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C 60068-2-55 : 2014 (IEC 60068-2-55 : 2013)
ける(4.7参照)。柵は,供試体を支えるのに十分大きな寸法とする。さらに,試験機は,試験台の規定の
動作を可能とするものでなければならない(4.3参照)。
4.3 試験台の動き
試験台の垂直方向の動きは,供試体及び試験を実施するために必要な他の機器による負荷が掛かった場
合でも,線形とする。試験台を加振テーブルに接続している場合は,試験台に回転方向の動きがあっては
ならない。製品規格において,試験台の正弦波形又はランダム波形の振動を規定することができる。
バウンス運動をする供試体に起因する試験台のぶれは,無視できる程度とする。これは,堅い支持枠の
十分な強度及び剛性によって達成できる。
製品規格に規定がある場合には,試験台が円運動タイプ(A.3.1参照)又は非同期タイプ(A.3.2参照)
のような他の種類の動きをする機械式バウンス試験機を用いてもよい。
4.4 試験台の水平面の許容差
試験機は,試験台の水平面の許容差が,動作の最も下で次の値になるように設置する。
− 前後軸及び横軸方向 : ±0.5°(それぞれ,ピッチング角及びローリング角)
作動機構の遊びの許容差は,この値に含む。
4.5 制御
試験台は,加速度又は変位の制御を行う。試験台が偏心機構で機械的に駆動する場合は,実際の偏心及
び軸速度の制御を用いてもよい。供試体の応答を計測する必要はない。
試験台に対する供試体からの衝撃は,試験台の実際の動きに影響を及ぼすことがよくある。これらの衝
撃による高周波の振動が発生した場合,適切にフィルタリングをしないと信号のひずみ(歪)をもたらす
可能性がある。基準点がこの衝撃の影響を受け,規定する許容差を満たすことができない場合には,最終
的な結果を試験報告書に記載する。
4.6 取付方法
この試験では,試験中,供試体は決して試験台に結わえたり,その他の方法で固定してはならない。
4.7 供試体の水平面の動き
供試体間の最大水平間隙は,供試体の寸法に比べて小さくなければならないが,自由な上下方向の動き
を可能とするためには十分大きくなければならない。通常,これはそれぞれの側面を約10 mmの間隙とす
ることで達成できる。
適切な柵の配置を,A.2に規定し,図A.1に示す。
5 厳しさ
注記 試験の厳しさは,試験台の動き及び試験時間で決まる。
5.1 試験台の正弦波振動に対する厳しさ
正弦波振動を規定する場合には,製品規格にJIS C 60068-2-6を引用し,振動の振幅(加速度振幅及び/
又は変位振幅),振動数及び試験時間を規定することが望ましい。
試験時間は,次の厳しさから選択する。これらの厳しさは,代表的な試験時間を示したものである。
なお,この試験時間には後処理時間は含まない(箇条8参照)。
試験時間は,供試体及び試験の目的によって次の中から選択する。
− 180 min
− 90 min
− 60 min
――――― [JIS C 60068-2-55 pdf 6] ―――――
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C 60068-2-55 : 2014 (IEC 60068-2-55 : 2013)
− 15 min
− 5 min
試験時間は,それぞれの姿勢(箇条8参照)で,又は製品規格の要求によって均等に分割する。
次の値がしばしば適用される。
− JIS C 60068-2-6の正弦波振動に規定する試験台の動きは,振動数4.75 Hz±0.05 Hzにおいて,最大変
位振幅(片振幅)12.75 mm±0.5 mmとする。この値は,最大加速度約11 m/s2(1.1 gn)と等価である。
輸送用コンテナの強度試験の代表的な試験時間は,60 minである。
注記 ここで規定した試験の厳しさは,広く用いられている試験手順に対応している。しかし,大
変保守的だと考えられ,動作環境又は輸送環境に関連付けられていない。
5.2 試験台のランダム振動に対する厳しさ
製品規格にランダム振動を規定する場合には,JIS C 60068-2-64を引用し,振動の加速度スペクトル密
度(ASD)及び試験時間を規定することが望ましい。
試験時間は,規定された姿勢間で,又は製品規格の要求によって均等に分割する(箇条8参照)。
5.3 試験台の混合モード振動に対する厳しさ
製品規格に混合モードを規定する場合には,JIS C 60068-2-80を引用し,振動の混合モードスペクトル
及び試験時間を規定することが望ましい。
注記1 混合モードでは,包装した供試体に確率論的なバウンスが発生する。デジタル振動制御シス
テムは,低周波での長いループ時間を必要とし,試験開始前にしばらく時間がかかることが
ある。その間に平準化が完了する。
注記2 純粋なランダム振動又は純粋な正弦波振動で発生するバウンス動作は,固定していない包装
した供試体に要求する動作を再現するのに適していない。
5.4 機械式バウンス試験機を用いる場合の厳しさ
製品規格で機械式バウンス試験機(A.3参照)の使用を要求する場合,動作の種類及び試験時間を規定
する。
6 前処理
製品規格に前処理を規定する場合,その条件を規定する。
7 初期測定及び機能検査
製品規格に規定する供試体の目視,寸法,機能及びその他の検査を実施する。
8 試験
製品規格に規定する輸送ケース又は包装の“有り”又は“無し”の供試体を,試験台の中央に固定せず
に置く。
規定する厳しさによって振動試験を実施する(箇条5参照)。
試験台上で供試体が跳ねても届かない位置に,一つ以上の基準点を選択する。
必要な場合には,多点制御を用いてもよい。この場合は,試験報告書にそのことを記載する。
非常に大きく重い機器の試験には,多点制御を用いることが効果的である。
多点制御を用いる場合,基準点は,試験台上で供試体の両側に設置する。
監視点を追加する必要はない。
――――― [JIS C 60068-2-55 pdf 7] ―――――
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C 60068-2-55 : 2014 (IEC 60068-2-55 : 2013)
試験台の動作が正弦波振動の場合にはJIS C 60068-2-6の規定を,ランダム振動の場合にはJIS C
60068-2-64の規定を適用する。
試験台上の基準点は,それぞれの規格の要求事項を満たさなければならない。
注記1 振動試験規格JIS C 60068-2-6及びJIS C 60068-2-64には,複数の監視点について,共通した
追加の要求事項がある。それらは,この規格に規定するバウンス試験に適用していない。
試験時間を正常に完了できる場合,供試体の検査,又は過度の温度上昇を防ぐために試験を中断しても
よい。
注記2 厳しさ5 min以外の試験時間では,過度の温度上昇が,非常に弾力性のある構造又は部品を
含む供試体で生じることがある。このような場合,供試体内の過度の温度上昇を防ぐために,
製品規格に規定する一連の過程(例えば,5 minのバウンス,引き続き5 min以上の後処理時
間を繰り返す。)で試験を実施してもよい。
試験機の調整のために予備試験が必要な場合,この予備試験の時間は試験時間に含めてはならない。
供試体の縦横比(最長の辺と最短との辺の比率)が3 : 1以下で,かつ質量が50 kg以下の場合,供試体
はそれぞれの姿勢(例えば,円筒の二つの底面及び外側面,又は平行6面体の6面)でバウンスさせる。
質量が50 kg若しくは縦横比が3 : 1を超える供試体,又は円筒形若しくは平行6面体以外の形状の供試
体は,製品規格の規定によって試験を実施する。
供試体の輸送時に限定した面だけで設置する場合,製品規格には試験中の供試体の姿勢(A.5参照)及
び各姿勢に適用する試験時間を規定する。
製品規格に規定がある場合,任意の縦横比の供試体は,全体の高さが600 mm以下である場合,積み重
ねてもよい。この場合,一番上の供試体の動きを抑制するための特別の配置方法を,製品規格に規定する。
製品規格で規定された場合,試験台が円運動又は非同期運動用に設計した機械式バウンス試験機を用い
てもよい。この場合の試験手順を,A.3に規定する。
9 後処理
供試体の条件,例えば,供試体の温度を,初期測定のときと同じにするために,試験後と最終測定との
間に,一定の時間が必要な場合がある。製品規格には後処理の条件を規定する。
10 最終測定
製品規格に規定する供試体の目視,寸法,機能及びその他の検査を実施する。
製品規格には,供試体の合否判定基準を規定する。
11 製品規格に規定する事項
この試験を製品規格に規定する場合は,適用可能な限り,次の事項を規定する。
箇条
a) 合否判定基準(A.7参照) 2
b) 試験方法,試験台の動き(A.3参照) 4
c) 厳しさ(A.4参照) 5
d) 前処理 6
e) 初期測定(A.7参照) 7
――――― [JIS C 60068-2-55 pdf 8] ―――――
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C 60068-2-55 : 2014 (IEC 60068-2-55 : 2013)
f) 輸送用ケースの有無 8
g) 供試体の姿勢及び方向,各方向への試験時間の配分(A.5参照) 8
h) 積み重ねに対する要求事項(A.6参照) 8
i) 最終測定(A.7参照) 9
12 試験報告書に記載する事項
試験報告書には,少なくとも,次の事項を記載する。
a) 顧客 (名称及び所在地)
b) 試験所 (名称及び所在地)
c) 試験報告書の識別 (発行日及び識別番号)
d) 試験日
e) 試験の目的 (開発試験,受入れ試験)
f) 試験規格及び発行年 (関連試験手順)
g) 供試体の詳細 (識別番号,図番,写真,数量,供試体の初期状態につい
てのコメントなど)
h) 試験装置 (試験台及び柵の動き,並びに詳細)
i) 加振軸 (試験姿勢及び試験軸)
j) 測定系,センサの位置,フィルター (概要,図面,写真)
k) 測定系の不確かさ (校正データ,前回の校正日及び次回の校正時期)
l) 初期,中間又は最終測定
m) 要求する試験の厳しさ (試験仕様から)
n) 実施した試験の厳しさ (基準点の応答及び各姿勢の試験時間)
o) 試験結果 (供試体の状態に関するコメント)
p) 試験中の観察事項及び行った処置
q) 試験の要約
r) 試験管理者 (氏名及び署名)
s) 配布先 (報告書の受領者のリスト)
注記1 試験を文書に記録する場合,例えば,試験パラメータを併記した時系列の試験実施リスト,
試験中の観察事項及び実施処置並びに測定のデータシートは,試験について試験実施記録を
作成することが望ましい。
注記2 JIS Q 17025を参照。
――――― [JIS C 60068-2-55 pdf 9] ―――――
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C 60068-2-55 : 2014 (IEC 60068-2-55 : 2013)
附属書A
(規定)
指針
A.1 一般事項
陸上輸送においてルーズカーゴとして扱う供試体は,衝撃,荷台への跳ね返り,ぶつけ,及び横壁又は
他の貨物との衝突によって,厳しくかつ繰り返し衝撃を受ける。輸送車の荷台に供試体を固定していても,
その固定に,移動する自由度がある場合同様の衝撃を受ける。
衝撃の厳しさは,供試体を輸送車に置く位置,走行路面の形(例えば,くぼみのある道,非整備の道路),
輸送の累積時間,及び特に供試体の動的特性に依存する。弾性の高い供試体は,輸送車の荷台に跳ね返っ
たり,また,横壁又は他の貨物と衝突したりすることが容易に起こる。非弾性体の供試体は,荷台に密着
する傾向があり,通常は,弾性体の供試体のような厳しい衝撃を受けることはない。
バウンスは,衝撃試験と同様の機能を評価する試験(附属書B参照)であるが,供試体は,通常試験機
に固定しないため,試験は,供試体の実際の輸送時における緩い固定による衝突又は衝撃から受けるスト
レスの模擬に近い(A.7.2参照)。
特に共振振動数が低い供試体に対しては,共振応答が完全に減衰する前の再加振は,同じ供試体に対し
ても試験の結果が変化する可能性がある。
注記 試験担当者は,式(A.1)を用いて規定した試験条件を満たしているかを評価することができる。
この式は一般的ではなく,仕様書に引用しない方がよい。
fres min
R (A.1)
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ここに, R : 繰返し率(1秒当たりのバウンス回数)
fres min : 供試体の最低共振振動数
A.2 柵の配置(4.7参照)
供試体が試験台から転落するのを防止するため,試験機に柵を設置する。
柵と供試体との水平方向の間隙は,供試体のサイズによって調整しなければならない。A.3に間隙に関
する規定があるが,柵のサイズは,可能な限り小さくし,通常は供試体サイズの5 %以下が望ましい。た
だし,柵は,供試体が垂直方向に自由に運動できなければならない。一般の状況において,柵と供試体と
の間隙は,各サイドで約10 mmとする。
柵の垂直方向の高さは,供試体の転倒を防ぐために,供試体高さの60 %以上が望ましい。ただし,重心
位置が高い供試体のような特殊の場合に,より高い柵が必要になることがある。
A.3に規定する二つの試験方法のうちの一つの方法を使用することによって,輸送車両の柵面の衝突を
模擬するために柵を利用する。この場合,柵は高い強度及び剛性を必要とする。柵は,木材の壁,木材で
表面処理した鉄鋼又は角材で作るのが望ましい。代表的な柵の構成を図A.1に示す。
――――― [JIS C 60068-2-55 pdf 10] ―――――
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JIS C 60068-2-55:2014の引用国際規格 ISO 一覧
- IEC 60068-2-55:2013(IDT)
JIS C 60068-2-55:2014の国際規格 ICS 分類一覧
JIS C 60068-2-55:2014の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISC60068-2-6:2010
- 環境試験方法―電気・電子―第2-6部:正弦波振動試験方法(試験記号:Fc)
- JISC60068-2-64:2011
- 環境試験方法―電気・電子―第2-64部:広帯域ランダム振動試験方法及び指針(試験記号:Fh)
- JISC60068-2-80:2009
- 環境試験方法―電気・電子―第2-80部:混合モード振動試験方法(試験記号:Fi)
- JISZ0232:2020
- 包装貨物―振動試験方法