JIS C 62610-6:2021 電気及び電子装置用の機械的構造―屋内キャビネットの熱管理―第6部:屋内キャビネットのエア再循環及びバイパス | ページ 2

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C 62610-6 : 2021 (IEC 62610-6 : 2020)
再循環されサブラック吸気口に戻り,キャビネットの外部には排出されない。
図1−キャビネット内のエアフロー
図2は,キャビネット装置のエアフロー流量収支をダイアグラムで示したものである。図2のa) はキ
ャビネットに実装されている全てのサブラックを一塊のサブラック群とみなしたエアフローダイアグラム
を示している。サブラック群の内部の一つ一つのサブラックのエアフローは,図2のb) のダイアグラム
で示される。
図2を含め流量及び温度の記号は,次のように定義する。
FR : キャビネット流量
FS : サブラック群流量
FS-n : n番目のサブラック流量
fRC : キャビネット再循環流量
fBP : キャビネットバイパス流量
fRC-n : n番目のサブラック再循環流量
TRi : キャビネット吸気温度
TSi : サブラック群吸気温度
TSi-n : n番目のサブラック吸気温度
TRo : キャビネット排気温度
TSo : サブラック群排気温度
TSo-n : n番目のサブラック排気温度

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キャビネット
サブラック群
fRC-1
fRC-2
fRC-n TRo
キャビネット fRC TSi-1 TSo-1
FS-1 FR
TSo サブラック群
FD FD TSi-2 TSo-2
FS-2
TSiFS TSo TSo TRo
TRi TRi TRi TRi TSi-n TSo-n
TRi FR FS-n
fBP
fBP
a) サブラック群のダイアグラム b) 各サブラックのダイアグラム
図2−キャビネット内エアフローのダイアグラム

5.2 サブラック再循環率

  サブラック再循環率RCsは,キャビネット内のn番目のサブラック流量FS-nに対する,n番目のサブラ
ックの吸気に再循環されるn番目のサブラックの排気流量fRC-nの比率を表す。
n台のサブラック装置及び/又はシャシー装置がキャビネットに実装される場合に,各サブラック及び
/又はシャシーに対するそれぞれのサブラック再循環率RCsは,次の式で表される。
RCs=fRC-n
FS-n
ここで, fRC-n : n番目のサブラック再循環流量
FS-n : n番目のサブラック流量

5.3 キャビネット再循環率

  キャビネット再循環率RCrは,キャビネットに実装された全てのサブラック装置及び/又はシャシー装
置,つまりサブラック群に対する再循環率であり,次の式で表される。
FS=fRC-n
RCr=fRC n
FS-n
n
ここで, FS : サブラック群の流量
fRC : キャビネット再循環流量
FS-n : n番目のサブラック流量
fRC-n : n番目のサブラック再循環流量

5.4 キャビネットバイパス率

  キャビネットバイパス率BPrは,キャビネット流量に対する,サブラック群を通過せずに直接排気され
る流量の比率として定義され,次の式で表される。
BPr=fBP
FR
ここで, FR : キャビネット流量

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fBP : キャビネットのバイパス流量

6 再循環率及びバイパス率の測定

6.1 サブラック再循環率の測定

  サブラック再循環率RCsは流量の比率であるが,キャビネットの各部温度を測定することで,附属書B
で規定しているように,それらの温度の比率として算出するのが望ましい。サブラック再循環率の測定値
の定義式を次に示す。
RCs=TSi-n−TRi
TSo-n−TRi
ここで, TSi-n : n番目のサブラック吸気温度
TSo-n : n番目のサブラック排気温度
TRi : キャビネット吸気温度

6.2 キャビネット再循環率の測定

  キャビネット再循環率RCrは流量の比率であるが,キャビネットの各部温度を測定することで,附属書
Bで規定しているように,それらの温度の比率として算出するのが望ましい。キャビネット再循環率の測
定値の定義式を次に示す。
RCr=TSi−TRi
TSo−TRi
ここで, TSi : サブラック群の吸気温度
TSo : サブラック群の排気温度
TRi : キャビネット吸気温度

6.3 キャビネットバイパス率の測定

  キャビネットバイパス率BPrは流量の比率であるが,キャビネットの各部温度を測定することで,附属
書Bで規定しているように,それらの温度の比率として算出するのが望ましい。キャビネットバイパス率
の測定値の定義式を次に示す。
BPr=TSo−TRo
TSo−TRi
ここで, TSo : サブラック群の排気温度
TRi : キャビネット吸気温度
TRo : キャビネット排気温度

6.4 各部温度の測定方法

6.4.1 サブラック吸気温度
サブラック吸気温度TSi-nを測定する場合,サブラック装置及び/又はシャシー装置の吸気面から30 mm
の位置で3点を測定し,その平均値を適用する。
吸気口の位置に吸気ファンが実装されている場合には,各ファン吸気温度の平均値とする。

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6.4.2 サブラック群の吸気温度
キャビネットに実装された全てのサブラック装置及び/又はシャシー装置で構成されるサブラック群の
吸気温度を求める場合には,次の加重平均値を用いる。
TSi= n n·TSi-n
FS-n
n
ただし,個々のサブラック流量を知ることが困難であり,個々のサブラック流量が同程度であると判断
できる場合には,算術平均値を用いてもよい。
6.4.3 サブラック排気温度
サブラック排気温度TSo-nを測定する場合,サブラック装置及び/又はシャシー装置の排気面から10 mm
の位置で3点を測定し,その平均値を適用する。
排気口の位置に排気ファンが実装されている場合には,各ファン排気温度の平均値とする。
6.4.4 サブラック群の排気温度
キャビネットに実装された全てのサブラック装置及び/又はシャシー装置で構成されるサブラック群の
排気温度を求める場合には,次の加重平均値を用いる。
TSo= n n·TSo-n
FS-n
n
ただし,個々のサブラック流量を知ることが困難であり,個々のサブラック流量が同程度であると判断
することが可能である場合には,算術平均値を用いてもよい。
6.4.5 キャビネット吸気温度
キャビネット吸気温度TRiを測定する場合,キャビネットの吸気口から50 mm200 mmの位置で3点の
平均値とする。キャビネットがコールドアイルコンテインメント(冷気通路封鎖)されている場合は,コ
ールドアイル(冷気通路)を代表する位置の温度を用いてもよい。キャビネットが室内開放空間に設置さ
れている場合は,室温を代表する位置の温度を用いてもよい。
6.4.6 キャビネット排気温度
キャビネット排気温度TRoを測定する場合,キャビネットの排気口から10 mm30 mmの位置で3点の
平均値とする。キャビネットがホットアイルコンテインメント(熱気通路封鎖)されている場合は,ホッ
トアイル(熱気通路)を代表する位置の温度を用いてもよい。

6.5 キャビネット単体の再循環率及びバイパス率の測定方法

  キャビネット内部に発生する再循環とバイパスの要因に関して,再循環の原因は,サブラックのエアフ
ローパターンが一様でないこと,ブランクパネルが実装されていないこと,キャビネット内部のエアフロ
ー分離が不十分であること,ケーブル導入の隙間が空いていること,などである。バイパスの原因は,キ
ャビネットファンの流量が多すぎること,吸気側の静圧が排気側の静圧よりも高いことである。
このように,再循環及びバイパスの主な原因はキャビネットの機械的構造であるため,キャビネット単
体の再循環及びバイパスを測定することが重要となる。特に,キャビネット単体の再循環レベルの評価は,
キャビネットの機械的構造が再循環をどの程度引き起こす要因となるかを査定するのに,有効な方法であ

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る。
DTL(ダミー熱負荷)を用いたRCs,RCr及びBPrの測定方法は,附属書Aに規定した方法を用いなけれ
ばならない。

――――― [JIS C 62610-6 pdf 10] ―――――

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JIS C 62610-6:2021の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 62610-6:2020(IDT)

JIS C 62610-6:2021の国際規格 ICS 分類一覧

JIS C 62610-6:2021の関連規格と引用規格一覧