JIS C 8972:1997 太陽光発電用長時間率鉛蓄電池の試験方法

JIS C 8972:1997 規格概要

この規格 C8972は、太陽光発電システムに使用する鉛蓄電池のうち,定格容量の規定が10時間率以上のベント形及びシール形鉛蓄電池を対照とする。

JISC8972 規格全文情報

規格番号
JIS C8972 
規格名称
太陽光発電用長時間率鉛蓄電池の試験方法
規格名称英語訳
Testing procedure of long discharge rate lead-acid batteries for photovoltaic systems
制定年月日
1997年7月20日
最新改正日
2018年10月22日
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‐ 
対応国際規格

ISO

国際規格分類

ICS

27.160, 29.220.20
主務大臣
経済産業
JISハンドブック
‐ 
改訂:履歴
1997-07-20 制定日, 2003-09-20 確認日, 2008-10-01 確認日, 2013-10-21 確認日, 2018-10-22 確認
ページ
JIS C 8972:1997 PDF [12]
C 8972 : 1997

まえがき

  この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が制定した日
本工業規格である。

(pdf 一覧ページ番号 )

――――― [JIS C 8972 pdf 1] ―――――

                                       日本工業規格(日本産業規格)                             JIS
C 8972 : 1997

太陽光発電用長時間率鉛蓄電池の試験方法

Testing procedure of long discharge rate lead-acid batteries for photovoltaic systems

1. 適用範囲 太陽光発電システムに使用する鉛蓄電池のうち,定格容量の規定が10時間率以上のベント
形及びシール形鉛蓄電池を対象とする。
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格は,その最新版を適用する。
JIS B 7307 自記気圧計
JIS B 7411 ガラス製棒状温度計(全浸没)
JIS B 7505 ブルドン管圧力計
JIS C 0010 環境試験方法−電気・電子−通則
JIS C 1102 指示電気計器
JIS C 8702 小形シール鉛蓄電池
JIS C 8704 据置鉛蓄電池
JIS C 8707 陰極吸収式シール形据置鉛蓄電池
JIS C 8905 独立形太陽光発電システム通則
JIS C 8960 太陽光発電用語
JIS R 3505 ガラス製体積計
3. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,JIS C 8702, JIS C 8704, JIS C 8707, JIS C 8905の参考2
及びJIS C 8960によるほか,次による。
a) 充放電効率試験 完全充電状態から放電終止電圧まで放電し,その状態から放電電気量と同一の電気
量を充電し,その後,再度放電終止電圧まで放電したときの効率試験。
b) SOC(部分充放電状態)効率試験 太陽光発電システムでの使用状況で生じる部分充放電状態での
運用を考慮して,ある規定された充電状態の範囲で行う効率試験。
c) SOC(部分充放電状態)充放電サイクル試験 太陽光発電システムでの使用状況で生じる部分充放
電状態での運用を考慮し,日本の日射条件から推定した充放電パターンによって太陽光発電用として
の動作を確認する試験。
d) SOC(部分充放電状態)アンペアアワー効率 b)のPSOC効率試験で得た放電電気量と充電電気量
の比。

――――― [JIS C 8972 pdf 2] ―――――

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e) SOC(部分充放電状態)ワットアワー効率 b)のPSOC効率試験で得た放電電力量と充電電力量の
比。
f) 部分放電終了重圧 b)のPSOC効率試験において放電を終了する電圧。
g) 部分充電終了重圧 b)のPSOC効率試験において充電を終了する電圧。
4. 試験の種類 試験の種類は,次のとおりとする。
4.1 定格容量試験 銘板などに記載された定格容量を,定格放電時間率電流で規定放電終止電圧まで放
電し,確認する試験。
4.2 10時間率容量試験 定格容量が10時間率容量と異なる鉛蓄電池において10時間率電流での容量を
測定する試験。
4.3 容量保存率試験 完全充電後一定期間放置して,その後放電を行い,放置前の容量と放置後の容量
の差から容量保存率を求める試験。
4.4 充放電効率試験 完全充電状態から放電終止電圧まで放電し,その際の放電電気量と同一の電気量
を充電した後で,再度放電終止電圧まで放電したときの充電電気量と放電電気量から充放電効率を求める
試験。
4.5 PSOC(部分充放電状態)効率試験 規定された充電状態範囲での充放電効率を測定する試験。
4.6 PSOC(部分充放電状態)充放電サイクル試験 日本の日射条件から推定された充放電パターンによ
って太陽光発電用鉛蓄電池として問題なく動作することを確認する試験。
4.7 過充電寿命試験 過充電によって正極格子寿命を評価する加速寿命試験。
4.8 過放電試験 過放電状態からの回復性能の試験。
4.9 密閉反応効率試験 シール形鉛蓄電池において充電中に発生する酸素ガス,水素ガスを再結合させ
て又は酸素ガスを陰極(負極)吸収させて水に戻す能力を評価する試験。
4.10 安全弁作動試験 シール形鉛蓄電池に取り付けられた安全弁が対象であり,その動作を確認する試
験。
4.11 防爆試験 排気部の防爆性能を確認する試験。
4.12 防まつ試験 充電時に希硫酸が飛まつ(沫)となって蓄電池外部へ放出される量を確認する試験。
5. 試験の状態 試験の状態は,この規格に規定のない限りJIS C 0010に規定する標準状態での試験とす
る。なお,試験によっては防爆防まつ装置,触媒栓をはずした状態で実施してもよい。
6. 試験条件 試験条件は,次のとおりとする。
6.1 試験鉛蓄電池 試験鉛蓄電池は,初充電後6か月以内のものを用いるものとする。ただし,保管条
件は製造業者が指定する方法による。試験時は,蓄電池を正立した状態で行うものとする。
6.2 試験器具 試験器具は,特に指定のない限り次のものを用いる
a) 電圧計及び電流計 電圧計及び電流計は,JIS C 1102に規定する階級0.5級又はこれと同等以上の精
度をもつ計器とする。
b) 温度計 温度計は,JIS B 7411に規定する許容差±1℃の温度計又はこれと同等以上の精度をもつ温度
計とする。
c) 圧力計 圧力計は,JIS B 7307若しくはJIS B 7505に規定する圧力計又はこれと同等以上の精度をも
つ圧力計とする。

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d) ビュレット又はメスシリンダ ビュレット又はメスシリンダは,JIS R 3505に規定するビュレット及
びメスシリンダ又はこれと同等以上の精度をもつビュレット及びメスシリンダとする。
6.3 完全充電 製造業者の指定する充電条件で完全充電する。
7. 試験方法
7.1 定格容量試験 容量は,銘板などに明記された定格時間率電流によって試験を行ったとき,規定の
放電終止電圧までの時間を測定し,この時間と放電電流との積とする。
a) 試験温度 周囲温度25±2℃。ただし,電解液温度による管理が可能な場合は電解液温度25±2℃。
b) 放電開始の時期 完全充電し,25±2℃の雰囲気に124時間静置し,蓄電池の表面温度が25±2℃で
あり,かつ,その温度を30分間隔で測定してほぼ一定であることが確認されたとき。
c) 放電電流 銘板などに明記された時間率容量に対応した電流値とする。
d) 放電終止電圧 製造業者の指定する値。
7.2 10時間率容量試験 10時間率電流によって放電試験を行ったとき,規定の放電終止電圧までの時間
を測定し,この時間と放電電流との積とする。
なお,定格容量が10時間率で規定されている場合は不要である。
a) 試験温度 周囲温度25±2℃。
b) 放電開始の時期 完全充電し,25±2℃の雰囲気に124時間静置し,蓄電池の表面温度が25±2℃で
あり,かつ,その温度を30分間隔で測定してほぼ一定であることが確認されたとき。
c) 放電電流 10時間率容量に対応した電流値とする。
d) 放電終止電圧 1.8V/セルとする。
7.3 容量保存率試験 保存特性は,7.2の試験を終了した蓄電池を完全充電状態にした後,次の条件によ
って保存後の容量から求める。
a) 蓄電池表面 清掃して乾燥する
b) 保存期間 開路状態で90日間。
c) 保存中の周囲温度 25±5℃。
d) 保存後の容量 7.2による。ただし,放電開始前の補充電は行わないものとする。
e) 保存特性 次の式によって求める。
Cr
ST 100 (1)
Ca
ここに, 容量保存率 (%)
Ca : 保存前に7.2の容量試験で測定した容量 (Ah)
Cr : 保存後に補充電なしで測定した容量 (Ah)
7.4 充放電効率試験 充放電効率試験は,次の条件で試験を行う。
a) 試験温度 周囲温度25±2℃。
b) 試験開始時期 完全充電し,25±2℃の雰囲気に124時間静置し,蓄電池の表面温度が25±2℃であ
り,かつ,その温度を30分間隔で測定してほぼ一定であることが確認されたとき。
c) 放電電気量の測定 0.1C10Aの一定電流で規定された放電終止電圧まで放電し,その際の放電電気量
を測定する。
d) 充電電気量及び充電エネルギーの測定 引き続き0.1C10Aの一定電流でc)で測定した電気量分を充電
する充電エネルギーを求めるために,この間の蓄電池の端子電圧を逐次測定する。測定結果から充電

――――― [JIS C 8972 pdf 4] ―――――

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電気量CC0と充電エネルギーEC0を求める。
e) 放電電気量及び放電エネルギーの測定 引き続き0.1C10Aの一定電流で蓄電池の端子電圧が放電終止
電圧に達するまで放電し,放電エネルギーを求めるために放電中の端子電圧と放電持続時間を測定す
る。測定結果から放電電気量CD0と放電エネルギーED0を求める。
f) 充放電効率の計算 次の式によって充放電効率を求める。
D0
Ah0 100 (2)
C0
ここに, アンペアアワー効率 (%)
CD0 : 2回目の放電で測定した放電電気量 (Ah)
CC0 : 充電電気量 (Ah)
D0
wh0 100 (3)
C0
ここに, 圀 ワットアワー効率 (%)
ED0 : 2回目の放電で測定した放電エネルギー (Wh)
EC0 : 充電エネルギー (Wh)
7.5 PSOC(部分充放電状態)効率試験 PSOC効率試験は,次の条件で試験を行う。
a) 試験温度 周囲温度は25±2℃。
b) 充電状態の範囲 充電状態の範囲は,10時間率容量で3090%の範囲を原則とする。
なお,適用する太陽光発電システムの動作範囲に基づき,当事者間の協議によって決めてもよい。
c) 試験開始時期 完全充電し,25±2℃の雰囲気に124時間静置し,蓄電池の表面温度が25±2℃であ
り,かつ,その温度を30分間隔で測定してほぼ一定であることが確認されたとき。
d) 部分放電終了電圧の測定 0.1C10Aの一定電流で7.2で求めた10時間率容量の70%に対応する電気量
を放電する。その際に,放電終了間際の端子電圧である部分放電終了電圧V1を測定する。
e) 充電電気量及び充電エネルギーの測定 引き続き0.1C10Aの一定電流で7.2で求めた10時間率容量の
60%に当たる電気量CCを充電する。この間の蓄電池の端子電圧を逐次測定し,部分充電終了電圧を測
定するその測定結果から充電エネルギーEcを求める。
f) 放電電気量及び放電エネルギーの測定 引き続き0.1C10Aの一定電流で蓄電池の端子電圧がV1に達す
るまで放電し,放電中の端子電圧と放電持続時間を測定するそ。の測定結果から放電電気量CDと放
電エネルギーEDを求める。
g) SOC効率の計算 次の式によってPSOC効率を求める。
D
Ah 100 (4)
C
ここに, PSOCアンペアアワー効率 (%)
CD : 部分放電電気量 (Ah)
CC : 部分充電電気量 (Ah)
D
wh 100 (5)
C
ここに, 圀 PSOCワットアワー効率 (%)
ED : 部分放電エネルギー (Wh)
EC : 部分充電エネルギー (Wh)
7.6 PSOC(部分充放電状態)充放電サイクル試験 PSOC充放電サイクル試験は,容量試験,10時間率
容量試験及びPSOC効率試験を終了した蓄電池を完全充電状態にした後,次の条件で試験する。

――――― [JIS C 8972 pdf 5] ―――――

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