JIS C 4601:1993 規格概要
この規格 C4601は、零相変流器と地絡継電器の組合せからなり,一般地絡電流が30A未満の6.6kV高圧需要家に受電点に設置される地絡継電装置について規定。
JISC4601 規格全文情報
- 規格番号
- JIS C4601
- 規格名称
- 高圧受電用地絡継電装置
- 規格名称英語訳
- Ground relay set for 6.6 kV consumer
- 制定年月日
- 1968年8月1日
- 最新改正日
- 2018年10月22日
- JIS 閲覧
- ‐
- 対応国際規格
ISO
- 国際規格分類
ICS
- 29.120.50
- 主務大臣
- 経済産業
- JISハンドブック
- 電気設備 II-1 2021, 電気設備 II-2 2021, 電気設備 III 2021
- 改訂:履歴
- 1968-08-01 制定日, 1971-08-01 確認日, 1976-04-01 確認日, 1976-11-01 改正日, 1979-11-01 確認日, 1985-06-01 確認日, 1991-10-01 改正日, 1993-03-01 改正日, 1998-06-20 確認日, 2003-09-20 確認日, 2008-10-01 確認日, 2013-10-21 確認日, 2018-10-22 確認
- ページ
- JIS C 4601:1993 PDF [12]
日本工業規格(日本産業規格) JIS
C 4601-1993
高圧受電用地絡継電装置
Ground relay set for 6.6kV consumer
1. 適用範囲 この規格は,零相変流器と地絡継電器(以下,継電器という。)の組合せからなり,一線地
絡電流が30A未満の主として6.6kV高圧需要家の受電点に設置される地絡継電装置について規定する。
備考1. この規格の引用規格を,次に示す。
JIS C 0911 小形電気機器の振動試験方法
JIS C 0912 小形電気機器の衝撃試験方法
JIS C 3611 高圧機器内配線用電線
2. 用語の定義 この規格で用いる主な用語の定義は,次のとおりとする。
(1) 動作電流値 継電器が動作する零相一次電流値。
(2) 整定 所定の装置によって,動作の基準を定めること。
(3) 動作 継電器がその所定の責務を遂行すること。
(4) 復帰 継電器が原位置における機能に戻ること。
3. 使用状態
3.1 標準使用状態 標準使用状態とは次の使用状態をいい,地絡継電装置は特に指定がない限り,この
状態で使用する。
(1) 周囲温度は,−20+50℃。ただし,結露及び氷結しない状態とする。
(2) 保管温度は,−20+60℃。
(3) 相対湿度は,日平均で3080%。
(4) 標高は,2000m以下。
(5) 異常な振動,衝撃又は傾斜を受けない状態。
(6) 爆発性の粉じん,可燃性の粉じん若しくはこれら以外の粉じんで過度のもの,可燃性のガス,腐食性
のガス,引火性の蒸気,塩水の飛まつ又は水滴にさらされない場所。
3.2 特殊使用状態 3.1に規定する以外の状態で使用する場合は,特殊使用状態とする。このような場合
は特殊の構造及び機能を必要とするものがあり,その製作,適用に当たっては特別の注意を必要とする。
4. 定格 継電器及びこれに組み合わせて使用する零相変流器の定格は,次のとおりとする。
(1) 継電器 表1のとおりとする。
――――― [JIS C 4601 pdf 1] ―――――
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C 4601-1993
表1 継電器の定格
定格制御電源電圧 V 交流110
定格周波数 Hz 50又は60
定格動作電流値 mA 200
(2) 零相変流器 表2のとおりとする。
表2 零相変流器の定格
最高電圧
6.9
kV
定格一次電流
100 200 300 400 600 1 000
A
定格周波数
50又は60
Hz
5. 性能
5.1 動作電流特性 7.3によって試験を行ったとき,動作電流値は整定電流値に対し,その誤差が±10%
の範囲になければならない。
5.2 動作時間特性 7.4によって試験を行ったとき,動作時間は表3に示す値の範囲になければならない。
表3 動作時間特性
試験電流 動作時間
% S
整定電流値の130 0.10.3
整定電流値の400 0.10.2
5.3 大電流地絡特性 7.5によって試験を行ったとき,継電器は確実に動作しなければならない。
5.4 慣性特性 7.6によって試験を行ったとき,継電器は動作してはならない。
5.5 負荷電流の影響 7.7によって試験を行ったとき,継電器の動作範囲は表4に示す値の範囲になけれ
ばならない。
表4 負荷電流の影響
定格一次電流 定格一次電流に零相電流を重畳した場合
の継電器の動作範囲
A %
200以下 整定電流値の80120
200を超え600以下 整定電流値の70130
600を超えるもの 整定電流値の50150
5.6 制御電源電圧の影響 7.8によって試験を行ったとき,定格制御電源電圧における動作電流値に対し
て,その誤差が±10%の範囲になければならない。
5.7 温度の影響 7.9によって試験を行ったとき,いずれも20℃における動作電流値に対して,その誤差
がそれぞれ表5の範囲内でなければならない。
表5 温度の影響
周囲温度 20℃における動作電流値
に対する誤差
℃ %
−10以上 50以下 ±15
−20以上 −10未満
±20
50を超え60以下
――――― [JIS C 4601 pdf 2] ―――――
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C 4601-1993
5.8 制御電源負担 7.10によって試験を行ったとき,制御電源回路の負担は製造業者が明示する値の
110%以下でなければならない。
5.9 制御電源開閉 7.11によって試験を行ったとき,継電器は動作してはならない。
5.10 耐ノイズ 7.12によって試験を行ったとき,継電器は動作してはならない。
5.11 絶縁抵抗 7.13によって試験を行ったとき,絶縁抵抗は,高圧部分(定格電圧1 000Vの絶縁抵抗計
で測定する部分)では20M 坎 上,低圧部分(定格電圧500Vの絶縁抵抗計で測定する部分)では5M 坎
上でなければならない。
5.12 商用周波耐電圧 7.14によって試験を行ったとき,各部に異常を生じてはならない。
5.13 雷インパルス耐電圧 7.15によって試験を行ったとき,各部に使用に耐えないような異常を生じて
はならない。
5.14 温度上昇 7.16によって試験を行ったとき,継電器各部の温度上昇は,表6の値以下であり,かつ,
継電器に異常を生じてはならない。
表6 温度上昇の限度
単位 ℃
測定箇所 温度上昇(基準周囲温度の限度40℃)
抵抗法 温度計法
コイル 55 50
抵抗器 内付 − 80
外付 − 150
5.15 耐久性
(1) 機構 7.17(1)によって試験を行ったとき,継電器及び零相変流器は,使用に耐えないような異常を生
じてはならない。
(2) 接点 7.17(2)によって試験を行ったとき,接点は,使用に耐えないような異常を生じてはならない。
5.16 振動 7.18によって試験を行ったとき,継電器は動作してはならない。さらに,動作電流値は,整
定電流値に対し,その誤差が±10%の範囲になければならない。
5.17 衝撃 7.19によって試験を行ったとき,継電器は使用に耐えないような異常を生じてはならない。
さらに,動作電流値は,整定電流値に対し,その誤差が±10%の範囲になければならない。
5.18 過電流強度 7.20によって試験を行ったとき,零相変流器は熱的及び機械的に損傷してはならない。
さらに,動作電流値は,整定電流値に対し,その誤差が±10%の範囲になければならない。
6. 構造及び端子記号
6.1 構造
6.1.1 継電器 継電器の構造は,次の各項に適合しなければならない。
(1) 内部素子を収納する箱は,内部にじんあいが入らないように考慮されたものであること。
(2) 継電器の復帰は,手動,自動又は外部信号によるもののいずれでもよい。
(3) 継電器の動作を表示し,かつ,報知できる構造であること。
(4) 動作表示器は,継電器が動作した場合,自動的に元の状態に戻らない構造であること。
(5) 動作電流の整定は可変式とし,少なくとも200mA,400mA及び600mAの3点を設けること。
なお,この装置によって整定できる動作電流整定値は,1 000mA以下とする。
(6) 継電器を強制的に動作させ得る試験用押しボタンスイッチ又はこれと同等の装置を設けること。
――――― [JIS C 4601 pdf 3] ―――――
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C 4601-1993
(7) 端子部は,太さ5.5mm2以下の電線を容易,かつ,確実に接続できる構造であること。
(8) 金属製の外箱部分は,接地できる構造であること。
備考 屋外で使用する場合は,防水に適切な構造の箱内に収める。
6.1.2 零相変流器 零相変流器の構造は,次の各項に適合しなければならない。
(1) 一次側電線(銅帯を含む。)を附属する場合は,定格電流に応じた太さのJIS C 3611に規定する高圧
絶縁電線(略号KIP又はKIC)又はこれと同等以上の絶縁耐力のあるもので,その長さは片側突き出
し部分30cm以上とし,他の電線などと容易に接続できる構造であること。
(2) 試験用電線を挿入し,その端子kt・ltを設けること。
(3) 図1に示すK・Lとk・l及びkt・ltとk・lは,減極性となるように取り付けるものとする。
図1 零相変流器の端子記号
(4) 屋外用のものは,耐候性のある材料を使用し,かつ,高圧側からの漏れ電流が二次回路へ影響を及ぼ
さないように防護したものであること。
6.2 端子記号
6.2.1 継電器 継電器の端子記号及び端子の配列は,次によらなければならない。
(1) 端子記号は,原則として表7に示すとおりとする。
――――― [JIS C 4601 pdf 4] ―――――
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C 4601-1993
表7 継電器の端子記号
端子の種類 記号(1)
零相二次電流入力端子 Z1 Z2
制御電源入力端子 P1 P2
接 接点出力端子 常時開路 a
点 常時閉路 b
端
子 共用 c
電流引外し方式を目引外し電流の電源端子 S1 S2
的とする端子 引外し装置に接続する端子 T1 T2
変流器の二次回路に接続する端子 O1 O2
電圧出力端子 Va
動作時に電圧を出力として出す端子
動作時に無電圧となる端子 Vb
共用端子 Vc
そ 外部接点端子 1端子だけの場合 B
の 専用端子 B1 B2
他
の 引外し電流用リアクトル接続端子 X1 X2
端 内蔵リアクトルを経由しない端子 So
子
内蔵リアクトル中間タップ端子 Sm
接地用端子 E
注(1) 接地側を指定する必要がある端子は,端子記号の添字2の側とすること。
(2) 端子の配列は,次による。
(a) 端子は,接地端子を除き同一面に取り付けること。
(b) 2個以上で一組になる端子の場合,隣接して取り付けること。
(c) 1・Z2・P1・P2の4端子は,配列の初め又は終わりに取り付けること。
6.2.2 零相変流器 零相変流器の端子記号及び端子の配列は,次によらなければならない。
(1) 端子記号は,図1のように一次側はK・L,二次側はk・l,試験用電線の端子はkt・ltとする。ただし,
貫通形の場合は,穴の入口にK・Lの記号を付ける。
(2) 端子の配列は,次による。
(a) ・Lとk・l,kt・ltが平行になるものは,図1のようにK側をkt及びk,L側をlt及びlとする。
(b) ・Lに平行に一列に取り付ける場合は,kt・ltでk・lを挟むようにする。平行に二つに分けて取り
付ける場合は,kt・lt,k・lをそれぞれ組とし,kt・ltの組を上部又はL側から見て右に取り付ける。
(c) 側面に縦に一列に取り付ける場合は,常に上からkt・k,l・ltの順とする。側面の上部に一列に取り
付ける場合は,(d)の要領による。
(d) ・L方向に対し垂直平面へ取り付ける場合は,L側面へ取り付け,一次側電線の下部に一列に配置
(曲率をもたせてもよい。)し,取付面に向かって左から,kt・k,l・ltの順とする。
6.2.3 継電装置の接続 製造業者は,継電器及び零相変流器相互間の接続を技術資料,カタログなどに明
示しなければならない。
7. 試験方法
7.1 試験条件 試験は,特に定める場合を除き,次の条件で行うものとする。
(1) 周囲温度 20±10℃
(2) 外部磁界 80A/m以下
(3) 周波数 定格周波数±1%
――――― [JIS C 4601 pdf 5] ―――――
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JIS C 4601:1993の国際規格 ICS 分類一覧
- 29 : 電気工学 > 29.120 : 電気付属部品 > 29.120.50 : ヒューズ及びその他過電流保護装備
JIS C 4601:1993の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISC0911:1984
- 小形電気機器の振動試験方法
- JISC0912:1984
- 小形電気機器の衝撃試験方法
- JISC3611:1991
- 高圧機器内配線用電線
- JISC3611:2020
- 高圧機器内配線用電線