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C 61340-4-4 : 2021
附属書C
(参考)
製造時の品質管理方法の指針
C.1 はじめに
製造業者は,工場から出荷する前に,FIBCが製造上の仕様に適合することを保証するために,品質管理
試験を行う。使用者は,その施設内で用いるFIBCを受け入れる前に,FIBCが自らの要求仕様に適合する
ことを確認しようとする場合,同様の手順で試験を行うことが可能である。
多数のサンプルに対して日常的に行う品質管理であるので,試験方法及び手順は許容できる費用で簡単,
かつ,迅速に行えるものであることが望まれる。箇条9に示す試験手順は,品質管理にも適用可能である
が,製造業者及び使用者にとっては複雑で時間を要し,かつ,費用もかかりすぎるものである。
FIBCが要求事項に適合することを証明する形式認証試験とは対照的に,品質管理試験では,製造業者及
び使用者が自ら判定基準を定め,ときには特定の設計のFIBC又は特定の用途だけに適用する判定基準に
適合するか否かの評価を行うことが可能である。このような理由から,ある製造業者又は使用者が用いる
品質管理試験方法及び判定基準は,他の製造業者のFIBC又は他の用途に用いることを意図したFIBCを評
価することには適さない場合もある。
C.2に記載する試験方法は,品質管理試験にも役立つものである。これらの試験方法は,全てを網羅す
るものではないので,ほかにも適切な試験方法があれば採用してよい。製造業者及び使用者は,品質管理
試験が自らのニーズに適することを確認するのがよい。
品質管理試験は,製造業者及び使用者に対して,製造及び頒布する全てのFIBCが,FIBCの形式認証試
験に用いた試験用FIBCと実質的に同一のものであることを示す情報を提供するように計画するのがよい。
箇条9に規定する試験方法以外の品質管理試験方法は,品質管理の目的に用いる場合,形式認証試験方法
の代替として用いない方がよい。また,製造業者は,これを箇条7に規定する要求事項に反することを助
長するために用いない方がよい。
C.2 試験方法
C.2.1 抵抗測定
9.4.1.1に規定するもの以外の抵抗測定装置を品質管理試験に用いてもよい。タイプCのパネル間の導通
確認を迅速に行うため,高価な試験所仕様の装置の代わりに,低価格で一般的に購入可能な抵抗計又は回
路計を用いてもよい。タイプCに用いる材料として十分な導電性をもつことを確認するため,その材料に
対して測定を行うことが可能である。
利便性の観点から,品質管理試験の抵抗測定は,FIBCを検査台に置いたまま実施してもよい。このとき,
通常のFIBCの充及び排出作業中には生じないパネル間の電気的接続路が形成されないように注意する。
一部のタイプDに対しては,抵抗測定を品質管理試験に用いることが可能である。9.4に規定する試験
手順,その他の手順は,材料の抵抗値が低すぎるか,又は高すぎるかを確認するために用いてもよい。
C.2.2 電荷減衰測定
JIS C 61340-2-1は,材料,製品などが静電気電荷を拡散する性能を測定する方法を規定している。JIS C
61340-2-1の4.3(コロナ帯電を使用する装置)に規定する装置は,タイプDを構成するある種の材料の品
質管理試験に用いることが可能である。
――――― [JIS C 61340-4-4 pdf 36] ―――――
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C 61340-4-4 : 2021
開始及び停止のタイミング及び電荷減衰時間の許容値は,製造業者及び使用者が自らの要求仕様に従っ
て選択することが望ましい。減衰時間が非常に短いことは,その材料の導電性が高すぎて火花放電を生じ
る可能性があることを示唆する。緩和減衰が非常に長いことは,タイプDに要求する電荷拡散性能が不足
しており,ブラシ放電を生じる可能性があることを示唆する。一般的な指針として,500ミリ秒30秒の
間の減衰時定数は許容できる。ただし,タイプDに用いる材料の中には,この減衰時定数の許容範囲から
外れるものがあることに留意する。
C.2.3 放電電荷量測定
放電電荷量測定の原理は,測定装置に接続した電極に静電気放電を生じさせて,放電によって移動した
電荷量を決定することである。
FIBCの荷電は,9.3.1.4に規定する循環式FIBC充装置を用いて行う。循環式FIBC充装置を用いる
ことが不可能又は現実的でない場合,FIBC材料との組合せにおいて静電気を発生しやすい性質をもつ他の
材料で摩擦する,又は高電圧コロナアレイで生じた電荷を照射することによって,材料及びFIBCを荷電
してもよい。
IEC/TS 60079-32-2は,材料の荷電及び放電電荷量測定を行うために用いる試験装置及び手順についての
指針を示している。ここで示す摩擦用材料は,全てのタイプのFIBCの荷電には適さない場合があるので,
その場合,より適した他の材料で代替する。
IEC/TS 60079-32-1に示す放電電荷量の上限値は,均質な非導電性材料からの静電気放電を基礎としてい
る。ある種の静電気対策を施したFIBCからの静電気放電の性質は,IEC/TS 60079-32-1に示すデータから
得た放電とは,空間的及び時間的に性質が異なることがある。品質管理試験では,製造業者及び使用者は,
自らの製品又は応用品に適用可能な放電電荷量の上限値を設定することが望ましい。
――――― [JIS C 61340-4-4 pdf 37] ―――――
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C 61340-4-4 : 2021
附属書D
(規定)
爆発グループ及びゾーンの分類
爆発グループ及びゾーンの分類は,ISO/IEC 80079-20-1,IEC 60079-10-1及びIEC 60079-10-2の規定に
よって,表D.1及び表D.2に規定する。
表D.1−ISO/IEC 80079-20-1,IEC 60079-10-1及びIEC 60079-10-2における爆発グループの分類
分類 爆発グループの詳細
I 坑内爆発性ガス
II 鉱山坑内以外の場所で使用するガス·蒸気
A 一般的な着火性をもつガス·蒸気(ヘキサン,メタン,アセトンなど)
B 着火性の高いガス·蒸気(ジエチルエーテル,エチレン,シクロペンタンなど)
C 着火性の極めて高いガス·蒸気(水素,アセチレン,二硫化炭素など)
III 鉱山坑内以外の場所で使用する粉じん
A 可燃性浮遊物
B 非導電性粉じん
C 導電性粉じん
注記1 ある爆発グループに属する物質は,その爆発グループのゾーンを周辺に形成する。
注記2 着火危険性は,A,B,Cの順に増加する。
表D.2−IEC 60079-10-1及びIEC 60079-10-2におけるゾーンの分類
分類 ゾーンの詳細
0 ガス,蒸気又はミストの状態の可燃性物質と空気との混合物からなる爆発性雰囲気が,連続的,長
時間,又は頻繁に存在する場所
1 ガス,蒸気又はミストの状態の可燃性物質と空気との混合物からなる爆発性雰囲気が,通常の操作
において,ときどき発生する可能性のある場所
2 ガス,蒸気又はミストの状態の可燃性物質と空気との混合物からなる爆発性雰囲気が,通常の操作
において,発生する可能性はあるが,発生しても短時間である場所
20 可燃性粉じんが空気中に粉じん雲となって形成する爆発性雰囲気が,連続的,長時間,又は短時間
だが頻繁に存在する場所
注記 大量の粉じんが存在するが,粉じん雲が連続的,長時間,又は頻繁に存在しない場所は,こ
のゾーンには含まない。
21 可燃性粉じんが空気中に粉じん雲となって形成する爆発性雰囲気が,通常の操作において,時々発
生する可能性のある場所
22 可燃性粉じんが空気中に粉じん雲となって形成する爆発性雰囲気が,通常の操作において,発生す
る可能性はあるが,発生しても短時間である場所
――――― [JIS C 61340-4-4 pdf 38] ―――――
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C 61340-4-4 : 2021
附属書E
(参考)
コーン放電に関するリスク
この規格は,FIBCの構造,織布及び全体からの可燃性又は爆発性環境における静電気放電による着火リ
スクを評価するための手順を示している。
帯電した非導電性粉体を容器に充するとき,粉体層内部に非常に高い空間電荷密度をもつ領域が生じ
ることを覚えておかなければならない。これによって,粉体層の頂点部には強い電界が生じる。このよう
な条件下では,大きな放電が表面に沿って走ることが観測されている(円筒形容器では放射状となる。)。
この放電は,粉体に保持されている電荷に関係している。この放電は,充中のFIBCのタイプに関係な
く生じる。同様に,接地した金属容器でも生じる。
この種の放電の発生条件は複雑であり,粉体の抵抗率,発生電流,粉体層の大きさ及び配置並びに粒子
径が影響要因である。鋭感な可燃性粉体の雰囲気だけでなく,可燃性ガス及び蒸気の雰囲気でもこの種の
放電で着火するという報告がある。コーン放電で放出される平均エネルギーは,容器の直径及び粉体層を
形成する粉体の粒子径(中位径)に依存する。
表5に示す3 mJのMIEの制限は,コーン放電の着火性を根拠にしたものである。コーン放電は,タイ
プC又はタイプDよりもタイプBにおいて顕著に大きな放電エネルギーをもつ。これは,タイプC又は
タイプDでは,壁面がゼロ電位に近いからである。この事実に基づき,タイプC又はタイプDにおける
コーン放電は,FIBCの直径の半分以下の放電距離に止まるような内部電界分布となる。一方,タイプB
におけるコーン放電は,FIBCの直径に相当する放電距離となる。放電エネルギーの算定から,タイプB
で発生するコーン放電は,3 mJ以下のMIEにおいて粉じんに着火することが可能であり,一方,タイプC
及びタイプDでは,同じ粉体を用いて算定した結果は,粉体のMIEよりも低いものであった。
IEC/TS 60079-32-1に,コーン放電に関する詳細が記載されている。
――――― [JIS C 61340-4-4 pdf 39] ―――――
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C 61340-4-4 : 2021
附属書F
(参考)
抵抗値及び抵抗率の上限及び内袋の絶縁層に対する厚さの上限についての
解説
F.1 タイプCの接地可能接続点までの抵抗値の上限
導体と接地体との間の抵抗値の上限は,発生電流によって決まる。導体からの危険な火花放電は,放電
開始電圧を発生電流で除して得られる値未満の抵抗器を介して,導体を接地体に接続することによって除
去可能である。接地可能接続点までの抵抗値の上限を1.0×108 Ωとした場合,タイプCに危険な電位が生
じるためには発生電流は30 Aを顕著に超える必要がある(Yamaguma他,2015)。このような大きな発生
電流は,FIBCによる通常の充及び排出作業中には生じない。したがって,接地可能接続点までの抵抗値
の上限を1.0×108 Ωと規定することによって,タイプCを,発生電流を考慮することなく用いることが可
能である。
F.2 内袋の表面抵抗率
タイプL1内袋の表面抵抗率の上限値は,F.1で説明した,タイプCにおける要求事項と合わせ,1.0×
108 Ωと規定している。
実験結果(例えば,Butterworth他1983, Salmela他2005の文献)が示すように,表面抵抗率109 Ω1012
Ωの表面抵抗率をもつ絶縁した物体からの静電気放電は,爆発性雰囲気で着火するリスクが最も低い。
表面抵抗率が109 Ωよりも著しく小さい絶縁した物体は,火花放電状の放電を発生しやすい。火花放電
の一つの特徴は,帯電物体に蓄えられた電気エネルギーの大部分を放出することである。金属及び他の抵
抗率が極めて小さい物体は,実質的に,蓄えられた電気エネルギーの全てを放電ギャップに放出し,着火
を引き起こすことが可能である。より大きな抵抗率をもつ物体は,電荷がその中を通過する際に,ある程
度のエネルギーを吸収し,放電ギャップには,着火を生じるには小さなエネルギーしか与えない。ある値
では,物体に吸収されるエネルギーは極めて大きくなり,放電ギャップには,着火を起こすことができな
いエネルギーしか与えない。
表面抵抗率1.0×1012 Ωを超える物体は,電荷が自由に動くことができず,絶縁物とみなすことが可能で
ある。絶縁物は,局所的に非常に大きな表面電荷密度となり,着火性のあるブラシ放電を生じることがあ
る。
タイプL2内袋をタイプB及びタイプDに用いる場合,この内袋は大地から絶縁されてしまう。したが
って,タイプL2内袋の表面抵抗率は1.0×109 Ω未満とはならず,危険な火花放電を生じる可能性がある。
危険なブラシ放電を避けるために,タイプL2内袋の表面抵抗率の上限値は,1.0×1012 Ωに規定する。
接地に関する要求事項,火花放電及びブラシ放電に関する詳細な情報は,IEC/TR 61340-1及びIEC/TS
60079-32-1に記載されている。
F.3 内袋の絶縁層の厚さ
導電性又は電荷拡散性を背面にもつ薄い絶縁材料の表面に蓄積したいかなる電荷から生じる外部電界も
背面層によって減衰され,このことはその材料から着火性ブラシ放電が生じるリスクを低下させる。絶縁
材料の厚さが増加するほど減衰量は低下する。絶縁材料の厚さが700 mを超えた場合,着火性ブラシ放
――――― [JIS C 61340-4-4 pdf 40] ―――――
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JIS C 61340-4-4:2021の引用国際規格 ISO 一覧
- IEC 61340-4-4:2018(MOD)
JIS C 61340-4-4:2021の国際規格 ICS 分類一覧
- 17 : 度量衡及び測定.物理的現象 > 17.220 : 電気学.磁気学.電気的及び磁気的測定 > 17.220.99 : 電気及び磁気学に関するその他の規格
JIS C 61340-4-4:2021の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISC2110-2:2016
- 固体電気絶縁材料―絶縁破壊の強さの試験方法―第2部:直流電圧印加による試験