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D 1012 : 2005
2.2.3.1.2 車両の惰行 暖機走行後,必要に応じて車両を最も速い測定点車速で1分間運転する。その後,
測定開始車速(Vj+ 言 一 速まで加速し,速やかに惰行を開始する。各測定点車速Vjに対応
させて,(Vj+ Vj− 定する。 逸 的に5 km/hとするが,Vjが60 k
以上では10 km/hとしてもよい。惰行中の変速機はニュートラルとし,エンジンはアイドリング状態とす
る。手動変速機付き車両においては,クラッチはつないでおく。ステアリングホイールは極力操作せず,
また,ブレーキを踏んではならない。惰行開始時の車速,車両状態が同様であるように注意しつつ,往復
方向で惰行試験を繰り返す。惰行試験は,最高測定点から最低測定点まで中断なく行われることが望まし
いが,困難な場合には分割して行ってもよい。ただし,この場合は,分割点での車両状態は極力変化しな
いように注意する。
2.2.3.1.3 試験精度の検定 試験は往復3回以上行い,試験精度pが次の基準を満足するまで繰り返す。
ts 100
p 3
n Tj
ここに, p : 試験精度 (%)
n : 測定対の繰り返し回数
車速Vjにおける平均惰行時間であり,次の式で与えられる。
1 n
Tj Tji
ni 1
ここに, 椰 の測定点車速Vjにおけるi回目の惰行
時間対の調和平均であり,次の式で与えられる。
2
Tji
/1 Tjai/1 Tjbi
ここに, 愀楓 び 戀椰澎 速Vjにおけるi回目の往復各方向
の惰行時間 (s)
s : 次の式で与えられる標準偏差
1 n
s (Tji Tj ) 2
n 1i1
t : 表1で与えられる係数
表 1 測定対の繰り返し回数nに対するt及び t/ n
n t t/ n
3 4.3 2.48
4 3.2 1.60
5 2.8 1.25
6 2.6 1.06
7 2.5 0.94
8 2.4 0.85
9 2.3 0.77
10 2.3 0.73
11 2.2 0.66
12 2.2 0.64
13 2.2 0.61
14 2.2 0.59
15 2.2 0.57
――――― [JIS D 1012 pdf 6] ―――――
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D 1012 : 2005
2.2.3.1.4 走行抵抗の決定 車速Vjにおける走行抵抗は,次の式で求める。
1 2 V
Fj m mr
6.3 Tj
ここに, Fj : 走行抵抗 (N)
m : 試験時車両質量 (kg)
m : 車両の駆動系の回転部分相当慣性質量 (kg)
通常は,空車質量の3 %とする。
囿 惰行時間を測定する車速区間の半分 (km/h)
走行抵抗は,各測定点でのデータ対(Vj,Fj)を用いて次の2次式に回帰される。
F f0 f1V f2V 2
ここに, F : 走行抵抗 (N)
f0 : 走行抵抗の定数項 (N)
f1 : 走行抵抗のVの1次項の係数 [N/(km/h) ]
f1は,f1Vが各測定点車速でFの3 %未満であれば0として
もよい。この場合,係数f0,f2を再計算しなければならない。
f2 : 走行抵抗のVの2次項の係数 [N/(km/h)2]
V : 車速 (km/h)
2.2.3.2 直接回帰法 測定開始点から終了点までの経過時間に対する車速のデータすべてを用いて一括
回帰する方法であり,次の手順によって走行抵抗曲線の式を求める。
車速を最小二乗法によって,次のようなtanの関数に回帰させる。
V Atan( Bt C) D
求める走行抵抗曲線を,次の式で求める。
F f0 f1V f2V 2
1 B
f0 (m mr )( ) (A2 D2 )
6.3 A
1 2 BD
f1 (m mr )
6.3 A
1 B
f2 (m mr )
6.3 A
参考 f0,f1及びf2がA,B及びDを用いて上の式の形に表される理由を,附属書3(参考)に示す。
2.2.4 ホイールトルクメータによる走行抵抗測定
2.2.4.1 測定機器の装着 ホイールトルクメータを車両の駆動輪に装着する。ホイールトルクメータは,
走行抵抗試験直前にゼロ調整及びスパン調整を行う。
2.2.4.2 測定点車速の選定 2.2.3.1.1に準じる。
2.2.4.3 試験 試験は,各測定点車速で安定した後に,車速及び各輪の走行負荷トルクを測定する。測定
は,5秒間以上継続して行う。データサンプリング周波数は,4 Hz以上が望ましい。試験中の平均車速に
対する許容車速幅は,表2による。
――――― [JIS D 1012 pdf 7] ―――――
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D 1012 : 2005
表 2 許容車速幅
測定時間 許容車速幅
s km/h
5以上10未満 ±0.2
10以上15未満 ±0.4
15以上20未満 ±0.6
20以上25未満 ±0.8
25以上30未満 ±1.0
30以上 ±1.2
2.2.4.4 平均車速及び平均走行負荷トルクの算出 平均車速及び平均走行負荷トルクは,次の式によって
求める。
1 k
Vjm Vji
ki 1
1 k
Cjm CjiCjs
ki 1
ここに, Vjm : j番目の測定点における平均車速 (km/h)
k : データセット数
Vji : j番目の測定点車速におけるi回目の車速 (km/h)
Cjm : j番目の平均走行負荷トルク (N・m)
Cji : j番目の測定点車速におけるi回目の往復平均走行負荷トル
ク (N・m)
Cjs : 車速のドリフトの補正項。Cjsは平均走行負荷トルクの±
5 %でなくてはならないが,αjが±0.005 m/s2の場合は,無
視してもよい。Cjsは,次の式で表される。
Cjs (m mr ) rj
ここに,m : 試験時車両質量 (kg)
mr : 回転部分相当慣性質量 (kg)
通常は空車質量の3 %とする。
rj : j番目のタイヤ半径 (m)
次の式によって求める。
1 Vjm
rj
6.3 2 N
ここに,N : 駆動輪回転周波数 (s-1)
αj : 平均加速度 (m/s2)。次の式によって求める。
k k k
k tiVji t
i V
ji
1 i1 i1 i1
j k k
6.3 k
2
ti ( t)2
i
i1 i1
ここに,ti : i回目のデータ測定時間 (s)
2.2.4.5 試験精度の検定 試験は往復各3回以上行い,試験精度pが次の基準を満足するまで繰り返す。
ts 100
p 3
k Cj
ここに, P : 試験精度 (%)
k : データセット数
C : 車速Vjにおける平均走行負荷トルク。次の式によって求める。
j
――――― [JIS D 1012 pdf 8] ―――――
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D 1012 : 2005
1 k
Cj Cjm,i
ki 1
ここに,Cjm,iは車速Vjにおけるi回目の往復各方向の平均走
行負荷トルク。次の式によって求める。
1
Cjm,i Cjmb,i)
(Cjma ,i
2
ここに,Cjma,i及びCjmb,iは車速Vjにおけるi回目の往復各方
向の走行負荷トルク (N・m)
s : 次の式で与えられる標準偏差
1 k 2
s Cjm ,iCj
k 1i 1
t : 2.2.3.1.3の表1のnをkに置き換えて与えられる係数
2.2.4.6 測定平均車速の精度確認 繰り返しk回のそれぞれの往復平均車速Vjm,iと,k回すべての平均車
速Vとの差は,±2
j
km/hでなければならない。 jV及びVjm,iは,次の式によって求める。
1 k
Vj Vjm ,i
ki1
1
Vjm ,i Vjmb ,i
Vjma ,i
2
V : k回の平均車速 (km/h)
ここに, j
Vjmb,i, Vjmb,i : 車速Vjにおけるi回目の往復各方向の平均車速 (km/h)
2.2.4.7 走行抵抗の決定 往復走行のそれぞれに走行抵抗を車速の2次回帰式で表す。
Ca c0 ac1aVc2 aV 2
Cb c0 bc1bVc2bV2
ここに, Ca,Cb : 往復方向それぞれの走行負荷トルク (N・m)
c0a,c0b : 往復方向それぞれの定数項 (N・m)
c1a,c1b : 往復方向それぞれの1次項の係数 [N・m/(km/h) ]
c2a,c2b : 往復方向それぞれの2次項の係数 [N・m/(km/h)2]
V : 車速 (km/h)
平均の走行抵抗は,次の式によって求める。
2
Cave c0 c1V c2V
ここに, c0 b )
(c0 a (c1a c1b ) c2 b )
(c2 a
c0 , c1 , c2
2 2 2
Cave : 往復の平均走行抵抗 (N・m)
c0 : 往復の平均定数項 (N・m)
c1 : 往復の1次項の平均係数 [N・m/(km/h) ]
c1は,c1Vが各測定点車速でCaveの3 %未満であれば0として
もよい。この場合,係数c0,c2を再計算しなければならない。
c2 : 往復の2次項の平均係数 [N・m/(km/h)2]
2.2.5 標準大気条件への補正
2.2.5.1 惰行法の場合 標準気温,大気圧及び無風状態への補正は,次の式によって行う。
2.2.5.1.1 一般的な補正法
F* [{( f0w1 ) 1V}] 1[{ K0 (T 20 )}]K2 f2V 2
ここに, F* : 修正走行抵抗 (N)
f0 : 定数項 (N)
f1 : 1次項の係数 [N/(km/h) ]
――――― [JIS D 1012 pdf 9] ―――――
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D 1012 : 2005
f2 : 2次項の係数 [N/(km/h)2]
w1 : 風補正値(N)。次の式によって求める。
w1=3.62×f2Vw2
ここに,Vwは試験路風速の絶対値の平均値 (m/s)
V : 車速 (km/h)
T : 試験路の平均気温 (℃)
K0 : 転がり抵抗の補正係数
K0=8.1×10-3 (℃-1)
K2 : 空気抵抗補正係数
T 273 100
K2
293 P
ここに,Pは試験路の平均気圧 (kPa)
2.2.5.1.2 測定点車速幅が狭い場合の補正法 測定点車速幅が50 km/h以下の場合には,通常,次の補正
法による。
a) 2.2.3.1.4のFjデータによって,走行抵抗を次の2項2次式に回帰する。
F' f0' f2'V 2
b) 各項係数の大気補正値を求める。
f0 '* 1[{
( f0 ' w1 )'K0 (T 20)}]
'*
f2 K2 f2 '
ここに, f0'* : 2項回帰式での定数項の標準大気補正値 (N)
f2'* : 2項回帰式での2次項の係数の標準大気補正値 [N/(km/h)2]
w1' : 2項回帰式での風補正値(N)。次の式によって求める。
w1' =3.62×f2 'Vw2
c) 大気補正後の走行抵抗を,次の式によって求める。
F'*
2
( f0 f0 )'f1V ( f2 f2 )'V
ここに, F '* : 修正走行抵抗 (N)
2項回帰式での定数項の補正による変化量 (N)
f0 'f0 '*f0 '
2項回帰式での2次項係数の補正による変化量
[N/(km/h)2]
f2 'f2 '*f2 '
f0,f1,f2 : 2.2.3.1.4で定義された走行抵抗の各項係数 (N),
[N/(km/h) ],[N/(km/h)2]
2.2.5.2 ホイールトルク法の場合 標準気温,大気圧及び無風状態への補正を,次の式によって行う。
2.2.5.2.1 一般的な補正法
C* c0 w2 c1V 1 K0 T 20 K2 c 2V 2
ここに, C* : 修正走行負荷トルク (N・m)
c0 : 定数項 (N・m)
c1 : 1次項の係数 [N・m/(km/h) ]
c2 : 2次項の係数 [N・m/(km/h)2]
w2 : 風補正値(N)は次の式によって求める。
w2=3.62×c2Vw2
――――― [JIS D 1012 pdf 10] ―――――
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JIS D 1012:2005の国際規格 ICS 分類一覧
JIS D 1012:2005の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISD0102:1996
- 自動車用語―自動車の寸法,質量,荷重及び性能
- JISD1030:1998
- 自動車―排気ガス中の一酸化炭素,二酸化炭素,全炭化水素及び窒素酸化物の測定方法
- JISK2202:2012
- 自動車ガソリン
- JISK2204:2007
- 軽油
- JISK2240:2013
- 液化石油ガス(LPガス)
- JISK2249:1995
- 原油及び石油製品―密度試験方法及び密度・質量・容量換算表
- JISK2254:2018
- 石油製品―蒸留性状の求め方
- JISK2255:1952
- 石油製品腐食試験方法
- JISK2255:2015
- 石油製品―ガソリン―鉛分の求め方
- JISK2258:1998
- 原油及び燃料油 ― 蒸気圧試験方法 ― リード法
- JISK2261:2000
- 石油製品―自動車ガソリン及び航空燃料油―実在ガム試験方法―噴射蒸発法
- JISK2265:1996
- 原油及び石油製品 ― 引火点試験方法
- JISK2280:1996
- 石油製品―燃料油―オクタン価及びセタン価試験方法並びにセタン指数算出方法
- JISK2283:2000
- 原油及び石油製品―動粘度試験方法及び粘度指数算出方法
- JISK2536:1996
- 石油製品 ― 成分試験方法
- JISK2541:1996
- 原油及び石油製品―硫黄分試験方法