JIS C 5381-32:2020 低圧サージ防護デバイス―第32部:太陽電池設備の直流側に接続するサージ防護デバイスの選定及び適用基準 | ページ 3

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C 5381-32 : 2020
主分電盤 太陽電池インバータ 太陽電池アレイ
配電網 3 2 1 4
SPD SPD SPD SPD
主接地端子
建築物等の接地極システム
記号説明
1 SPDの設置場所 : 太陽電池インバータの直流側
JIS C 5381-31のクラスII試験に適合したSPDを用いる。
2 SPDの設置場所 : 太陽電池インバータの交流側
JIS C 5381-11のクラスII試験に適合したSPDを用いる。
3 SPDの設置場所 : 主分電盤内
JIS C 5381-11のクラスI試験に適合したSPD又はクラスII試験に適合したSPDを用いる。
4 SPDの設置場所 : 太陽電池アレイの直流出力
JIS C 5381-31のクラスII試験に適合したSPDを用いる。
図1−外部LPSのない太陽電池設備に設置するSPD
一般的に,図1に示すように,インバータの直流側に二つのSPD(設置場所1及び4)及びインバータ
の交流側に二つのSPD(設置場所3及び2)を設置することが望ましい。
注記 遮蔽した直流配線を用いる場合,接続する機器インターフェースは,本質的に誘導過電圧から
防護できる。
設置場所2のSPDは,次のいずれかの場合,必要としない。
・ 主分電盤のSPDとインバータとの距離が10 m未満,かつ,PE導体(保護導体)が交流配線とともに
配線している場合(9.1.4参照)。この場合,一つのSPDを設置場所3の主分電盤に設置する。
・ インバータ及び主分電盤が同じボンディング用バーに,それぞれ0.5 m以下の配線で接続している場
合(例えば,インバータが主分電盤内にある場合)。
設置場所4のSPDは,次のいずれかの場合,必要としない。
・ インバータと太陽電池アレイとの距離が10 m未満,かつ,設置場所1のSPDの電圧防護レベルUP
が,太陽電池アレイの定格インパルス電圧Uw(9.2.4参照)の0.8倍以下の場合。
・ 設置場所1のSPDの電圧防護レベルUPが,太陽電池アレイの定格インパルス電圧Uwの0.5倍以下,
かつ,PE導体(保護導体)が直流配線と近接している場合。
6.2.2 離隔距離sが確保できる外部LPSを備えた太陽電池設備(太陽光発電所のような多重接地をもつ
太陽電池設備は除く)
これは,離隔距離sが確保できない場合よりも望ましい方法である。
離隔距離sを短くする手段をとること(例えば,複数又はメッシュ状の引下げ導線),又は被保護建築物
等(建築物等の一部である太陽電池設備)から分離した外部LPSを用いることは,6.2.3に示す対策よりも
望ましい。

――――― [JIS C 5381-32 pdf 11] ―――――

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C 5381-32 : 2020
被保護建築物等から分離した外部LPSは,太陽電池設備の近傍だけで用いてもよい(部分的に分離した
外部LPS)。
離隔距離sが確保できる外部LPSを備えた太陽電池設備に設置するSPDを図2に示す。
注記 対応国際規格に図2を引用する記載の脱落があったので,適切な文をこの細分箇条に記載した。
LPS
主分電盤 太陽電池インバータ 太陽電池アレイ
5
配電網 3 2 1 4 s
SPD SPD SPD SPD
主接地端子
6
建築物等の接地極システム
記号説明
1 SPDの設置場所 : 太陽電池インバータの直流側
JIS C 5381-31のクラスII試験に適合したSPDを用いる。
2 SPDの設置場所 : 太陽電池インバータの交流側
JIS C 5381-11のクラスII試験に適合したSPDを用いる。
3 SPDの設置場所 : 主分電盤内
JIS C 5381-11のクラスI試験に適合したSPDを用いる。
4 SPDの設置場所 : 太陽電池アレイの直流出力
JIS C 5381-31のクラスII試験に適合したSPDを用いる。
5 LPSの受雷部システム
6 LPSの引下げ導線システム
図2−離隔距離sが確保できる外部LPSを備えた太陽電池設備に設置するSPD
一般的に,図2に示すように,インバータの直流側に二つのSPD(設置場所1及び4)及びインバータ
の交流側に二つのSPD(設置場所3及び2)を設置することが望ましい。
設置場所2のSPDは,次のいずれかの場合,必要としない。
・ 主分電盤のSPDとインバータとの距離が10 m未満,かつ,引下げ導線に流れる雷電流から生じる誘
導電圧が無視できる場合(JIS Z 9290-4参照)。
・ インバータ及び主分電盤が同じボンディング用バーに,それぞれ0.5 m以下の配線で接続している場
合(例えば,インバータが主分電盤内にある場合)。
設置場所4のSPDは,次のいずれかの場合,必要としない。
・ インバータと太陽電池アレイとの距離が10 m未満,かつ,設置場所1のSPDの電圧防護レベルUP
が,太陽電池アレイの定格インパルス電圧Uw(9.2.4参照)の0.8倍以下の場合。

――――― [JIS C 5381-32 pdf 12] ―――――

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C 5381-32 : 2020
・ 設置場所1のSPDの電圧防護レベルUPが,太陽電池アレイの定格インパルス電圧Uwの0.5倍以下,
かつ,PE導体(保護導体)が直流配線と近接している場合。
6.2.3 離隔距離sが確保できない外部LPSを備えた太陽電池設備(太陽光発電所のような多重接地をも
つ太陽電池設備を含む)
離隔距離sが確保できない外部LPSを備えた太陽電池設備に設置するSPDを図3に示す。
注記 対応国際規格に図3を引用する記載の脱落があったので,適切な文をこの細分箇条に記載した。
LPS
主分電盤 太陽電池インバータ 太陽電池アレイ
5
配電網 3 2 1 4 E
SPD SPD SPD SPD
主接地端子
6
建築物等の接地極システム
記号説明
1 SPDの設置場所 : 太陽電池インバータの直流側
JIS C 5381-31のクラスI試験に適合したSPDを用いる。
2 SPDの設置場所 : 太陽電池インバータの交流側
JIS C 5381-11のクラスI試験に適合したSPD(例外は次による。)を用いる。
3 SPDの設置場所 : 主分電盤内
JIS C 5381-11のクラスI試験に適合したSPDを用いる。
4 SPDの設置場所 : 太陽電池アレイの直流出力
JIS C 5381-31のクラスI試験に適合したSPDを用いる。
5 LPSの受雷部システム
6 LPSの引下げ導線システム
E 等電位ボンディング(離隔距離sが確保できない場合,すなわち分離しないLPSの場合)
図3−離隔距離sが確保できない外部LPSを備えた太陽電池設備に設置するSPD
SPDによって防護している場合,同じボンディング用バーに接続している設備の他の部分に,クラスI
試験に適合したSPDを必要としてもよい。
この構成では,交流及び直流の配線は,等電位ボンディング導体と並列な配線とみなす。SPDの選定に
関わる追加の情報を図A.1,表A.1及び表A.2に示す。
設置場所の1,2,3及び4は,クラスI試験に適合したSPDが必要となる。設置位置1及び2のSPD
は,図3に示すように,できるだけインバータの近くに設置することが望ましい。設置位置4のSPDは,
できるだけ太陽電池アレイの近くに設置することが望ましい。

――――― [JIS C 5381-32 pdf 13] ―――――

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C 5381-32 : 2020
インバータ及び主分電盤が同じボンディング用バーに,それぞれ0.5 m以下の配線で接続している場合
(例えば,インバータが主分電盤内にある場合),設置場所2のSPDは必要としない。
6.2.4 通信及び信号回路を含む太陽電池設備
電源回路にSPDが必要な場合,通信及び信号回路においてもSPDを検討することが望ましい。SPDの
設置例を図C.1に示す。

7 等電位ボンディング

  太陽電池設備の接地形態及び保護導体は,IEC 60364-7-712の規定に従う。ここでは,追加の情報を提供
する。
等電位ボンディング導体の最小断面積は,JIS C 60364-5-54,JIS C 5381-12及びJIS Z 9290-3に規定す
る要求事項に従うことが望ましい。
等電位ボンディング導体を引下げ導線とみなす場合,等電位ボンディング導体の最小断面積は,50 mm2
の銅又は同等の性能をもつ材質などとする。
等電位ボンディング導体に部分雷電流が流れる場合,等電位ボンディング導体の最小断面積は,14 mm2
(16 mm2)の銅又は同等の性能をもつ材質などとする。
等電位ボンディング導体に誘導雷電流だけが流れる場合,等電位ボンディング導体の最小断面積は,5.5
mm2(6 mm2)の銅又は同等の性能をもつ材質などとする。
導電部をボンディング用バーに接続するボンディング導体の最小断面積は,5.5 mm2(6 mm2)の銅又は
同等の性能をもつ材質などとする。
LPSに接続しない太陽電池設備の場合,異なるボンディング用バー間を接続するボンディング導体,及
びボンディング用バーと接地極システムとを接続する導体の最小断面積は,5.5 mm2(6 mm2)の銅又は同
等の性能をもつ材質などとする。
注記 導体の最小断面積の要求事項は,幾つかの国で異なる。IEC 62305-3のまえがきで,これらの
違いを説明している。IEC 62305-3のまえがきには,我が国における導体の最小断面積は,銅
の場合,16 mm2は14 mm2に,6 mm2は5 mm2に小さくすることができると記載している。そ
のため我が国の標準電線サイズに修正して,対応国際規格の値を括弧書きで記載する。
主たる部分雷電流が流れる部品は,IEC 62561規格群に適合することが望ましい。
太陽電池設備がLPSの保護範囲にある場合,LPSと太陽電池設備の金属構造物との間の最小離隔距離s
を確保し,部分雷電流がこれらの構造物に流れないことが望ましい。一例を図C.2に示す。全ての等電位
ボンディング導体の最小断面積は,図C.2に示す主分電盤に設置するクラスI試験に適合したSPDの接地
導体を除き,5.5 mm2(6 mm2)とする。
太陽電池アレイがLPSの保護範囲にあり,離隔距離sが確保できない場合,外部LPSと太陽電池アレイ
の金属構造物との間を直接接続することが望ましい。この接続は,部分雷電流に耐えることが望ましい。
等電位ボンディング導体の最小断面積は,図C.3に示す値,並びにJIS C 60364-5-54,JIS C 5381-12及び
JIS Z 9290-3に規定する要求事項を満足することが望ましい。全ての等電位ボンディング導体の最小断面
積は,図C.3に示すインバータの接地に用いる導体を除き,14 mm2(16 mm2)としなければならない。

8 太陽電池設備に接続するSPDの要求事項

  リスクアセスメントによって,SPDが不要と判断した場合を除き,太陽電池設備の直流側及び交流側に
SPDを設置する。

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C 5381-32 : 2020
大規模な太陽電池設備の場合,リスク評価方法は,通常IEC 62305-2を適用する。小形の太陽電池設備
の場合,交流側に接続するSPDは,JIS C 5381-12又はIEC 60364-4-44:2015の箇条443に規定するリスク
評価方法を用いてもよく,直流側に接続するSPDは,IEC 60364-7-712に規定するリスク評価方法を用い
てもよい。
太陽電池設備を防護するためにSPDを設置する場合,太陽電池設備の一部である通信及び信号回路も防
護する必要がある。
SPDは次の規格に適合しなければならない。
− 太陽電池設備の交流側に接続するSPDは,JIS C 5381-11の規定による。
− 太陽電池設備の直流側に接続するSPDは,JIS C 5381-31の規定による。
− 通信及び信号回路に接続するSPDは,JIS C 5381-21の規定による。
さらに,SPDの選定及び設置方法は,次の規格に適合しなければならない。
− 太陽電池設備の交流側の防護は,IEC 60364-5-53:2015の箇条534,JIS C 5381-12及びJIS Z 9290-4の
規定による。
− 通信及び信号回路の防護は,JIS C 5381-22及びJIS Z 9290-4の規定による。

9 太陽電池設備のSPDの選定及び設置

9.1 太陽電池設備の交流側に接続するSPDの選定

9.1.1  一般
太陽電池設備の交流側を防護するSPDの選定及び設置は,IEC 60364-5-53:2015の箇条534,JIS C 5381-12
及びJIS Z 9290-4の規定に従わなければならない。ここでは,太陽電池設備の交流側の機器の防護に関す
る幾つかの具体的な項目だけを記載する。
注記 交流配線と接地との間の電圧は,インバータ技術に依存し,必ずしも常に完全な正弦波ではな
い。例えば,大きな影響を与えるスパイクが発生する場合,交流側に接続するSPDは,電圧波
形のひずみを考慮して選定することが望ましい。
9.1.2 SPDの公称放電電流In及びインパルス電流Iimpの選定
クラスII試験に適合したSPDの各防護モードにおける公称放電電流Inの最小値は,5 kA,8/20とする。
より大きな値の場合,SPDの寿命が長くなることがある。
太陽電池設備と配電網との接続点(通常は主分電盤内)に,クラスI試験に適合したSPDが必要な場合,
このSPDのインパルス電流Iimpの最小値は,IEC 60364-5-53:2015の箇条534及びJIS C 5381-12の規定に
従わなければならない。
JIS Z 9290規格群及びIEC 62305-2の規定では,これらの設備に,より大きなIimp値を要求する場合があ
る。雷保護レベルLPLに応じたリスクによってIimp値を決定する簡略化した方法は,JIS C 5381-12による。
9.1.3 SPDの電圧防護レベルUPの選定
適切な電圧防護レベルをもつSPDの選定には,機器の定格インパルス電圧Uw,及びJIS C 61000-4-5で
規定する機器のEMCイミュニティレベルの決定が必要である。
定格インパルス電圧Uw,及びEMCイミュニティレベルは,次の規格で規定している。
− 電源配線の接続部は,JIS C 61000-4-5,IEC 60364-4-44:2015の箇条443及びJIS C 60664-1による。
− 通信及び信号回路の接続部は,JIS C 61000-4-5,ITU-T K.20及びK.21による。
注記 対応国際規格に細別を引用する記載の脱落があったので,適切な文を記載した。

――――― [JIS C 5381-32 pdf 15] ―――――

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JIS C 5381-32:2020の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 61643-32:2017(MOD)

JIS C 5381-32:2020の国際規格 ICS 分類一覧

JIS C 5381-32:2020の関連規格と引用規格一覧