この規格ページの目次
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C 5381-32 : 2020
注記1 この規格では,太陽電池アレイは,電力変換装置(PCE),他の電力変換装置,又は直流負荷
の直流入力端子までの全ての構成要素とする。太陽電池アレイには,架台,太陽光追尾装置,
温度管理及びその他の部品は含まない。
注記2 太陽電池アレイは,単一の太陽電池モジュール,単一の太陽電池ストリング,幾つかの並列
接続した太陽電池ストリング,又は幾つかの並列接続した太陽電池サブアレイ及び関連する
電気部品で構成する場合がある。この規格では,太陽電池アレイの境界は,太陽電池アレイ
の断路装置の出力側である。
注記3 IEC 60364-7-712:2017の712.3.4参照
3.2
太陽電池モジュール(PV module)
完全な耐環境性をもつ相互接続した太陽電池セルの最少集合体。
注記 IEC 60364-7-712:2017の712.3.2参照
3.3
太陽電池ストリング(PV string)
太陽電池モジュールを1個以上,直列に接続した回路。
注記 IEC 60364-7-712:2017の712.3.3参照
3.4
太陽電池設備(PV installation)
太陽光発電の機器で組み立てた設備。
注記 IEC 60364-7-712:2017の712.3.11参照
3.5
電気設備の原点(origin of the electrical installation)
電気エネルギーを電気設備に供給するポイント。
注記 IEC 60050-826:2004の826-10-02参照
3.6
雷保護システム,LPS(lightning protection system, LPS)
建築物等への落雷による物的損傷及び生物への傷害を低減するために用いるシステム全体。
注記1 外部雷保護システム及び内部雷保護システムの両方で構成する。
注記2 JIS Z 9290-1:2014の3.42参照
3.7
被保護建築物等から分離した外部LPS(external LPS isolated from the structure to be protected)
受雷部システム,引下げ導線システムなどの雷電流経路を被保護建築物等と接触しないように分離配置
した外部LPS。
注記1 分離したLPSでは,LPSと被保護建築物等との間の危険な火花放電を防止する。
注記2 JIS Z 9290-3:2019の3.3参照
3.8
サージ防護デバイス,SPD(surge protective device, SPD)
サージ電圧を制限し,サージ電流を分流することを目的とした,1個以上の非線形素子を内蔵している
デバイス。
注記1 SPDは,適切な接続手段をもつ完成品である。
――――― [JIS C 5381-32 pdf 6] ―――――
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C 5381-32 : 2020
注記2 JIS C 5381-11:2014の3.1.1の“低圧サージ防護デバイス”を“サージ防護デバイス”に変更
した。
3.9
離隔距離,s(separation distance, s)
危険な火花放電が発生しない2個の導電性部材間の距離。
注記 JIS Z 9290-3:2019の3.28参照
3.10
雷等電位ボンディング,EB(lightning equipotential bonding, EB)
分離した金属製部分を,雷電流によって発生する電位差を低減するため,直接又はサージ防護デバイス
を介してLPSへ接続すること。
注記 JIS Z 9290-3:2019の3.23参照
3.11
ボンディング用バー(bonding bar)
金属製工作物,外部導電性部材,電力及び通信線,並びに他のケーブル類をLPSに接続可能な金属製の
バー。
注記 JIS Z 9290-3:2019の3.24参照
3.12
ボンディング導体(bonding conductor)
分離した導電性部材をLPSに接続する導体。
注記 JIS Z 9290-3:2019の3.25参照
3.13
標準試験条件,STC(standard test conditions, STC)
太陽電池セル及び太陽電池モジュールの定格及び試験に用いる基準としての標準的な状態。
注記1 製品規格を参照(例 JIS C 8990)。
注記2 JIS C 8990に記載された太陽電池モジュールの標準試験条件が,次のように示されている。
a) 太陽電池セルの温度は25 ℃
b) 太陽電池セル又は太陽電池モジュールの平面の日射強度は1 000 W/m2
c) エアマス1.5に相当する光スペクトル
注記3 IEC 60364-7-712:2017の712.3.12参照
3.14
標準試験条件における開回路電圧,UOC STC(open-circuit voltage under standard test conditions, UOC STC)
無負荷(開回路)の太陽電池モジュール,太陽電池ストリング,太陽電池アレイ,太陽電池インバータ
又は電力変換装置の直流側に印加する標準試験条件における電圧。
注記 IEC 60364-7-712:2017の712.3.13に“太陽電池インバータ又は電力変換装置”を追加した。
3.15
最大開回路電圧,UOC MAX(open-circuit maximum voltage, UOC MAX)
無負荷(開回路)の太陽電池モジュール,太陽電池ストリング,太陽電池アレイ,太陽電池インバータ
又は電力変換装置の直流側に印加する最大電圧。
注記 UOC MAXの計算は附属書Bを参照。
――――― [JIS C 5381-32 pdf 7] ―――――
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C 5381-32 : 2020
3.16
標準試験条件における短絡電流,ISC STC(short-circuit current under standard test conditions, ISC STC)
標準試験条件における,太陽電池モジュール,太陽電池ストリング又は太陽電池アレイの短絡電流。
注記 IEC 60364-7-712:2017の712.3.15参照
3.17
最大短絡電流,ISC MAX(short-circuit maximum current, ISC MAX)
太陽電池モジュール,太陽電池ストリング又は太陽電池アレイの最大短絡電流。
注記1 ISC MAXの計算は附属書Bを参照。
注記2 IEC 60364-7-712:2017の712.3.16参照
3.18
太陽電池に適用する最大連続使用電圧,UCPV(maximum continuous operating voltage for PV application, UCPV)
SPDの防護モードに連続して印加してもよい最大直流電圧。
注記1 この値は,UOC MAX以上である。
注記2 JIS C 5381-31の3.1.10参照
3.19
SPDの定格短絡電流,ISCPV(short-circuit current rating of the SPD, ISCPV)
SPD製造業者が指定した分離器とSPDとを直列接続して,SPDを評価するための電源系統からの最大推
定短絡電流。
注記1 この値は,ISC MAX以上である。
注記2 JIS C 5381-31の3.1.25参照
3.20
開回路故障モード,OCFM(open-circuit failure mode, OCFM)
特定の条件下でSPDが永久的な高インピーダンス又は開回路状態に変化する故障。
注記1 最終的な故障モードに達するまでの限られた時間において,低インピーダンスの中間的な状
態となる可能性がある。
注記2 JIS C 5381-31の3.1.40参照
3.21
短絡故障モード,SCFM(short-circuit failure mode, SCFM)
特定の条件下でSPDが永久的な低インピーダンス又は短絡状態に変化する故障。
注記 JIS C 5381-31の3.1.41参照
3.22
定格インパルス電圧,Uw(rated impulse voltage, Uw)
製造業者が機器又はその部分に定めたその機器などの絶縁の過渡過電圧に対する耐電圧性能を表すイン
パルス耐電圧値。
注記1 この規格では,通電導体と接地との間の耐電圧だけを考慮する。
注記2 Uwは1.2/50の電圧インパルス波形で測定する。
注記3 他の規格ではUimpという場合がある。
注記4 JIS C 60664-1:2009の3.9.2を編集(注記1,注記2及び注記3を追加)
3.23
全放電電流,ITotal(total discharge current, ITotal)
――――― [JIS C 5381-32 pdf 8] ―――――
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C 5381-32 : 2020
多極SPDの全放電電流試験において,接地導体を通過する電流。
注記1 この目的は,多極SPDの多防護モードに同時に通電するときの累積的な影響を確認するため
である。
注記2 ITotalは,クラスI試験を適用するSPDに関連する特殊なものであってJIS Z 9290規格群によ
る雷等電位ボンディングのために用いている。
注記3 JIS C 5381-11:2014の3.1.44の“PE又はPEN導体”を“接地導体”,また,“雷保護等電位ボ
ンディング”を“雷等電位ボンディング”に変更した。
4 被保護システム及び機器
太陽電池設備内の機器の防護を要求する場合,次のものを対象とする。
− インバータ(交流低圧配電システムへのインターフェース及び直流へのインターフェース)
− 太陽電池アレイ
− 配線
− インバータと太陽電池アレイとの間に設置した部品
− 太陽電池設備の監視及び制御機器
過電圧は,太陽電池設備を破壊若しくは劣化,又は誤動作を引き起こす可能性があるため,太陽電池設
備を防護することが望ましい。
防護の必要性及び防護対策の適切な選定の評価には,耐電圧に関する製造業者からの情報が必要である。
そのような情報が容易に入手できない場合,9.1.3,9.2.4及び表2に規定する機器の定格インパルス電圧
Uwを目安として用いることができる。部分雷電流は,制御不能なフラッシオーバの原因となり,火災を引
き起こすことがある。サージ防護対策は,火災のリスク低減に有効な手段としてもよい(JIS Z 9290規格
群及びIEC 62305-2を参照)。
注記 対応国際規格の誤記があったため,9.1.2を9.1.3及び9.2.4に修正した。
5 太陽電池設備に生じる過電圧
太陽電池設備に生じる過電圧は,幾つかの条件が原因となる場合があり,次による。
− 建築物等の外部LPSへの直撃雷(S1),又は建築物等及び/若しくは太陽電池設備の近傍への落雷(S2)。
− 配電網よりの引込線への直撃雷(S3)及び引込線近傍への落雷による誘導雷電流(S4)。
− 配電系統で生じる過電圧。例えば,開閉操作によるもの。
注記1 S1S4はJIS Z 9290規格群及びIEC 62305-2を参照。
注記2 過電圧はIEC 60364-4-44を参照。
電気的なインバータ及びコンバータ技術によって,交流電圧に繰り返し生じるスイッチング過電圧(ス
パイク)は,SPDの選定に対して,特別な検討を必要とする場合がある。
この規格における防護の要求事項は,太陽電池設備の直流部品を相互接続する配線が,適切な経路又は
遮蔽(例えば,適切なケーブル配線方式を用いる。)のいずれか一方によって,直撃雷から十分に防護する
ことを前提としている。
――――― [JIS C 5381-32 pdf 9] ―――――
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C 5381-32 : 2020
6 SPDの設置及び設置場所
6.1 一般
JIS C 5381-12,JIS Z 9290規格群及びIEC 62305-2では,太陽電池設備の防護のためのSPDの選定及び
設置は,多くの要因に依存し,主に次による。
− 設置場所の年間落雷密度Ng(1/km2/年)又は年間雷雨日数Td
− 低圧配電システムの特性(例えば,架空線又は埋設線)及び被保護機器の特性
− 外部LPSで直撃雷から太陽電池設備を保護する必要性
太陽電池設備を外部LPSで保護する場合,SPDの要求事項は次による。
− LPSのクラスの選定(附属書Aの簡易方法を参照)
− LPSと太陽電池設備との間の離隔距離sが確保できるか(分離した外部LPS)又は確保できないか(分
離しない外部LPS)
外部LPS及び離隔距離sの要求事項の詳細は,JIS Z 9290-3を参照。
最適なインバータの過電圧保護のためには,SPD及びインバータの接地を直接接続することが望ましい。
SPDの試験クラス及びボンディング導体の最小断面積は,表1に従って選定する。
JIS C 5381-31に適合したSPDは,PV記号を表示する。
表1−SPDの試験クラス及びボンディング導体の最小断面積の選定
位置 SPDの設置場所 SPDの SPDの
3b) 設置場所 設置場所
2b) 1b)及び4b)
試験規格 JIS C 5381-11 JIS C 5381-11 JIS C 5381-31
外部LPSのない太陽電池設備に設 試験クラス クラスI a) クラスII a)クラスII a) クラスII a)
置するSPD(6.2.1参照) ボンディング導 14 mm2 5.5 mm2 5.5 mm2 5.5 mm2
体の最小断面積 (16 mm2) (6 mm2) (6 mm2) (6 mm2)
離隔距離sが確保できる外部LPS 試験クラス クラスI クラスII a) クラスII a)
を備えた太陽電池設備に設置するボンディング導 14 mm2 5.5 mm2 5.5 mm2
SPD(6.2.2参照) 体の最小断面積 (16 mm2) (6 mm2) (6 mm2)
離隔距離sが確保できない外部LPS試験クラス クラスI クラスI a) クラスI
を備えた太陽電池設備に設置するボンディング導 14 mm2 14 mm2 14 mm2
SPD(6.2.3及び附属書A参照) 体の最小断面積 (16 mm2) (16 mm2) (16 mm2)
注記 導体の最小断面積の要求事項は,幾つかの国で異なる。IEC 62305-3のまえがきで,これらの違いを説明して
いる。IEC 62305-3のまえがきには,我が国における導体の最小断面積は,銅の場合,16 mm2は14 mm2に,
6 mm2は5 mm2に小さくすることができると記載している。そのため,我が国の標準電線サイズに修正して,
対応国際規格の値を括弧書きで記載する。
注a) 必要な場合
b) 図1,図2及び図3による。
6.2 各種太陽電池設備における要求事項
6.2.1 外部LPSのない太陽電池設備
外部LPSのない太陽電池設備に設置するSPDを図1に示す。
注記 対応国際規格に図1を引用する記載の脱落があったので,適切な文をこの細分箇条に記載した。
――――― [JIS C 5381-32 pdf 10] ―――――
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JIS C 5381-32:2020の引用国際規格 ISO 一覧
- IEC 61643-32:2017(MOD)
JIS C 5381-32:2020の国際規格 ICS 分類一覧
- 29 : 電気工学 > 29.240 : 送電及び配電網 > 29.240.10 : 変電所設備.サージ防止装置
JIS C 5381-32:2020の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISC5381-12:2014
- 低圧サージ防護デバイス―第12部:低圧配電システムに接続する低圧サージ防護デバイスの選定及び適用基準
- JISC5381-21:2014
- 低圧サージ防護デバイス―第21部:通信及び信号回線に接続するサージ防護デバイス(SPD)の要求性能及び試験方法
- JISC5381-22:2018
- 低圧サージ防護デバイス―第22部:通信及び信号回線に接続するサージ防護デバイス(SPD)の選定及び適用基準
- JISC5381-31:2020
- 低圧サージ防護デバイス―第31部:太陽電池設備の直流側に接続するサージ防護デバイスの要求性能及び試験方法
- JISC60364-5-54:2006
- 建築電気設備―第5-54部:電気機器の選定及び施工―接地設備,保護導体及び保護ボンディング導体
- JISZ9290-4:2016
- 雷保護―第4部:建築物等内の電気及び電子システム