JIS C 61000-4-2:2012 電磁両立性―第4-2部:試験及び測定技術―静電気放電イミュニティ試験 | ページ 6

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C 61000-4-2 : 2012 (IEC 61000-4-2 : 2008)
レーは,十分な耐電圧をもち,(立上り部分での二重放電を避けるため)単一接点であることが望ましい。
より高い電圧については,真空リレーが有効である。リレーを放電スイッチとして用いることは,放電波
形の立上り部分の再現性があるばかりでなく,実際のEUTによる試験結果も,より再現性をもつことが経
験的に分かっている。
このため,リレー駆動のESD発生器は,(振幅及び立上り時間を)規定した電流パルスを発生する装置
である。
この電流は,A.3に記載した実際のESD電圧と関連する。
A.7 ESD発生器の定数の選択
ESD発生器の定数として,人体の静電容量に相当する蓄積静電容量を使用する。この目的に適合した値
として,150 pFを標準値とした(図1参照)。
330 Ωの抵抗は,鍵,道具などの金属部を持った人体の抵抗を代表するものとして選択した。この金属
から放電する条件は,実際の人体放電を代表することに対して十分厳しいといえる。
A.8 ESD発生器仕様の理論的根拠
実際のEUTにESD試験を行う場合,試験結果の再現性が異なる原因として多くの理由が挙げられる。
試験セットアップ,校正法などをこの規格で考慮及び提案している。
ESD発生器の仕様の変更も考慮したが,この規格には盛り込まなかった。その決定の理論的根拠の概要
は次のとおりである。
ESD発生器仕様に関して,再現性に関する問題の原因として次の二つの潜在的な技術的要素が挙げられ
る。
− ESD発生器放電電流波形のうち,最初のピーク後の電流波形,すなわち2 ns60 ns間の電流波形
− EUTにESDを印加した場合の発生器からの電界放射。
一つ目の要素については,図2の理想電流波形に対して2 ns60 ns間で±35 %の許容差を設定し,かつ,
立下り波形については,最初のピーク電流値の60 %の電流時におけるパルス幅を(2.5±1)nsとする仕様
を検討した。
実際のEUTを用いて,5社のESD発生器製造業者のJIS C 61000-4-2:1999の仕様に適合するESD発生
器及び上記の改造仕様を検討した2種類のESD発生器を用意して,合わせて10台のESD発生器によって
ラウンドロビンテストを実施した。
ESD発生器のラウンドロビンテストの結果概要は,次のとおりであった。
− それぞれのESD発生器間で,EUTに影響したと考えられる試験レベルに差があった。
− 放電波形の仕様変更によって,時間領域及び周波数領域の両方で,放電電流波形のばらつきが改善さ
れた。
− しかしながら,実際のEUTでの試験結果の再現性では,仕様変更した電流波形は顕著な改善という結
果には至らなかった。
二つ目の要素も検討したが,このことが再現性問題のパラメータである保証がないため,追加のラウン
ドロビンテストを行う必要がある。EUTへの電界放射の影響を定量化し,試験結果の再現性に影響する関
連した要因を理解するためには,かなりの技術的研究が必要となる。
ここに記載の検討事項は,試験の再現性を改善するとみなせる。この規格の将来の改正のために,再現
性において,電界放射の影響の推定には,更なる調査が必要であると言える。

――――― [JIS C 61000-4-2 pdf 26] ―――――

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C 61000-4-2 : 2012 (IEC 61000-4-2 : 2008)
附属書B
(規定)
電流測定システムの校正及び放電電流測定
B.1 同軸電流ターゲットの仕様−入力インピーダンス
ESD発生器の放電電流の測定には,同軸電流ターゲット(以下,ターゲットという。)(附属書C参照)
を用いる。ターゲットの内部電極とグラウンドとの間を測定した入力インピーダンスは,直流において2.1
Ωを超えてはならない。
注記1 ターゲットは,完全グラウンドプレーン(インピーダンスが0 Ω)に流れるESD電流を測定
することを仮定している。完全グラウンドプレーンのインピーダンスとターゲットの入力イ
ンピーダンスとの差によって起こる誤差を最小限にするために,入力インピーダンスは,2.1
Ωの上限値を設けた。しかし,ターゲットの入力インピーダンスが極めて低い場合,出力信
号が非常に小さくなり,ケーブル及びオシロスコープに結合するノイズによって誤差が大き
くなることがある。さらに,非常に低い抵抗値の場合,寄生インダクタンスが無視できなく
なる。
注記2 直流又は低周波においては,入力インピーダンス及び伝達インピーダンスZsys(B.3参照)は,
高い精度で測定できる。
B.2 ターゲットの仕様−挿入損失
B.2.1 測定チェーン(連鎖)
ターゲットの挿入損失の仕様を規定する代わりに,ターゲット・減衰器(アッテネータ)・ケーブルから
成る測定チェーンの挿入損失の仕様を規定する。減衰器の減衰比は,20 dB以上とする。各々の要素を個
別に扱う代わりに,測定チェーン及びオシロスコープだけで必要な特性付けを行うことによって,測定シ
ステムの特性を簡略化できる。
ターゲット・減衰器・ケーブルから成る測定チェーンの挿入損失は,次の値を超えてはならない。
1 GHz以下の場合,±0.5 dB,
1 GHzを超え4 GHz以下の場合,±1.2 dB
挿入損失の公称値S21は,次の式で表す。
2Zsys
S21 20 log
Rin 50
ここに, S21 : 挿入損失の公称値(dB)
Rin : 50 Ω負荷時のターゲット・減衰器・ケーブルから成る測
定チェーンの直流入力インピーダンス(Ω)
Zsys : 入力インピーダンス及び伝達インピーダンス(Ω)
注記1 直流入力インピーダンスの校正,及びより複雑な挿入損失測定の校正は,異なる頻度で実施
することができる。仮に,同じケーブル及び減衰器を使用し,かつ,他のいかなる兆候(例
えば,コネクタの緩み又は破損)を示さない限り,直流入力インピーダンス測定を繰り返し
た結果の値と最初の測定値との差が1 %未満の場合,操作者はターゲット・減衰器・ケーブ
ルから成る測定チェーンの挿入損失が変化していないとみなしてもよい。

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注記2 ターゲット・減衰器・ケーブルから成る測定チェーンは,常に一つの構成要素とみなすこと
ができる。一つの部品を交換するか,又は一度解体して組み立て直したときには,直ちに,
仕様を満足していることを確認するため,測定チェーン全体で再校正が必要となる。
B.2.2 ターゲットアダプタ
50 軸ケーブルをターゲットの入力面に接続するために,ターゲットアダプタを用いる(図B.1参照)。
ターゲットアダプタは,同軸コネクタの直径からターゲットの直径へと,幾何学的になだらかに広がって
いる。“d”と“D”(図B.2参照)との直径比から計算するインピーダンスが50 地死 地估 ー
ゲットが作られている場合,ターゲットアダプタの内部導体の外径とターゲットの内部電極の直径とが等
しくなるように,ターゲットアダプタを作らなければならない。インピーダンスは,円すい形の接続線内
部を満たす材料(代表的には空気)の誘電率を用いて計算する。ターゲットアダプタのインピーダンスは,
4 GHz以下の周波数帯域で(50±1) 地 持するようにする。向かい合わせて置く二つのターゲットアダ
プタの反射減衰量は,1 GHz以下で30 dB以下,1 GHzを超え4 GHz以下の範囲で20 dB以下であり,か
つ,挿入損失は4 GHz以下で0.3 dBとする。
注記 円すい形でなくてもよい。
図B.1−ターゲットアダプタをターゲットに取り付けた例
d : 内部電極の外径
D : グラウンド構造物の内径
図B.2−ターゲットの前面形状の例

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C 61000-4-2 : 2012 (IEC 61000-4-2 : 2008)
B.2.3 ターゲット・減衰器・ケーブルから成る測定チェーンの挿入損失の測定
測定チェーンの挿入損失は,ベクトルネットワークアナライザ(VNA)で測定する。十分な精度で挿入
損失の大きさを測定できる場合,他の測定システムを使用してもよい。
挿入損失の測定手順は,次による。
− 図B.3のように,校正点でVNAを校正する(VNAの入力と減衰器−ターゲットアダプタとの間)。
注記1 VNAを使用しない場合,測定手順を適宜変更する必要がある。
注記2 VNAでは直流が測定できないので,VNAで測定できる最小周波数で行うことが望ましい。
直流特性は,別の測定となる。
注記3 ターゲット又はターゲットアダプタを外し,中心電極の接触部分を回転(例えば,45°ずつ
回転)して取り付け,測定を繰り返して行うことによって,二つのターゲットアダプタの中
心部分,又はターゲットアダプタとターゲットとの中心部分の接触の安定性を確認すること
が望ましい。
− 図B.3のように,ターゲットアダプタをターゲット・減衰器・ケーブルから成る測定チェーンに接続
する。
− 挿入損失を測定する。
挿入損失の測定値は,B.2に適合しなければならない。
図B.3−ターゲット・減衰器・ケーブルから成る測定チェーンの挿入損失の測定例
B.3 ターゲット・減衰器・ケーブルの低周波伝達インピーダンスの決定
一般に,ESDの測定では,ESD電流をターゲットに注入した場合,オシロスコープは,電圧波形を表示
する。一方,ターゲット・減衰器・ケーブルから成る測定チェーンの低周波伝達インピーダンスは,ター
ゲットに注入する電流とケーブルの出力部の高精度50 荷にかかる電圧V50との比で定義する(すなわ
ち,50 荷は,オシロスコープの代わりにケーブル端に接続している。)。表示した電圧値V50から未知
の電流値を計算するために,その電圧値を低周波システム伝達インピーダンスZsysで除す(図B.4参照)。

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注記 ターゲットの内部回路は,一例である。その他の内部回路でもよい。
図B.4−低周波システム伝達インピーダンスを決定する回路図
ターゲット・減衰器・ケーブルから成る測定チェーンの低周波システム伝達インピーダンスは,次によ
って決定できる。
− 約1 Aの電流Isysをターゲットの前面に注入する。ESD発生器の放電電極先端が接触する側を,前面
とする。
− 発生器校正の要となる値であるZsys
− 最大許容差±1 %の50 荷に発生した測定電圧値V50
− 伝達インピーダンスの計算式
V50
Zsys
Isys
注記 熱起電力による電圧が結果に影響していないことを立証するために,正及び負の電流を測定す
るとよい。二つの結果は,0.5 %未満となることが望ましい。
ターゲット・減衰器・ケーブルから成る測定チェーン全体の低周波システム伝達インピーダンスを決定
するために,他の方法を用いてもよい。
B.4 ESD発生器の校正
B.4.1 校正結果
ESD試験において,校正結果は,極めて重要となる。様々な製造業者のESD発生器を使用して試験す
る場合,又は試験が長期間にわたる場合は,特に重要となる。評価においては,再現性が重要となる。ESD
発生器は,認定された品質保証システムにおいて規定した期間で校正する。
注記 この附属書の手順は,校正を目的としている。試験前のESD発生器立証のための各種の手順を
6.3に示す。
ESD発生器の校正は,8.1.2で規定する気象条件で行う。
B.4.2 ESD発生器校正に用いる装置
ESD発生器を校正するために必要な装置は,次による。
− 十分な帯域幅(2 GHz以上のアナログ帯域幅)があるオシロスコープ。
− ターゲット・減衰器・ケーブルから成る測定チェーン。
− 15 kV以上の電圧を測定できる高電圧計。電圧計の負荷を避けるために,静電電圧計を使用してもよ

――――― [JIS C 61000-4-2 pdf 30] ―――――

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JIS C 61000-4-2:2012の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 61000-4-2:2008(IDT)

JIS C 61000-4-2:2012の国際規格 ICS 分類一覧

JIS C 61000-4-2:2012の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISC60050-161:1997
EMCに関するIEV用語