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g) 混変調ひずみ測定器 推奨する測定器を,附属書Cに示す。
h) 3次高調波ひずみ測定器 3次高調波ひずみは,周波数分析器又はフィルタを用いて測定する。
i) 出力変動測定器 測定器の特性は,3.9の規定による。
2.4 キャリブレーションテープ
規定した特性に対応して録音された磁気テープであり,再生系を校正
するために用いる。
備考 それぞれのテープ速さに対応したキャリブレーションテープを使用する。
この規格のために用いるキャリブレーションテープは,JIS C 5563 (IEC 94-2) による。
テープ幅は,JIS C 5562 (IEC 94-1) に適合しなければならない。
2.5 リファレンステープ
リファレンス用に選定されたテープで,他の磁気テープとの比較を可能にす
るため,又はテープレコーダの特性を測定するために特性が規定された未録音テープをいう。
2.5.1 リファレンステープは,表3に示すバッチのテープから得られる標準に基づいて作られる。この規
格に記載している各タイプのプライマリーリファレンステープは,その時点で市場に流通しているテープ
レコーダとの適合性を保証するために,定期的に見直しが行われる。
2.5.2 これらのプライマリーリファレンステープの測定結果は,供給国の標準化委員会が認証し,他国の
IEC標準化委員会が確認する。
2.5.3 表3に示したIECプライマリーリファレンステープを確認するIEC委員会の国は,アメリカ,オ
ランダ,日本,ドイツ,カナダ,イギリス及びチェコスロバキア(現,チェコ共和国とスロバキア共和国)
であり,供給国以外の国が確認することになっている。もし,その国の標準化委員会に測定のための機器
がない場合は,その国で承認された機関に委託してもよい。
2.5.4 自国又は他国のIEC標準化委員会により認証されれば,どのメンバー国も自由裁量で購入又は製
造されたコピーをセカンダリーテープとして使用してもよい。この手続にのっとらないリファレンステー
プのコピーは,IECリファレンステープとして分類してはならない。
2.5.5 すべてのIECセカンダリーリファレンステープは,プライマリーリファレンステープに対する感
度,バイアス比及び最大出力レベルの校正値を表示しなければならない。セカンダリーリファレンステー
プの特性値は,IECプライマリーリファレンステープとの差を小さくしなければならない。
表3 IECプライマリーリファレンステープ
テープ速さ 幅 リファレンステープ 用途 供給国 タイプ 種類
cm/s mm バッチナンバ
業務用 (1)
19.05 6.30 A 342 D B ドイツ − Fe2O3
38.1 6.30 MT 82472 A アメリカ − Fe2O3
76.2 6.30 MT 82472 B アメリカ − Fe2O3
民生用
4.76 3.81 Y 348 M(1994年改訂)A ドイツ IEC I Fe2O3
4.76 3.81 U 564 W(1986年改訂)A ドイツ IEC II CrO2・Co−Fe2O3
4.76 3.81 CS 301 A 日本 IEC III 2層,Fe2O3+CrO2
A
4.76 3.81 MJ 507 A(1991年改訂) 日本 IEC IV メタル磁性粉
4.76 6.30 C 264 Z B ドイツ − Fe2O3
9.53 6.30 C 264 Z A ドイツ − Fe2O3
19.05 6.30 C 264 Z B ドイツ − Fe2O3
注(1) =必す(須)
B=任意(テープ製造業者の判断で追加するときに用いる。)
備考 民生用3.81mm幅テープのタイプIEC I,II,III及びIVについては,表5による。
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2.5.6 テープの測定に使用するリファレンステープは,感度,ひずみ(業務用テープ),最大出力レベル
(民生用テープ)及びバイアス比が既知であって,かつ,次の目的のために供する。
a) 民生用テープの測定バイアスの決定並びに業務用及び民生用テープのバイアス比の基準。
b) 供試テープの相対テープ感度の決定。
c) 測定器の差から生じる10kHz最大出力レベル補正値の決定(3.2の結果参照)。
2.5.7 一般の民生用テープレコーダとテープとの適合性を保証するために,関連するIECプライマリー
リファレンステープによる互換性が得られるようテープレコーダを調整しなければならない。
2.5.8 すべてのリファレンステープは,JIS C 5562 (IEC94-1) 及び2.6.1の表4に示されたテープ速さと
の関係によって規定される時定数を用いる。
2.5.9 リファレンステープの幅と厚さは,JIS C 5562 (IEC94-1) に適合しなければならない。
備考 IECプライマリーリファレンステープの製造業者名及び住所は,附属書Bによる。
2.6 バイアス
定義 :
バイアス状態 (Biasing) バイアス状態とは,録音しようとする信号に高周波交番磁界を重畳して記録中
の磁気媒体の状態をいう。
バイアス電流 (Bias current) バイアス電流とは,バイアス磁界を発生させるために,録音ヘッドのコイ
ルに流す高周波電流をいう。
2.6.1 基準バイアス
基準バイアスとは,プライマリーリファレンステープに必要とするバイアス値をい
う。
a) 業務用リファレンステープの基準バイアス(テープ速さ : 76.2cm/s,38.1cm/s及び19.05cm/s)
基本的方法 : 基準バイアスは,プライマリーリファレンステープの1kHzにおける3次高調波ひず
みが最小となるバイアス電流値をいう。このときプライマリーリファレンステープは,当該キャリブ
レーションテープの基準レベルが得られる入力レベルで録音する。この値は,1kHzの最大感度を与え
る値にほぼ一致する。
代替方法 : 10kHzの再生出力の最大値より既知の値だけ低い出力を与える二つのバイアス電流値の
うち,高い方のバイアス電流値をいう。
この方法は,規定されたIEC標準録音ヘッドを用い,基本的方法と同じバイアス電流が得られる場
合に使用してもよい。
b) 民生用リファレンステープの基準バイアス(テープ速さ : 19.05cm/s,9.53cm/s及び4.76cm/s)
基本的方法 : 基準バイアスは,3次高調波ひずみ3%で,プライマリーリファレンステープの315Hz
(テープ速さ19.05cm/sに対しては,1kHz)の最大出力レベルが規定された値になるバイアス電流値
をいう。
315Hz(テープ速さ19.05cm/sに対しては1kHz)の最大出力レベルの絶対値は,表4に示すプライ
マリーリファレンステープの10kHzと315Hz(テープ速さ19.05cm/sに対しては1kHz)の規定された
最大出力レベル差により決まり,表4に示す。
代替方法 : 6.3kHzの再生出力の最大値より既知の値だけ低い出力を与える二つのバイアス電流値の
うち,高い方のバイアス電流値をいう。
この方法は,規定されたIEC標準録音ヘッドを用い,基本的方法と同じバイアス電流が得られる場
合に使用してもよい。
表4に記載している最大出力レベルは,プライマリーリファレンステープから得られる絶対値であ
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り,2.5.2に従ってプライマリーリファレンステープの製造業者が指定する。
すべての最大出力レベルは,当該キャリブレーションテープで得られる基準レベルとの比較として
表す。その際,表2 [2.2e) ] に必す(須)条件として規定しているIEC標準ヘッドを用いる。
表4 民生用IECプライマリーリファレンステープで規定する最大出力レベルの表
テープ テープ速 タイプ リファレンステー 時定数 最大出力レベルdB 最大出
幅mm さcm/s プバッチナンバ 力レベ
ル差dB
t1 t2 315Hz 1kHz 10kHz
3.81 4.76 IEC I Y 348 M 120 3 180 +5.7 − −6.3 12
3.81 4.76 IEC II U 564 W 70 3 180 +4.3 − −7.7 12
3.81 4.76 IEC III CS 301 70 3 180 +4.4 − −7.6 12
3.81 4.76 IEC IV MJ 507 A 70 3 180 +5.7 − −0.3 6
6.30 4.76 − C 264 Z 120 3 180 * − * *
6.30 9.53 − C 264 Z 90 3 180 * − * *
6.30 19.05 − C 264 Z 50 3 180 − * * *
備考1. *=規定しない。
基準バイアスの代替方法は,2.6.1b)による。このとき,バイアス電流を求める6.3kHz出力値と
6.3kHz最大出力値との差は,テープ速さ9.5cm/sのとき,4dBとする。
2. 民生用3.81mm幅テープのタイプIEC I,II,III及びIVについては,表5による。
2.6.2 測定バイアス
測定バイアスは,供試テープの測定に用いるバイアス電流値をいう。
a) 業務用テープの測定バイアス(テープ速さ : 76.2cm/s ,38.1cm/s及び19.05cm/s)
業務用供試テープの測定バイアスは,当該プライマリーリファレンステープの基準バイアスと同じ
方法によって求める[2.6.1a)参照]。
このバイアス値は,バイアス比として表す(3.1参照)。
b) 民生用テープの測定バイアス(テープ速さ : 19.05cm/s,9.53cm/s及び4.76cm/s)
民生用供試テープの測定バイアスは,当該プライマリーリファレンステープの基準バイアスと同じ
である[2.6.1b)参照]。
ここでいう測定バイアスは,この規格に定義した試験項目に使用するために規定したバイアス電流
値であり,必ずしも最適バイアス電流値ではない。
最適バイアス電流値については,製造業者が,これとは別にバイアスカーブや試験結果と共に,デ
ータに記載してもよい。
3. 測定項目
測定条件 :
a) すべての業務用テープは,供試テープの測定バイアスで測定する。
さらに,リファレンステープから求められる基準バイアス値で測定してもよい。
b) すべての民生用テープは,測定バイアスで測定する。供試テープの最適バイアスで,付加的な測定を
行う場合は,そのバイアス値は,10kHzと315Hz(テープ速さ19.05cm/sに対しては1kHz)の最大出
力レベル差が,当該プライマリーリファレンステープ(表4参照)で規定している最大出力レベル差
の値となるバイアス電流から求める。このバイアス値は,バイアス比として表す(3.1参照)。
規定された最大出力レベル差は,正確に校正された電気特性をもった測定装置を用いて決定しなけ
ればならない。
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1) 再生系を校正するために用いるキャリブレーションテープの周波数特性の絶対値からの偏差はない
か,ある場合は既知でなければならない。
2) キャリブレーションテープの基準レベルの絶対値からの偏差はないか,ある場合は既知でなければ
ならない。
備考 3.81mm幅キャリブレーションテープの絶対値は,IECプラハ会議(1981年)後に[IEC(プ
ラハ)1981]として各国のIEC標準化委員会に提供されたキャリブレーションテープによって
代表される。
3) EC標準録音ヘッドの特性は,既知でなければならない。
c) テープレコード用の未録音テープは,3.b)に定義した測定条件による供試テープの最適バイアスで,
民生用テープに対する必要事項に従って測定してもよい。
なお,高速デュプリケータの代表的なテープ速さで録音してもよい。この任意の測定を行った場合
には,必す(須)のテープ速さでの結果及び測定に用いた録音速さを明示する。
d) 業務用テープに関連する項目の測定は,6.30mm幅のテープで行う。
JIS C 5567 (IEC 94-6) に規定するトラック配置を用いるほかの幅のテープの測定は,任意である。
e) 民生用テープに関連する項目の測定は,6.30mm幅又は3.81mm幅のテープで行う。
特に規定がない場合は,内側のトラックの一つを用いて測定する。
f) すべての測定は,表1並びに表6,表7及び表8で規定している当該テープ速さで行う。
g) 特に規定がない場合は,すべての測定は,2.の技術的要求事項に従って行い,結果は電圧比又は電流
比によってデシベルで表す。
V(dB)
1
例 20 log10
V2
3.1 バイアス比
(Bias ratio)
定義 :
測定バイアス電流(業務用テープ)又は最適バイアス電流(民生用)と,プライマリーリファレンステ
ープの基準バイアス電流の比をいう。
方法 リファレンステープと供試テープについて,録音ヘッドに流れるバイアス電流の値を測定し,定
義によって比を求める。
a) 業務用テープ バイアス比は,供試テープと当該プライマリーリファレンステープの1kHzの周波数
における基準出力レベルでの3次高調波ひずみが最小となるバイアス電流によって求める。
b) 民生用テープ 供試テープに対して,最適バイアス[3.b)測定条件]を用いた測定を付加的に任意に
行う場合には,そのバイアス比は10kHzと315Hz(テープ速さ19.05cm/sに対しては1kHz)の最大出
力レベルの差が当該プライマリーリファレンステープで規定された出力レベル差となるバイアス電流
によって求める(表4参照)。
測定
a) 業務用6.30mm幅テープは,表6による。
b) 民生用6.30mm幅テープは,表7による。
c) 民生用3.81mm幅テープは,表8による。
結果 供試テープのバイアス比は,当該プライマリーリファレンステープの基準バイアスに対して,デ
シベルで表す。
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3.2 最大出力レベル
(Maximum output level : MOLともいう) 定義 :磁気テープの最大出力レベルは,次のいずれかの状態で録音されたときの再生レベルの値をいう。
a) 規定したひずみ率を生じたとき。
b) 磁気テープが飽和に達したとき。
飽和 (Saturation)外部磁界を更に増加しても,残留磁束の実質的な増加がないような強磁性体の状態。
方法 :
方法A[必す(須)] 1kHz以下の周波数では,3%の3次高調波ひずみを発生するときの基本波成分の
出力レベルを最大出力レベルとする。3%の3次高調波ひずみは次の式による。
図1 出力信号スペクトル
方法B[必す(須)] 10kHz以上の周波数では,磁気テープが飽和に達したときの出力レベルを測定す
る。すなわち,出力レベルが増加しなくなるまで測定周波数の記録電流を次第に増加し,そのときの出力
レベル値を測定する。
方法C(任意) 二つの正弦波信号Uf1とUf2の混合波を録音することによって,任意の周波数において
5%混変調ひずみを発生するときの出力レベルを測定して,それを最大出力レベルとしてもよい。ただし,
f
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JIS C 5566:1997の引用国際規格 ISO 一覧
- IEC 60094-5:1988(IDT)
- IEC 60094-5:1988/AMENDMENT 1:1996(IDT)
JIS C 5566:1997の国際規格 ICS 分類一覧
- 33 : 電気通信工学.オーディオ及びビデオ工学 > 33.160 : オーディオ,ビデオ及びAV技術 > 33.160.30 : オーディオシステム
JIS C 5566:1997の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISC1505:1988
- 精密騒音計
- JISC5562:1996
- 磁気テープ録音再生システム 第1部 一般条件及び要求事項
- JISC5563:1996
- 磁気テープ録音再生システム 第2部 キャリブレーションテープ
- JISC5567:1989
- 磁気テープ録音再生システム 第6部 リール・ツー・リールシステム
- JISC5568:1997
- 磁気テープ録音再生システム 第7部 テープレコード用及び民生用カセット
- JISC5569:1991
- 録音再生機器における速さ変動の測定方法