JIS C 4601:1993 高圧受電用地絡継電装置 | ページ 2

6
C 4601-1993
(4) 制御電源電圧 定格電圧±2%
(5) 波形ひずみ率(2) 5%以内
注(2) 波形ひずみ率は,次の式で定義される量を示す。
Ih
If
ここに, 波形ひずみ率 (%)
Ih : 高調波だけの実効値
If : 基本波実効値
7.2 構造試験 6.及び10.に規定する事項について調べる。
7.3 動作電流値試験 零相変流器の一次側の任意の1線に電流を流し,これを徐々に増加させて,継電
器が動作したときの電流値を測定する。この試験は,すべての整定電流値について行う。
7.4 動作時間試験 零相変流器の一次側の任意の1線に整定電流値の130%及び400%の電流を急激に通
電して,継電器が動作する時間を測定する。この試験は,すべての整定電流値について行う。ただし,受
渡検査では,定格動作電流整定値で130%の電流の試験だけ行う。
7.5 大電流地絡特性試験 継電器の整定電流値を最小とし,零相変流器の一次側の任意の1線に30Aの
電流を流して,継電器が動作することを確かめる。
7.6 慣性特性試験 継電器を定格動作電流値に整定し,零相変流器の一次側の任意の1線に整定電流値
の400%の電流を,急激に50msの間通電して継電器の状態を調べる。
7.7 負荷電流重畳試験 継電器を定格動作電流値に整定し,零相変流器の一次側電線に単相・往復の定
格電流を流し,零相変流器の二次側に電圧計を接続した状態で,この一次側電線の位置を変えて電圧が最
大となる位置を求める。この一次側電線の位置及び電流値をそのままにして,同時に試験用電線に零相一
次電流相当の電流を徐々に流して継電器が動作する電流値を測定する。
7.8 制御電源電圧特性試験 継電器を定格動作電流値に整定し,制御電源電圧を90V及び120Vとして,
7.3の方法によって動作電流値を測定する。
7.9 温度特性試験 継電器を定格動作電流値に整定し,継電器の周囲温度を−20℃,−10℃,20℃,50℃
及び60℃として,7.3の方法によって動作電流値を測定する。
7.10 制御電源負担試験 継電器の動作時における負担を測定する。
7.11 制御電源開閉試験 継電器を定格動作電流値に整定し,入力は零として,制御電源を開閉して継電
器の状態を調べる。
7.12 耐ノイズ試験 継電器を定格動作電流値に整定し,入力は零として,表8に定める印加箇所に表9
に定めるいずれかの波形の繰返し減衰振動電圧を2秒間印加して,継電器の状態を調べる。
なお,表9の波形1及び波形2のいずれによって試験したかは,製造業者が明示する。

――――― [JIS C 4601 pdf 6] ―――――

                                                                                              7
C 4601-1993
表8 耐ノイズ試験方法
印加箇所 印加方法例
零相二次電流
入力端子一括対地間
制御電源
入力端子一括対地間
制御電源入力端子間
接点端子及びその他の端
子と大地間
備考 ブロッキングコイル (L) 及び結合コンデンサ (C) の値は,表9の波形1及び波形2に応じて次の値とする。
区分 波形1による場合 波形2による場合
L 370 1.5mH
C 0.1 0.5
表9 耐ノイズ試験波形
項目 波形1 波形2
0
第1波波高値 2.53kV 5.2kV10 %
振動周波数 11.5MHz 1MHz±10%
1減衰時間
6 獎 上 36サイクル(振動周波数基準)
2
繰返し頻度 50回以上/s 610回/商用周波の1周期(非同期)
試験回路出力インピーダンス 150200 圀 200 圀 10%

――――― [JIS C 4601 pdf 7] ―――――

8
C 4601-1993
7.13 絶縁抵抗試験 相対湿度80%以下において,表10に示す試験箇所の絶縁抵抗を,表10に示す定格
電圧の絶縁抵抗計で測定する。
表10 絶縁抵抗試験及び商用周波耐電圧試験の条件
単位 V
試験箇所 絶縁抵抗試験にお商用周波耐電圧試
ける絶縁抵抗計の験における試験電
定格電圧 圧
継電器 電気回路一括と外箱間 500 2 000
電気回路相互間
接点回路開極端子間 1 000
零相変流器 一次側電線相互間(3) 1 000 22 000
一次側電線と二次側巻線,試験用電線及び取付金
具一括との間(3)
二次巻線と試験用電線との間 500 2 000
二次巻線及び試験用電線一括と取付金具との間
注(3) 一次側電線付きのものに適用する。
7.14 商用周波耐電圧試験 継電器,零相変流器をそれぞれ別々に行い,表10に示す各部に商用周波数の
電圧を1分間加え,異常の有無を調べる。
なお,受渡検査で試験電圧が2 000V以下の場合に限り,試験電圧を120%とした場合,印加時間は1秒
間でよい。
また,サージアブソーバがあるものは,これを取り外して試験してよい。
7.15 雷インパルス耐電圧試験 表11によって標準波形 (1.2/50 ‰準 インパルス電圧を正負極性別に
各3回印加し,異常の有無を調べる。ただし,対地間以外の試験では,1回だけ絶縁破壊した場合に,引
き続き3回印加したとき,これに耐えればよい。
表11 雷インパルス耐電圧試験方法
単位 kV
印加箇所 試験電圧 印加方法例
零相変流器の一次側端子一括対地 60

継電器の電気回路一括対地間 4.5

――――― [JIS C 4601 pdf 8] ―――――

                                                                                              9
C 4601-1993
単位 kV
印加箇所 試験電圧 印加方法例
零相変流器の二次側端子一括と制 4.5
御回路一括間
継電器の接点端子及びその他の端 3
子と制御電源入力端子間
継電器の制御電源入力端子間 3
7.16 温度上昇試験 継電器に定格制御電源電圧を連続して印加し,各部の温度上昇を測定する。
7.17 耐久性試験
(1) 機構 継電器を定格動作電流値に整定し,零相変流器の一次側の任意の1線に整定電流値の400%の
電流を0.5秒間通電して継電器を動作させた後,復帰させる。この操作を500回繰り返した後,継電
器(動作表示器を含む。)及び零相変流器の異常の有無を調べる。この場合,接点回路は無通電で行っ
てもよい。
また,動作表示器,補助接触器などは,単独に試験してもよい。
(2) 接点 継電器の出力接点は,表12に示す条件によって500回の試験を行い,異常の有無を調べる。
表12 接点の耐久性試験条件
接点の種類 試験条件
開閉 通電条件 開閉条件
の別 電圧 電流 力率
V A
電流引外し装置 a接点 閉路 110 10 遅れ 15秒以内の間隔で0.5秒間通電
に接続する接点 b接点 開閉 5 0.5 15秒以内の間隔で0.5秒間不通電
電圧引外し用の接点 2 15秒以内の間隔で0.5秒間通電
無電圧引外し用の接点 15秒以内の間隔で0.5秒間不通電
7.18 振動試験 継電器を正常な位置に取り付け,上下,左右及び前後の各方向にJIS C 0911で規定する
方法によって,表13に示す正弦波の振動を加え,継電器の状態を調べる。その後,定格動作電流値に整定
し,7.3の方法によって動作電流値を測定する。この試験は,振動の各方向ごとに別個の試験品を用いても
よい。

――――― [JIS C 4601 pdf 9] ―――――

10
C 4601-1993
表13 振動試験条件
振動数 複振幅 加振時間 加速度(参考) 入力条件
(正弦波) mm (各方向とも) m/s2
Hz 前後 左右 上下 s 前後 左右 上下
10(4) 5 2.5 30 10 5 整定電流値 : 定格動作
16.7 0.4 600 2 電流値
電流入力 : 零
注(4) IS C 0911に規定する方法によって共振試験を行い,310Hzの振動数範囲に共振点が
ないことを確認する。もし,共振点がある場合は,その振動数で表13に示す加速度を30
秒間印加すること。
7.19 衝撃試験 継電器は,無通電状態で上下,左右及び前後の各方向にJIS C 0912で規定する方法によ
って,最大加速度300m/s2の衝撃をそれぞれ2回加えた後,各部の異常の有無を調べる。その後,定格動
作電流値に整定し,7.3の方法によって動作電流値を測定する。この試験は,振動試験と別個の試験品を,
また,衝撃の各方向ごとに別個の試験品を用いてもよい。
7.20 過電流強度試験 継電器を定格動作電流値に整定し,定格周波数の定格制御電源電圧を加え,零相
変流器の一次側電線に定格一次電流の40倍(ただし,最大値は,12.5kAとする。)の零相分を含まない三
相又は単相電流を1秒間通電して各部の異常の有無を調べる。三相電流の場合は1回,単相電流の場合は
一次側電線を2本ずつ組み合わせ計3回行う。ただし,単相電流の場合,継電器を接続するのは任意の1
回でもよい。
その後,7.3の試験を行う。
8. 検査
8.1 形式検査 形式検査は,7.によって次の項目の検査を行ったとき,5.,6.及び10.に適合しなければな
らない。
(1) 構造
(2) 動作電流特性
(3) 動作時間特性
(4) 大電流地絡特性
(5) 慣性特性
(6) 負荷電流の影響
(7) 制御電源電圧の影響
(8) 温度の影響
(9) 制御電源負担
(10) 制御電源開閉
(11) 耐ノイズ
(12) 絶縁抵抗
(13) 商用周波耐電圧
(14) 雷インパルス耐電圧
(15) 温度上昇
(16) 耐久性
(17) 振動

――――― [JIS C 4601 pdf 10] ―――――

次のページ PDF 11

JIS C 4601:1993の国際規格 ICS 分類一覧

JIS C 4601:1993の関連規格と引用規格一覧