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C 61000-4-5 : 2018 (IEC 61000-4-5 : 2014)
附属書G
(参考)
サージ測定システムの校正方法
G.1 一般
サージ発生器の校正では,サージ波形の測定に用いる測定システムによって生じるひずみも含めて評価
する必要がある。すなわち,測定結果で得られた波形には,適用するサージ及び用いる測定システムの特
性の作用で生じたひずみが含まれている。
標準化されたサージに対する測定システムの応答は,畳込み積分から推定することができる(IEEE Std
4-1995及びIEC 60060-2参照)。
そのためには測定システムの実験に基づくステップ応答の値が必要となるが,これを数値計算すること
によって,理論的なサージ波形に重畳する測定システムのひずみを求めることができる。
これによって,測定システム応答のサージのパラメータ(すなわち,立ち上がり時間,ピーク値及び持
続時間)に対する一つの影響を推定できる。
検出した系統的な誤差は,校正結果の補正に用いることができ,校正の精度の向上を可能にする。
G.2 畳込み積分を用いる測定システム応答の評価
理論的には,校正に用いる測定システム(電圧変換器又は電流変換器並びにオシロスコープ)の伝達作
用は,ディラック理想サージをシステムの入力に印加することによって決定できる。
伝達作用の有効性は,測定システムで生じる一つのひずみを推定することができる。
Vin(t) を測定システムの入力に印加するサージとする。出力Vout(t) のサージは,畳込み積分を用いて計
算できる[式(G.1)参照]。
t
Vout t Vin h0 t d (G.1)
0
ここに,h0(t) は測定システムの正規化したサージ応答であり,すなわち,次の式による。
h0 t dt1
0
ステップ応答は測定システムのサージ応答から測定することが実際的であり,実験に基づいた正規化ス
テップ応答g(t) をh0(t) の代わりに用いる。したがって,式(G.1)は,式(G.2)のように修正できる。
t
d
Vout t Vin gt d (G.2)
dt 0
ここに,g(t) を次のように定義する。
t
gt h0 d
0
g(t) の決定のために,測定システムは電圧又は電流のステップ波形を入力し,その出力応答を測定する。
――――― [JIS C 61000-4-5 pdf 61] ―――――
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C 61000-4-5 : 2018 (IEC 61000-4-5 : 2014)
理想的な信号源(立ち上がり時間が0)は実際にはなく,それが測定システムのVout(t) に影響し理想的
な特性とはならない。適用するステップ波形の立ち上がり時間は,サージのフロントタイム(表2参照)
の1/10よりも小さいことが望ましい。
さらに,電圧変換器及び電流変換器の減衰を考慮しても十分なダイナミックレンジを得るため,ステッ
プ信号の振幅は,オシロスコープの入力において必要十分であることが望ましい。
1.2/50 s及び10/700 sのコンビネーション波形発生器のサージの標準波形の数理モデルを,附属書E
に示す。このような標準波形を,入力Vin(t) として用いることができる。
このように,入力に対応するひずみをもつ出力Vout(t) は,式(G.2)によって計算できる。Vin(t) とVout(t) と
の間の比較によって,標準波形のパラメータ(立ち上がり時間,ピーク値及び持続時間)で測定システム
によって生じる系統的誤差は,容易に検出することができる。
校正は,電圧変換器及び電流変換器並びにオシロスコープの影響を受ける。
電圧変換器,電流変換器及びオシロスコープは,いずれも,開回路電圧及び短絡電流波形を取り扱うの
に十分な帯域幅,電圧容量及び電流容量をもっていなければならない。オシロスコープは,10 MHz以上
の帯域幅及び毎秒100メガサンプルのサンプリングレートを必要とする。
G.3 開回路電圧(1.2/50 s及び10/700 s)のためのサージ測定システムの校正
電圧ステップ信号を電圧変換器に入力し,デジタルストレージオシロスコープを用いてステップ応答を
記録する。
電圧ステップを発生する発生器は,G.2の事項を満たすことが望ましい。
定常レベルの範囲で評価できるように,記録されたステップ応答を正規化する。
標準化した開回路電圧に対する測定システム(オシロスコープ及び電圧変換器)の応答Uout(t) は,式(G.3)
で計算できる。
t
d
Uout t Uin gu t d (G.3)
dt 0
ここに, gu(t) : 電圧測定システムの評価に基づく正規化したステップ
応答
Uin(t) : 標準化した開回路電圧波形
測定システムのもつ系統誤差は,Uin(t) をUout(t) と比較することによって評価できる。サージの校正結
果は,その系統誤差によって補正する。
開回路電圧波形を校正するために,電圧変換器の倍率は,直流で評価する。
測定不確かさを減らすために,測定システムのステップ応答を記録するとき,及びサージ発生器の波形
校正のとき,同じオシロスコープを用いることが望ましい。二つの測定を実行するとき,ステップ信号の
電圧振幅は,サージの電圧振幅よりも非常に低いため,オシロスコープの垂直軸(電圧レンジ)の変更が
必要になることがある。
垂直軸の電圧レンジを変更した場合の不正確さは,選択した電圧レンジの設定によって異なるため,オ
シロスコープの電圧レンジごとの校正を推奨する。
G.4 短絡電流(8/20 s及び5/320 s)のためのサージ測定システムの校正
電流ステップ信号は,電流変換を行うシャント抵抗器に入力し,デジタルストレージオシロスコープを
――――― [JIS C 61000-4-5 pdf 62] ―――――
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C 61000-4-5 : 2018 (IEC 61000-4-5 : 2014)
用いてステップ応答を記録する。
電流ステップ発生器の簡易回路図を,図G.1に示す。電流ステップ発生器は,G.2の事項を満たすこと
が望ましい。
UDC 直流安定化電圧源(電圧調整可能なもの)
R 電流制限用抵抗
L エネルギー蓄積インダクタ
SW 半導体スイッチ(高速大電流)
D ダイオード(高速大電流)
図G.1−電流ステップ発生器の簡易回路図
定常レベルの範囲で評価できるように,記録されたステップ応答を正規化する。
標準化した短絡電流に対する測定システム(オシロスコープ及びシャント抵抗器)の応答Uout(t) は,式
(G.4)で計算できる。
t
d
Iout t Iin gi t d (G.4)
dt 0
ここに, gi(t) : 電流測定システムの評価に基づく正規化したステップ
応答
Iin(t) : 標準化した短絡電流波形
測定システムのもつ系統誤差は,Iin(t) をIout(t) と比較することによって評価できる。サージの校正結果
は,その系統誤差によって補正する。
短絡電流波形を校正するために,校正したシャント抵抗器又は電流変換器を用いることが望ましい。
測定不確かさを減らすために,測定システムのステップ応答を記録するとき,及びサージ発生器の波形
校正のとき,同じオシロスコープを用いることが望ましい。二つの測定を実行するとき,ステップ信号の
電圧振幅は,サージの電圧振幅よりも非常に低いため,オシロスコープの垂直軸(電圧レンジ)の変更が
必要になることがある。
垂直軸の電圧レンジを変更した場合の不正確さは,選択した電圧レンジの設定によって異なるため,オ
シロスコープの電圧レンジごとの校正を推奨する。
――――― [JIS C 61000-4-5 pdf 63] ―――――
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C 61000-4-5 : 2018 (IEC 61000-4-5 : 2014)
附属書H
(参考)
定格200 Aを超える電源線に対するサージの結合及び減結合
H.1 一般
大電流のEUTは,サージ発生器からみると低いインピーダンスの負荷になるため,サージエネルギーの
ほとんどがサージ発生器の出力インピーダンスで消費される。
そのため,次の事項の検討が必要な場合がある。
− サージ試験は効果的であるか。
− ユニットごとに分けて個別に試験できるか。
− EUTが低消費電流モードで試験できるか(6.3参照)。
大電流のEUTは,実際の設置場所で試験することが多い。
内蔵のサージ保護デバイス(SPD)の影響を考慮することが望ましい。SPDは印加したサージがしきい
値よりも十分高い場合に,効果を発揮する。SPDは,一般的に,ほとんどのサージを吸収する。サージ電
圧がSPDのしきい値よりも低い場合は,EUTは保護されない。
H.2 結合及び減結合の考察
市販のCDNが適用できない大電流のEUTを試験する場合,次の試験セットアップを用いることができ
る。
− CNは,図7及び図8に示すものを用いる。
− DNは,一つのチョークコイル又は十分な長さのケーブルを用いて規定のインダクタンスを構成して
もよい。1 mの直線に伸ばした単線のケーブルは,約1 Hと仮定できる。推奨するインダクタンス値
を,表H.1に示す。ディファレンシャルモードの減結合を確実にするために,一つのチョークコイル
又は単線ケーブルは,ラインごとに用いることが望ましい。
コンデンサ,金属酸化物バリスタ(MOV)又はその複合デバイスによる減結合素子は,減結合回路網に
必要にならない場合がある。
表H.1−200 A超の減結合回路網のインダクタンスの推奨値
EUTの定格電流I 減結合インダクタンスの推奨値a)
A H
200 400 800 上の行の値の2倍以下の電流値 上の行の値の1/2のインダクタンス
注a) 定格電流と減結合インダクタンス値とは,逆比例の関係があるが,この範囲内にあ
る任意のインダクタンス値を用いてもよい。
H.3 更なる予防措置
三相機器の相間当たり415 Vを超える高い電源電圧のEUTを試験するとき,供給電圧によってサージ発
――――― [JIS C 61000-4-5 pdf 64] ―――――
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C 61000-4-5 : 2018 (IEC 61000-4-5 : 2014)
生器に損害を与える場合がある。
結合デバイスは,少なくともEUTと同じ定格電圧をもつものを用いる。
――――― [JIS C 61000-4-5 pdf 65] ―――――
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JIS C 61000-4-5:2018の引用国際規格 ISO 一覧
- IEC 61000-4-5:2014(IDT)
JIS C 61000-4-5:2018の国際規格 ICS 分類一覧
- 33 : 電気通信工学.オーディオ及びビデオ工学 > 33.100 : 電磁両立性(EMC) > 33.100.20 : イミュニティ
JIS C 61000-4-5:2018の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISC60050-161:1997
- EMCに関するIEV用語