JIS C 5381-12:2021 低圧サージ防護デバイス―第12部:低圧電源システムに接続するサージ防護デバイスの選定及び適用基準 | ページ 27

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C 5381-12 : 2021 (IEC 61643-12 : 2020)
す。
表G.3−風車システムと低圧電源システムとの間の比較
No. 因子 低圧電源システム DFIG電気システム コメント
固定子回路 回転子回路
1 波形 交流正弦波 交流正弦波 PWM
2 周波数 50 Hz 50 Hz スイッチング周波数 :
3 kHz以下
基本周波数 : 20 Hz以下
3 接地系統の TN,TT,IT系統 IT系統 IT系統
種類
4 配電方式 単相システム 三相システム 三相システム
三相システム
5 短絡電流 配電用変圧器の容量による 発電機及び昇圧変 未定
圧器の容量による
6 TOV 高圧(中圧)電源システムでの − − 昇圧変圧
故障によって,TT系統及びIT 器は風車
系統に発生するTOV と等電位
低圧電源システムでの故障に − − ボンディ
よって,TN系統,TT系統又は ングする
IT系統に発生するTOV
7 電圧の √2 UN √2 UN 矩形波 CLC/TS
ピーク値 (UN=230/400) (UN=400/690) 立ち上がり時間 : 50539-22
1.5 kV/μs以下 による
L−E間のピーク値 :
1.7 kV以下
L−L間のピーク値 :
2.95 kV以下
G.4.5 CLC/TS 50539-22に規定する可能な解決法
二つの基本的な解決法がある。
− より高いUcのSPDを用いる。
MOVのバリスタ電圧VVは,過渡過電圧のピーク値以上が望ましい。通常,VV/Ucは,約1.6の関
係である。この場合,次を推測することが可能である。
· L−E間に接続するSPDのUcは,1.7 kVまでの過渡過電圧に耐えるため,1.06 kV以上が望ましい。
この結果,SPDのUpは,通常,4 kVに達する。
· L−L間に接続するSPDのUcは,2.95 kVまでの過渡過電圧に耐えるため,1.85 kV以上が望まし
い。この結果,SPDのUpは,通常,6 kVに達する。
SPDの接続リード線及び外部分離器の電圧降下のために,周波数変換装置及び発電機の絶縁に加わ
る電圧ストレスは,非常に厳しい。これは,絶縁協調を達成するために,考慮又は試験することが望
ましい。
− 又は,このストレスに耐えることが可能な特別に設計したSPDを用いる。
注記 このような解決法は,その他の場合にも用いる場合がある。

――――― [JIS C 5381-12 pdf 131] ―――――

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C 5381-12 : 2021 (IEC 61643-12 : 2020)
附属書H
(参考)
リスク評価方法及び適用例
H.1 一般
IEC 62305-2は,建築物等及び接続した設備に関する雷リスクを検証するための十分に確立した方法で
ある。電源線から伝導するサージを制限するための,IEC 62305-2に基づく簡略化したリスク評価方法を,
IEC 60364-4-44で規定する。この方法を次(H.2H.3)に示す。その他の適用のために,その他の方法を
確立することが可能である。提案手段も次に示す。
H.2 IEC 60364-4-44に規定する低圧電源システムのリスク評価のために提案する簡略化法
H.2.1 過電圧の制御
過電圧によって発生する結果が,a)及びb)の設備に影響を及ぼす場合,JIS Z 9290規格群及びIEC 62305-
2を適用する。
a) 爆発のリスクがある建築物等
b) 損傷が周囲の建築物等又は環境(例えば,化学物質又は放射性物質の放出)に影響を与える場合があ
る建築物等
c) 人命の介護,例えば,安全サービス,医療施設
d) 公共サービス(電源,通信などの供給)及び文化遺産,例えば,公共サービスの喪失,情報通信セン
ター,美術館
e) 商業又は工業活動,例えば,ホテル,銀行,工場,商業施設,農場
その他の全ての事例に対し,過電圧に対する防護の有益性を決定するために,リスク評価を実施する。
リスク評価を実施しない場合,電気設備に過電圧に対する防護を実施する。ただし,この防護は,国内の
電気規則によって,一戸建ての住宅には必要としない場合がある。
開閉サージに対する防護は,設備の過電圧カテゴリに従った電圧値を超える,開閉サージ又は外乱を発
生する可能性がある機器がある場合,検討することが望ましい。例えば,低圧発電機から電力の供給を受
ける設備,誘導性又は容量性負荷(例えば,モータ,変圧器,コンデンサバンクなど),蓄電装置又は大電
流負荷がある場合である。
H.2.2 簡略化したリスク評価方法
計算するリスクレベル(CRL)は,落雷によって発生する過電圧に対する防護の必要性を決定するため
に用いる。
CRLが1 000以上の場合,落雷によって発生する過電圧に対する防護を必要としない。
CRLが1 000未満の場合,落雷によって発生する過電圧に対する防護を必要とする。
CRLの値は,表H.1に従い,計算する。

――――― [JIS C 5381-12 pdf 132] ―――――

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C 5381-12 : 2021 (IEC 61643-12 : 2020)
表H.1−CRLの計算
環境 CRL
農村環境及び郊外環境 (85×F)/(LP×NG)
都市環境 (850×F)/(LP×NG)
ここで,
− 係数Fの値は,全ての設備で等しく1とする。ただし,各国の事情によって,住宅に適用する係数F
の値を,13に調整してもよい。
− 落雷密度NG(落雷回数/km2/年)は,建築物等及びその電源引込線の設置場所に関連する。
− リスク評価距離LPは,次の式で計算する。
LP=2×LPAL+LPCL+0.4×LPAH+0.2×LPCH
ここで(図H.1参照), LPAL : 低圧配電の架空線の長さ(km)
LPCL : 低圧配電の地下ケーブルの長さ(km)
LPAH : 高圧配電の架空線の長さ(km)
LPCH : 高圧配電の地下ケーブルの長さ(km)
全長(LPAL+LPCL+LPAH+LPCH)は,1 km又は配電線に設置した最初の過電圧機器(SPD又は高圧避雷器)
から設備の引込口までの長さの,いずれか小さい方に制限する。
配電線の長さが完全に,又は部分的に未知の場合,LPALは,全長1 kmに達するために,残りの長さと等
しくする。
例えば,地下のケーブルの長さ(例えば,100 m)だけが既知の場合,LPALは,長さ900 mとする。
記号説明
1 : 設備の引込口
2 : 高圧/低圧配電用変圧器
図H.1−配電線の各区域の例
落雷のリスクが低いため,SPDを必要としない場合でも,開閉サージに対する防護を必要とする場合が
ある(5.2.3参照)。
H.2.3 例1 農村環境の建築物等
NG=1,F=1

――――― [JIS C 5381-12 pdf 133] ―――――

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C 5381-12 : 2021 (IEC 61643-12 : 2020)
LP=2×LPAL+LPCL+0.4×LPAH+0.2×LPCH
=(2×0.4)+(0.4×0.6)
=1.04
ここで, LPAL : 低圧配電の架空線の長さ : 0.4 km
LPCL : 低圧配電の地下ケーブルの長さ : 0 km
LPAH : 高圧配電の架空線の長さ : 0.6 km
LPCH : 高圧配電の地下ケーブルの長さ : 0 km
CRL=(85×F)/(LP×NG)=(85×1)/(1.04×1)=81.7
この場合,SPDを設置し,防護する。
H.2.4 例2 農村環境の高圧受電の建築物等
NG=0.4,F=1
LP=2×LPAL+LPCL+0.4×LPAH+0.2×LPCH
=0.2×1
=0.2
ここで, LPAL : 低圧配電の架空線の長さ : 0 km
LPCL : 低圧配電の地下ケーブルの長さ : 0 km
LPAH : 高圧配電の架空線の長さ : 0 km
LPCH : 高圧配電の地下ケーブルの長さ : 1 km
CRL=(85×F)/(LP×NG)=(85×1)/(0.2×0.4)=1 062.5
この場合,SPDによる防護は,必須ではない。
H.2.5 例3 都市環境の建築物等
NG=1,F=1
LP=2×LPAL+LPCL+0.4×LPAH+0.2×LPCH
=(2×0.4)+(0.4×0.6)
=1.04
ここで, LPAL : 低圧配電の架空線の長さ : 0.4 km
LPCL : 低圧配電の地下ケーブルの長さ : 0 km
LPAH : 高圧配電の架空線の長さ : 0.6 km
LPCH : 高圧配電の地下ケーブルの長さ : 0 km
CRL=(850×F)/(LP×NG)=(850×1)/(1.04×1)=817
この場合,SPDを設置し,防護する。
H.2.6 例4 都市環境の高圧受電の建築物等
NG=0.5,F=1
LP=2×LPAL+LPCL+0.4×LPAH+0.2×LPCH
=1
ここで, LPAL : 低圧配電の架空線の長さ : 0 km
LPCL : 低圧配電の地下ケーブルの長さ : 1 km
LPAH : 高圧配電の架空線の長さ : 0 km
LPCH : 高圧配電の地下ケーブルの長さ : 0 km
CRL=(850×F)/(LP×NG)=(850×1)/(1×0.5)=1 700

――――― [JIS C 5381-12 pdf 134] ―――――

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C 5381-12 : 2021 (IEC 61643-12 : 2020)
この場合,SPDによる防護は,必須ではない。
H.2.7 例5 電気自動車の充電器
この状況は,高圧/低圧配電用変圧器から電力供給する,電気自動車の充電器EVSEである(図H.2参
照)。高圧配電の長さは,1 km以上である。配電用変圧器の高圧側に避雷器はなく,低圧側にもSPDはな
い。主充電器は,スーパーマーケットの建物内に設置し,充電スタンドは,駐車場に位置する。駐車場の
25 m×15 mの専用スペースに,多くの充電台を設置する。郊外環境に位置し,NGは1で,Fも1である。
図H.2−電気自動車の充電器の例
NG=1,F=1
LP=2×LPAL+LPCL+0.4×LPAH+0.2×LPCH
=(2×0.07)+(0.4×0.93)
=0.512
ここで, LPAL : 低圧配電の架空線の長さ : 0.07 km(70 m=10 m+20 m+40
m,40 mは遠隔の充電台までの最大ケーブル長である。)
LPCL : 低圧配電の地下ケーブルの長さ : 0 km
LPAH : 高圧配電の架空線の長さ : 0.93 km(この距離は,LPAL+
LPAH=1 kmから決定する。)
LPCH : 高圧配電の地下ケーブルの長さ : 0 km
CRL=(85×F)/(LP×NG)=(85×1)/(0.512×1)=166
この場合,高圧/低圧配電用変圧器の低圧側,又は代わりに主充電器にSPDを設置し,防護する。さら
に,主充電器と充電台との間の配線にサージが誘導するため,充電台に追加のSPDを設置することを推奨
する。
H.2.8 例6 化学施設
高圧配電線は,架空線500 m及び地下ケーブル100 mを経由して,化学施設の受変電設備に電力供給す
る(図H.3参照)。受変電設備(5 m×5 m,高さ3 m)は,管理棟(10 m×10 m,高さ6 m)及び化学施設
(100 m×20 m,高さ6 m,煙突9 m)に低圧電源を供給する。農村環境に位置し,NGは1で,Fも1であ
る。

――――― [JIS C 5381-12 pdf 135] ―――――

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JIS C 5381-12:2021の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 61643-12:2020(IDT)

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