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9.3.1.2 着火プローブ
着火プローブの内筒は,ポリカーボネート,アクリルなどの堅い非導電性材料で作製した内径70 mm±
5 mm,長さ100 mm±5 mmの円筒とする(図6参照)。プローブの材料は,繰返しの着火に耐え,ひび,
変形その他の欠陥を生じないように十分な厚さと強度をもたなければならない。
内筒の一端は,中心部の可燃性ガスの導入口以外は閉じる。導入口の径は,必要な流量のガスを流すと
きに過度の圧力上昇を起こさない大きさとする。適切なフレームアレスタを,ガスの供給ラインに,着火
プローブにできるだけ接近させて取り付ける。
内筒の他端には金属板をはめ込み,放電電極の固定板とする(図7参照)。金属板には,直径5 mm±1 mm
の孔を多数あけ,これらの孔を通じて一様なガスの流れを放電電極の周辺に作る。
直径20 mm±5 mmの金属球電極を金属板の中央に取り付ける。着火プローブ内の電極,金属板,その
他の金属及び導電性材料は,低インピーダンス(10 Ω未満)を接続して共通接地する。接地点は,FIBC
用の構造物と装置類との共通接地点,例えば,FIBC試験装置の金属部分とする。共通接地点は,電源の接
地端子に接続してもよい。電極,金属板及び接地コネクタ間の接続は,物理的及び熱的衝撃に十分耐える
強度をもたなければならない。放電電極と接地コネクタとの導通は,使用前に確認しておく。
共通接地点を電源の接地端子に接続するときは,接地端子が確実に接地設備に接続されており,感電防
止のために十分な接地抵抗であることを確認した上で行うことを推奨する。
着火プローブには,粒子径1 mm2 mmのガラス又は磁器のビーズを充し,細目の金属製の網又はガ
ーゼを両端に取り付けてビーズを保持する。ビーズは,ガスの混合促進及びプローブからの逆火防止に有
効である。
放電電極前方にある静電気放電が発生する領域にガスを導くために,絶縁物で作られた可動外筒を内筒
に取り付ける。外筒の開口径は,40 mm±5 mmとする。
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単位 mm
1 放電電極
2 絶縁物製可動外筒(例えば,ポリカーボネート又はアクリル)
3 絶縁物製内筒(例えば,ポリカーボネート又はアクリル)
4 孔あき金属板(公称厚さ2 mm)
5 細目の金属製の網又はガーゼ(例えば,銅製)
6 ビーズ(例えば,ガラス又は磁器)(公称粒子径1 mm2 mm)
7 丈夫な接地結線
8 接地コネクタ
9 可燃性ガス導入口
図6−着火プローブ
――――― [JIS C 61340-4-4 pdf 22] ―――――
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単位 mm
1 ガス孔(直径5 mm±1 mm)
2 放電電極取付孔
3 孔あき金属板取付ねじ
図7−着火プローブ用孔あき金属板
9.3.1.3 ガス制御及び混合装置
可燃性ガスは,エチレン(純度99.5 %以上)と空気を混合して作る。空気の組成は,酸素(21.0±0.5)%
及び窒素(79.0±0.5)%とする。ガス制御及び混合装置は,着火プローブに適切な混合比のガスを導入す
るために用いるものである(図8参照)。
ガスの体積濃度を,表7に示す。
表7−可燃性混合ガスの体積濃度
ガス 組成 体積濃度 最小着火エネルギー 臨界消炎距離
% % mJ mm
エチレン 純度99.5以上 5.4±0.1 0.14±0.01 1.8±0.1
空気 酸素 : 21.0±0.5,窒素 : 79.0±0.5 94.6±0.1
混合ガスが規定の許容濃度であることを,例えば,赤外線エチレンガス分析装置を混合ガス供給ライン
に設置して確認する。
表7に規定する以外の混合ガスを用いる場合,その最小着火エネルギーは,ASTM E582に規定する方
法によって,0.14 mJ±0.01 mJであることを確認するか,又は純静電容量性火花放電(インダクタンスな
し)のエネルギー用いた爆発試験装置によって,表7に規定する混合ガスと同じ値が得られることを確認
する。
注記1 エチレン以外のガスを用いる場合,臨界消炎距離は表7に示すものと異なることがある。し
かし,放電発生時のFIBC表面と放電電極との間の距離が臨界消炎距離より十分大きければ,
試験結果には影響はない。
ガスの供給に当たっては圧縮ガスボンベが便利であるが,他の供給装置を用いてもよい。空気の代わり
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に酸素(21.0±0.5)%及び窒素(79.0±0.5)%をあらかじめ混合したガスボンベを用いてもよい。必要な
場合,モレキュラシーブフィルタを用いてガスを低湿度に保つ。このことは,特にコンプレッサからの空
気を直接用いる場合に重要である。いずれのガスの純度も,99.5 %以上でなければならない。
呼吸用空気(水分及び油成分の低い圧縮空気)の酸素濃度は,表7に示す許容値を超えるため,用いて
はならない。ただし,分析の結果,表7の組成範囲を満たす場合はこの限りではない。
注記2 モレキュラシーブの中にはエチレンを吸収するものがあるため,シーブフィルタは,可燃性
混合ガスが監視装置(例えば,エチレン分析計)に到達する前に配置することが重要である。
ガスの供給は流量計及びバルブで制御及び監視を行い,着火プローブを通過する混合ガスの流量を0.21
L/s±0.04 L/sとする。
着火したときにエチレンの供給を止めるために高速に作動する遮断弁を用いる。遮断弁によって,エチ
レンだけの供給を遮断し,空気は着火時の着火プローブの冷却及び乾燥のため,流したままとする。遮断
弁の形式及び取付位置は,装置全体の設計に対して適切となるように選択する。
1 着火プローブ
2 フレームアレスタ
3 エチレンガス遮断弁
4 流量計
5 空気又は酸素·窒素混合気
6 エチレンガス
7 エチレン分析計
図8−ガス制御及び混合装置(概念図)
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9.3.1.4 循環式FIBC充装置
帯電物体を充できるようにするため,試験用FIBCを保持する鋼製の枠,その他の適切な支持構造物
を用いる(図9参照)。帯電したFIBCによる静電界に鋼製の枠が与える影響を最小とするため,FIBCの
周りのいかなる支持用枠もFIBCから1 m以上離す。
試験用FIBCに,1.0×1012 Ωm以上の体積抵抗率をもつポリプロピレンペレット(附属書B参照)を充
する。ペレットは,充剤,顔料,帯電防止剤などを含まないホモポリマーとする。その他の物質は,
同様の結果が得られ,かつ,コーン放電を生じないということを確認した後,用いてもよい。
注記 他の物質がポリプロピレンペレットと等価な物質であるかを確認する一つの方法は,同じ発生
電流が生じるようにコロナ荷電器への印加電圧を設定するために,9.3.2に規定する手順を実施
することである。
ペレットを循環させる一つの方法は,次のとおりである。
− ホッパを試験用FIBCの真下に置いてペレットを集め,更にコンベヤに送り込む。ペレットをコン
ベヤでシュートに送り,再度試験用FIBCに充する。
このほかにペレットを充する適切な方法がある場合,その方法を用いてもよい。充速度は,1.1 kg/s
±0.1 kg/sとする。
ポリプロピレンペレットは,摩擦帯電によって自然に帯電するが,高電圧コロナ放電針を充パイプ内
に取り付けることによって電荷を追加供給する(図10参照)。コロナ放電点の寸法,数及び配置は変えて
もよいが,確実にペレットを効率よく荷電するように設計する。このことは,9.3.2に示す手順を用いて確
認する。コロナ荷電器に絶縁カバーを設けてFIBCに直接接触しないようにする。高電圧直流電源を用い
てコロナ荷電器を制御し,平均発生電流3.0 A±0.2 A,瞬時最大値4.0 A以下及び瞬時最小値2.0 A以
上で維持する。コロナ荷電の極性は負とする。ペレットが流動しないときには,コロナ荷電器がFIBCに
電荷を供給しないようにする。
ペレットは,定期的に交換することが望ましい。ペレットの交換時期を指定することは困難であるが,
ペレットに汚染又は物理的な劣化の兆候が明らかに現れたとき,摩擦帯電量が顕著に低下したとき,微粒
子の堆積が明瞭になったときなどが,交換時期として挙げられる。
排出口を含む試験用FIBCの全ての部分に着火プローブが接近できるようにする。
充装置の設計及びその位置によっては,試験装置及び作業員を支持するための作業台が必要となるこ
とがある。
通常の使用において接地を要しないFIBCの場合,接地体との間の抵抗値が1.0×1012 Ω以上となるよう
に,つ(吊)り具と金属構造物上の支持部分との間に絶縁物を挿入する。
試験対象のFIBCのタイプに関係なく,試験用FIBCから1 m以内にある全ての金属製支持構造物,作業
台及び作業員を含む他の導体を接地する。
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JIS C 61340-4-4:2021の引用国際規格 ISO 一覧
- IEC 61340-4-4:2018(MOD)
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- 17 : 度量衡及び測定.物理的現象 > 17.220 : 電気学.磁気学.電気的及び磁気的測定 > 17.220.99 : 電気及び磁気学に関するその他の規格
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- 規格番号
- 規格名称
- JISC2110-2:2016
- 固体電気絶縁材料―絶縁破壊の強さの試験方法―第2部:直流電圧印加による試験