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C 4604 : 2017
・ 24 h測定したときの相対湿度の平均値が95 %以下。
・ 24 h測定したときの水蒸気圧の平均値が22 hPa以下。
・ 1か月間測定したときの相対湿度の平均値が90 %以下。
・ 1か月間測定したときの水蒸気圧の平均値が18 hPa以下。
これらの条件では,結露が発生することがある。
注記4 高湿状態での急激な温度変化によって,結露が発生することがある。
注記5 絶縁破壊又は金属部の腐食のような,高湿及びまれに発生する結露の影響に耐えるため,
このような環境用に設計・試験した屋内用ヒューズ,又は屋外用ヒューズを用いてもよい。
注記6 結露は,ビルなどの特殊な設計,盤の適切な換気及びヒーティング,又は除湿器の設置に
よって,防止できる場合がある。
e) 外部から発生するヒューズへの振動,又は地震による振動は,無視できる。
屋外用に設置する場合,次の事項も含む。
f) 結露の発生又は雨滴,及び急な温度変化を考慮することが望ましい。
g) 風圧は,700 Pa以下(風速34 m/sに相当)。
h) 日射は,1.1 kW/m2以下。
2.2 その他の使用状態
周囲温度が40 ℃を超える場所で使用するヒューズリンクは,附属書Eによる。
2.3 特殊使用状態
製造業者と使用者との協定によって,ヒューズは,2.1で規定する標準使用状態と異なる使用状態で用い
てもよい。特殊使用状態については,製造業者に確認する。
2.4 外部環境への影響
この規格で規定するヒューズは,通常使用状態において,静止機器である。充物の外部への重大な放
出がないことが,5.1.3の要求事項である。したがって,ヒューズは,通常使用状態では,ヒューズの外部
に対して安全な機器とみなす。
3 用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。
3.1 一般
3.1.1
定格値(rated value)
構成部分,装置,設備などの指定する動作条件のために,一般に製造業者が選定した数値。
3.1.2
定格(rating)
定格値と動作条件との組合せ。
3.1.3
固有電流(prospective current)
無視できるほど小さいインピーダンスの導体でヒューズを置き換えたとき,その回路に流れる電流。
――――― [JIS C 4604 pdf 6] ―――――
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C 4604 : 2017
3.1.4
固有電流波高値(prospective peak current)
流れ始めに続き過渡期間中における固有電流の最大波高値。
3.1.5
固有遮断電流(prospective breaking current)
遮断過程の始まる瞬時に対応する時間において求められる固有電流。
3.1.6
遮断電流(breaking capacity,breaking current)
ヒューズが規定の条件の下で,ある指定の電圧において遮断できる固有電流値。
3.1.7
限流値(cut-off current)
ヒューズの限流作用によって抑制された電流の最大到達値(瞬時値)。
3.1.8
溶断時間(pre-arcing time)
溶断電流が流れ始めてから,ヒューズエレメントが溶断してアークが発生するまでの時間。
3.1.9
アーク時間(arcing time)
ヒューズエレメントが溶断してアークが発生してから,アークが消滅(消弧)するまでの時間。
3.1.10
動作時間(operating time)
溶断時間とアーク時間との和。
3.1.11
ジュール積分,I2t(Joule integral)
ヒューズに流れる電流瞬時値iの2乗のある時間tに対する積分値。
注記1 溶断I2tは,ヒューズの溶断時間の積分値である。
注記2 動作I2tは,ヒューズの動作時間の積分値である。
注記3 ヒューズによって保護される回路の抵抗1 Ω当たりの消費エネルギー(単位 : J)は,動作I2t
(単位 : A2s)と等しい。
3.1.12
バーチャル時間(virtual time)
ジュール積分を固有電流の2乗で除して得られる時間。
3.1.13
時間−電流特性(time-current characteristic)
規定の条件の下で電流を流したときの,ヒューズの許容時間,溶断時間又は動作時間と固有電流との関
係を表す曲線。
3.1.14
限流特性[cut-off(current)characteristic]
規定の条件の下で,限流値と固有電流との関係を表す曲線。
3.1.15
回復電圧(recovery voltage)
――――― [JIS C 4604 pdf 7] ―――――
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C 4604 : 2017
ヒューズの端子間に電流遮断後に現れる電圧。
3.1.16
過渡回復電圧(transient recovery voltage)
ヒューズの動作直後の過渡期に,その端子間に現れる回復電圧。
3.1.17
商用周波回復電圧(power-frequency recovery voltage)
過渡回復電圧に引き続き現れる商用周波の回復電圧。
3.1.18
固有過渡回復電圧(prospective transient recovery voltage)
理想的な開閉装置によって,固有対象電流を遮断したときに発生する過渡回復電圧。
3.1.19
動作過電圧(switching voltage)
ヒューズの動作中又は動作直後に,ヒューズの端子間に発生する電圧の最大瞬時値。
3.1.20
最小遮断電流(minimum breaking current)
規定の条件の下で,ヒューズが遮断できる固有遮断電流の下限値。
3.1.21
ワット損(power dissipation)
規定の条件の下で,ヒューズリンクに指定する電流を通電して,温度が飽和温度に到達したとみなされ
るとき,このヒューズリンクに発生する電力損をワット数で表示したもの。
3.1.22
定格遮断電流(maximum breaking current,rated breaking current)
規定の条件の下で,規定の標準使用条件かつ標準挙動条件で遮断することができる固有遮断電流の限度。
3.2 ヒューズ及びヒューズの構成部品
3.2.1
ヒューズ(fuse)
ある値を超える電流が,ある時間流れたとき,その可溶部分が溶断することによって電流を遮断し,回
路を開放する装置。
ヒューズは,装置を構成する全ての部品を含む。
3.2.2
端子(terminal)
ヒューズを外部回路と電気的に接続するために設けた導電部。
3.2.3
ヒューズホルダ(fuse-base, fuse-mount)
外部回路へ接続するための端子を備えたヒューズの固定部分。ヒューズホルダには,絶縁に必要な全て
の部分が含まれる。
注記 ヒューズホルダは,絶縁に必要な全ての部分で構成されている(図1参照)。
――――― [JIS C 4604 pdf 8] ―――――
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C 4604 : 2017
図1−ヒューズの構成例
3.2.4
ヒューズホルダ接触部(fuse-base contact)
ヒューズリンクと電気的に接触するヒューズホルダの部分(図1参照)。
3.2.5
ヒューズリンク(fuse-link)
ヒューズエレメントを包含し,ヒューズが動作した後,再び通電可能にするために取替えができるヒュ
ーズの部分(図1参照)。
3.2.6
ヒューズリンク接触部(fuse-link contact)
ヒューズホルダと電気的に接触するヒューズリンクの部分(図1参照)。
3.2.7
ヒューズエレメント,可溶体(fuse-element)
過電流が流れることによって,それ自身の発生熱で溶断するように設けたヒューズの可溶部分(図1参
照)。
3.2.8
表示器(indicating device)
ヒューズが動作したことを表示するためにヒューズに設けた部分(図1参照)。
――――― [JIS C 4604 pdf 9] ―――――
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C 4604 : 2017
3.2.9
ストライカ(striker)
ヒューズの動作時に,他の機器若しくは表示器を動作させるか,又は連動させるために,指定するエネ
ルギーを放出するヒューズリンクの一部を形成する機械装置部。
3.3 追加の用語
3.3.1
限流ヒューズ(current-limiting fuse)
指定の電流範囲において,その動作によって動作中の電流を固有電流の波高値より十分低い値に抑制す
るヒューズ。
3.3.2
クラス(classes)
遮断可能な電流の範囲内で使用できる区分。次の三つのクラスを定義する。
・ バックアップヒューズ
・ ジェネラルパーパスヒューズ
・ フルレンジヒューズ
3.3.3
バックアップヒューズ(back-up fuse)
規定の条件の下で,定格遮断電流から定格最小遮断電流までの全電流を遮断できる限流ヒューズ。
3.3.4
ジェネラルパーパスヒューズ(general-purpose fuse)
規定の条件の下で,定格遮断電流からヒューズエレメントが1 hで溶断する電流値までの全電流を遮断
できる限流ヒューズ。
3.3.5
フルレンジヒューズ(full-range fuse)
規定の条件の下で,ヒューズエレメントが溶断する要因となる,定格遮断電流以下の全電流を遮断でき
る限流ヒューズ。
3.3.6
(ヒューズホルダに対する)断路距離[isolating distance(for a fuse-base)]
ヒューズホルダ接触部と,開放時において対極に接続する関連機器の導電部との間の最短の絶縁距離。
3.3.7
(ヒューズリンクの)同形シリーズ[homogeneous series(of fuse-links)]
同形ヒューズリンクで構成される一つの系列。
3.3.8
外部絶縁(external insulation)
絶縁ストレス,大気,汚損,湿度,及び害虫などの他の外部条件の影響にさらされる,大気中,及び装
置の固体絶縁の大気と接触する表面の絶縁。
3.3.9
自己回復絶縁(self-restoring insulation)
破壊放電の後,完全に絶縁特性が完全に回復する絶縁。
――――― [JIS C 4604 pdf 10] ―――――
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JIS C 4604:2017の引用国際規格 ISO 一覧
- IEC 60282-1:2009(MOD)
- IEC 60282-1:2009/AMENDMENT 1:2014(MOD)
JIS C 4604:2017の国際規格 ICS 分類一覧
- 29 : 電気工学 > 29.120 : 電気付属部品 > 29.120.50 : ヒューズ及びその他過電流保護装備
JIS C 4604:2017の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISB7722:2018
- 金属材料のシャルピー衝撃試験―試験機の検証
- JISC4003:2010
- 電気絶縁―熱的耐久性評価及び呼び方
- JISK7111:1996
- プラスチック ― シャルピー衝撃強さの試験方法