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C 61000-4-5 : 2018 (IEC 61000-4-5 : 2014)
F.4.3 サージ開回路電圧のピーク電圧
測定量Vpは,サージ開回路電圧のピーク電圧読み値を基にして,次の式を用いて計算する。
VPR 1 R V
Vp 2
1
B
ここに, VPR : ピーク電圧の読み値
A : 電圧プローブの直流減衰量
δR : 非再現性の補正値
δV : 直流電圧に対するオシロスコープの垂直軸の精度
B : 測定システムの−3 dB周波数帯域幅
β : 帯域に関する係数。(12.7±1.4)kHzとする。
表F.2−サージ開回路電圧ピーク値(VP)の不確かさのバジェットの例
記号 推定値 単位 誤り限界 単位 PDF a) 除数 u(xi) ci 単位 ui(y) 単位
VPR 3.84 V 0.007 5 V 三角 2.45 0.003 1 100 1 1 3.06 V
A 1 000 1 50 1 一様 1.73 28.9 3.84 V 111 V
(方形)
δR 0 1 0.03 1 正規(k=1)
1.00 0.03 3.84・103 V 115 V
δV 0 1 0.02 1 一様 1.73 0.012 3.84・103 V 44.4 V
(方形)
β 12.7 kHz 1.4 kHz 一様 1.73 0.81 0.38 V/kHz 0.32 V
(方形)
B 500 kHz 50 kHz 一様 1.73 28.9 −0.009 6 V/kHz 0.29 V
(方形)
注a) 確率密度関数 uc(y)=√Σui(y)2 0.166 kV
U(y)=2 uc(y) 0.33 kV
VPRは,ピーク電圧の読み値である。誤り限界は,8ビット垂直分解能のオシロスコープの補間機能(不
確かさの確率密度関数を三角分布)と仮定して算出する。
Aは,電圧プローブの直流減衰量である。ここでは,直流減衰量を1 000とし,かつ,誤り限界を5 %
(不確かさの確率密度関数は一様分布)と仮定して算出している。
注記1 誤り限界は,例えば,8ビットの分解能に依存する測定読み値の差の範囲である。
δRは,測定セットアップ,配置及び測定装置の非再現性を定量化している。ここでは,ピーク電圧の繰
返し測定値から求めた標準偏差によるタイプAとし,推定値0 %及び誤り限界3 %[1標準偏差(1σ)]と
仮定している。
δVは,オシロスコープの直流電圧測定の誤りを定量化している。ここでは,推定値0及び誤り限界2 %
(確率密度関数は,一様分布)と仮定している。
βは,測定システムのピーク近傍のインパルス応答及び標準インパルス波形の応答の両方の波形形状に
依存する係数である(F.4.7参照)。(12.7±1.4)kHzは,それぞれ異なったインパルス応答形状をもつ,様々
なクラスのシステムを代表している。
Bは,F.4.2を参照する。推定値及び誤り限界に対して同じ意味及び同じ値をもつ。
注記2 短絡電流のバジェットは,同様にして得ることができる。この場合,Bは,電圧プローブの
代わりに電流プローブの帯域幅を含める。さらに,パラメータβを,表F.5に従って修正す
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る。
F.4.4 サージ開回路電圧波形の持続時間
測定量は,サージ開回路電圧波形の持続時間であり,次の式を用いて計算する。
2
Tw T50%,FT50%,R R 1
B
ここに, T50%,R : サージ波形の立ち上がり部分でのピーク電圧の50 %に
なる時間軸の読み値
T50%,F : サージ波形の立ち下がり部分でのピーク電圧の50 %に
なる時間軸の読み値
δR : 非再現性の補正値
B : 測定システムの−3 dB周波数帯域幅
β : 帯域に関する係数。(12.7±1.4)kHzとする。
表F.3−サージ開回路電圧波形の持続時間(Td)に対する不確かさのバジェットの例
記号 推定値 単位 誤り限界 単位 PDF a) 除数 u(xi) ci 単位 ui(y) 単位
T50%,R 0.5 μs 0.005 0 μs 三角 2.45 0.002 0 −1.00 μs 0.002 μs
T50%,F 51.2 μs 0.005 0 μs 三角 2.45 0.002 0 1.00 μs 0.002 μs
δR 0 μs 0.15 μs 正規(k=1)
1.00 0.15 1.00 μs 0.15 μs
β 12.7 kHz 1.4 kHz 一様 1.73 0.81 −0.005 2 μs/kHz 0.004 2μs
(方形)
B 500 kHz 50 kHz 一様 1.73 28.9 0.000 13 μs/kHz 0.003 8μs
(方形)
注a) 確率密度関数 uc(y)=√Σui(y)2 0.15 μs
U(y)=2 uc(y) 0.3 μs
T50%,R及びT50%,Fは,サージ開回路電圧波形の立ち上がり又は立ち下がりにおいて,ピーク電圧の50 %
になったときの時間軸の読み値である。誤り限界(F.4.2と同様)は,毎秒100メガサンプリング周波数の
オシロスコープのトレース補間機能を用いたと想定して得られた値である(確率密度関数は,三角分布)。
これ以外の場合には,一様の確率密度関数と仮定することが望ましい。ここでは,サンプリング周波数に
よるMUの寄与成分だけを考慮する。追加の寄与成分に関しては,F.4.5を参照する。読み値は,T50%,R=
0.5 s及びT50%,F=51.2 sと仮定する。
δRは,測定装置,測定セットアップの配置及びCWGの違いによるT50%,FT50%,Rの時間測定の非再現性
を定量化した数値であり,実験によって決定する。δRは,多くの測定サンプルの標準偏差によるタイプA
であり,この誤り限界150 ns[確率密度関数の1標準偏差(1σ)]及び推定値0 nsと仮定する。
βは,F.4.3を参照する。推定値及び誤り限界に対して同じ意味及び同じ値をもつ。
Bは,F.4.2を参照する。推定値及び誤り限界に対して同じ意味及び同じ値をもつ。
注記 短絡電流波形の持続時間Tdのバジェットも同様に取り扱うことができる。この場合,Bは,電
圧プローブの代わりに電流プローブの帯域幅に置き換える。さらに,パラメータβを表F.5に
従って修正する。機能関数は,次の式による。
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Td .118 T50%,FT50%,R R 1
B
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F.4.5 時間測定及び振幅測定のMUの寄与
時間測定及び振幅測定のMUの寄与を,次に示す。
− 時間軸エラー及びジッタ オシロスコープの仕様は,一様分布での誤り限界としてもよい。通常,こ
れらの寄与は無視できる。
− 垂直分解能 垂直分解能のMUに対する寄与は,垂直振幅分解能ΔA及び波形の傾きdA/dtに依存する。
不確かさは,分解能幅の1/2の値を元に算出し,(ΔA/2)/(dA/dt) で表す。補間が行われる場合(オシロ
スコープの説明書を参照する。),確率密度関数は,三角分布を用い,補間をしない場合は,確率密度
関数は,一様分布を用いる。Tiは,オシロスコープのサンプリング時間で,|dA/dt| < (ΔA/Ti) である場
合,この寄与は無視できない。
− DCオフセット ピークをオシロスコープの公称DCゼロラインから測定する場合,オシロスコープ
のDCオフセットは,電圧ピーク測定の不確かさに寄与する。オシロスコープの読取りソフトウェア
がサージ基線からピークを測定する場合,この寄与は無視できる。
F.4.6 測定システムの帯域幅制限による立ち上がり時間のひずみ
立ち上がり時間のひずみは,立ち上がり時間の通常の組合せ原則によって評価する。これは,二つの相
互作用のないシステムが従属になっており,かつ,そのステップ応答が単調に増大する場合に有効である
[式(F.2)参照]。
Trd Tr2 2
TMS (F.2)
ここに, Trd : 測定システムの出力における信号の立ち上がり時間(ひ
ずんだ立ち上がり時間)
Tr : 測定システムの入力における信号の立ち上がり時間
TMS : 測定システムのステップ応答の立ち上がり時間
式(F.2)の算出において,式(F.3)に示す測定システムのステップ応答の立ち上がり時間(TMS)の定義を用
いる(参考文献のW.C.Elmore参照)。
2
TMS 2 t TS h0 t dt (F.3)
0
ここに,h0(t) は,正規化した面積,例えば,h0 t dt 1 をもつ測定システムのインパルス応答であり,
0
TSは式(F.4)から得られる遅延時間である。
TS (F.4)
th0 t dt
0
数学的観点から,式(F.3)は,10 %及び90 %のしきい値レベルに基づく通常の式よりも取り扱いやすい。
いずれにせよ,技術的適用においては,10 %90 %の立ち上がり時間は,通常,式(F.2)によって組み合わ
せる。測定システムの帯域幅を与えると,式(F.3)による定義又はしきい値レベルに基づく定義によって,
比較可能な立ち上がり時間を導くことができる。ここで,αを式(F.5)のように定義する。
TMS B (F.5)
二つの立ち上がり時間の定義から導びかれるαの値は,余り異ならない。サージ応答h(t) の様々な形状
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に対応するαの値を,表F.4に示す。表F.4から明らかなように,αの固有値を特定することはできない。
これは,αが採用された立ち上がり時間の定義[例えば,しきい値又は式(F.3)に基づくもの]及び測定シ
ステムのインパルス応答の形状の両方に依存しているからである。αの妥当な推定値を,表F.4に示す最
小値(321×10−3)と最大値(399×10−3)との間の算術平均値として得ることができる。すなわち,(360
×10−3)となる。さらに,測定システムについて,その帯域幅以外の情報を得ることができない場合,(321
×10−3)と(399×10−3)との間の全てのαの値が等しい可能性をもつと仮定できる。したがって,αは,
上方限界及び下方限界がそれぞれ(321×10−3)及び(399×10−3)である一様分布の確率密度関数をもつ
確率変数とみなす。αの標準不確かさは,次の両方を定量化する。
a) 立ち上がり時間の定義のために採用した数学的モデルとの均等性。
b) システムのサージ応答の形状との均等性。
表F.4−式(F.5)の測定システムの帯域幅Bに対応する異なる単一方向のサージ応答
α ガウス 一次 二次 一様 三角
(限界減衰)
α : 式(F.3) 332×10−3 399×10−3 363×10−3 321×10−3 326×10−3
α : 10 %90 % 339×10−3 350×10−3 344×10−3 354×10−3 353×10−3
F.4.7 測定システムの帯域幅制限によるサージピーク及びパルス幅ひずみ
測定システムの出力におけるひずんだサージ波形Vout(t) は,式(F.6)に示す畳込み積分によって求める。
t
Vout t Vin tht d (F.6)
0
ここに,Vin(t) は入力サージ波形,及びh(t) は測定システムのサージ応答である。また,A・h(t)=h0(t) で
あることに注意する。ここで,Aは測定システムのDC減衰である。入力波形は,入力がそのピーク電圧
VPに達したときの時間tPに関するテイラー級数展開によって入力波形を近似させることができる[式(F.7)
参照]。
Vin tp 2 Vin tp 3
Vin t Vp t tp t tp (F.7)
2 6
ここで,Vin'(tP)=0であるため,式(F.7)から一次項は,除かれている。へこみは下方(最大値)を指すた
め,Vin''(tP)<0となる。また,対象が標準波形であるため,立ち上がり時間は,立ち下がり時間よりも小
さいため,Vin'''(tP)>0となる。したがって,測定システムの帯域幅が入力信号の帯域幅に対して大きい場
合,式(F.6)に式(F.7)を代入し,(階級が2よりも大きいべき級数は,無視することができる。)更に単純化
することによって,式(F.8)を得ることができる。
2
Vp
Vpd 1 (F.8)
A B
ここに,Vpdは出力サージピーク,及びAは測定システムのDC減衰であり,式(F.9)に展開できる。
Vin tp
(F.9)
4Vp
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パラメータβは,標準入力波形の二次導関数及びF.4.6で定義し導き出したパラメータαに依存する。
標準サージ波形に対する数学的表現は,この附属書に示しているため,βの値は,数値的に計算すること
ができ,その値を表F.5に示す。
入力サージ幅Twのひずみの推定値は,出力サージの面積がDC減衰Aで除した入力サージの面積である
ことから,式(F.10)によって容易に求めることができる。
VpTw AVpdTwd (F.10)
ここに,Twdは出力サージ幅であり,式(F.11)で求めることができる。
Vp 1
Twd Tw 2
Tw (F.11)
AVpd
1
B
表F.5−式(F.9)に対応する標準サージ波形の係数β
単位 kHz
係数 1.2/50 s 8/20 s 10/700 s 5/320 s
β 12.7±1.4 14.8±1.6 1.05±0.11 2.00±0.22
F.5 サージ発生器の適合性基準における不確かさの適用
一般的に発生器の校正結果は,この規格に規定する範囲内であることが望ましい。この規格に規定する
許容差の範囲は,MUによって影響されることはない(IEC/TR 61000-1-6:2012の箇条6を参照)。
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JIS C 61000-4-5:2018の引用国際規格 ISO 一覧
- IEC 61000-4-5:2014(IDT)
JIS C 61000-4-5:2018の国際規格 ICS 分類一覧
- 33 : 電気通信工学.オーディオ及びビデオ工学 > 33.100 : 電磁両立性(EMC) > 33.100.20 : イミュニティ
JIS C 61000-4-5:2018の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISC60050-161:1997
- EMCに関するIEV用語