JIS C 8500:2017 一次電池通則 | ページ 2

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C 8500 : 2017
3.18
放電出力[service output (of a primary battery)]
規定の条件で放電したときの,電池寿命,電気容量又は取り出すことができるエネルギー。
3.19
放電出力試験(service output test)
電池の放電出力を評価するための試験。
注記 放電出力試験は,次のような場合に用いられることがある。
a) 応用試験が複雑すぎて,試験条件の設定が困難な場合。
b) 応用試験に要する期間が,通常の試験実施期間を超える場合。
3.20
小形電池(small battery)
図1に示す飲込み判定ゲージからはみ出ない大きさの電池。
注記 具体的には,次の電池が該当する。
JIS C 8515に規定する電池区分3,電池区分4,R1,R03,LR8D425,LR1,LR03,CR14250,
CR15H270(CR2),CR17345(CR123A),BR17335,4LR44,2CR13252(2CR-1/3N),及び4SR44
の電池。
単位 mm
図1−飲込み判定ゲージ
3.21
貯蔵寿命(storage life)
一定の条件で貯蔵したとき,電池が規定の放電出力を維持できる貯蔵期間。
(IEV482-03-47,修正)
3.22
端子[terminals (of a primary battery)]
外部回路に接続する電池の導電部。

――――― [JIS C 8500 pdf 6] ―――――

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4 要求事項

4.1 一般

4.1.1  設計
一次電池は,主に一般消費者向け市場で販売している。最近では,化学的にも,構造的にも洗練されて
きている。また,進展の著しい新たな電池応用機器に適した高容量かつ高負荷対応の一次電池が増加しつ
つある。
一次電池を設計する場合には,これらの状況も踏まえ,新たな電池応用機器に配慮しなければならない。
特に,寸法の適合性及び安定性,物理的特性,電気的特性並びに正常使用及び誤使用における安全性を確
保しなければならない。
注記 機器設計上の情報は,附属書Bを参照する。
4.1.2 電池寸法
形式別の一次電池の寸法は,JIS C 8515による。
4.1.3 端子
4.1.3.1 一般
端子の形状・寸法は,JIS C 8515の箇条5(電池の区分)による。
端子の形状は,良好な電気的接続を常に確保するように,設計しなければならない。また,端子は適切
な導電性及び防食性を備えた材料でなければならない。
4.1.3.2 端子の種類及び定義
端子の種類及び定義は,次による。
a) キャップベース端子 電池端子部を,円筒部から絶縁する端子。
b) キャップケース端子 電池円筒部が,正極端子の一部である端子。
c) スクリュー端子 ねじ棒と金属ナット又は絶縁金属ナットとの組合せから成る端子。
d) フラット端子 圧着接触によって電気的な接続を得るフラットな金属端子。
e) 弾性フラット端子又はスパイラル端子 弾性のあるフラットな金属片又はら(螺)旋巻線状の加圧接
触による端子。
f) 差込みソケット(この規格で使用しないため,不採用とした。)
g) スナップ端子 正極端子として(非弾性の)スタッド,負極端子として(弾性の)ソケットの組合せ
で構成される端子。外部回路又は電気回路の対応接続部品に接続したときに,良好な電気的接続が得
られるように,ニッケルメッキ鋼板又はそれ以外の適切な材料とする。また,確実な物理的及び電気
的接続が得られるように設計する。
h) ワイヤ端子 単線又はよ(撚)り線から成る端子。ワイヤ端子は,絶縁したすずめっき銅の導電体と
する。絶縁材は,木綿又は樹脂でもよい。正極ワイヤ端子側の被覆は赤とし,負極ワイヤ端子側は黒
とする。
i) その他,スプリング端子及びクリップ端子 外部接続回路の接続部の詳細が分からない場合に用いる
端子。一般に,スプリング端子及びクリップ端子は,弾性のある黄銅又は同等の特性をもつ材料とす
る。
4.1.4 電池系の分類
一次電池は,負極,電解液及び正極の組合せ(電池系)によって分類する。
マンガン乾電池を除くそれぞれの電池系には,固有の電池系記号を付与する。電池系は,表1による。
注記 電池の規格化については,附属書Aを参照。

――――― [JIS C 8500 pdf 7] ―――――

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表1−電池系の分類
電池系 電池名称 負極 電解液 正極 公称電圧 最大開路
記号 (参考) Vn 電圧
V V
なし マンガン乾電池 亜鉛 塩化アンモニウム, 二酸化マンガン 1.5 1.73
(Zn) 塩化亜鉛,水 (MnO2)
A 空気湿電池 亜鉛 塩化アンモニウム, 酸素 1.4 1.55
(Zn) 塩化亜鉛,水 (O2)
B ふっ化黒鉛リチウム リチウム リチウム塩, ふっ化黒鉛 3.0 3.7
一次電池 (Li) 有機電解液 [(CF) n]
C 二酸化マンガンリチウ リチウム リチウム塩, 二酸化マンガン 3.0 3.7
ム一次電池 (Li) 有機電解液 (MnO2)
E 塩化チオニルリチウム リチウム リチウム塩, 塩化チオニル 3.6 3.9
一次電池 (Li) 非水性無機物 (SOCl2)
F 二硫化鉄リチウム リチウム リチウム塩, 二硫化鉄 1.5 1.83
一次電池 (Li) 有機電解液 (FeS2)
G 酸化銅リチウム リチウム リチウム塩, 酸化第二銅 1.5 2.3
一次電池 (Li) 有機電解液 (CuO)
L アルカリマンガン電池a) 亜鉛 アルカリ金属水酸化物,二酸化マンガン 1.5 1.68
(Zn) 水 (MnO2)
P 空気亜鉛電池 亜鉛 アルカリ金属水酸化物,酸素 1.4 1.59
(Zn) 水 (O2)
S 酸化銀電池 亜鉛 アルカリ金属水酸化物,酸化銀 1.55 1.63
(Zn) 水 (Ag2O)
W 二酸化硫黄リチウム リチウム リチウム塩, 二酸化硫黄 3.0 3.05
一次電池 (Li) 有機電解液 (SO2)
Y 塩化スルフリルリチウ リチウム リチウム塩, 塩化スルフリル 3.9 4.1
ム一次電池 (Li) 非水性無機物 (SO2Cl2)
Z ニッケル亜鉛一次電池 亜鉛 アルカリ金属水酸化物,オキシ水酸化ニッケル 1.5 1.78
(Zn) 水 (NiOOH)
最大開路電圧の測定方法は,5.5による。
注a) アルカリマンガン電池は,ボタン形のアルカリマンガン電池とその他の形状のアルカリマンガン乾電池とに
細別する。
4.1.5 形式命名法
電池は,電池の形式を用いて表す。形式の付与方法(以下,形式命名法という。)は,形状,電池系など
によって決める。また,必要に応じて追加記号を用いる。
形式命名法は,附属書Cによる。
4.1.6 表示
表示項目及び表示箇所は,表2による。

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表2−表示項目及び表示箇所
表示項目 表示箇所
小形電池以外 小形電池
電池系P以外の電池 電池系Pの電池
形式 A A C
使用推奨期限a) 又は製造時期b) A B B
(+)端子の極性c) A A D
公称電圧 A B B
製造業者又は供給業者の名称,商標又はその略号 A B B
取扱上の注意事項 A B d) B d)
電池名称又は略称e)(表示することが望ましい。) A B B
表中の記号は次による。
A : 電池本体に表示する。
B : 電池本体又は最小包装単位のいずれかに表示する。
C : 電池本体,シール又は最小包装のいずれかに表示する。
D : 電池本体又はシールのいずれかに表示する。
注a) 使用推奨期限は,“使用推奨期限(月−年)”の表示に続き,使用推奨期限の記号として月2桁と西暦年
号とで表す。西暦年号を略号で表示する場合には,西暦年号の末尾2桁で表す。記号又は略号の後ろに
その他の用字を付与してもよい。使用推奨期限が,2021年4月の場合の表示例を,次に示す。
例1 使用推奨期限(月−年)04-2021
例2 使用推奨期限(月−年)04-21
使用推奨期限の記号又は略号を“使用推奨期限(月−年)”の表示から離して別の箇所に表示する場合
には,その旨を表示する。
“使用推奨期限”を用いる場合には,使用推奨期限内では,JIS C 8515に規定する“12か月貯蔵後”
の最小平均持続時間(MAD)を適用する。12か月を超える長期の使用推奨期限のMADは,受渡当事者
間の協定,又は製造業者の指定に基づく保存試験及び/又は加速試験の方法で確認する。
b) 製造時期は,“製造時期(年−月)”の表示に続き,使用推奨期限の表示に倣い,記号又は略号を表示す
る。
c) マンガン乾電池及びアルカリマンガン乾電池は,“(+)”及び“(−)”の極性を表示する。
d) 誤飲の注意事項を表示する。詳細については,JIS C 8513の7.2(電池取扱いの安全性に関する注意事項)
及び9.2(小形電池),並びにJIS C 8514の7.1(電池取扱いの安全性に関する注意事項)及び箇条9(表
示)を参照。
e) 略称の例を次に示す。
例1 マンガン電池 : 電池系の記号がない場合
例2 リチウム電池 : 電池系B,C,E,F,G,W,Yの場合
例3 アルカリ(乾)電池 : 電池系Lの場合
例4 空気電池 : 電池系Pの場合
例5 銀電池 : 電池系Sの場合
なお,同等の意味の英文を用いてもよい。
4.1.7 電圧互換性
一次電池は,代表放電電圧Us 1) によって分類できる。新しい電池系の電圧互換性は,次の式によって
評価する。
n×(Ur×0.85)≦m×Us≦n×(Ur×1.15)
ここに, Ur : 中間電圧(V)
Us : 代表放電電圧(V)
n : Urに基づく素電池の直列接続数
m : Usに基づく素電池の直列接続数

――――― [JIS C 8500 pdf 9] ―――――

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注1) 代表放電電圧Usは,実測に合致するように指定する数値であって,公称電圧及び最大開路電圧
のいずれとも異なる。
この式に適合する電圧区分は,電圧区分の中点である中間電圧Urによって,次のように区別できる。
− 電圧区分1 中間電圧Ur=1.4(V)
− 電圧区分2 中間電圧Ur=3.2(V)
代表放電電圧Usの決定方法及びその数値を,参考として附属書Dに示す。
注記 同じ電圧区分の素電池を用いて組み立てた単電池及び組電池の場合,m及びnは同じ数値であ
る。既に規格化している電池とは異なる電圧区分の素電池を用いて組み立てた組電池の場合,
m及びnは,異なる数値となる。
電圧区分1は,現在規格化している公称電圧が約1.5 Vで,かつ,電池系記号が“なし”,A,F,G,L,
P,S及びZの各電池が該当する。また,電圧区分2は,現在規格化している公称電圧が約3 Vで,かつ,
電池系記号がB,C,E,W及びYの各電池が該当する。電圧区分1の電池と電圧区分2の電池とは,全
く異なる放電電圧を示すので,形状,寸法などは互換性がないように設計しなければならない。表1に規
定する以外の新たな電池系を決める場合,電圧互換性を確認するために,附属書Dに示す手順を参考に,
代表放電電圧を決定しなければならない。
警告 上記の要求事項に適合しない場合には,発火,破裂,漏液,機器損傷など安全性の危害を電池
使用者に与えることがある。したがって,この要求事項は,安全上及び取扱上の必要事項であ
る。

4.2 品質特性

4.2.1  放電特性
放電特性は,5.2によって放電試験を行い,特性値は,JIS C 8515による。
4.2.2 寸法安定性
寸法は,JIS C 8515に規定する放電条件で放電した後,5.6によって試験を行い,JIS C 8515に規定する
電池寸法に適合しなければならない。
注記1 (JIS C 8515と重複しているので,この規格では削除した。)
注記2 (JIS C 8515と重複しているので,この規格では削除した。)
4.2.3 漏液
箇条6に規定する貯蔵試験及び放電試験を行ったとき,電池から漏液があってはならない。
注記 上記のほか,5.7の注記に記載した条件で電池を貯蔵したとき,漏液しないことが望ましい。
4.2.4 開路電圧
一次電池の最大開路電圧は,表1に規定する値を超えてはならない。
4.2.5 放電出力
(この規格で使用しないため,不採用とした。)
4.2.6 安全性
一次電池の設計時には,JIS C 8513及びJIS C 8514に規定する正常使用及び誤使用における安全性を確
保しなければならない。

5 品質特性-試験項目及び試験方法

5.1 一般

5.1.0A   一般事項

――――― [JIS C 8500 pdf 10] ―――――

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JIS C 8500:2017の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 60086-1:2015(MOD)

JIS C 8500:2017の国際規格 ICS 分類一覧

JIS C 8500:2017の関連規格と引用規格一覧