最大出力は,2極電動機及び全閉型のものにあっては定格出力の150 %以上300 %以下(最
大出力の値として,定格出力の150 %未満の値を表示するものにあってはその表示された最大出力の
90 %以上,定格出力の300 %を超える値を表示するものにあってはその表示された最大出力の110 %
以下),その他のものにあっては定格出力の150 %以上250 %以下(最大出力の値として,定格出力の
150 %未満の値を表示するものにあってはその表示された最大出力の90 %以上,定格出力の250 %を
超える値を表示するものにあってはその表示された最大出力の110 %以下)であること。“最大出力”
とは,JIS C 4207(1984)“三相誘導電動機の特性算定方法”により試験及び算定を行った場合において
算出されたものをいう。
(解説)
1. 本項は,かご形三相誘導電動機の特性について規定したものである。
附表 電気用品の表示の方式
附表 箇条9
表示の方式
電気用品
表示すべき事項 表示の方法
1 定格電圧
2 全負荷電流
3 定格出力 表面の見やすい箇
かご形三相 4 定格周波数 所に容易に消えな
誘導電動機 5 極数 い方法で表示する
6 短時間定格のものにあっては,定格時間 こと。
7 反復定格のものにあっては,定格負荷時間及び定格停止時間
8 回転速度
1 定格電圧
2 全負荷電流
3 定格出力が50 W以下のものにあっては定格入力,その他の
ものにあっては定格出力
4 定格周波数 表面の見やすい箇
5 極数 所に容易に消えな
単相電動機
6 短時間定格のものにあっては,定格時間 い方法で表示する
こと。
7 反復定格のものにあっては,定格負荷時間及び定格停止時間
8 回転速度
9 始動電流が37 Aを超えるものにあっては,その値(分相始
動誘導電動機,反発始動誘導電動機及びコンデンサー始動誘
導電動機の場合に限る。)
(解説)
1.本表は,電気用品の表示の方式について規定したものである。
参考文献
JIS C 4034-1 回転電気機械−第1部 : 定格及び特性
JIS C 60664-1 低圧系統内機器の絶縁協調−第1部 : 基本原則,要求事項及び試験
JIS C 60695-11-10:2015 耐火性試験−電気・電子−第11-10部 : 試験炎−50 W試験炎による水平及び
垂直燃焼試験方法
JIS K 7341:2006 プラスチック−小火炎に接触する可とう性フィルムの垂直燃焼性試験方法

JIS C 4220:2020の国際規格 ICS 分類一覧

JIS C 4220:2020の関連規格と引用規格一覧