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C 61000-4-2 : 2012 (IEC 61000-4-2 : 2008)
ESD発生器の放電リターンケーブルは,放電している間,EUTから0.2 m以上離し,試験者が手で持っ
てはならない。
接触放電の場合,ESD発生器の放電スイッチを動作させる前に,放電電極の先端をEUTに接触させる。
導電材料の表面が塗装されている場合,次の手順で試験を行う。
製造業者によって,EUTが絶縁塗装されていると明示されていない場合は,とがった放電電極で塗膜を
貫通させ,導電材料に電極を接触させる。製造業者によって,絶縁塗装が明示されているときは,気中放
電だけを行う。そのような表面には,接触放電を実施しない。
気中放電試験の場合,放電スイッチは閉とする。ESD発生器の放電電極を,できるだけ速くEUTに接
近及び接触させる。このとき,機械的な損傷を与えないように注意する。放電終了後,ESD発生器(放電
電極)は,EUTから離す。新たな単一放電を行うために,ESD発生器の放電スイッチを再度,閉にする。
この手順は,必要な放電回数が完了するまで繰り返し行う。
8.3.3 EUTに対する間接印加
8.3.3.1 EUTの近傍の物体への放電
EUTの近傍に配置又は据え付けられた物体への放電は,接触放電モードでESD発生器を結合板に印加
することによって模擬する。
8.3.2に規定する試験手順に加え,8.3.3.2及び8.3.3.3も適用する。
8.3.3.2 HCP
HCPへの印加は,HCPの端面に対して水平方向から行う。(可能な場合)EUTの各ユニットの前面の中
央に対向する0.1 mの距離のHCPの端面に,(最も敏感な極性で)10回以上の単一放電を行う。放電の間,
放電電極は,HCPの前面の端面に対して直角にする(図4参照)。
ESD発生器の放電スイッチを動作させる前に,放電電極をHCPの端面に接触させる。
注記 製品規格では,この試験をEUTの全ての面に要求する場合がある。
8.3.3.3 VCP
VCPは,寸法0.5 m×0.5 mとし,EUTから0.1 mのところにEUTに平行に配置する。VCPの垂直な端
面の中央に対し,(最も敏感な極性で)10回以上の単一放電を行う(図4及び図5参照)。
EUT面が寸法0.5 m×0.5 mより大きい場合,EUT面を完全に照射するように,位置を変えて結合板に放
電する。EUTの各面に対して印加する。
9 試験結果の評価
試験結果は,EUTの機能損失又は性能低下の観点から,その装置の製造業者,又は試験の依頼者によっ
て定義された,又は製品の製造業者と購入者との間の協定によって合意された性能レベルと比較して分類
する。推奨する分類を,次に示す。
a) 製造業者若しくは試験の依頼者,又は購入者が指定する仕様限度内の正常な性能。
b) 妨害がなくなった後に消滅する一時的な機能損失又は性能低下。操作者が介在することなくEUTが正
常な性能に自己復帰する。
c) 操作者の介在が必要な,一時的な機能損失又は性能低下。
d) ハードウェア又はソフトウェアの破壊による修復不可能な機能損失若しくは性能低下,又はデータの
損失。
EUTへの影響のうち,重要ではないとみなす,許容できる影響を,製造業者の仕様書に指定してもよい。
この分類は,共通規格,製品規格及び製品群規格の原案作成委員会で性能基準を規定するときの指針と
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して,又は適切な共通規格,製品規格及び製品群規格が存在しない場合の製造業者と購入者との間で性能
基準に対する合意を行うための枠組みとして用いてもよい。
10 試験報告書
試験報告書は,試験を再現するために必要な全ての情報を含む。特に次の事項を記録する。
− 箇条8で要求する試験計画によって規定する項目。
− EUT及び関連装置の識別。例えば,商標,製品形式,製造番号。
− 試験装置の識別。例えば,商標,製品形式,製造番号。
− 試験を行った特別な環境条件。例えば,遮蔽きょう体。
− 試験を行うために必要な特別な条件。
− 製造業者と試験の依頼者又は購入者との間で指定する性能レベル。
− 共通規格,製品規格又は製品群規格で規定する性能基準。
− 静電気の印加中又は印加後に観測したEUTへの全ての影響,及びこれらの影響が持続した期間。
− 合否判定の根拠(共通規格,製品規格若しくは製品群規格で規定する性能基準,又は製造業者と購入
者との間で合意した性能基準に基づく。)。
− 装置の取扱いにおける特定の条件。例えば,適合するために必要なケーブルの長さ,形式,遮蔽若し
くは接地,又はEUTの動作条件。
− 気象条件。
− 試験セットアップ及びEUTの配置図及び/又は写真。
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附属書A
(参考)
ESD及びESD試験に関する注釈
A.1 一般的考察
ESDから装置を保護する問題は,製造業者及び使用者の双方にとってかなり重要になってきた。
マイクロエレクトロニクス素子が広く使用されることによって,装置及び/又はシステムの信頼性を向
上するために,問題点を明確にし,解決方法を見いだすことの必要性が高まってきている。
静電気の蓄積及びそれに続いて起こる放電の問題が,管理されていない環境,並びに装置及びシステム
の広範囲な応用に多くの関連をもつようになってきた。
人体から近接物体への放電が起こると,装置は電磁エネルギーを受ける。さらに,装置の近くの,例え
ば,椅子又は机のような金属物体間でも放電が起こる。この規格に規定した試験は,後者の現象の影響も
十分に模擬できるとみなされている。
操作者からの放電は,装置の単純な誤作動及び電子素子の破損につながる。それに影響する主なものは,
放電電流のパラメータ(立上り時間,継続時間など)である。
このような問題についての知識,及びESDによる装置への望ましくない影響を防ぐための手段をもつ必
要性から,この規格で規定する試験手順の開発が進められた。
A.2 帯電レベルに対する環境条件の影響度
静電気は,合成繊維と乾燥した空気との組合せで,特に起こりやすい。帯電する過程は,多くの形態が
ある。一般的な例としては,操作者がカーペットの上を歩くとき,一歩ごとに電子が人体からカーペット
に失われ,又は加えられる。また,操作者の衣服と椅子との間の摩擦によっても電荷の交換が起こり得る。
操作者の身体は,直接又は静電誘導によって帯電する。後者の場合は,操作者を適切に接地していない限
り,導電性カーペットでは保護されない。
図A.1のグラフは,種々の繊維が相対湿度の違いによって帯電する電圧値を示す。合成繊維の種類と環
境の相対湿度とによって,装置は数kVもの電圧の放電に直接さらされることがある。
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図A.1−A.2で記載する材料に操作者が接触するときに帯電する静電気電圧の最大値
A.3 放電電流と環境条件との関係
従来,通常の使用環境で発生する静電気電圧を測定し,その値によってイミュニティ要求事項を規定す
る量として適用してきた。しかし,エネルギーの移動は,放電前の静電気の電圧ばかりでなく,放電電流
の関数であることが明らかになってきた。さらに,より高電圧では,放電電流は,放電前の電圧にほとん
ど比例しないということも分かってきた。
放電前の電圧と放電電流とが比例しないことに対する妥当な理由は,次のとおりである。
− 帯電電圧が高くなるに従い,通常アーク放電路が長くなる。これによって立上り時間が遅くなり,ス
ペクトラムの高周波の成分が少なくなる。
− 通常の電荷発生現象では,電荷量は一定であるとみなせるので,高い帯電電圧は,小さい静電容量に
おいて発生しやすい。その逆に,大きな静電容量に高い電圧を帯電させるには,何回もの電荷発生を
必要とする。しかし,これは通常起こりにくい。すなわち,通常の使用環境では,帯電エネルギーは
高い帯電圧で一定になりやすいことを意味する。
上記の結果によって,通常の使用環境でのイミュニティ要求事項は,放電電流の大きさという項目で規
定することが必要である。
この考え方の認識によって,試験機器の設計は容易となる。試験機器の帯電電圧と放電インピーダンス
との釣合いを考慮して選択することによって,必要とする放電電流値が達成できる。
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A.4 試験レベルの選択
試験レベルは,最も現実に則した設置及び環境条件に基づいて選択することが望ましい(表A.1参照)。
表A.1−試験レベルの選択指針
クラス 最低相対湿度 帯電防止材料 合成繊維材料 最大電圧
% kV
1 35 × − 2
2 10 × − 4
3 50 − × 8
4 10 − × 15
推奨する設置及び環境のクラスは,箇条5で規定する試験レベルに関連する。
幾つかの材料に対して,例えば,木材,コンクリート及びセラミックスの場合,推定するレベルは,レ
ベル2以下である。
特定の環境に対して適切な試験レベルの選択を考えるときは,ESD効果の重要なパラメータを理解する
ことが重要である。
最重要パラメータは,放電電流の変化率と想定され,これは,帯電電圧,ピーク放電電流及び立上り時
間の様々な組合せによって得られる場合がある。
例えば,15 kVの合成繊維の環境に対して要求するESD放電ストレスは,この規格に規定するESD発生
器の接触放電を用いた8 kV・30 Aのクラス4試験によって十分に包含できる。
しかし,非常に乾燥した環境での合成繊維では,15 kVよりも高い電圧が発生する。
絶縁表面をもつ装置を試験する場合,15 kVまでの電圧の気中放電試験を適用してもよい。
A.5 試験ポイントの選定
試験ポイントの例として,次のような箇所に印加することが望ましい。
− グラウンドから電気的に絶縁しているキャビネットの金属部分。
− 操作部又はキーボード部,並びにスイッチ,ノブ,ボタン,表示器,LED,スロット,グリル,コネ
クタカバー及びその他の操作者が触れることのできるマンマシンインターフェース部の全ての箇所。
A.6 接触放電試験のための技術的根拠
一般に,気中放電法の再現性は,例えば,放電電極の接近速度,湿度及びESD発生器の構造によって影
響を受けるため,パルスの立上り時間及び放電電流の大きさにばらつきをもたらす。
気中放電試験では,放電電極は,EUTの面でスパークギャップを形成し,蓄積コンデンサの電荷を放電
電極を通してEUTに放電することでESD現象を模擬する。
スパークは,非常に複雑な物理現象である。移動するスパークギャップの場合,放電電流の立上り時間
(立上り勾配)は,接近速度の変化に伴い1 ns未満から20 nsを超える範囲まで変化する。
接近速度を一定にしても,立上り時間は一定にならない。電圧及び速度の組合せによって,立上り時間
は,30倍まで変化する。
注記 高電圧の気中放電は,多重放電が発生することがある。
繰返し可能な高速立上り放電電流を得るための放電スイッチとして,リレーが一般に知られている。リ
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JIS C 61000-4-2:2012の引用国際規格 ISO 一覧
- IEC 61000-4-2:2008(IDT)
JIS C 61000-4-2:2012の国際規格 ICS 分類一覧
- 33 : 電気通信工学.オーディオ及びビデオ工学 > 33.100 : 電磁両立性(EMC) > 33.100.20 : イミュニティ
JIS C 61000-4-2:2012の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISC60050-161:1997
- EMCに関するIEV用語