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附属書A
(規定)
不確かさの規定
A.1 一般
この附属書は,測定における不確かさ及びかたよりの規定を要約したものである。不確かさ及びかたよ
りに関する詳細な規定は,ISO/IEC Guide 98-3:2008による。
標準として,測定の不確かさの評価方法について二つのタイプを規定する。タイプAは,同じ測定に対
する一連の繰返し測定を統計的に分析し,不確かさを評価する方法である。タイプBは,他の知識に基づ
いて,不確かさを評価する方法である。
A.2 タイプA評価の不確かさ
タイプA評価の標準不確かさは,同じ測定条件の下で,個別の独立した測定の場合に適用可能である。
量Xについて,n回の独立な測定で得たXkに対しての算術平均は,式(A.1)によって算出する。
n
X = 1n Xk
(A.1)
k=1
ここで, X : 測定値の算術平均
Xk : 一連の測定の測定サンプル
n : 測定の回数で,例えば,n≧10のような大きな数字を
想定する。
この平均は,その量の推定値となる。つまり,x=Xとする。測定に基づいた実験の標準偏差s(X)は,式
(A.2)によって算出する。
n
1
sX = Xk X (A.2)
n 1k1
推定値をxとするとき,タイプAの標準不確かさutypeA(x)は,式(A.3)によって算出し,実験の平均値に
おける標準偏差で表す。
utypeA(x) = s X)
√n (A.3)
A.3 タイプB評価の不確かさ
タイプB評価の標準不確かさは,一連の測定の統計的な分析以外の手段によって不確かさを評価する方
法である。ここでは,数値の変動に関して得ることができるあらゆる情報に基づいた科学的な判断によっ
て評価する。
量Xの推定値xが,製造業者の仕様,校正証明書,ハンドブック又は他の情報源から得ることができ,
その引用した不確かさU(x)が,標準偏差のk倍ある場合,標準不確かさu(x)は,単に,式(A.4)となる。
――――― [JIS C 6189 pdf 16] ―――――
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Ux
ux (A.4)
k
量Xについて,上限値Xmax及び下限値Xminが評価できる場合(例えば,製造業者の仕様又は温度範囲の
ような),方形状の確率分布を推定して,推定値xは,式(A.5)によって算出する。
Xmax Xmin
x (A.5)
2
また,この場合の標準不確かさu(x)は,式(A.6)によって算出する。
Xmax Xmin
ux (A.6)
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出力推定値y及び関連付けられる標準不確かさへの寄与で,入力推定値x及び関連する標準不確かさが
要因となって生じるものは,式(A.7)によって算出する。
uy Cux (A.7)
ここで,Cは,入力推定値xに依存する感度係数であって,これは,モデル関数y(x)の入力推定値xに
おける偏導関数の値である。
C = ∂y
∂x (A.8)
感度係数Cは,入力推定値xの変化が,出力推定値yにどの程度影響を与えるかを示し,式(A.8)又は数
値計算,すなわち,入力推定値xの変化に伴う出力推定値yの変化を,モデル関数y(x)から計算すること
によって求められる。また,実験によって,xの変化に伴うyの変化を求めるのが適切な場合もある。
A.4 標準不確かさの合成
合成した標準不確かさucは,個々の不確かさを集めて一つの量にまとめたものであり,式(A.9)に示すよ
うに,個々の不確かさが統計上互いに独立であるとの仮定の下で,タイプA評価及びタイプB評価によっ
て得た全ての不確かさの二乗和の平方根として求めることが可能となる。なお,式(A.9)では,最大の不確
かさ(ばらつき量)の1/10以下の不確かさは,二乗すると1/100以下となるので無視してもよい。
n
uC(y)= (A.9)
ui2(y)
i=1
ここで, i : 個々の不確かさを識別する番号
ui(y) : 個々の標準不確かさ
n : 不確かさの数
上記の不確かさを,更なる不確かさの算出に用いる場合は,個々の不確かさに代えて合成した標準不確
かさucを,個々の不確かさの一つとして,式(A.9)の右辺に再度代入する。この場合,ucは,部分的にはタ
イプAの性格を帯びているが,タイプBの不確かさとみなすことが望ましい。
A.5 かたより(系統誤差)
ここでは,測定器を用いてある量を測定した結果から得た推定値xと,その基準値(参照値又は標準値)
――――― [JIS C 6189 pdf 17] ―――――
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X0との差を,この測定器のかたよりDと考える。Dは,上記のタイプA及びタイプB(一様分布の場合)
の不確かさ算出の際に用いた測定サンプルから,それぞれ式(A.10)及び式(A.11)によって算出する。
n
DtypeA = 1n 堀 X0
(タイプA) (A.10)
k=1
DtypeB = Xmax+ Xmin
−X0 (タイプB) (A.11)
2
このようなかたよりは,十分に高い精度で測定サンプルの基準値が評価済みであれば,測定結果に与え
る影響を事前に予測できる性質のものであり,生の測定値に補正を加える(測定結果から,Dを減じる。)
ことで,その影響を補正可能である。上記で定義する標準不確かさは,この考えに基づき,測定結果に対
して考え得る全てのかたよりを補正済みであることを前提として算出する。これに対し,確度の規定では,
かたよりの寄与を明示的に含んだ形で,誤差の限界値を算出する。
(a) かたよりのある分布
3utypeB 3utypeB
D
Xmin X0 Xmax
(b) かたよりを不確かさ
に置き換えた分布
Xu= max(·Xmax X0·, ·Xmin X0·)
3utypeB 3utypeB
X0 Xu X0 X0 堀
図A.1−タイプB不確かさのかたよりを不確かさに置き換える方法
一般に,温度範囲などの動作条件に伴う不確かさの寄与は,タイプBの不確かさとして扱う。こうした
動作条件に伴うかたよりの寄与をそのまま被試験器の確度に反映させることが適切でない場合,図A.1に
示すように,かたよりのある一様分布を,もっと広い対称的な(かたよりをもたない)分布に置き換えて
考えることによって,かたよりを省くことが可能となる。この場合,不確かさは,式(A.6)による値よりも
大きくなり,式(A.12)によって算出した値となる。
max Xmax X0 , Xmin X0
ux (A.12)
3
A.6 不確かさと確度との関係
各動作条件に対するかたよりの寄与を不確かさに置き換えて考えることによって,確度の定義は式
(A.13)のとおりとなる。
p
tu 2 2
to k to ti(A.13)
tl i 1
ここで, εtu : 被試験器の動作誤差の上限
εtl : 被試験器の動作誤差の下限
――――― [JIS C 6189 pdf 18] ―――――
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εto : 標準試験条件での被試験器のかたより
k : 包含係数
εto : 標準試験条件での被試験器の不確かさ
εti : 各動作条件での被試験器の不確かさの寄与。
max tui ,
tli
によって算出する。
3
ここで, εtui : 各動作条件での不確かさ寄与の上限
εtli : 各動作条件での不確かさ寄与の下限
i : 各動作条件を識別する番号
p : 動作条件の数
――――― [JIS C 6189 pdf 19] ―――――
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附属書B
(参考)
製品群としての測定装置の確度
B.1 一般
一般に,ある物理量に対する測定結果は,使用した測定装置に固有のかたより(系統誤差)を含んでい
る。このかたよりは,装置ごとに異なり,個々の装置のかたよりを推定することは,試験を行わない限り
困難である。一方,同一仕様の複数の装置に対してかたよりを評価すれば,その値は,ある統計分布に従
う確率変数とみなすことが可能である。したがって,その統計分布を知ることができれば,装置個々のか
たよりの違いを,装置ごとのばらつきと捉え,その不確かさの寄与を評価することが可能となり,これを
装置が属する製品群の仕様値としての確度の算出に用いることが可能となる。
B.2 確度の算出
B.2.1 かたよりが正規分布に従う場合
装置ごとのかたよりDtoが正規分布(ガウス分布)に従い,その平均が0(ゼロ)で,標準偏差がσtoで
あるとした場合,σtoは,製品ごとのかたよりのばらつきに伴う標準不確かさを表す。したがって,σtoが既
知であれば,式(3)から,製品群としての確度は,式(B.1)によって算出可能である。
p
tu 2
k to uto2 ut2i (B.1)
tl i 1
一方,製品群のサンプル数が少なく,標準偏差σtoが不明な場合には,製品群としての確度は,式(B.2)に
よって算出する。
p
tu
kt eff sto2uto2 ut2i (B.2)
tl i 1
式(B.2)のstoは,σtoの推定値であり,式(B.3)によって算出する。
Ns
1 2
sto Dto,
j (B.3)
Ns 1 j 1
ここで, Dto,j : 製品群のj番目の装置サンプルのかたより
Ns : 製品群の装置サンプル数
また,kt(νeff)は,包含係数であり,有効自由度がνeffのスチューデントのt分布より算出する。ここで,
νeffは,ウェルチ−サタスウェイト(Welch-Satterwaite)の式から導いた式(B.4)によって求めることが可能
である。
p 2 p
4 4 4
2 2 2 sto uto uti
eff sto uto u ti (B.4)
i 1
Ns 1 to i 1 ti
――――― [JIS C 6189 pdf 20] ―――――
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JIS C 6189:2022の国際規格 ICS 分類一覧
- 33 : 電気通信工学.オーディオ及びビデオ工学 > 33.180 : 光ファイバ通信 > 33.180.10 : 光ファイバ及び光ケーブル