50
C 5600 : 2006
物質。金属は自由電子又は正孔密度が高く, conductor
導電率,熱伝導率ともに大きい物質である。 (general
伝導体,良導体ともいう。 sense):
conducting
medium,
導体,
521-02-16
4-1-2 半金属 伝導帯と価電子帯とがわずかに重なっていsemimetal
る物質で,絶対零度でも自由電子,自由正孔
をもつが,その数は金属に比べて非常に少な
い。
例 グラファイト,ひ素,アンチモン,
ビスマスの単結晶。
4-1-3 残留抵抗率, 金属の抵抗率は温度の減少とともに減少すresidual 815-04-63
残留比抵抗 るが,絶対零度で残る金属の抵抗率。 resistivity
備考 マティーセンの規則の定義におけ
る ρi に相当する。
4-1-4 マティーセンの規 Matthiessen's
金属の抵抗率 ρ が欠陥に起因する温度に依
則 law
存しない抵抗率ρi とフォノン散乱に起因す
る温度上昇とともに増加する抵抗率ρL(T )
との和
ρ = ρi + ρL(T)
で表されるという規則。ここに ρL(0)=0 であ
る。
4-1-5 抵抗器 resistor
電気回路又は電子回路において,抵抗をもつ
物質を利用し,その両端に電圧を加えたとき
の電流の制限又は電圧の降下を生じさせる
ための素子。
4-1-6 接着 adhesion
同種又は異種の固体の面が それ自体又は介
在物質との間の化学的若しくは物理的な力
又はその両者によって結合した状態。
4-1-7 はんだ ~450 ℃ 未満の低い融点をもつ溶接用溶加solder,
剤。 軟ろうともいう。 soft solder
4-1-8 ろう ~450 ℃ 以上の高い融点をもつ溶接用溶加brazing filler
剤。硬ろうともいう。 metal,
hard solder
4-1-9 ろう付け(一般) brazing
はんだ,又は硬ろうを用いて,母材をできる 851-01-02
だけ溶融せずに行う溶接方法。 (general),
soldering
4-1-10 硬ろう付け, 硬ろうを用いて母材をできるだけ溶融せず 851-01-03
hard soldering,
ろう付け に行う溶接方法。 brazing
4-1-11 ろう接 母体金属よりも低融点の非鉄金属又は合金brazing and
を溶融することで二つの金属を一体に結合 soldering
すること。
4-1-12 はんだ付け, はんだを用いて母材をできるだけ溶融せずsoldering,
軟ろう付け に行う溶接方法。ろう接の一種。 soft
備考 “はんだ”の由来は,福島県の半 soldering
田鉱山での産出又はマレー諸島バ
――――― [JIS C 5600 pdf 51] ―――――
51
C 5600 : 2006
ンダ島ともいわれている。
4-1-13 めっき plating
物質の表面に化学的,電気化学的などの方法
によって金属膜を被着させること。
4-1-14 溶接 welding
2個以上の金属を,接合される金属間に連続 851-01-01
性があるように,熱,圧力,又はその双方を
加えて,それらの金属を溶融させ溶かし混ぜ
合わせて一体とすること。接合のとき接合面
にフィラー(充てん剤)を用いることも用い
ないこともある。
備考 接合部に電流を流してのジュール
熱の加熱と圧力とによる電気抵抗
溶接,単なる加熱と圧力の鍛接,
又は圧力だけによる圧接がある。
4-1-15 アモルファス金属 amorphous
非晶質状態の金属。 結晶粒又は光子欠陥が
metal
ないため,高強度,高耐食,高透磁率などの
性質を生じる。
4-1-16 表面実装技術, 部品穴をを用いた挿入形実装方法とは反対surface-mount (541-04-01
SMT technology,
に,回路基板上で部品と同一面ではんだ付け surface
SMT
を行うことによる基板上への部品実装技術。 mounting)
回路基板(プリント基板も含まれる。)上へ
の導体パターンの表面に,部品の電気的接続
が行われる。
4-1-17 表面実装デバイ surface-mount
回路基板の表面に,表面実装技術によって搭
ス, 載された電子デバイス又は機械的部品。 device,
SMD SMD
4-1-18 表皮効果 導体内を流れる高周波の電流が導体の表面skin effect 121-13-18,
付近だけを流れ,内部には流れない現象。 841-01-24
2) 半導体
参考
番号 用語 定義 関連IEC 60050
対応英語
番号及び用語
4-2-1 半導体 semiconductor
室温での導電率が金属と絶縁体との中間[お 121-12-06,
よそ 10510-8 (S/m)]にある物質。およそ2 394-10-01,
3 (eV) 以下のバンドギャップをもち,絶対 521-02-01
零度では自由電子(正孔)をもたないために
絶縁体であるが,温度の上昇とともに自由電
子(正孔)密度が増加し,室温では電気伝導
をもつようになる。また,不純物のドーピン
グで N形,P形 の伝導の形の制御ができる。
参考 導電率の温度係数が金属は負であ
るのに対し,半導体及び費絶縁体
は正である。しかし,半導体と絶
縁体との間の厳密な区別は難し
い。例えば,ダイヤモンドは,純
粋なものは絶縁体であるが,不純
――――― [JIS C 5600 pdf 52] ―――――
52
C 5600 : 2006
参考
番号 用語 定義 関連IEC 60050
対応英語
番号及び用語
物を入れ半導体化することができ
る。
4-2-2 単元素半導体 単一の元素の原子の化学結合で構成されるsingle-element 521-02-02
半導体。 semiconductor
4-2-3 化合物半導体 compound
2種類以上の元素の原子の化学結合によって 521-02-03
semiconductor
構成される半導体。一般には元素比は一定で
あるが,元素比に自由度がある混晶半導体も
これに含める。
4-2-4 混晶半導体 mixed crystal
複数の元素の原子で構成され,その元素の組
成比がある制限の下に連続的に変化できる semiconductor
結晶半導体。
参考 IV 族原子の混晶Si1-xGex (0 x
1),III-V 族の混晶 AlxGa1-x
AsyP1-y (0 x 1,0 y 1),II-VI
族の混晶 CdxZn1-x Te (0 x 1) な
どがある。
4-2-5 非縮退半導体 nondegenerate
不純物半導体で,フェルミ準位がエネルギー 521-02-12
semiconductor
ギャップ中のにあり,その位置が両バンド端
から 少なくとも 2kBT (kB: ボルツマン定
数,T : 絶対温度)以上離れている半導体。 キ
ャリヤ密度の表式のためにボルツマン統計
の近似を用いることができる。
4-2-6 縮退半導体 不純物半導体でドナーやアクセプタ密度がdegenerate 521-02-13
大きいためにフェルミ準位がエネルギーギ semiconductor
ャップ中のバンド端に近いところか又はバ
ンドの中に位置し,キャリヤ密度の表式のた
めにボルツマン統計の近似を用いることが
できず,フェルミ統計を用いる必要のある半
導体。
4-2-7 キャリヤ, carrier,
真空,固体,気体又は 液体中を移動して電 111-14-44
電荷キャリヤ charge carrier
荷を運び電流を生じさせる電子,正孔,イオ 電荷担体,
ンなどの荷電粒子。半導体においては,伝導 394-18-71
帯の自由電子と価電子帯の正孔とを指す。 (111-14-44)
参考 厳密には電荷キャリヤ(charge 電荷キャリヤ,
carrier)というべきで,一般には, 521-02-51
キャリヤガスなどのように何かを
運ぶものという意味である。
4-2-8 有効質量, 結晶中の伝導電子はその波動性のため,原子
effective mass
実効質量 の作る周期的なポテンシャル,電子間相互作
用,電子−格子相互作用などの影響を受け
る。したがって,運動に現れる質量は,真空
中の値とは異なる。 電子エネルギーをE ,
波数ベクトルを k ,プランク定数をh とす
ると,有効質量m*は,
――――― [JIS C 5600 pdf 53] ―――――
53
C 5600 : 2006
参考
番号 用語 定義 関連IEC 60050
対応英語
番号及び用語
2
1 2 E
(α,β =x,y,z)
m* k k
によって与えられる。
4-2-9 伝導電子(半導体 conduction
一般には,真空中の電子のように自由に運動 111-14-41,
の), electron (in a
することのできる電子をいい,半導体では, 521-02-14
自由電子(半導体 伝導帯中を自由に運動し伝導に寄与する電semiconductor),
の) 子を指す。 free electron (in
備考 半導体の伝導現象を議論するときa semiconductor)
には,単に電子というと伝導帯中
の自由電子を指す。
4-2-10 正孔, 半導体の価電子帯中の価電子が抜けて生じ(positive) ole111-14-42,
ホール た孔(ホール)を仮想の正電荷 +e (電気素 394-18-72,
量)をもつ荷電粒子と考えたもの。 521-02-17
備考 ホールの発生によって残りの価電
子は運動が可能となり電荷を運ぶ
ことができるようになる。その電
流の表式は,ホールが +e の電荷
をもち,これが電荷を運ぶと考え
た場合と同じになる。
4-2-11 軽い正孔 light hole
エネルギーの波数依存の異なる2種類の価電
子帯のうち,波数依存の大きい価電子帯に属
する有効質量の小さい正孔。
4-2-12 重い正孔 エネルギーの波数依存の異なる 2種類の価heavy hole
電子帯のうち,波数依存の小さい価電子帯に
属する有効質量の大きい正孔。
4-2-13 真性半導体 intrinsic
理想的には,内部に不純物,欠陥を含まない 394-10-02,
semiconductor
半導体で,熱平衡状態のキャリヤが,価電子 521-02-07
帯から伝導帯への価電子の熱励起だけによ intrinsic
って生じる電子及び正孔で構成されるもの。 semiconductor;
電子密度と正孔密度とが等しい。 semiconductor
参考 現在の技術では,不純物の混入又 type I,
は欠陥の生成が避けられず,完全 真性半導体;
な真性半導体を作ることは困難で I 形半導体
ある。
4-2-14 真性キャリヤ密度 真性半導体では電子密度と正孔密度とは等intrinsic carrier
しいが,その密度をいう。 density,
intrinsic carrier
concentration
4-2-15 真性準位 intrinsic level
真性半導体のフェルミ準位。ほぼ,バンドギ
ャップの真中に位置する。
4-2-16 不純物 (半導体中 単元素半導体中にあっては構成元素以外の 521-02-04
impurities (in a
の) semiconductor)
原子,化合物半導体にあっては構成元素以外
の原子又は構成元素の化学量論比から増減
した原子。一般に,キャリヤ密度又は移動度
――――― [JIS C 5600 pdf 54] ―――――
54
C 5600 : 2006
参考
番号 用語 定義 関連IEC 60050
対応英語
番号及び用語
に影響を与える。
4-2-17 不純物半導体, impurity
内部に含まれる不純物,欠陥のイオン化によ 394-10-04,
外因性半導体 って生じた電子又は正孔がキャリヤ発生の 521-02-08
semiconductor,
主体となる半導体。 extrinsic
semiconductor
4-2-18 多数キャリヤ 521-02-52
majority carrier
不純物半導体の熱平衡状態のキャリヤ(電子
及び正孔)のうち,密度の大きい方のキャリ
ヤ。
4-2-19 少数キャリヤ 521-02-53
minority carrier
不純物半導体の熱平衡状態のキャリヤ(電子
及び正孔)のうち,密度の小さい方のキャリ
ヤ。
4-2-20 N形半導体 電子が多数キャリヤである不純物半導体。N-type 394-10-05,
semiconductor 521-02-09
N-type
semiconductor;
electron
semiconductor
,
N 形半導体,
電子過剰半導
体
4-2-21 P形半導体 正孔が多数キャリヤである不純物半導体。P-type 394-10-06,
semiconductor 521-02-10,
P-type
semiconductor;
hole
semiconductor
P形半導体,
正孔過剰半導
体
4-2-22 ドナー donor
N形半導体を作るための不純物元素で,半導 521-02-38
体中でイオン化して伝導帯に電子を供与し
伝導電子を作り,自らは正に帯電する不純物
及び欠陥。
4-2-23 アクセプタ acceptor
P形半導体を作るための不純物元素で,半導 521-02-39
体中でイオン化して価電子帯から価電子を
授受し正孔を作り,自らは負に帯電する不純
物及び欠陥。
4-2-24 不純物準位 半導体中の不純物の作るエネルギー準位。impurity level 521-02-36
4-2-25 ドナー準位 ドナーの作るエネルギー準位。 donor level 521-02-40
4-2-26 アクセプタ準位 アクセプタとして働く不純物のエネルギーacceptor level 521-02-41
準位。通常,バンドギャップ中の価電子帯上
端に近い位置にある。
4-2-27 浅い準位 shallow level
不純物準位のうち,伝導帯の下端又は価電子
帯の上端から 室温の kBT(kB: ボルツマン定
――――― [JIS C 5600 pdf 55] ―――――
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JIS C 5600:2006の引用国際規格 ISO 一覧
- IEC 60050(MOD)
JIS C 5600:2006の国際規格 ICS 分類一覧
- 33 : 電気通信工学.オーディオ及びビデオ工学 > 33.020 : 電気通信工学一般
- 01 : 総論.用語.標準化.ドキュメンテーション > 01.040 : 用語集 > 01.040.33 : 電気通信工学.オーディオ及びビデオ工学(用語集)