JIS C 6122-10-5:2022 光増幅器―測定方法―第10-5部:マルチチャネルパラメータ―分布ラマン増幅器の利得及び雑音指数 | ページ 3

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C 6122-10-5 : 2022 (IEC 61290-10-5 : 2014)
において,波長可変出力を得るものでなければならない。狭線幅光源の出力スペクトルの半値全幅(FWHM)
は,0.1 nm*よりも狭くなければならない。波長確度は絶対値で0.1 nm*より小さく,波長安定度は最大最
小差で0.02 nm*より小さくなければならない。出力パワー変動は,0.1 dB*未満でなければならない。出力
パワーは,測定帯域幅(一般的には10 nm)の範囲内で波長を変更する間,0.1 dB*以内の安定性を保たな
ければならない。
注記1 波長確度は,対応国際規格では±0.1 nmよりも小さいと規定されているが同じ意味である。
注記2 波長安定度は,対応国際規格では±0.01 nmよりも小さいと規定されているが同じ意味である。

5.7 広帯域光源

  OSAの校正に必要となる広帯域光源は,DRAの運用波長帯域幅(例えば,1 530 nm1 565 nm)に広帯
域な光パワーを供給するものでなければならない。出力スペクトルは,測定帯域幅(一般的には10 nm)
の範囲において,0.1 dB*未満の平たん性をもつものでなければならない。出力パワー変動は,0.1 dB*未満
でなければならない。
例えば,信号光を入力していない光ファイバ増幅器のASE出力は,広帯域光源として利用可能である。

5.8 光コネクタ及び光ファイバコード

  図2図4において,様々な構成要素を接続するために用いる可能性のある光コネクタ及び光ファイバ
コードは,接続損失の再現性が0.1 dB*よりも小さいことが望ましい。望ましくは,光コネクタを用いる場
合の反射率は,−50 dB*よりも小さくする。偏波状態の変動を最小にするために,測定を行っている間は,
光ファイバコードが動かないようにする。

6 試料

  評価に提供するDRAは,励起モジュール及び測定対象となる光ファイバ中継区間の両方から成り,公
称値の運用条件において評価しなければならない。測定を行っている間は,入射光の偏波状態を維持する
ように注意を払わなければならない。入射光の偏波状態の変動は,使用している全ての光学系構成要素が
もつ僅かな偏波依存性のために,入力光強度の変化が生じ,測定誤差を生じる可能性がある。
ラマン励起に使用する一般的な高い光パワーのために,レーザ安全性を確保するための手順は,JIS C
6802に規定する方法で履行するのがよい。さらに,付加的な注意として,コネクタを清浄に保つこと,及
び光ファイバの曲げを回避することに注意を払うのがよい(IEC TR 61292-4及びOITDA/TP 32/AM参照)。
励起モジュールと測定対象となる光ファイバ中継区間との間の接続損失は,測定結果に影響しないよう
に,極力最低(0.2 dB未満)にすることが望ましい。

7 手順

7.1 概要

7.1.1 チャネルオンオフ利得
チャネルオンオフ利得を測定するために,次のパラメータを測定する。
a) 励起モジュールがオフ(off)(すなわち,ラマン励起パワーを発生しない)の状態における,後方励起
構成である図3又は前方励起構成である図4を用いた各チャネルの信号パワー

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b) 励起モジュールがオン(on)(すなわち,ラマン励起パワーが発生する)の状態における,後方励起構
成である図3又は前方励起構成である図4を用いた各チャネルの信号パワー
7.1.2 励起モジュールチャネル挿入損失及びチャネルネット利得
励起モジュールチャネル挿入損失及びチャネルネット利得を測定するために,次のパラメータを測定し
なければならない。
a) 図2に示す構成を用いた,各チャネルの信号出力レベル
b) 励起モジュールがオフ(off)(すなわち,ラマン励起パワーを発生しない)の状態における,後方励起
構成である図3又は前方励起構成である図4を用いた各チャネルの信号出力レベル
c) 励起モジュールがオン(on)(すなわち,ラマン励起パワーが発生する)の状態における,後方励起構
成である図3又は前方励起構成である図4を用いた各チャネルの信号出力レベル
7.1.3 チャネル等価雑音指数
後方励起構成におけるチャネル等価NFを測定するために,次のパラメータを測定することが望ましい。
a) 図2に示す構成を用いた,各チャネルの信号出力レベル
b) 図2に示す構成を用いた,各チャネルの波長における光源の自然放出光(SSE)出力スペクトル密度
c) 励起モジュールがオン(on)(すなわち,ラマン励起パワーが発生する)の状態における,図3に示す
構成を用いた各チャネルの信号出力レベル
d) 励起モジュールがオン(on)(すなわち,ラマン励起パワーが発生する)の状態における,図3に示す
構成を用いた各チャネル波長におけるASE出力スペクトル密度
OSAの等価雑音帯域幅は,SSE及びASEの出力スペクトル密度の測定に必要である。製造業者によっ
て十分な確度が明示されていない場合,次の7.2.1.2及び7.2.1.3の二つの方法のうち一つを用いて校正し
てよい。雑音源の出力密度が波長に対して一定である場合,波長フィルタの等価雑音帯域幅は,実際のフ
ィルタと中心波長において同じ伝達特性をもち,かつ,同じ総雑音パワーを透過する長方形の帯域幅をも
つ理論上のフィルタの帯域幅のことである。

7.2 校正

7.2.1 光帯域幅の校正
7.2.1.1 概要
等価雑音帯域幅Boは,狭線幅波長可変光源,又は広帯域光源のいずれかを用いた,次の7.2.1.2及び7.2.1.3
の二つの方法のうち一つを用いて校正可能である。
近似式(6)は,波長領域 圀 数領域Bo ( 換を可能にする。
1 1
BW() s BW() s
o ()
s c s s (6)
2 2
ここで, c : 自由空間(真空中)の光速
上記によって等価雑音帯域幅を一旦決定した場合,OSAの波長分解能帯域幅は,測定の途中において,
変化しないようにすることが望ましい。

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OSAの分解能帯域幅は,マルチチャネル信号光源のいかなる二つのチャネル間においても,十分に広い
ダイナミックレンジで正確にASEを測定可能な,狭い分解能帯域幅に設定しなければならない。
7.2.1.2 狭線幅波長可変光源を用いた校正
次に示す手順によって校正を行う。
a) 狭線幅波長可変光源を,OSAに直接接続する。
b) OSAの中心波長を,校正した信号波長λsに設定する。
c) OSAの波長スパンを,ゼロ(波長固定)に設定する。
d) OSAの分解能帯域幅RBWを,目標値に設定する。
e) 狭線幅光源の波長を,λs−RBW−δからλs+RBW+δまでの範囲に含むλiに設定する。δは,OSAのフ
ィルタ帯域外に相当することを保証する十分な幅を選択する。
f) OSAの信号出力レベルを,真数値P(λs)で記録する。
g) 光源の波長を長い方に変えながら,波長範囲を通るように波長調整間隔Δλを,次に示す要求精度に
従って設定し,手順のe)及びf) を繰り返す。
h) 式(7)によって,光帯域幅を設定する。
P i
BW s (7)
i P s
校正手順は,異なる信号波長,又はマルチチャネル光源の各波長に対して繰り返してもよい。
この測定確度は,狭線幅光源の波長調整間隔(Δλ)及び出力平たん性に関わる。波長調整間隔を0.1 nm
よりも狭くすることが望ましい。光出力は,波長範囲内において,0.4 dB以下の変動に抑制することが望
ましい。
7.2.1.3 広帯域光源を用いた校正
この方式は,OSAの分解能帯域幅を最大にした場合に,長方形の帯域制限フィルタ特性をもつことを前
提とする。次に示す手順によって校正を行う。
a) 狭線幅光源の出力を,直接OSAに接続する。調整可能であれば,波長可変レーザの場合と同様に,特
定波長λsに光源の波長を設定する。
b) OSAの分解能帯域幅を,10 nmを超えない範囲で最大値に設定することが望ましい。
c) OSAを用いて狭線幅光源を掃引することによって,OSA帯域の半値全幅(FWHM)ΔλRBWmaxを測定す
る。
d) 広帯域光源の出力を,直接OSAに接続する。
e) OSAの分解能帯域幅を,最大に維持する。
f) OSAを用いて,既定波長λsの出力パワーレベルPRBWmax(真数値)を測定する。
g) OSAの分解能帯域幅を,目標値に設定する。
h) 既定波長λsの出力パワーレベルPRBW(真数値)を測定する。
i) 式(8)によって,光帯域幅を決定する。
PRBW
BW s RBWmaxs (8)
PRBWmax
j) 測定手順は,異なる信号波長,又はマルチチャネル光源の各波長に対して繰り返す。

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注記 最大分解能帯域幅ΔλRBWmaxの測定が正確であるとみなしている。
7.2.2 OSAパワー補正係数の校正
OSAパワー補正係数(PCF)を校正するための手順は,次による。パワー補正係数は,絶対パワーを測
定するようにOSAを校正する。
a) マルチチャネル信号光源を調整し,信号波長λsにおいて単一チャネルを出力する。マルチチャネル信
号光源の出力を光パワーメータの入力に直接接続し,PPM(dBm)を測定する。また,図2の構成は,
OSAに替えて光パワーメータを用いてもよい。
b) 光パワーメータを外し,代わりにOSAを接続し,POSA(dBm)を測定する。
c) 式(9)によって,パワー補正係数PCFを,dBで求める。
PCF(λs)=PPM−POSA (9)
マルチチャネル信号光源は,λ1をオン(on)にし,他の全てのレーザをオフ(off)にする。上記,手順
のa) c) を実施する。次に,λ2をオン(on)にして,他の全てをオフ(off)にする。n波長全てに対して,
パワー補正係数を得るまで繰り返す。

7.3 測定

  全パラメータ(チャネルオンオフ利得,チャネルネット利得及びチャネル等価NF)の測定手順を,次に
示す。チャネル等価NFが不要な場合,手順のb),c) 及びd) は省略してもよい。OSNRが高い値の場合,
手順のj) 及びk) は省略してもよい(注記1参照)。チャネルオンオフ利得だけを測定する場合,手順のf)
k) だけを実施する必要がある。
a) 図2に示すように,測定系を接続する。
b) OSAの波長分解能帯域を校正した値に設定する。測定が完了するまで,この設定は変更しない。
c) VOAを用いて全てのレーザの絶対パワーを調整するのに加え,マルチチャネル光源の相対的なレーザ
パワーを性能仕様書に従って調整する。通常,レーザの出力パワーは,同じ値に設定しなければなら
ない。
d) SSEパワーレベルを,各信号波長の両側にある波長分をずらしたところで測定する。この波長をずら
OSA
す量は,チャネル間隔の1/2以下に設定することが望ましい。各信号波長における雑音パワー PSSEs
(dBm)を求めるには,線形補間法を用いる。式(10)を用いて,各波長に対して校正されたSSEパワ
ーPSSE(λs)(dBm)を求める。
OSA
PSSE s PSSE s PCF (10)
OSA
e) 各信号のパワー Pin s
dBm)を測定する。式(11)を用いて,各入力信号波長の校正したパワー(dBm)
を求める。
Pin s PinOSAs PCF (11)
f) 後方励起構成は,図3に示す測定系のとおりに励起モジュールを挿入する。前方励起構成は,図4を
用いる。励起モジュールの内部にある励起光源がオフ(off)になっていること(すなわち,ラマン励
起パワーが出射されていないこと)を確認する。
OSA
g) 各信号パワー Poff s
dBm)を測定する。式(12)を用いて,各波長の校正した入力信号パワーPoff(λs)
(dBm)を求める。

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Poffs PoffOSA
s PCF (12)
h) 励起モジュールを含む励起光源をオン(on)にし,性能仕様書に従って,要望の励起光構成(各波長
の励起光に対する励起パワー)に設定する。
i)
OSA
各信号のパワー Pon s
dBm)を測定する。式(13)を用いて,校正した入力信号波長の各パワーPon(λs)
を求める。
Pon s PonOSAs PCF (13)
j) 校正前の順方向ASEパワーを,各信号波長の両側にある波長分ずらしたところで測定する。波長をず
らす量は,チャネル間隔の1/2以下に設定することが望ましい。各信号波長における雑音パワー
OSA
PASE s
dBm)を求めるには,線形補間法を用いる。式(14)を用いて,各波長に対して校正した総順
方向ASEパワーPASE(λs)(dBm)を求める。
OSA
PASE s PASE s PCF (14)
k) 雑音パワーを減算することによって,各チャネルの校正した信号出力パワー Ponsig
s
dBm)を,式(15)
を用いて求める。
Pons PASE
s
Ponsig
s 10log1010 10
10 10

(pdf 一覧ページ番号 )

  注記1 OSNRが十分に高い場合は,PASE(λs)≪Pon(λs)となるため,手順のk) は必ずしも必要でない。し
sig
たがって,精度が高ければ Pon s Pon s と書くことがある。一般に,OSNRがOSNR>20 dB
の場合,信号パワーに対するASE補正係数は,0.1 dB未満となって,この簡単な関係式を使用
することがある。
注記2 前方励起構成のフィールド測定を行う場合,上記の手順は,遠方に位置する光ファイバ中継区
間の両端にアクセスすることが必要となる。この場合,励起モジュールが遠隔で制御可能と仮
定すれば,手順のf) k) を実行することだけが実用的なことがあり,チャネルオンオフ利得が
得られる。チャネルネット利得を必要とする場合は,励起モジュール挿入損失を個別に測定す
ることがある。
チャネルオンオフ利得の偏波依存性の評価が必要な場合,偏波コントローラに異なる設定を行って,手
順のf) i) を繰り返すことが望ましい。これに続き,手順のj) は一度だけ実施し,手順のk) は偏波コン
トローラの異なる設定に対して得られる手順のi) の全ての結果に適用することが可能である。最終的に,
偏波コントローラの異なる設定に対するチャネルオンオフ利得は,式(16)よって求めることが可能である。
偏波依存利得は,チャネルオンオフ利得の最大測定値と最小測定値との差分としてdB単位で求める。

7.4 計算

7.4.1 チャネルオンオフ利得
チャネルオンオフ利得Gon−off(λs)(dB)を,式(16)で求めてもよい。
sig
Gonoff s Pon s Poffs (16)

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