JIS C 6850:2006 光ファイバケーブル通則 | ページ 3

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附属書A(参考)
光ファイバケーブル布設のための指針
この附属書は,本体に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。
A1. 一般 光ファイバケーブルは高性能な通信線路であるが,布設が不適切であるとその特性が劣化する
ことになる。この附属書は,IEC 60794シリーズ仕様書が対象とする光ファイバケーブルの布設に関する
一般的な事項並びに空気圧送技術の特殊な事項に関して使用者及び布設者を支援する指針である。光ファ
イバケーブルは,可能な限り,通常の布設手法及び装置を使用できるように設計されている。しかし,一
般にはそのひずみ限度はメタルケーブルよりも多少小さくなっており,布設を正常に行うためには特別な
注意と準備が必要となることもある。重要なことは,ケーブル製造業者が決めているケーブルごとの布設
上の制約事項を守ることであり,そのケーブルの許容張力を超えないことである。布設中における超過荷
重によって生じる損傷は,すぐには判明せず,後々耐用年数の低下を招くことにもなる。この指針は,電
力の供給,鉄道などある種の危険な環境に適用できる追加関連規格及び要求事項に取って代わるものでは
ない。
A2. 布設計画
A2.1 布設仕様 光ファイバケーブルが正常に布設できるかどうかは,綿密な計画と使用者の作成する布
設仕様とによって左右される。布設仕様には土木設備の状況,ケーブル布設ルート,安全作業上の注意箇
所及び布設環境を記載するとともに,ケーブル,コネクタ及びクロージャについての材料表及び技術的要
求事項を記載する。もし,用地使用又は立入りに制限がある場合には,責任及び契約窓口を明確にし,布
設仕様に土木工事,布設準備及び必要な調査について詳細に記載する。
再布設,予備品,付帯サービス及び規制事項に関する布設後の要求事項も対象とする。
A2.2 ルート検討 光ファイバは,従来のメタルケーブルよりも軽く,長距離に布設されるが,基本的に
同様の布設ルートの検討事項を適用する。ルートの立案とケーブルの取扱方法では,布設する個々の光フ
ァイバケーブルの規定最小曲げ半径と最大引張荷重を慎重に検討する。これは,潜在的に障害を引き起こ
す光ファイバの損傷を避けるためである。
光ファイバケーブル布設での最大の問題は地下管路にある。管路ルートの状態と形態が最も重要である。
状態のよくない管路がある場合,急激な曲がりがある場合,管路内に既にケーブルが布設されている場合
又は方向が急激に変わっているアクセスポイントがある場合には,それらに応じて最大布設距離が減少す
ることになる。
地下管路又は架空環境に長いケーブルを布設する場合には,中間けん引作業又は“8の字取り”工法の
ための中間点でケーブルへのアクセスを必要とする布設方法が求められることがある。時間及び障害の要
因も検討の対象とする。長時間にわたる布設の場合及び時刻,騒音レベルによっては,布設機器が必要と
なることもあり,車両の通行規制も考慮する。
光ケーブル用地下管路の状態は特に注意を要するため管路が良好な状態にあり,できるだけ清潔な状態
を維持できるように常に配慮する。また,良好な布設環境,ケーブルの離隔,特別な機械的保護及び改善
された保守手順を提供するために単独又は複数の予備管路ルートを準備することも考慮する。予備管路は,

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特に長い場合,普通サイズの管路よりもロープ又はケーブルの作業が難しく,ケーブル外径と予備管路内
径との比率を検討する必要がある。
架空ルート部分に関する非常に重要な検討事項は,使用中のケーブルの動きを極力少なくすることであ
る。熱変化,ケーブル質量,氷雪荷重,風などによって生じるケーブルの動きは悪影響を与える。したが
って,起こり得る動きを少なくするのに重要なことは,頑丈な電柱をできる限りしっかり建てることであ
り,光ファイバケーブルによく合った電柱への取付方法を検討することである。
一般に光ファイバケーブルは軽量であるが,既存のつり線に増設すると,光ファイバが許容ひずみ限度
を超えるため,布設前に弛度と伸びの増加を計算する。
長い光ファイバケーブルを直接埋設又は暗きょ(渠)に布設する計画の場合には,暗きょ布設に該当す
る部分を特別な切断機又は溝掘り機を使って事前に準備しておくことが望ましい。
A2.3 ケーブル布設張力の予測 非常に長い光ファイバケーブルを布設する可能性がある場合には,特に
地下管路においてはその布設作業が正常に達成されるという見通しが必要であり,最大けん引張力を計算
することによってよい指針が得られる場合がある。この最大張力はケーブルの規定された機械特性と比較
でき,その値が接近していれば,ケーブルのルート短縮,ルート,方向の変更,代替ケーブルの設計など
の方法,又は中間けん引機の設定若しくは特定箇所における特別な予防対策によって,より高い安全率を
設定する方法を検討できることになる。計算に関する検討事項については,附属書A図1に示す。
A2.3.1 最大けん引張力 けん引張力を計算する場合には,次に示す主要な寄与要因を検討する必要がある。
− 単位ケーブル長当たりの質量
− ケーブルシース及びその接触面との間の摩擦係数
− 曲がり及び傾斜
一例として附属書A図1にルート及び一般的な張力の公式使用例を示す。

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付属書A図1 ケーブルの張力計算
A2.3.2 総張力 附属書A表1に示すルートの一方の端から他の端までの各区間全体について累積方式で
計算できる(この例の場合, 最一 桎 定されている。)。
附属書A表1
区間の最初で 区間の最後で
区間 長さ の張力T1 傾斜 曲がり 式 の張力(累積)
m N rad rad N
A − 0 − − − 0
AB 250 0 0.100 − 2 1 460
B − 1 460 − 1.571 3 3 464
BC 160 3 464 0.165 − 2 4 484
C − 4 484 − − − 4 484
CD 100 4 484 − − 1 4 980
D − 4 980 − − − 4 980
DE 20 4 980 − 0.785 3 7 669
E − 7 669 − − − 7 669
EF 60 7 669 − − 1 7 967
F − 7 967 − 0.524 3 10 628
FG 200 10 628 −0.124 − 2 11 390
備考 管路当たり2本以上のケーブルを布設すると,張力が大幅に上昇するため,曲がり箇所での計算に係数をか
けることによってこの点を考慮する必要がある。係数はケーブル本数,シース・ケーブル材質,ケーブル・
管路サイズ,ケーブル可とう性などに応じて変動する。係数の値は2本のケーブルに対しては1.5から2,3
本のケーブルに対しては2から4,4本のケーブルに対しては4から9である。

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A2.4 周囲の条件 布設手順は,周囲の条件によって影響されるため特に長い光ファイバケーブルを布設
する場合には,温度がケーブル製造業者が設定している範囲内にあるときに行うことがよいやり方である。
光ケーブルの機械特性は温度と構成材料にも左右される。通常,構成材料にポリ塩化ビニル(以下,PVC
という。)を含むケーブルは,温度が0 ℃未満のときには布設すべきではないが,ポリエチレンを含むケ
ーブルは温度が−15 ℃までの範囲であれば布設できる。多くのケーブルの場合,布設温度の上限は50 ℃
である。特別な対策を講じない限り,ケーブルは布設前に規定の布設温度範囲外の温度に12時間以上さら
してはならない。
A2.5 知識及び訓練 布設時に用いた光ファイバケーブル取扱方法は,物理的損傷又は伝送損失増加を即
時には発生させなくても長期の伝送特性には影響することがある。布設に携わる作業者は,適用する正し
い方法及び正しくない方法を適用した場合に生じる可能性のある結果を熟知し,ファイバの損傷なしにケ
ーブルを布設できる十分な知識をもち,訓練を受けていなければならない。
特に,布設作業者は最低限の曲げ基準を理解している必要があり,更に,手で布設した場合にはこれら
の基準にいかに違反しやすいかをよく理解しておくことが望ましい。
A3. ケーブル布設方法
A3.1 一般的検討事項 光ファイバケーブルはメタルケーブルに用いるのと同一又は類似の一般的な方法
を使って布設できるが,長尺の場合及びケーブルの曲げ,ひずみなどの面に関してはより注意を払う必要
がある。また,特定の方法又は機器を使用しなければならない状況もある。光ファイバは,布設時に軸方
向又は曲げで生じる過度のひずみから保護する必要があり,これを行う各種の方法がある。光ファイバケ
ーブルの設置に関するすべての方法及びシステムの目的は,光ファイバケーブルをできるだけひずみのな
い状態で布設し,接続可能とすることにある。
その他の一般的予防措置としては,次の事項がある。
− 現場へのケーブルの搬入を監視し,車両からの荷降ろし中に機械的損傷が生じないようにする。
− 保管条件は,機械的及び環境面の注意事項に配慮し,適切なものとする。
− 文書を点検し,搬入ケーブルが調達仕様書に適合していることを確認する。
− 適切な保護キャップを光ケーブルの端末に取り付ける。端末キャップは取付け時に損傷を与えないよ
うに慎重に取り扱い,損傷したキャップは修理又は交換する。
A3.2 狭い場所での安全 光ファイバケーブルを布設するときは,空気の循環がよくない,又は出入りの
困難なマンホール,地下通路,トンネル,ケーブル路,区域などのような狭い場所で作業を行わなければ
ならないことがある。
狭い場所で作業を行う可能性がある場合,爆発性,窒息性,有毒ガス,鉛,アスベストなどが存在する
可能性など健康及び安全上の危険性を検討し,作業開始前に安全装置及び指示を確実に追加することが必
要となる。
A3.3 布設前の手順 布設者は,布設を開始する前に次の点検を実施する。
− 布設規格に規定されているルートに布設計画どおりにアクセスできるとともに,そのルートが利用で
きることを確認する。布設者は使用者にすべての変更案を伝達する。
− ルート内の環境条件及び使用する布設方法が,布設する光ケーブルの設計に合致していることを確認
する。
− 光ファイバケーブル内の光ファイバに,布設後に応力が直接加わらないようにする必要な対策を決定
する。長く垂直な距離の布設が提案されている場合には,光ファイバケーブルを製造業者が推奨する

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間隔で垂直線から回避させる必要がある(短い水平距離,ループ又は支持物を取り入れる)
− 布設計画の段階においてドラム(又はリール)を配置する場所を提案,決定し,その場所が使えるか
どうかを確認する。
− 余長ループの設置場所を特定し,布設計画どおりに施工できるかどうかを確認する。
− 必要なすべての布設材料が入手できることを確認する。
− クロージャの設置場所を特定し,布設計画どおりに施工できるかどうかを確認する。クロージャは布
設済ケーブルの後日の修理,拡大又は延長に対し中断を最小限にするとともに安全に実施できるよう
に配置する。
A3.4 地下管路への光ケーブルの布設
A3.4.1 適用範囲 この適用範囲が対象となる代表的な適用例を附属書A図2に示す。
附属書A図2 光ファイバケーブルの地下管路への布設
A3.4.2 ケーブル過大張力防護方法 光ファイバケーブルに過大な張力が加わらないよう布設ルート,ガイ
ド装置などに可能な限りの対策を施したとしても,布設作業は動いていることからいつ過大な張力がかか
るか分からないので,過大張力防護装置を設けるのがよりよい対策である。この防護を設ける機器には,
主若しくは中間けん引機側に配置する機器又はケーブルとけん引ロープとの接続点側に配置する機器の2
種類がある。けん引機側の機器としては(けん引機タイプによるが),あらかじめ定めた負荷に設定できる
機械式クラッチ,停動モータ,油圧式バイパス弁及びけん引機制御用のフィードバックを行う動力計で構
成するケーブル張力監視形タイプがある。ケーブルとけん引ロープとの接続点側の機器は,機械式ヒュー
ズ(張力又はせん断)及びけん引機制御情報を提供する検出装置で構成する。これらのすべてのシステム
は,ケーブルに加えられる負荷が損傷レベルに近づくと,けん引作業を制限したり停止する目的をもって
いる。
A3.4.3 ケーブルの曲げ及びガイドシステム ケーブル及び光ファイバが許容値を超える曲げ応力を受け
るのを避けるには,引張り及び布設時に,曲げ径に関するケーブル製造業者が決めている許容値を守るこ
とが必要である。ガイド装置はケーブルルートにおける曲げ箇所及び管路口で使用し,ケーブル固有に規
定されている最小曲げ径を順守する。
布設時に張力が加わった状態で光ファイバケーブルを曲げるときには注意を要する。ガイドシステム及
びガイド装置は,使用目的に適合しているか調査し,製造業者の規定曲げ基準に配慮する。一般にケーブ
ル外径の約20倍の最小曲げ直径が適切とみなされているが,張力が加えられた状態で布設するときは,こ
の比率を2倍(すなわち,ケーブル外径の40倍の曲げ直径)にすることを推奨する。大多数のガイド装置
は,光ファイバケーブルとメタルケーブルの両方に使用できるが,長い区間の布設では,多数のガイド装
置が必要であり,軽さと摩擦が低いという特性を必要とする。

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  • IEC 60794-1-1:2001(MOD)

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