この規格ページの目次
68
C 4411-3 : 2014
d) PS出力容量が100 kVAを超える三相UPSの場合,三相基準非線形負荷,又は基準非線形負荷を3
組用いた場合の皮相電力Sは,100 kVAとし,その三相UPSの定格皮相電力又は定格有効電力に達す
るまで三相平衡線形負荷を追加接続する。
E.3 調整
非線形試験負荷の調整は,次のように行う。
a) 基準非線形負荷を,供試UPSの定格出力電圧に等しい電圧の交流電源に接続する。
b) 交流入力電源のインピーダンスは,この試験負荷を接続したとき,交流入力電圧波形の総合高調波ひ
ずみ率が8 %を超えないようにする(IEC 61000-2-2の規定)。
c) 供試UPSの出力皮相電力がE.2で規定する定格出力皮相電力(S)になるように抵抗R1を調整する。
負荷急変試験では,定格負荷に対する規定の量(単位%)になるように抵抗R1を調整する。
d) 抵抗R1調整後,再調整せずに試験用基準非線形負荷をそのまま供試UPSの出力に接続する。
e) 運転モードの過渡変動及び/又は負荷急変の試験方法については,6.4.3.3を参照。
E.4 回路設計
次の記号は,図E.1,図E.1A及びこの箇条の式で用いる。
U : UPSの定格出力電圧,実効値(V)
f : UPSの出力周波数(Hz)
UC : 整流後の直流電圧(V)
S : 基準非線形負荷又は三相基準非線形負荷に出力するUPS皮相出力電力(VA)
− 単相の場合,力率0.7,すなわち,皮相電力Sの70 %は,二つの抵抗R1及びRSで有効電力と
して消費される。
− 三相の場合,力率0.75,すなわち,皮相電力Sの75 %は,二つの抵抗R1及びRSで有効電力と
して消費される。
RS : 直列抵抗(Ω)−皮相電力Sの4 %の有効電力を消費する(出力ケーブルでの4 %の電圧低下の模擬
については,JIS C 60364-5-52を参照)。
R1 : 負荷抵抗(Ω)−目安として,皮相電力Sの66 %の有効電力を消費する。ただし,三相の場合は,
目安として71 %の有効電力を消費する。UPSの皮相電力に合わせて調整する。
C : 整流後の直流電圧のリプルがシミュレーションで5 %(ピーク−ピーク)になるように求める。
ピーク電圧,電源電圧のひずみ,電線の電圧降下及び整流電圧のリプル電圧から,整流電圧UCの平均
値は,経験的に次のようになる。
UC= 2 .092 .096 .0975 U=.122 U
これから,図E.1の基準非線形負荷を用いる場合,抵抗RS,R1及びコンデンサC(F)の値は,次のよ
うに算出できる。
U2 U2
RS .004 (単相の場合), RS 2 .004 (三相3線の場合)
S S
UC 2 UC 2
R1 (単相の場合), R1 (三相3線の場合)
.066 S .066 S 3/
5.7
C
f R1
――――― [JIS C 4411-3 pdf 71] ―――――
69
C 4411-3 : 2014
周波数が50 Hz又は60 Hzの二重定格の場合,50 Hzを用いて計算する。用いるコンデンサの値は,計算
値以上とする。
注記1 ダイオードブリッジの電圧降下は,無視している。
注記2 計算された値に対して,実際の部品の値は,次の範囲である。
RS : ±10 %
R1 : 試験によって定格出力容量を得るように調整されている。
C : 0 %+25 %
注記3 コンデンサ電圧UCのリプル電圧5 %(ピーク−ピーク電圧)は,時定数R1×C=7.5/fに対応
している。
また,三相UPSに図E.1Aの三相基準非線形負荷を用いる場合,抵抗RS,R1及びコンデンサの静電容量
C(F)の値は,次のように算出できる。
U2
RS .004
S
UC 2
R1
.071 S
.104
C
f R1
周波数が50 Hz又は60 Hzの二重定格の場合,50 Hzを用いて計算する。用いるコンデンサの値は,計算
値以上とする。
注記4 ダイオードブリッジの電圧降下は,無視している。
注記5 計算された値に対して,実際の部品の値は,次の範囲である。
RS : ±10 %
R1 : 試験によって定格出力容量を得るように調整されている。
C : 0 %+25 %
注記6 コンデンサ電圧UCのリプル電圧5 %(ピーク−ピーク電圧)は,時定数R1×C=1.04/fに対
応している。シミュレーションによって直流電圧のリプルが5 %になるように係数1.04を求
めた。
例 U=200 V,f=50 Hz,S=100 kVAの場合
2 2
U 200
RS .004 .004 .0016
S 100 000
UC .122 U .122 200 244
2 2
UC 244
R1 .0839
.071 S .071 100 000
.104 .104
C .0024 8
f R1 50 .0839
――――― [JIS C 4411-3 pdf 72] ―――――
70
C 4411-3 : 2014
附属書F
(参考)
バックフィード保護に関する情報
バックフィード保護は,UPSの安全規格IEC 62040-1:2008のAnnex I(Backfeed protection test)参照。
注記 この規格の第1版では,附属書Fでバックフィード保護を規定していたが,今回,二重性を避
けるため,かつ,UPSの安全規格と抵触することから,含めないことにした。
――――― [JIS C 4411-3 pdf 73] ―――――
71
C 4411-3 : 2014
附属書G
(規定)
入力電源停電−試験方法
G.1 一般事項
入力電源の停電時のUPS特性は,図G.1の回路で試験する。
ヒューズ
Fuse S1
L
S2 UPS 負荷
Load
N
L : 電源系統の相
N : 電源系統の中性相(中性相がない場合は相)
S1 : UPSの定格入力電流を通電でき,かつ,開放できるスイッチ又はコンタクタ
S2 : ヒューズが遮断するまで電源系統の故障電流を通電できるスイッチ又はコンタクタ
ヒューズ : 軽負荷時のUPSに通電できる定格のもの
図G.1−試験回路
G.2 試験G.1−開放停電試験
軽負荷における通常動作において,次の手順で試験する。
− S1 : 閉路
− S2 : 開路
− S1を開放して停電を模擬する。
G.3 試験G.2−短絡停電試験
軽負荷における通常動作において,次の順序で試験する。
− S1 : 閉路
− S2 : 開路
− S2を閉じて停電を模擬する(ヒューズ断)。
ヒューズの定格は,UPSの入力電流に適合させる。S2の定格は,ヒューズの定格に従う。
三相電源の場合は,各スイッチの極は,同時に開閉する。
――――― [JIS C 4411-3 pdf 74] ―――――
72
C 4411-3 : 2014
附属書H
(参考)
出力過渡特性−測定方法
H.1 評価方法
UPSの出力過渡特性は,5.3.4のCCCで規定している。出力過渡特性は,図2図4のカーブ1,2及び
3を限度値として試験し,過渡状態が始まる瞬間を起点として,出力電圧が定常状態に収束するまでと定
義する。
次のa)及びb)の両方を得られるような試験を行うことが望ましい。
a) 定常状態の実効値と比較した実効値の増減。
b) 定常状態のピーク値と比較した3 ms以下の瞬時電圧変動。
実効値は,半サイクルごとに更新する方法を用いて導出することが望ましい。これは,直流オフセット
が存在する非対称な交流電圧を,正しく判断するために必要である。
必要な実効値及び瞬時値の測定能力をもつ測定器を用いる。評価する電圧偏差の検出機能をもつ実効値
電圧計の代わりに,過渡変動電圧を捉えることができるストレージ形のオシロスコープの連続波形を使っ
てもよい。この場合,実効値と瞬時値との電圧偏差の測定は,採取したオシロスコープの波形の解析によ
って求めることができる。詳細はH.2参照。
注記1 実効値電圧測定については,IEC/TR 61000-2-8参照。
注記2 3 ms以下の変動に対し測定するという瞬時電圧変動値の条件は,Information Technology
Industry Council(ITI)で示す産業機器の適用条件に一致させている。詳細はhttp://www.itic.org
参照。
注記3 線形負荷は,一般に1 ms以内で公称電圧のピーク値の100 %以下の単発の電圧偏差を許容し
ている。磁気部品を含んだ線形負荷は,半サイクルずつの電圧時間積の増減に対して,一般
に敏感である。このような特性をもつ実効値の増減は,H.2に記載する測定方法が適切であ
る。
注記4 附属書Eの基準非線形負荷によって代表される非線形負荷は,少なくとも半サイクルの間,
電圧時間積に対する増減を許容する。基準非線形負荷のコンデンサには,UPS供給電圧が,
負荷のコンデンサ電圧を超えたときだけ電流が流れ,そのため,UPSのピーク電圧は,その
間低下する。この種の負荷の過渡特性については,通常試験で指定した値以内に負荷のコン
デンサ電圧が維持できるかを確認することに限られる。
注記5 次の過渡事象は,UPSの出力過渡特性を決定するときには,考慮しないことが望ましい。
− 外部からUPS入力へ印加されUPS出力に重畳する電圧。これらは,JIS C 4411-2のイミ
ュニティ要求事項の範囲に含まれる。
− ノッチのような定常的に繰返し周期的に発生する過渡事象。これらは,5.3.4のBBの高
調波電圧の要求事項の範囲に含まれる。
H.2 瞬時値に対する図式評価
瞬時電圧変動の図式評価は,H.1に記載する実効値電圧計及びストレージ形のオシロスコープの正負の
電圧偏差を確認するために適用する。
――――― [JIS C 4411-3 pdf 75] ―――――
次のページ PDF 76
JIS C 4411-3:2014の引用国際規格 ISO 一覧
- IEC 62040-3:2011(MOD)
JIS C 4411-3:2014の国際規格 ICS 分類一覧
- 29 : 電気工学 > 29.200 : 整流器.変換器.安定電源装置
JIS C 4411-3:2014の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISC1509-1:2017
- 電気音響―サウンドレベルメータ(騒音計)―第1部:仕様
- JISC4411-2:2019
- 無停電電源装置(UPS)―第2部:電磁両立性(EMC)要求事項
- JISC60068-2-1:2010
- 環境試験方法―電気・電子―第2-1部:低温(耐寒性)試験方法(試験記号:A)
- JISC60068-2-2:2010
- 環境試験方法―電気・電子―第2-2部:高温(耐熱性)試験方法(試験記号:B)
- JISC60068-2-27:2011
- 環境試験方法―電気・電子―第2-27部:衝撃試験方法(試験記号:Ea)
- JISC60068-2-31:2013
- 環境試験方法―電気・電子―第2-31部:落下試験及び転倒試験方法(試験記号:Ec)
- JISC60068-2-78:2015
- 環境試験方法―電気・電子―第2-78部:高温高湿(定常)試験方法(試験記号:Cab)
- JISC60364-1:2010
- 低圧電気設備―第1部:基本的原則,一般特性の評価及び用語の定義
- JISC61000-3-2:2019
- 電磁両立性―第3-2部:限度値―高調波電流発生限度値(1相当たりの入力電流が20A以下の機器)
- JISX7779:2012
- 音響―情報技術装置から放射される空気伝搬騒音の測定