JIS C 6122-10-5:2022 光増幅器―測定方法―第10-5部:マルチチャネルパラメータ―分布ラマン増幅器の利得及び雑音指数 | ページ 4

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C 6122-10-5 : 2022 (IEC 61290-10-5 : 2014)
7.4.2 チャネルネット利得
励起モジュールチャネル挿入損失IL(λs)を,式(17)で求める。
IL s Pin s Poff s (17)
チャネルネット利得Gnet(λs)(dB)を,式(18)で求める。
Gnet s Gonoff s IL s (18)
7.4.3 チャネル等価NF
校正した総ASEパワーからDRAのチャネルネット利得分,強めたSSEパワーを減算することによっ
て,各信号波長における総順方向ASEパワーのDRAの寄与分 PASE
DRA
s
dB)を,式(19)で求める。
PASE Gnet PSSE
DRA 10 10
PASE s 10log1010 10 (19)
チャネル等価NF NFsig−ASE,eq(λs)(dB)を,式(20)で求めてもよい。
DRA
NFsigASE,eq
s PASE s Gnet s 10log10hBo s (20)
ここで, Bo(λs) : 等価雑音帯域。周波数の単位で与えられる[式(6)を参
照]。
h : プランク定数
ν : 光信号の周波数
注記 試験方法の精度は,光コネクタの破損による作り直しの場合,OSAの偏波依存性に依存するのと
同様に,光接続による挿入損失の再現性に大きく依存する。

8 試験報告書

  試験報告書には,次の事項を記載することが望ましい。
a) 測定系(箇条5の規定と異なる場合)
b) 測定方法 : マルチチャネル光源減算補間法
c) 測定に用いたマルチチャネル光源の種類
d) マルチチャネル光源の配置(チャネル波長及びパワー配分)
e) OSA等価雑音帯域,重大な波長依存がない場合を想定しているが,波長依存がある場合はチャネル波
長ごとに表示する。
f) 周囲環境温度(必要な場合)
g) 励起モジュールの励起光源配置(各ラマン励起レーザ波長及びパワー)
h) 励起モジュールを取り外す場合は,光ファイバ中継区間の出力端における信号チャネルの総パワー(図
2)
i) 測定に用いたチャネル波長
j) 各チャネルのチャネルオンオフ利得Gon−off(λs)(dB)

――――― [JIS C 6122 pdf 16] ―――――

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C 6122-10-5 : 2022 (IEC 61290-10-5 : 2014)
k) 各チャネルの励起モジュールチャネル挿入損失IL(λs)(dB)
l) 各チャネルのチャネルネット利得Gnet(λs)(dB)
m) 各チャネルの総順方向ASEパワー PASE
DRA
s
dBm)
n) 各チャネルのチャネル信号光−ASE間雑音指数NFsig−ASE,eq(λs)(dB)
注記 SSE減算によるNFsig−ASE,eq(λs)の推定誤差が,0.1 dB*を超える場合,この誤差を結果とともに記載
することがある。誤差推定方法の詳細についてはJIS C 6122-10-4を参照。

――――― [JIS C 6122 pdf 17] ―――――

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C 6122-10-5 : 2022 (IEC 61290-10-5 : 2014)
附属書A
(参考)
フィールド測定と研究室測定との相違
DRA性能は,測定する光ファイバの形態に依存するため,次の2種類の測定を区別しておくことが有用
である。
a) フィールド測定 : 測定の目的は,実使用条件下に敷設した光ファイバ中継区間を用いて,DRA性能を
評価することである。測定は,複数の光ファイバを接続して構成し,途中に離散的な損失点が複数存
在する光ファイバ中継区間に対してだけ適用可能であり,適切である。
b) 研究室測定 : 測定の目的は,標準シングルモード光ファイバ(SMF)など,光ファイバの種類による
DRA性能を特徴付けることである。このため,測定に用いる光ファイバ長は,この種類の通常の長さ
である方がよい。光ファイバ長は,ラマンオンオフ利得が長さに依存しないように,十分長いことが
望ましい。励起光の波長範囲が1 400 nm1 500 nmで,励起パワーが1 W程度の標準的なDRAは,
光ファイバ長が75 kmより長ければ,無限に長いとみなすことが可能である。また,光ファイバ中継
区間に沿って存在する離散的な損失点は,ないことが望ましく,特に光ファイバと励起モジュールと
の間の接続損失は,可能な限り低くして,0.2 dB未満にするのが望ましい。

――――― [JIS C 6122 pdf 18] ―――――

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C 6122-10-5 : 2022 (IEC 61290-10-5 : 2014)
附属書B
(参考)
励起光減衰及びチャネル間ラマン散乱
一般的な後方励起DRAの場合,DRAはチャネルオンオフ利得がチャネルのパワー及び波長の影響を受
けない小信号領域で動作する。そのため,後方励起DRAの測定は,小信号の条件を模するように,光ファ
イバには十分弱いチャネルパワーを入射するように注意を払うことが望ましい。
ただし,チャネルオンオフ利得が,光ファイバに送信するパワー及び/又は波長のチャネル配置に依存
する場合がある。そのような場合,DRAに適切なチャネル配置を選択し,測定条件の一部としてこのチャ
ネル配置を記録することが重要である。
チャネル配置は,次の二つの場合に重要となることがある。
a) 励起光減衰 : 励起光減衰とは,光ファイバ入力端に多数のチャネルが入射したことによって,チャネ
ルオンオフ利得に影響を与えるほどの総光パワーが高い状況を表す。多くの後方励起DRAでは,ラ
マン散乱はチャネルパワーが十分に減衰した光ファイバの出力端で起こるため,このような状況には
ならない。しかし,光ファイバ長が80 km未満の比較的短い場合又はチャネル数が多数ある場合は,
励起光減衰を無視することが不可能な場合がある。一方,前方励起DRAでは,ラマン散乱はチャネル
パワーが高い光ファイバの入力端で起こるため,ほとんど全ての場合,励起光減衰は無視することは
不可能である。
b) チャネル間ラマン相互作用 : チャネル間ラマン相互作用とは,誘導ラマン散乱によって短波長チャネ
ルから長波長チャネルへパワーが移動する現象である。この効果は,チャネルパワーが高いことに起
因して起こり,一般的には前方励起DRAで発生しやすい。これは光ファイバに入射した時点で既に
チャネルパワーが高く,DRAによって,更に増幅するためである。このように,光ファイバを伝搬す
ることによって,チャネルパワーがチャネル間相互作用を無視できないレベルにまで到達する場合が
ある。このような場合,ラマンオンオフ利得は,励起光源によって直接的な効果だけでなく,チャネ
ル間相互作用によって二次的な効果も含む。このように,チャネルオンオフ利得は,全チャネルのパ
ワー及び波長の配置に依存する。

――――― [JIS C 6122 pdf 19] ―――――

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C 6122-10-5 : 2022 (IEC 61290-10-5 : 2014)
附属書JA
(参考)
分布ラマン増幅の概要及びその応用
JA.1 目的
この附属書は,分布ラマン増幅について説明し,将来の分布ラマン増幅器(DRA)に関する規格(仕様,
試験方法及び操作手順)のための背景事項を提供することを主な目的とする。
− ラマン増幅の概要
− DRAの応用
− DRAの動作特性及び試験方法
− DRAの利用に関連する操作上の問題点
JA.2 背景
JA.2.1 一般情報
この箇条は,ラマン増幅の主要な概念について簡潔に説明する。更に詳しい情報は,IEC TR 61292-3,
ITU-T G.665及び参考文献に記載されている。
JA.2.2 ラマン増幅過程
ラマン散乱は,光が物質分子によって散乱されて,より長い波長(低いエネルギー)に変化する非弾性
散乱過程であり,1928年にChandrasekhara Ramanによって発見された。この光と物質との相互作用におい
て,光子は物質分子を高い(仮想的な)エネルギー状態に励起した後,物質分子は別の光子及び振動エネ
ルギー,すなわち,フォノンを放出して緩和し,基底状態に戻る。放出された光子は,散乱前より振動エ
ネルギーの分だけ低いエネルギー,すなわち,長い波長をもつ。
誘導ラマン散乱は,同様の物理現象であるが,より長い波長の光子の存在が散乱過程を誘発する。つま
り,第一の短い波長の光子を吸収して,第二のより長い波長の光子を放出することによって,増幅が起こ
る。石英系光ファイバの場合のこの現象の模式図を図JA.1 a)に示す。ここでは,波長約1 450 nmの励起
光のエネルギーを吸収することによって,波長約1 550 nmの信号光の増幅が生じる。EDFAのような,希
土類元素を添加した光ファイバを増幅媒体に用いたOFAにおいては,利得スペクトルは添加物及び添加
濃度に依存して一定に決まるが,ラマン増幅においてはそれとは異なり,利得スペクトルは励起光波長に
依存して,励起光周波数より約13 THz(石英系光ファイバの場合)低い周波数に最大利得を生じる。これ
を図JA.1 b)に示す。

――――― [JIS C 6122 pdf 20] ―――――

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JIS C 6122-10-5:2022の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 61290-10-5:2014(IDT)

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